トロピコ in テラ 〜Presidente, salva el Terra〜   作:トロピコ外務省広報部

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¡Bienvenido a Terra!(テラへようこそ!)

"I sincerely hope that our beloved Presidente finds happiness at Terra!"


この世界アークナイツ世界かよ!!!

 

-西暦2024年2月4日午後3:38分-

-トロピコ セントロ島 官庁街-

 

 

「とりあえず周辺環境がきちんとまともだと確定されるまでは出国は禁止しておいた方が良いか…ゲーム内で言う"地球で最高の国"にしておこう(月二つあるしどう考えてもここ地球じゃないけど)」

 

 

机の上には昼食として守衛に持って来させた食べ掛けのキューバサンドとメモ帳と万年筆が一つ。

私は座り心地の良い椅子にもたれ掛かり、日本人としての人生では一度も持ったことすらない高級な万年筆を使ってメモ帳に法の草案を書き上げる。プレジデンテとしての記憶も総動員し、少しずつスペイン語で法案を書き連ねてゆく。

 

執務室の天井に備え付けられたシーリングファンがくるくると周り、涼しい空気を私の元へと運ぶ、いくつかの悩ましい法に関して頭をフル回転させる必要があること以外は快適な仕事だ。

 

 

法に関しては考えねばならないことが本当にたくさんある。

例えば石油の問題だ、幸いにも我が国には巨大なトロピコ油田がありそこから石油が取れるのだが、生憎採掘速度が我が国の石油需要に対して全く足りない。 近所付き合いを兼ねてアメリカやベネズエラから大量に石油を輸入していたのが裏目に出たな…

 

石油生産施設を増やすにしてもそこまで大量の石油を採掘する施設は一朝一夕では建てられないのが現実だ、採掘コストの問題もある。

 

そのため法律で石油の使用量を規制しなくてはならない。

ここが鬼門なのだ、【どこまで許可するか】【どこまで規制するか】その判断は全て私の手の内にある。

 

 

「国民向けの石油製品や燃料の生産を切り詰めるしかこれを切り抜ける方法が思いつかない…演説で彼らに謝る準備をしておかねばな…」

 

 

発電に関しても石油の需要量を鑑みて、順次火力発電を原子力発電や核融合発電に置き換えなければならない。 ウランに関してはかなり地下深くにあるが、我が国は世界一とも言えるほどの埋蔵量を誇っていたからな。

 

 

 

 

ドン!ドン!ドン!

 

 

突然執務室の扉が強く叩かれる。

せっかく筆が乗っていたところなのに…少し悲しい。

書きかけのメモを机の引き出しの中にゆっくりと入れ、万年筆を定位置に戻す。

 

 

「プレジデンテ!病み上がりに失礼します!緊急事態です!」

 

 

この声は…ロドリゲス将軍*1か。

彼はトロピコ国軍のトップであり、軍国主義派閥の代表者だ。

彼が緊急事態と言うのならかなりの事態が起きているはずだ…大統領権限が必要なものか、それとも戦闘報告か…

 

 

「入れ、ロドリゲス」

 

 

私が入れと言うと、彼はすぐさま扉を開け中に入ってくる。

 

 

「単刀直入にご説明いたします!空母トロピコの戦闘機部隊が本来なら大西洋上に相当する陸地で地上を移動する移動要塞を発見、攻撃をしてきた為撤退させました。さらには人間の様な生命体を海軍が数人保護しました」

 

「移動要塞?」

 

「全高300m! 全長2キロ! 全幅1キロ!移動速度は時速15km程、あれ程の巨体にミサイルや航空機や砲をどれだけ積めるのか…我が国に対する非常に大きな脅威です!」

 

あまりにも大きすぎる、どれだけの技術力をこの世界の住民は持ってるんだ??

とりあえず根拠もなくファンタジー世界だと仮説を建て行動していたが、SFの可能性が高くなってしまったか… SF世界の場合トロピコの所有する現代技術の強さがあまり活かせない、できればSF世界で無い方が嬉しいのだが…。

それにしても移動要塞…どう言うものなんだろうか?"大砲の街"とか"Mortal Engines"的なものか?

