ウマ娘の発育と、トレーナーについて   作:hk33

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マックイーン
クリスマスですわ~


 

 

 

 

 朝。

 目が覚めたら、担当のカツラが枕元に置いてあった。

 多分、きっと、サンタさんからのちょっと遅れたプレゼント。

 

 俺は決行するぞ……! 

 

 

 

 

 クリスマスも終わり。今日からは、すっかり正月への準備という空気のトレセン学園。

 しかし、そんな空気をぶち壊そうとする存在がいた。

 ミニスカサンタの格好に、手にはサンタの必需品。担当のカツラを着けて、ついでに胸は担当より盛っている。

 ──そんな不審者。俺である。

 

「たのもーう!」

 

 入室と同時の声掛け。

 これによりこの場の空気は俺が支配したと言っても過言ではない。

 このまま畳み掛ける。

 

「おほほほほ!そこをお退きなさい!私こそ真のメジロマックイーンですわ!」

 

「なっ……!いきなりどなたですの!?何故そんなに私にそっくり……!?」

 

 ククククク……!狼狽えているな、マックイーン。

 今年こそ、この正月の間だけ成り代わってやるぜ! 

 

「おほほほほ!貴女もマックイーンを名乗っているのなら、演技などお手のものですわよね?」

 

「え、演技……?いえ、私は演技の経験は……」

 

「おほほほほ!演技で勝負ですわ!勝った方が正月明けまでメジロマックイーンですわ!」

 

「な、何故お正月まで……?って嫌ですわ!?お断りします!私になんのメリットもありませんもの!」

 

 ふっ、そう言うのは既に想定済みだ! 

 俺は両手に抱えていた袋から、対メジロマックイーン秘密兵器を取り出す。

 

「ジャジャーンですわ!これは某有名パティシエの作った某有名ケーキだー……ですわ!」

 

「な、なんですって……!?私も未だ食べたことのないあの……!?」

 

「そうですわ!これが食べたいなら勝負しろですわ!」

 

「勝負を受けるだけで食べられるのですか……?」

 

「勿論ですわ!勝負事とはいえ、相手へのリスペクトは大事ですわ!」

 

「私、貴方のことを勘違いしていたかもしれません……」

 

 こんなことで目を潤ませているマックイーン。

 チョロい。チョロ過ぎる。

 我が担当ながら心配である。

 しかし、勝負は勝負。マックイーンのこの善良さを利用させてもらう……! 

 

「勝負は、貴女の担当トレーナーのものまねですわ!どちらが似ているかで勝負ですわ!」

 

「トレーナーさんのものまね……」

 

「では、私からいきますわ!」

 

 この勝負、俺の勝ちは決まっている。

 何故なら、本物が偽物に負ける道理なんぞ存在しないからだ!!

 最悪デザートあげたよねって言えば、マックイーンなら負けてくれるだろうし。

 

「では、僭越ながら。ごほんっ……ようっ!マックイーン!おはよう!」

 

「違いますわ」

 

「うぇっ?」

 

「私のトレーナーさんは、そんな底抜けに明るそうな態度は私には見せません」

 

「い、いやいやいや、こんな感じだろ……ですわ!」

 

「いいえ。私のトレーナーさんはもっとひねくれております」

 

「なっ、ひねくれてなんかないやいっ!……ですわ!」

 

「いいえ、私は三年もの間間近で見てきたのですから。私に対する目の色、声色、一挙手一投足全て把握しております」

 

「えぇ……」

 

 こわ。

 

「あの方の私に対する態度は一言で表せるものではありませんわ。私の生まれへの嫉妬。私の美貌への嫉妬。私の才能への嫉妬。私のあらゆるモノへの嫉妬の色を見せてくださいました。それと同時に、私との関係が深まるに連れて、好意。憧憬。尊敬とその瞳の色は深くなり、態度も軟化していきましたわ。つまり、私のトレーナーさんのものまねをするのなら、まずはその無駄にキラキラとした眼差しを止めて、濁りきった死んだ魚の目にしてきて下さらなければお話になりませんわ」

 

 なんだこいつ。

 

「うるさいやい!オマエみたいな小娘に語られるような浅い人間じゃないやい!」

 

 もう勝負なんぞしていられん! 

 こんな年下の小娘に、分かったような口を聞かれるのは我慢ならん! 

 俺は出ていかせてもらうっ! 

 

「あっかんべー!」

 

「ああっ、お待ちになって──」

 

「待てと言われて待つやつがあるかい!」

 

 

 

 

 

 

 バタンと強く扉を閉じて、一日遅れのサンタクロースは出ていってしまった。

 

「はぁ……」

 

 結局、今年もまた一緒に過ごせませんでしたわね。

 彼が置いていったケーキを切り分け、一切れを自分ようの皿へ。

 きっと、何食わぬ顔で戻ってくる彼の分も残しておく。

 

 ひねくれたあの人は、クリスマス当日を絶対に一人で過ごす。それは、私の担当になる前から変わらないと彼のご両親は仰っていた。

 

「小娘だなんて……貴方もそう年は変わらないでしょう……」

 

 ──あぁ、それにしても。先程までの彼の姿を思い出す。

 彼は私の写真を一枚も持っていない。だのに、あそこまで完璧なコスプレをしてきてくれたのには、きっと──

 

「可愛いですわね、トレーナーさん」

 

 急いで自室へと戻り、着替えるトレーナーさんのお姿を眺めながら、ケーキを一口。

 

 これが、愛──ですわよね?

 

 

 





 メリクリ(激遅)ですわ~。
 と言うことで、せっかくならクリスマスの話を書こうと思ったらこんなお話になりましたわ~。
 当初は、胸爆盛りのマックイーンサンタ(トレーナー)の胸をマックイーンがビンタするとかいうギャグ路線を考えてたはずなのに不思議ですわ~。

 前回、ここすき・感想・評価・お気に入りしてくださった皆さんありがとうございました!

 今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。また次回もよろしくお願いします。

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  • おっぱい
  • トレーナーの奇行
  • ウマ娘の奇行
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  • コメディ
  • 突然の怪しい展開
  • 物語性
  • 貧乳こそステータスだ!
  • トレーナーの尻
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