モモイとミドリが喧嘩する話。

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「私、ミドリをベースのしたレプリカだからさ」

「は?」

これは少し外れた姉妹がいつも通りの日常を送る物語。


レプリカモモイのある日の事

「ミドリも中学生か。時が経つのは早いな」

 

「うん…」

 

「なんだ?元気ないな。せっかくめでたい日だと言うのに」

 

「そんなおめでたい日かな…?」

 

「…はぁ。それなら、ミドリの言うことをなんでも1つ聞いてやろう」

 

「…なんでも?」

 

「ああ、私は天才だ。不可能なことなんてないからな」

 

「それなら…独りは寂しいから、お姉ちゃんが欲しい」

 

「姉か。丁度いい。私に任せておけ」

 

「ほんとに?」

 

「言っただろう?不可能はない」

 

 

 

 

「おねえ、ちゃん?」

 

「ああ。これが私からミドリへの贈り物だ」

 

「ほんとに?」

 

「本当かどうかは、これで決まるがな」ガコン

 

ウィーンガガガガガガガ…

 

「…」ムクッ

 

「ははっ。やった。成功したぞ…!やはり私は天才だ!」

 

「おね、ちゃん…」

 

「ん?ミドリ?どうしたの?」

 

「えっ…いや…」

 

「って!!何で私裸なのさー!?服はどこー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん」

 

今日はアリスちゃんとユズが用事があるからとゲーム開発部はお休み。だからいつもの私達の部屋、ゲームをしている私たち、いつもと変わらない風景。

 

「んー?どうしたの?」カチャカチャ

 

ゲームをしている時は周りの態度や声色に気が付かないのもいつも通り。私達姉妹のよくある光景。

 

「私のプリン知らない?」

 

ギクッ「…シラナイヨ?」

 

「前に同じことがあった時、蓋に名前をつければいいって話になったよね」

 

「そうだね…」キョロキョロ

 

「私ちゃんと名前書いてたはずだけど、何で食べちゃうの!」

 

「あぁーっと、シナリオを考えるのにどうしても糖分が必要で…」

 

何て事のない日のはずだった。だけど、今日は少し違った。

 

「嘘つき!昨日はあったの確認してるからね」

 

「うぅ…新しいプリン買ってくるから許して〜!」

 

「そうやっていつもいつも騙して。今日という今日は許さないよ」

 

「ム…。それを言うならミドリだってこの間の新作のゲーム勝手にプレイしたじゃん!一緒にやろうって約束だったのに!」

 

「なっ、それは!お姉ちゃんがシャーレの当番だったから」

 

「私もすごい楽しみにしてたのに!同じじゃん!」

 

「それとこれとは別でしょ!?そもそもちゃんと連絡したし!」

 

「当番中にモモトークなんて見ないよ!同じだ同じー!」

 

ここまで口論になるのは中々ないことでどんどんヒートアップしてしまう。どっちが悪い悪くないとあれこれ言った後

 

「もー!ミドリが謝ってくるまで許さないんだから!」

 

「そう!じゃあもういいよ!お姉ちゃんなんか知らない!勝手にすればいいじゃん!!!」

 

最悪な発言をしてその場から立ち去る。

ドアを閉める直前お姉ちゃんが何か言ってた気がするけど気にせずにそのまま家を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってさ〜!確かに私の方がちょ〜〜っとだけ悪いけど、そこまで言わなくていいじゃん!」

 

「はいはい。分かったから」

 

ユウカー!と勢いよくここに来たのが10分ほど前。ノアとコユキは仕事で外出しているから丁度一人だったのもあり、そこからミドリと喧嘩したあれこれを聞かされ続けていた。

 

「ひどいよユウカ〜!話聞いてー!」ブンブン!

 

「こっちは仕事中なの。出て行きなさい」

 

いつもなら多少なりとも聞く余裕があったかもしれないが(実際に聞くかはわからない)今日はかなり忙しいこともあって正直邪魔である。

 

「じゃあ資料の整理手伝うから聞いて!」

 

「そこまで…。アリス、ユズかマキ辺りに聞いて貰えばいいじゃない」

 

「いたらこんな所来ないって!」

 

「何ですって?」ゴゴゴゴゴ

 

「いやぁ!どうしてもユウカに聞いて欲しいなー!」

 

自分のかわいさを最大限活用してこちらに媚びてくる。

 

「…はぁ。そこの資料色別に分けてもらえる?」

 

「うん!任せて!」パァァ

 