 

 

「プレジデンテ!どうか軍事費の増額を!!少なくとも今の5倍に!!」

 

 

ロドリゲスはいつも通りと言えばいつも通りだが国への脅威に慄いているようだ、少し安心させてやるか。

 

 

「ひとまず落ち着くんだロドリゲス、我が国は幸い深い海に囲まれている、これは国難の後でも変わらない。海をその移動要塞はそんな簡単には渡っては来れない筈だ」

 

「……」

 

「一応聞いておく、大西洋上に相当する陸地と言うが海はどこまであったのだね?」

 

「トロピコ最西端のエル・オクティデンタル島から少なくとも200kmほど…」

 

「それほど海があるのならレールガンでも無ければ少なくとも砲撃は届かないな」

 

「お言葉ですがプレジデンテ!国家を守るには、あらゆる脅威の可能性を全て想定しなくてはなりません! もしもあの移動要塞が海を渡れたら? もしも移動要塞に対地レールガンが設置されていたら? もしも移動要塞に核兵器を搭載した戦略爆撃機が数百万機搭載されていたら? そう言った可能性を考えなくては軍は軍足り得ません!」

 

「ロドリゲス、そう言ったあらゆる脅威の可能性に対処することは不可能だ。何故なら我が国の経済及び物質的にその脅威に対応するだけのリソースがないからだ」

 

「ただでさえも貿易が全停止しているんだ、今のトロピコには物資も金も何もかも足りない。私からのお願いだ、最も発生する可能性が高い脅威から対処してくれ」

 

「ぐぬぬぬ……しかしプレジデンテ!現在の軍事費では最も可能性が高い脅威から国を守ることも不可能です!軍事費の増額はしていただきたい!」

 

「分かっている、未知の世界に放り出されたんだ、自身の身を守る事はとても大切だ。あとで正確な増額量のすり合わせをきちんと行おう」

 

「プレジデンテ、ありがとうございます!!」

 

 

落とし所としてはこんな物か、彼の強迫的な不安症を少しでも緩和できればよかったのだがそこは余り上手く行かなかったな…

はぁ…先ほど作り終わった非常補正予算案を軍事費の増量を踏まえて組み直さなくては…

 

 

「話を戻そう、要塞からの攻撃的な反応はどんな物だったんんだ?」

 

「対空ミサイルによる迎撃を試みてきたので、フレアを使用し撤退させました。もちろん、戦闘機は一機も失っていません!」

 

「ふむ…」

 

 

我が国が現地国家の領空を侵犯した可能性が大か…

 

 

「保護した人間というのは?」

 

「うーむ…アニメに出て来そうな見た目と言うか…直接見ていただいた方が分かりやすいかと!今は防衛本部の一番豪華な牢屋に収容しています」

 

 

うーむ…アニメに出てきそうな見た目ね。

 

 

「分かった、行こう」

 

 

私はロドリゲスと共に宮殿を出て同じ官庁街にある防衛本部へと向かう。

八角形型の建物に備えられた巨大な門が私たちを出迎える、明らかにペンタゴンのパクリであるこのトロピコ防衛本部。

派手な階級章をつけたエリート軍人だらけだ…私よりも圧倒的に頭が良いであろう彼らからも尊敬の眼差しで見つめられるのは半分一般人メンタルが混じっている私には少し辛い。

門はゆっくりと開かれ、私たちは中庭へと入る。

 

 

「プレジデンテ、こちらです!」

 

 

ロドリゲスはキーカードを使い防衛本部の中庭から建物内へと入り、そこから何回も建物内部の鉄格子や防弾ガラスを通り抜けて行き、とある部屋の前で立ち止まる。

 

 

「本来なら敵のスパイを収容し、尋問するための牢屋なのですがね…」

 

 

扉を開け、中に入る。

中では数人の科学者がガラスの向こうを見てレポートを書いたりパソコンを弄っているのをアサルトライフルを持った軍人たちが死んだ目で監視していた。

想定とはだいぶ違う光景だ、少し唖然としていると科学者のうちの一人がこちらに話しかけてくる。

 

 

「あっ!プレジデンテ!!プレジデンテも彼らに興味があってこちらにいらっしゃったんですか?」

 

そう話しかけて来たのは進歩主義派閥代表であり、トロピコ国立大学の教授、そしてあらゆる科学的な分野に精通した研究者でもある天才女性科学者、エレナ・カルペッパー

 

