艦隊これくしょん「艦これ」―荒海の槍騎兵―1「連合艦隊分断」   作:黒瀬夜明 リベイク

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迫る破壊者

四連装砲塔搭載型戦艦ル級が放った「深海カモメ水偵」が、遁走する艦娘艦隊の情報をもたらした。艦娘艦隊は自艦よりの方位六〇度方向、三〇浬先を約十四ノット程度の速度で移動している。

四連装砲塔搭載型戦艦ル級は口元に不気味な笑みを浮かべた。

今ここには居ないが、僚艦だった戦艦タ級に負けず劣らずの最大速力を発揮できる四連装砲塔搭載型戦艦ル級は、最大戦速を出せば、「深海14inch四連装砲」と「深海14inch連装砲」の最大射程距離まで八三分で到達できる。

今までに戦った深海棲艦の残した情報によれば、日本を拠点とする艦娘艦隊の巡航速度は一六から一八ノット程度だという。

それよりも速度が出ていないのは、昨夜の戦闘で機関部を損傷した艦娘がいて、その艦娘の速度に合わせて航行している為だ。十分に捕捉は可能だ。

四連装砲塔搭載型戦艦ル級は金切り声を上げた。彼女の機関が唸りを上げ、海上を走る速度が上がっていく。

最大戦速。艦娘艦隊を殲滅する!

四連装砲塔搭載型戦艦ル級の金切り声には、そのような内容が含まれていた。護衛として付き従ってきた二隻の駆逐ロ級後期型も、遅れてはならないと増速していく。

四連装砲塔搭載型戦艦ル級は、怒りに満ちた瞳で、三〇浬先の艦娘艦隊を見据えた。

昨夜のハイナン島沖での夜戦では、弱小と思われた艦娘艦隊に振り回された。戦闘が始まって間もなく、四連装砲塔搭載型戦艦ル級は戦艦新棲姫と、あわや衝突する寸前まで行った。

何とか衝突は回避したが、乱れた陣形を立て直している間に、艦娘艦隊は離脱を始めた。

体勢を立て直し、追撃にかかった後は、僚艦の戦艦タ級と共に瞬く間に巡洋艦の艦娘二隻を轟沈させたが、直後「潜水艦が放ってきた魚雷」*1が、前を行っていた戦艦タ級に一本命中し、速力が低下した戦艦タ級と、衝突寸前の所まで行ったのだ。

衝突回避には成功したが、戦艦タ級は、マレー半島南端にある深海東洋艦隊の泊地へと離脱し、追撃をかけるべきだ。と、深海太平洋艦隊へ申し出れば、自艦隊のみでしろ。と突っぱねられる始末だ。

まさに踏んだり蹴ったりだ。自分よりも弱い相手にこうも振り回され、挙句味方から協力を拒否された。

四連装砲塔搭載型戦艦ル級の怒りは頂点に達していた。

弱小艦隊の分際で、コケにしやがって!

四連装砲塔搭載型戦艦ル級は唸るように、歯軋りをした。

離脱した戦艦タ級の敵討ちも含め、遁走する艦娘どもを一隻残らず沈めてやる。と四連装砲塔搭載型戦艦ル級は、合計十門ある口径14inchの主砲を艦娘艦隊へ向けた。

間もなく主砲が火を噴き、逃げ惑う数多の艦娘が、次々と火だるまへ変える光景を想像し、四連装砲塔搭載型戦艦ル級はその時を待った。

 

艦隊これくしょん「艦これ」―荒海の槍騎兵―2「激闘南シナ海」へ続く

 

*1
四連装砲塔搭載型戦艦ル級の認識。実際には、次発装填された四駆と八駆の雷撃

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