まったく。問題児スレスレのくせに周りに好かれているのはこの明るさと愛嬌のせいなのだろう。かくいう私も生意気な可愛い後輩くらいに思ってしまっている。

朝からずっと作業で集中力も限界だし少し休憩しようか。私は立ち上がってコーヒーの準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「で?ミドリと喧嘩したって?別に珍しいことでもないでしょ?」

 

「そうだけど…色々言い争いになって、お姉ちゃんなんて知らないって…」

 

「…確かにそこまで言うのは珍しいわね」

 

何度もケンカの現場は見ているけれど、理論的に追い詰めていく感じで感情的に言うイメージはない。たまにバカとかは聞こえるが。

 

「まああなたと違ってミドリは姉にも気を使ってるってことでしょ」

 

「そうなんだよねぇ…。妹以前にお母さんなんだから別にいいのにねー」

 

ツッコまれる前提で話していたので普通に返されると罪悪感がすごい。それにお母さんって…。

 

「ねえ、お遊びで何度か言っているのは聞いたことあるけど、そのお母さんって何なのよ?」

 

ミドリの方が大人っぽいからふざけて言っているのかと思っていたけど、今のモモイを見るにそうではなさそうである。

 

「あれ?ユウカには言ってた気がするけど?」

 

まるで子供の内緒話を言うかのようにとんでもない事実を言い出した。

 

「私、ミドリをベースにしたレプリカだからさ」

 

「は?」

 

「3年経った今でも気にしてるみたいでさ。そんなこと気にしなくていいのにねー」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ははっ。それで私の所に来たわけかい?」

 

「はい…」

 

あの後特に行くあてもなく、かと言って誰かに愚痴を言いたい気分であったので先輩の家に転がり込んだ。

 

「別にいいじゃないか。喧嘩なんてどんな家庭でも起こるものさ」

 

「そうですけど、でも私は」

 

「我々は結構な業を背負っているから同じじゃないと?」

 

「はい。勝手にお姉ちゃんを作っておいて、もう知らないなんて…売り言葉に感情的に言ったとはいえ、最低なことを…」

 

この先輩は天才というやつで、普通の人には理解できない論理やら何やらを次々開発するような人だった。多分、ミレニアム生徒でも3割が理解できればいい方だと思う。

だからこそ、お姉ちゃんが欲しいという私の願いをたった1年で完成させてしまった。…覚悟も責任も曖昧なまま。

 

「まあ、姉であり母でもある構図は普通ではないだろうな。それに、本人が認知済みとあっては尚更」

 

「そうですね…あの時はびっくりしました」

 

 

 

 

「ねえ先輩?何で私だけ健康診断は先輩がやるの?」

 

モモイが誕生してから最初の健康診断の日。この日、私はモモイから様々なデータを取得する気でいた。このデータを元に学会で発表すれば、私は名実共に技術力で連邦生徒会長を超える存在となるだろう。

 

「モモイの身体は特殊でな。天才である私にしかわからない。この説明何度目だ?」

 

「そっかー」

 

足をぷらぷらさせながらなんてことない出来事のように呟く。

 

「まあ普通機械からは生まれないもんねー」

 

「…何だと?」

 

衝撃の事実を言われ、私の思考はそんなところではなくなった。

創られた存在だと知っていた?製造段階で出力をミスしたか?自身がレプリカである事実はプログラムなどしていない。私がしたのはミドリが妹であることとその記憶。そして前向きに物事を判断できる思考プロセスだけ。

 

「いつから知っていた?」

 

「生まれた時から?いやー。最初はびっくりしたよね!目が醒めたら私は機械だって事実があって、しかも妹になりたい子が泣き顔で目の前にいるんだもん」

 

はじめから?ではなぜモモイは何事もなくミドリと過ごせている?なぜ与えられた役割に疑問を持たない?この子は……

 

「先輩?」

 

「…すまない考え事をしていた」

 

「そっか。ねえ先輩。ありがとうね」

 

「それは何に対してだ?」

 

話の流れが読めない。何故この会話からありがとうが出てくる?