「ああ、そうだともカルペッパー。彼らには私も非常に興味があってだな…」

 

「やはりそうなんですねプレジデンテ!…」

「耳が四つある理由も構造も調べないと、あと彼女の肌から露出している鉱物! アレは確か……」

 

「……か…カルペッパー?」

 

 

彼女は笑顔を浮かべながらこちらに話しかけてきたと思ったら、すぐに考え込むような表情になりブツブツと独り言を喋り始めこちらの呼びかけに全く反応しなくなってしまった。 全く天才というのはなんとも難しい生き物だ…

それにしてもプレジデンテとしての記憶を探ってみても、ここまでカルペッパーが興奮しているのはほぼ見たことがない、相当な大発見があったかありそうなのだろう。

 

 

「どうしてカルペッパーを最重要機密区画まで!入れている!?」

 

 

そんなことを考えていたすぐ横ではロドリゲスが苦しそうな顔でなぜカルペッパーをここまで入れてしまったのかと兵士を問い詰めている。

 

「申し訳ありません!ロドリゲス将軍!!彼女の話を聞いているうちに何故か「入れても問題ないな」と思ってしまって!!完全に騙されてしまいました!!」

 

「うぅむ…私も彼女には丸め込まれてばかりだ、お前達を叱る事はできん! 」

 

「あぁ、ロドリゲス将軍も…」

 

 

兵士とロドリゲスは悲しそうな顔をして数秒お互いの顔を見つめ合う。

 

 

「それはともかくカルペッパー!今すぐ!ここから出て行ってもらうぞ!」

 

「ちょっと待ってください…今科学的大発見まであともう少しなんです! う〜ん…これは…いや…」

 

「ちょっともそっとも待て無い! MP! 今だ!!」

 

 

「突入!!」

 

 

そう言った瞬間扉が開き憲兵達が流れ込んでくる。

彼はいつの間に憲兵を呼び寄せていたのだろうか?

憲兵達はカルペッパーとその仲間の数人の研究者達を抑え込むと、一瞬で手錠を掛ける。

 

 

「あっ! ちょっと! ちょっとまって!! 本当に! 本当に後少しなんです! そ、そうだロドリゲス将軍! 提案があるんです!」

 

「もう貴様の話は聞かない! 話を聞けば言葉巧みに操られるだけだからだ!」

 

「私達に彼らを研究させてくれるのなら、最新技術を惜しみなく乗せた新型戦車の試作車を作りますよ! さらにプレジデンテに彼らについての現在判明している情報を全て解説しましょう!」

 

「MP! 彼女達を連れて行くのは辞めだ!!」

 

「了解です! ロドリゲス将軍!」

 

 

あぁ…これが丸め込まれるということか…

目の前でこんなやり取りを見せられたら納得するしかない。

研究者たちは手錠をすぐに外され、ノートパソコンや書類を手に持ち再び忙しなく動き始める。

ロドリゲスとカルペッパーは手錠を外した後に先ほどの交換条件についてに関してか、1分ほど話し合うと、私の方へ話かけに来る。

 

 

「ガラスの向こうにいるのが保護した者たちです!彼らについての説明は恐らくエレナがしてくれるはずです!」

 

「では私は第六次周辺地域探索会議があるので、1時間ほどプレジデンテをエレナに任せさせていただきます!」

 

 

そう言うと、手錠によってできた手首の痕を少し痛そうにさするカルペッバーを私の前に移動させる。

 

 

「分かったロドリゲス、お前たち軍の周辺地域探索や救助活動には本当に感謝している。また良い報告を聞かせてくれ」

 

 

私の言葉を聴くと彼は一度敬礼し、部屋から出て行った。

 

 

 

「プレジデンテ!彼らの解説がご入用ですか?」

 

「ああ…お願いするよ、カルペッパー」

 

 

濃い出来事が連続して今まで見れていなかったガラスの向こうを覗く。

 

ガラスの向こうの部屋は家具は柔らかい素材で出来ているようでさらに全ての角が丸い、まるで幼児用の家具のようだ。

さらには壁や床、さらには天井までクッションでできている様で全体がソファーの様になっている。

 

テーブルが一つに椅子が五つ、開けられそうな取っ手が付いている方の扉はトイレや風呂だろうか?

