「あら、面白い話をしてますね、とても興味がそそられます、少し混ぜてくれませんか?」
「あなたは?」
「ああ、私は
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「す、すごい、本当にあの傷が治っちゃうなんて」
「すご~い」
「っと危ないから離れろまだナイフ持ってんだから」
傀偽の傷が再生すると、それに驚く風音と、突進する美波。
「その心配はない、美波も不死身だ」
「……」
「これで四人目か、どうなってんだ?この島は、休ませる気ないな、本当にブラック企業だ」
「えっと、死強さん?」
「ん?ああ……取り敢えず少し遊んでこい、ただし敷地内だがな」
「そうね、気分を変えるのもいいかもね、私が見ておくわ」
新たな不死、子供の相手を鶴が引き受け、残る三人は、美波の不死について話し始める。
「頼んだ…」
「結構一緒にいるけどわからないもんだな」
「ああ、だが不死になった次期なら予想できる」
「伝承に巻き込まれたのか?」
「いや、もっとひどい、美波は島の住人じゃなかったからね」
「だったらなんで」
「美波はここにくる前酷いイジメに遭ってるんだ」
「?!」
「物事をうまく記憶できない美波をからかって、その行為はどんどんエスカレートしていった。親に捨てられた美波には、助けてくれる親もいなくて、余計にやりやすかったみたいだ。そして、ついに最悪の事故が引き起こされた」
「……事故?」
「ああ、海で溺れたんだ、」
「正確には【溺れさせられた】が正しいがな、そして
「ちょっと待て!三日も海にいたのか?!いくらこの島の海龍がおかしいからって」
死強がさけぶ、三日も海を彷徨っているのに、生きているのも不思議だ、何より発達障害は以前から持っていたもの、海での漂流は関係ないのだ。
「…ああ、その割には傷もなく、奇跡的な生還ということになった、その後間もなく、アイツはこの島に越してきたわけだ。アイツが不死になったのは、島に漂流したときだ、生まれつき不死だったわけではない」
「なるほどな、じゃあやはり海が関係するのか…」
「おーい、」
「時間切れみたいだな、いったんこの話は終わりだ、鉄さん鶴さんにもこのことは伝えておいて」
「了解した」
新たな不死の誕生経緯、関わるのは海だが、詳しいことは分からない。
そこに気分転換を終えた美波と風音が戻ってくる。
「傀偽!虫採りいこ!」
「虫だと、外のになるだろ、今日は外に行くな」
「えー」
「当たり前だろ、誰が不死身を狙ってるか分からねぇんだから」
「そういうことだ、おとなしくメンコでもやってろ」
「いや、遊びのセンス古すぎるだろ」
不満を漏らす、美波に理由と代案を出す傀偽と死強。センスの古さは、種族のせいだろう。
「死強はどうするの?」
「悪いが俺は大人同士で話があるからな…」
大人同士の会話、言わずもがな、不死を狙ってきた、鵺と鈴鹿との話だ。
「鵺と鈴鹿だっけ?まぁ払わって話そうや、」
「……」
「どうした?さっき締め上げたせいで喉でもつぶれたか?」
「後ろにいる不死身はお前の非常食か?死神」
「おい、喉裂いて喋れなくすんぞ」
「…おー、こっわい顔するなぁ」
非常食かと問われた質問に激怒する死強、それを言った鵺は余裕そうだ。
「あいつらは人間で子供だ、次に食料扱いしてみろそん時こそ本当に地獄送りにする!」
「不死身は
「当たり前だ!」
不躾な質問に声を荒げる、意外と言うべきかその言葉は二人をわずかに動かした。
「…優しいんですね、本当に死神ですか、アナタ…?」
「死神だからこそだ、知ってるか?子供は死んだだけで賽の河原という地獄に落ちる。毎日泣きながら石を積み上げる子供達、血まみれの手、ただれた足、過酷な環境で息絶えても、死の概念がない地獄では、死ぬことさえ許されない、親より早く死んだという理由で、本人は望んで死んだわけでも、ましてや苦しむために産まれてきたわけじゃない……まぁいちいち感傷に浸ってるようじゃあ、死神なんてやっていけないがな、救いようがないことだってわかっている……だから!幸せを願うんだ!!当たり前だろ、」
目に涙を浮かべながら叫ぶその言葉は、多くの死と罪、そして人の生き様、それを見てきたからこそのものだった。