 

「私を創ってくれてありがとう。ちゃんと言ってなかったと思って!あと、ミドリと過ごすのを許してくれてとか?」

 

「それは私がプログラムしたものだ。お前の感情じゃ」

 

「でも、ミドリって可愛いし、私が知らないこと沢山知ってるし、教えてくれる。たとえこの気持ちがなくても好きになっちゃうような魅力的なものを持ってるミドリが、家族になりたいって言ってくれるのは幸せなことじゃない?」

 

この子は…モモイは強制的に与えられたものを理解して、拒むわけでもなく、頼るわけでもなく、自分の意思だと受け入れている。

それは、一体人間と何が違うと言うのか。いや、我々よりもずっと…。

 

「…ははっ。それはそうだな。私もそう思うよ」

 

実験は失敗だな。人が背負える罪の重さを軽々と超える生物を生み出せてしまう機械なぞ扱えるわけが…

 

「でしょー?だからお父さんありがとう」

 

「おいちょっと待て。お父さんとはなんだ」

 

「だってミドリがお母さんなら先輩はお父さんじゃん?」

 

「お姉ちゃん迎えに…」ガチャ

 

「お父さんは止めろ!」

 

「いいじゃん別に!あ!ミドリどう思う!?」

 

「どう思うも何も私は父さんじゃないだろ!?」

 

「先輩!?どう言うことですか!?」

 

 

 

 

「まさか恋人ができる前に親に、しかもお母さんじゃなくてお父さんとなるとはね」

 

何があるかわからないものだと笑っている先輩を見ていると先輩が強い人間だと思い知らされる。

 

「先輩は強いですね…」

 

「そう見えるかい?まあそう振る舞っているのだからそう感じるのは正解だろうな」

 

「振る舞ってる…?先輩が?」

 

「そうとも。こうでもしてないと罪に押しつぶされそうなのだよ」

 

はじめて見る先輩の弱気な姿。いつもの強さなんて全く感じられない疲れ切った女の子がそこにいた。

 

「今でも私は欲に溺れてモモイを創り出したことを後悔している。モモイが不自由なく生活できるように全力を尽くすことで罪滅ぼしをしているのさ」

 

「まあ、ミドリからすれば無理矢理罪の片棒を担がせた人間が何を言っているのかと思うだろうがね」

 

「そ、そんなことないです!確かに普通の姉妹じゃないのかもしれないけど!今でも後悔はあるけど!でも、すごく感謝してるんです!こんな幸せで、苦しくて、でも楽しい生活が送れているのは先輩のおかげだから」

 

「…そうか。ならやること1つだな」

 

弱気な先輩が再び消え、そこには子供の相談に乗る親のような優しい先輩の姿があった。

そうだよね。ちゃんと仲直りしないと。

 

「はい!」

 

ピンポーン

 

「ちょうどお迎えだ」

 

「お姉ちゃ

 

「ちょっとミドリどう言うことなの!?説明してもらうからね!!」

 

「ユウカ!?どうしてここに!?」

 

「そんなこと後よ!とりあえずミレニアムに来なさい!」

 

「…ユウカ、先輩の家に無断で入るとは中々大胆だね」

 

「先輩!?丁度よかった先輩も来て下さい!」

 

「私もかい?」

 

「そうです!ほら!」

 

「どういうこと!?」

 

「ははは…モモイが何かやらかしたんだろう」

 

早速覚悟が揺らぎそうです。

 

 

 

 

 

「暇だー!ゲームしたーい!」

 

ミドリを連れてくるから大人しく待ってなさい!と一人応接室に閉じ込められて絶賛暇中。暇で死んでしまう!

 

バンッ「お姉ちゃん!」

 

「ミドリ!」

 

「お姉ちゃん…その、ごめん」

 

「え?何でミドリが謝るの?」

 

予想外の言葉にあれこれ言いたいことがどっか行ってしまう。

 

「だって私お姉ちゃんに酷いこと言ったから…」

 

「あれくらい普通じゃない?それに悪いのは私なんだし」

 

「でも…」

 

「やっぱり、お母さんなのが気になる理由?」

 

「っ…そう。私の身勝手な理由で居てもらってるのにあんなこと」

 

「…ミドリのバカ」ペシッ

 

「痛っ!?何するのさ!」

 

気にしてるなとは思ってたけど、私がミドリといることを望んでいないと思ってたってことでしょ?それは意義ありだよ!

 

「アリスにも言った!私が何者かは私が決める!私はミドリと一緒にいたいから一緒にいるの!たとえ私が機械から生まれていようがなかろうが、ミドリとゲーム開発部で一緒に活動したい!今の生活が幸せで、離れたくない!」

 

「モモイ…」

 

「お母さんは私といるのが不満なの!?」

 

「そんなことない…。一緒にいたい…!」

 

「喧嘩しても仲直りすればいいんだよ!それにほら、腹違いの兄弟とか生き別れの兄弟もいるんだし、こんな姉妹がいてもいいでしょ?」

 

「そう、かな?」

 

「あと生まれてくる時に産まれたい!って言う赤ちゃんなんていないでしょ?望んで生まれてくる子なんて居ないって」

 

だんだんと納得している顔に変わっていく。もう一息かな!