この徹底的な自傷や自殺防止、元々は敵のスパイを収容する為の部屋であったというのは全くもって事実の様だ。

 

そんな部屋の中で真っ白な入院衣の様な服を着せられた、数人のケモ耳やツノが頭から生え尻尾まで付いている男女が、椅子に座りながら本を読んだり寝たりしている。

床には人形で遊んでいる見たところ5歳程度の子供までいる。

 

 

「彼らは何を読んでいるんだ?」

 

「プレジデンテの自伝の英語版を読ませています」

 

「英語が通じるのか??」

 

「はい!ある程度は通じますよ、大分訛っているのと未知の単語がありますけど…」

 

 

英語が通じる????

え???なんなんだこの世界、ケモ耳とツノの付いてる人間が居て英語が通じる世界???

あれか?たまにあるなぜか日本語とか英語の通じる設定のよく分からないタイプの創作の世界とか?

 

でもSFっぽいんだよなこの世界、いやそれも私の思い込みに過ぎないのか?

SFとファンタジーが混ざってるタイプの世界は別に有ってもおかしくはないのだから……

 

それはそれとして私の自伝を異世界の住民に読ませるのは何故か少し恥ずかしい。

 

 

「私の自伝を読ませるのは…少し恥ずかしいな」

 

「彼らからは結構人気なんですよ?」

 

「そうなのか……他にも彼らに通じる言語はあるのか?」

 

「今の所は英語のみですね」

 

「ふむ…他に分かったことは?」

 

「そこの兵士の方、彼らから取り上げた"杖"を持ってきていただけませんか?」

 

「"杖"ですね、了解です」

 

 

兵士はすぐに部屋を飛び出て行き、1分ほどでよくわからない杖を持って帰ってる。

かなりボロボロになり、ところどころ塗装も剥げているが、形はゲームなどに出てくる杖そのままだ。

 

 

「彼らから取り上げておいてこんな事を言うのもなんだが、随分とか薄汚れた杖だな…」

 

「彼らはなんでも傭兵や難民のようなものだったらしいですからね、仕方ないですよ」

 

 

そう言うとカルペッパーは机の上にあったファイルから一枚の写真を取り出し見せてくる。

余白に(保護直前の様子①)と殴り書きされたその写真には、船の手すりと甲板の間から見える海にボロボロの服を纏った彼らが漂流物に捕まりながら浮いている様子が写っている。

 

 

「これは酷いな…」

 

「そうでしょう?」

 

 

あまり見ていて気分の良くなるような写真ではない、話題を変えよう。

 

 

「それはそれとしてこの杖がどうしたんだ?」

 

「これはですね、なんでもアーツロッドと呼ぶらしくて…」

 

 

ん?…何かどこかで聞いたことがある気が……

 

 

「なんと、とある鉱石を媒介として特異な物理現象を引き起こすんです!」

 

「さらにはその鉱石は宝石にも、発電用の燃料にも、触媒にも、論理回路にもなるそうです!!」

 

「ほぅ…それは凄いな、我々の世界にとっての"石油"の様なものか…」

 

「まさにその通りで! 災害や致死率100%で治療も不可能な病の原因でもあるそうです! 便利だが時には厄災をもたらす、まさに我々の世界の温室効果を引き起こす化石燃料にそっくりですね」

 

「我が国の油田が枯渇した時の代替資源として少なくとも研究をしておくべきか…」

 

「私もそれが良いと思います」

 

 

うーむ……日本人側の記憶だと思うのだが……あともう少しで思いだせそう…

 

 

「致死率100%治療不可の病か…」

 

「即死するような類の病ではないそうですがね、現在保護中の彼らの中にも罹っている人が一人いたはず…ほらあの子です」

 

 

カルペッパーはそう言うとガラスの向こうのツノの生えた7歳程度の見た目の少女を指差す。

少女は床に座り、プレジデンテ人形(税込:2600トロピコドル)と普通のテディベアを使って静かに遊んでいる。

 

 

「あんなに若いのにか…」

 

「残念ながら免疫の強さなどは病にはさほど関係がないそうですから…」

 

「うーむ…いたたまれんな、我が国でも治療法に関して研究を行うべきだな」

 

 

「そうですね…源石(オリジニウム)源石病(オリパシー)、トロピコ大学や研究所でも最重要研究に据えるつもりです」

 

 

 

源石(オリジニウム)源石病(オリパシー)ね……

ん?源石(オリジニウム)源石病(オリパシー)???

