記憶操作が能力の主人公が現代ファンタジーの世界で、生き残ろうとするお話です。

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1話

 

 今日は、俺の5歳になる誕生日で、今世の両親が俺の誕生日プレゼントを買ってくれると言って一緒にショッピングモールに行って、買い物を楽しんでいる途中だった。突然ショッピングモールに大きな乾いた音と悲鳴が響いた。

 

「全員、床に伏せろ!!」

 

 十人ほどの銃を持った男たちの1人が大きな怒声を上げた。

 誰もが混乱しながらも男の命令に従い、床に伏せる。

 

「俺たちは、異能反対派のものだ。今から、お前達には人質になってもらう」

 

 異能反対派とは、稀に超常的な力を持って生まれてくる人間がいる。その超常的な力をスキルと言うんだが、それらを持った人間の事を化け物と主張し排斥しようとする奴らのことだと、この間のテレビでやっていた。

 

「大丈夫よ」

 

 黙ってそんな事を考えていた俺を怖がっていると思ったのか、今世の母が抱き寄せてくる。

 

 そんな事していたら外からサイレンの音が聞こえてくる。誰かが通報してくれたんだろうか?

 

「誰だ通報した奴は!!」

 

 男たちの一人が怒声を上げる。

 

「まあいい、落ち着け。予定通りだ」

 

 男たちのリーダーらしき人物が仲間たちを落ち着かせる。

 

「予定通り、人質の開放条件を警察に伝えろ」

 

 リーダーらしき男が男たちの一人に指示を出し、男を一人外に向かわせる。

 

「お前たちは警察が要求を飲めば、解放してやる」

 

 無理だ。こう言う連中がする要求を警察が受け入れるわけない。どうせ、無茶苦茶な要求をしているんだろう。

 

 

 男たちが警察に要求を伝えて数時間が経過した

 

「くそ!!警察はどうして動かない!!」

 

 男たちの中の一人が苛立ちを示し始める。ショッピングモール内の空気もピリピリしている。

 

「リーダー、人質を一定時間で殺して行くっていうのはどうですか」

 

 男たちの一人がリーダーの男に悪どい顔をしながら提案している。その提案をリーダーの男は迷う仕草を見せながらも言う。

 

「今から三十分経つごとに人質を一人殺して行くと、警察に伝えろ」

 

 人質の誰もがその男の指示を聞き顔を強張らせる。

 

 チクタク、チクタク

 

 誰かの腕時計の音が静寂の中響き渡る。

 

「よし、三十分経ったな。一人殺せ」

 

 無情にもリーダーの男はテロリスト達に指示を出す。人質の中から選ばれたのは、偶然男たちの近くにいた女性だった。

 

 バンっ、ショッピングモール内に乾いた銃声がこだまする。

 

 悲鳴が上がる。誰かが、恐怖を我慢できなくなったんだろう。

 

「静かにしろ!!」

 

 男の怒声が日々わたり、ショッピングモールに再び耳が痛くなるような静寂が戻る。

 

 それからと言うもの、三十分経っては、人が殺され、三十分経ったは、人が殺される、を繰り返し最初を多く感じた、人質の数も少なくなったように思えた。

 

 さらに三十分経ち、とうとう俺の家族の番が来た。

 

「頼む!!家族だけは!!」

 

 父が、銃を持って近づいて来た男の足にしがみつくように頼み込む。

 

「邪魔だ」

 

 そう言ったテロリストの男は、父の額に弾丸を放つ。それを受けた父は仰向けに倒れる。

 

「いやぁ!!あなた、目を覚まして!!」

 

 母が父の死体に縋りつき子供のように泣き喚く。

 

「おい!!静かにしろ!!」

 

 近くにいた男が母に対して怒鳴りつけるも、錯乱状態の母の耳には届かない。

 

「チッ、おい、静かにさせろ」

 

 その指示を聞いた男が母に銃口を向け、引き金を引く。母も父同様に動かなくなる。

 

「なんだ、このガキ。両親が死んだのに泣きもしねぇ」

 

「おそらく、何が起きたか分かってないんだろう」

 

 俺の周りに男が二人集まっている。一人は粗野だが、もう一人は物腰柔らかのようだ。狙うならコッチだな。

 

「おい、どうした」

 

 固まっている俺を不思議に思ったんだろう。物腰柔らかな方がこちらに手を伸ばしてくる。

 

 俺はその手をできるだけ自然な動作で掴みとり生まれ持ったスキルを発動し、男に向かってこう言った。

 

「助けて、()()()()

 

「ハハッ、お前の父親はさっき死んだっつうの」

 

「ああ、もちろんさ」

 

 物腰柔らかそうな男が粗野な男に向かって発砲する。

 

「は?」

 

 その言葉を最後に男は動かなくなる。突然なった銃声を不思議に思い、男たちはこちらに視線を向ける。

 

 そんな男たちに向け、物腰柔らかそうな男が次々に発砲する。

 

 しかし、このままでは多勢に無勢だ。

 

 そう考えていると、幸運にもテロリストの一人と()()()()。すかさずその男にスキルを発動する。

 すると、その男はさっきまで味方だった者たちに発砲し始める。その目には憎しみの炎が燃えている

 流石に、冷静を取り戻した男たちは銃を打ち始めた者たちに銃口を向けるが、さっきまで仲間だった者に引き金を引く事を躊躇っている。

 

 ハッ、馬鹿め。

 

 男たちは一人、また一人と数を減らしていく。ついに、最後まで残っていたリーダーの男も胸に銃弾を受ける。

 

「な・・・・んで」

 

 それを最後に、もの言わぬ死体になった。うーん、見た感じみんな死んでるかな。

 

 さて、後は・・・・・

 

「ちょっと来て」

 

 スキルを使った男たちに手招きをして呼び寄せ、ついてくるようお願いする。

 

 生きている人質に順番に触れ、スキルを発動する。

 

 男二人が急に仲間に向け、発砲を始めた。それを見て恐怖で気絶したって感じでいいかな。

 

 最後の人質に向けスキルの発動を終わらせる

 

「よし、終わり。後は・・・・・」

 

 ついてきていた、二人に向けてスキルを発動する。

 

 ぽた、ぽた、と涙を流し始め二人は、手に持っていた銃を自分の額に向ける。

 

「じゃあ、バイバイ」

 

「ああ」

 

「さよなら」

 

 二つの銃声が響き渡り、二つの死体が出来上がる。

 

 ドタドタ、こちらに向かい走ってくる、複数の足音が聞こえる。おそらく警察だろう。

 

 足元の両親の死体に向け縋り付き、涙を流して見せる。

 

「おがあざん、おどうざん」

 

 これだけすれば、いいだろう。

 

「人質と、立てこもり犯の複数の死体を発見」

 

 後は、警察に保護してもらうだけだ。


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