 

「…捉え方によっては?」

 

「そうだよ!それにお姉ちゃんは妹を守るものだからね!ミドリは安心してお姉ちゃんに任せなさい!」ポンッ

 

「…なら、私はお姉ちゃんのそばにずっと居ないとね」

 

「うん!」

 

完全に納得した顔に見える。これで私がミドリといたいって気持ちがわかったかな?

 

「モモイ、お前は変わらないな」

 

「あ、先輩も!先輩も来たんだ?」

 

「ああ。こいつに連れてこられてな」

 

「仲直りした早々悪いけど、ちゃんと話を聞かせてもらうわよ!モモイがレプリカってどう言うこと!?」

 

その言葉でこっちに明るい顔を向けていたミドリが呆れを含んだ顔に変わる。

 

「お姉ちゃん言っちゃったの?」

 

「ユウカなら良いかなーって」

 

というか言ったかどうか覚えていなくてつい言っちゃったというか…。そんなこと話したらまた叱られるから言わないけどね!

 

「…お前はアリス以上の極秘事項なのだから、もっと慎重に動いて欲しいものだ」

 

「まあまあいいじゃんお父さん」

 

「だからお父さんはやめろ…!」

 

 

カクカクシカジカ

 

 

「なるほどね…。忙しい中先輩がよく顔を出すのも、ミドリがモモイと微妙に壁があったのも納得ね」

 

「私退部とかないよね!?」

 

「当たり前じゃない。問題行動は控えて欲しいけどね。この間だってヴェリタスと…ヴェリタスは知ってるの?」

 

「うん。生徒手帳の偽装とかもお願いしたし、入学前から知り合いだよ」

 

「サラッととんでもないことを言うわね…!まあ良いわ。とりあえず今日のところがこれくらいで良いでしょう」

 

「今日は?」

 

こんなに聞かれたのにまだ聞きたいことあるの!?もう話せることないよ?

 

「当たり前じゃない!しばらく付き合って貰うからね!」

 

「嫌だー!職権濫用だー!」

 

「自分でカミングアウトしたのだから諦めることだな」

 

「お父さん!?」

 

「先輩もちゃんと休んでください。目のクマがすごいです」

 

「それは学生時代から元々だな。だから人でなしのことなぞ気にするな」

 

「先輩…」

 

「あ、だからお父さん呼び嫌がるの!?」

 

「まあそれもあるが…

 

「なら私止めないからね!先輩が実際どんな人でも、私にとっては優しく接してくれる自慢のお父さんなんだから!」

 

「…まあ100歩譲ってそれでいいとして、私が父さんではミドリがかわいそうだろう」

 

「何で?」

 

「私は自分勝手なやつだからな」

 

「そんなことないと思いますけど…」

 

瞬間、全員の時間が止まった。数秒だったかもしれないし、数分だったかもしれない。それくらい気まずい空気が流れ、ミドリが何を言っているのか確かめたい先輩がようやく口を開いた。

 

「あーっと…ミドリ、それはどう言う意味だい?」

 

少し考えてミドリの顔が真っ赤なリンゴになる。

 

「ちっチガイマス!そう言う意味で言ったわけじゃ…!」

 

おっとこれは…。お父さんとお母さんがいい感じ…?つまり本当にくっ付けば文句なくお父さん呼びができる…?

 

「…!」ピコーン

 

なら説得するならミドリから。ミドリからアタックすれば先輩も断り切れないだろう。そうすれば私に甘いお父さんの家を隠れ蓑に…

 

「モモイ、2人の邪魔するんじゃないわよ?」

 

「も、もちろんだよっ!?そんなことしないって!」

 

いつの間にか隣にいたユウカに内情を見透かされたような目を向けられる。視線が痛い!痛いよ!

 

「悪い顔してたのバレバレだからね」

 

「うえぇー…ユウカはほんと人のことよく見てるよねー。凄いなー」

 

「…はぁ。モモイはそう言うところだと思うわよ?」

 

「何が!?」

 

「さあ?なんでしょうね?」ギュム

 

「ひゃうぇふぇふぉ〜」

 

 

 

 

 

 




初投稿です。
と言ってもこれはpixivに投稿したやつを修正したものですが…。
あとご察しの方も多いと思われますが、こちらYouTubeで流れてきたあにまんの反応集を見てビビっと来て作成したものです。基本原作見て反応集見てビビッとくることが多いです。
基本的にはブルアカの投稿が主になる気がしてます。何卒よろしくお願いいたします。

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