「……いいだろう、ただし条件がある」
「てめぇこの期に及んで何を」
「大変刺激が強い話だ、不死身が人間というのなら、子供に聞かせるのは控えたほうがいいと思う」
「……悪い、止められなかった」
「庭で、遊んでこい…」
怒りと感傷、それにより判断が鈍っていた、それでも子供を引かせるその言葉は、強く響く言葉だった。
―――――――――
「ん~~なんて美味なんでしょう!おかわりはあるのでしょうか?」
「金払ってくれれば出しますけど」
「いや〜良き甘味に出会いました、これとこれもください」
「そんなにおいしかったんですか?」
カフェで、黄泉鬼縁が甘味を片手に風奈達と向き合っている。
「そうですね怪異にとっての不死身もこんな感じなんでしょうか」
「やっぱり、アナタ、不死について何か知っていますね」
「ええ、先ほどまでのあなたの推測大変見事です。その通り不死身は、複数います。
「毎年起こる行方不明事件、と言うのは表向きの話、怪異による不死身狩りでしょう」
不死身とはなんなのか、なぜ存在するのか、こちらでもその答えに迫りつつあった。
「おや、もうそこまでたどり着いていたのですか、」
「ええ、憶測ですが。不死に釣られた怪異が人を襲うことで被害が出る、これが毎年起きていれば、【死神の神隠し伝説】と一致します。未練を残した霊が怪異が魂を癒しにやってくる、この伝説も不死が原因のものでしょう」
「あっ、そうか不死が島に怪異を呼び寄せることでその伝説が生まれたんですね、と言うことは夢言と言うのは噂のことですか?それでも最近は被害がありませんが」
少ない事実と島の伝承、そこから不死について導き出すのは困難だ。それをさも的当かのように話す風奈に穂香の新たな疑問がぶつかる。
「それは簡単です、ここ数年は傀偽さんが夜廻をしていたからでしょう」
「素晴らしいですね、では…なんのために不死が怪異を引き寄せているか」
「エサだからでしょう。怪異を強化し肥え太らせるための、ここから導き出される答えは、強化された怪異を喰らう上位存在がいる、それこそが神隠しの元凶、不死身たちの母」
「当たりです、私達は、それを島の悪魔と呼んでいますが、私達百鬼家が数年前に倒したはずの化け物です。不死身は普段人間の様に振る舞っている。ですがその本質はあくまでもエサ怪異に喰われることだけが彼らの存在意義、人々を不死に変え怪異を喰い、復活を企んでいる
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「私達は悪魔の退治に来たんですよ」
「これ以上犠牲を出させないためにも、」
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「先にエサを片付けることにしたって?だとしても、俺を拘束する理由にはなっていないだろ」
「いやお前、鬼だろ、もし悪魔にでも喰われたらその瞬間に復活してしまう、鬼の頭領、酒呑童子ならばなおさらだ」
「俺がその悪魔とやらに遅れを取るってか」
「ああ、怪異は絶対にあの悪魔には勝てない、だがあの者なら…」
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「鬼縁ならこの事態に終止符を打てる…今度こそ…」
それ以上は何も喋らなくなった、まるで電池が切れたように、
『不死身は怪異を釣るためのエサ、なら、傀偽もそうなのか?あいつに付いていこうと、従おうと、そう思わせる雰囲気も、怪異の本能からくるものだったのか?』
「ちっ、クソ、」
「また負けた!」
「本当に弱いなお前」
「なんでだ、ただ紙をひっくり返すだけだろ」
「おい、終わったぞ…なんでメンコよってんだ?」
「傀偽が進めたんだろ、まぁ取り敢えず相手してやってくれ俺は普通に出来ないのと少しトイレに言ってくる」
「わかった」
「さて、お腹空いてるか?」
「…なんのようだ不死身」
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作物に水を与え育てるように
怪異に、妖怪に不死を喰わせて肥えさせなさい