黄泉❛心縁〜咎が縁を結ぶ〜   作:紡縁永遠

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過去回想です、拙い英語が出ます


桜花と神風

 『さすがだなぁ風師(ふうし)お前の指揮のおかげで今日も勝てた、』

 『そうか』

 

 時は第二次世界大戦、見鬼の才をもった、夏黄泉の島の出身の男が、大日本帝国海軍航空隊に所属。天狗と共にお国のためと空を駆けていた。

 

 『…今日も、神風で多くの仲間が散っていった』

 『…そうか』

 『お国は、完全なる特攻兵器に手を付け始めた。名を桜花だそうだ、』

 

 神風、正式には神風特別攻撃隊、第二次世界大戦中に大日本帝国海軍によって編成された、体当たり攻撃部隊(特攻隊)を指す。爆装航空機による攻撃と、その攻撃を直接掩護・戦果確認をする部隊で構成された。攻撃目標は敵の艦船。十死に一勝いや、十死に零勝の攻撃方法。

 そして桜花とは、第2次世界大戦末期に日本海軍が開発した有人ロケット兵器で、人間爆弾とも呼ばれた物。そして、神風特別攻撃隊は、帰ることも出来るが、桜花の搭乗員は一人で、高度計や速度計など最低限の計器しかなく、着陸用の車輪もない、つまり 一度出撃したら、必ず死に至る兵器だったと言える。

 

 『俺はぁ乗るよ、神風でも桜花でも』

 『それは!』

 『分かってる今までの策だって、俺を守るためのものだろう、隊のものも、お前の軍略は認めているだから、俺が散ったら、隊を頼むよ』

 

 国のために死ぬことを誉れとされるこの時代、戦果を挙げれば、国に認められ重宝される、特攻兵器になる確率を減らすことが出来る。多くの命を奪った咎を背負って、

 

 『米人が、愚か者だという、覚悟もなく、強制されて一度だけ飛ぶことを許される若人に掛ける言葉じゃない!』

 『それは、分かっている。だがなぁ風師、お前も理解しているだろ、アメリカァ討たんと、終わらんことぉな』

 『隊長…』

 『おぉ来たか、次は台湾だぁ、神風もいる確実に送り届けるぞ』

 『っ……はい!』

 

 このの部隊にいるものは基本、見鬼をもつこれが終わればもっと少なくなる。何のために己を断って戦い、散ってなお、魂となり戦おうとするのか、ホワイト・ゼロ・ファイター米国を通って大日本帝国に届いた、破壊された零戦の、ボロボロとなった空虚に乗って、戦おうとするのか。

 ホワイト・ゼロ・ファイターとなって戻ってこないように、送り届ける、それがせめてもの償いだと、ついをなす色と零戦の名をのせて、零黒と名乗って動いていた。

 

 

 

 『今日は幾つだぁ』

 『……十六人です』

 『…………そうかぁ…二人かぁ』

 『……はい……』

 

 

 送り届けると、大層なことを言ったが、送り届けられずに散っていく者の方が多かった。日に日に減っていく自軍の味方、戦果もまともに挙げられず、マイナスとなるばかり、とうとう、痺れを切らしてか、一人の団員が声を上げる。

 

 

 『……隊長、私は、行きます!』

 『それはぁ…特攻か?』

 『…っぅ、はい!』

 『前にも言ったよなぁ…俺より先に死ぬなと、それを違えるかぁ…?』

 

 

 ここにいるものは皆、隊長を信じていた。信頼していた。それでも、現状、零黒の周囲の視点からは、たいそうなことを掲げる割に、大したことがないと、そう言われていた。

 だからなのだろう、自信が特攻で成果を上げれば面子は保たれる。隊長を失わずに済むと、

 

 『……はい!』

 『そうかぁ…実はなぁ…この部隊にもな、特攻志願書が来てんだぁ…どうする?俺は書いて欲しくない、ここに名を書くのなら、俺がかく、』

 『桜花の制作が終わりを迎えると噂で聞きました、あなた今死ぬべきではない!』

 『そうです!』

 

 口々に、隊長を重んじる言葉が投げかけられる。もう、後はない、だから、許可を出してしまった。

 

 『いいだろぉ…次で出るやつに通達しろぉ…全力で守れと』

 『…………はい!』

 

 結果は、その時に飛んだ神風特別攻撃隊は全員、成果を上げた。それでも評価は上がらず、多くの志願書が届いた。中には桜花の完成を知らせる書と、それに志願者も含まれて。

 

 

 『桜花かぁ…』

 『隊長!どういうことですか?桜花に乗るなど』

 『全開で隊の一部が散った。そろそろ俺の番だぁ…』

 『だめだ!』

 『……お前もぉ、そう言うかぁ。でもなぁこれは定めなんだ、しっかりと送ってくれよぉ………』

 

 風師の反対を押し切って、志願書を提出に、その日から零黒は死櫻と名を変えた。国の上層部は、桜花のための舞台だと大層喜んだそうな。

 

 『守るよ、米人なんぞに殺させるか!』

 『頼もしいなぁ…風師。頼んだぞ』

 『ああ…』

 

 その日桜花を乗せた一式陸上攻撃機を死櫻が護衛するという形で、鴉天狗の式のもと飛び立った。

 

 『〈雷櫻〉……一機』

 

 生身で飛んで、刀で戦闘機のエンジンを叩き切って落とす。体を張って一式陸上攻撃機を庇い、尚最前線で刀を振るい。桜花を守る。それに堪えるように、他の零戦も敵軍を、捌いて行った。

 

 『すみません隊長』

 

 死櫻所属のものは、敵を落とす過程で、道連れという方法を取りながら、進み、とうとう、桜花の射程内に入った。

 

 『It's cherry blossoms! It's a human weapon!(桜花だ!人間兵器だ!)

 

 死櫻の前に桜花は幾度も試作機が突っ込んで言った。桜花の名は敵軍にも知られていたのだ。

 

 『Drop it! Drop it! Don't let me get close(落とせ!落とせ!近づけさせるな)

 

 『ぐぅっ……まだ…あいつが飛ぶまでは!』

 

 風師も、人ならざるものとは言え兵器からの攻撃を受け風前の灯だった。

 

 『がぁッ……!』

 

 空母の攻撃を防ぎ、何とか切り離しの準備を整える。一式陸上攻撃機は燃え、墜落寸前で、死櫻も全て散った。

 

 『言ってくる…ありがとぉなぁ…』

 『はい……隊長』

 

 『行け、【桜花】!』皮肉だよなぁ己の名と同じ兵器があるのだから。

 

 エンジンを全て点火し、空母に突っ込む、弾幕を張っていたがものともせず、機体にぶつかった弾幕が火花を散らしそれが花びらのように舞って、空母にぶつかり真っ二つに割る。遅れて爆音が響き、死櫻は完全に散った……

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