 

 

 

思い……出した!!

 

 


 

-西暦2025年1月4日午後10:35分-

-日本 東京 赤羽 個室居酒屋-

 

 

オタク友達と居酒屋で駄弁る、社会人になってからの密かな楽しみの時間だ。

実家に帰省も済ませ、東京に帰ってきたこの自由な時間。

あと一日で正月休みも終わり、仕事が帰ってくるとしても楽しいものだ。

ネットと違って仲の良い友達同士何を話しても自由、この開放感こそがたまらないのだ。

 

 

「俺さ〜最近アークナイツってゲームにハマっててさぁ〜ソシャゲなんだけど」

 

「へ〜どんなゲームよ」

 

「お前タワーディフェンスとかやる?」

 

「いや全然、ストラテジーしかほぼやらない」

 

「そうだよなぁ〜お前ストラテジーばっかだもんなぁ…」

 

 

 

そう、俺は根っからのストラテジーオタク。

経営シミュや国家運営までストラテジーならどんなジャンルでも遊ぶ。

最近はトロピコ6にハマっていて、全ミッションをクリアするために苦労している。

 

 

「どんなゲームよ、そこで溜められると気になるわ」

 

「お?聞く?聞いちゃう?1時間くらい話すけどいい?」

 

「俺も前ステラリスについて2時間くらい話しちゃったし全然良いよ」

 

「おお!俺の話聞いて面白そうだなって思ったら遊んでみ!戦友登録しよう!全力でキャリーするわ」

 

「おk」

 

 

「まずね!まず!ゲーム性が面白くてさ……」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

源石(オリジニウム)って言う生活に必須の鉱石のせいで源石病(オリパシー)って言う治療できない致死率100%の病が蔓延してて、この病で死んだ人は爆発して新しい感染源の粉塵に……差別感情も強くて……」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「アーツって言う魔法みたいなのがあって、専用のロッドもあるんだけど、感染者は体の中の源石(オリジニウム)を使って使うこともできるんだよ、もちろん……」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「それで主人公はロドスって言う組織に所属してるんだけどさ!で茶髪のロバみたいな耳のウサギの女の子が……」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「そんなストーリーが重い作品の主人公の特技が口の中でカップ麺作る事ってどう言う事だよ…」

 

「さぁ??」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「要するに陸も海も終わってるって事でいいか?」

 

「正確には空もダメそう」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「じゃあIF世界だと何回も滅びてるんだ」

 

「そそ」

 

「HoiのPvEModでプレイヤーが諦めた世界線みたいな感じか」

 

「例えがお前らしすぎるだろ」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「それでな!国家がたくさんあって……」

 


 

 

「現在トロピコの存在している地域はシエスタ、ミノス、ビクトリア、イェラグ、クルビアこの五カ国のちょうど中間に存在するそうです!」

 

 

「プレジデンテ?理解できましたか?」

 

 

 

この世界アークナイツ世界かよ!!!

 

 

え??ちょっと。ちょっと待って。

カルペッパーの話も途中から聞こえてなかったし。

 

あいつの話信じるんだったら相当な鬱ストーリー世界だぞこの世界!!

ふっざけんな!!!! 確かIFストーリーで何回も滅びてるとか言ってたよな!!

 

ねえ!しかも五カ国に囲まれてるとか絶対クソ立地じゃんここ!!

ふざけんなよ神!!

 

 

「プレジデンテ? 顔が青いですが何か具合でも? あまり無理はしないようにしてください、こんな短期間でまた倒れてしまったら今度こそ長期入院になりますよ」

 

 

はぁ…はぁ…落ち着け私!

身一つで来なかっただけまだ良かったと考えるしかない。

血管がはち切れそうなほどの怒りと絶望だがまだ何とかなる。

 

私には素晴らしきトロピコがある!

忠実(だけど割と無能)な部下たちが!

(デモばっかりする退廃的な)国民たちが!

(意味わからんくらい偏屈な)派閥の代表者達が!

 

あれこれ思ったより頼れないのでは?

 

 

いや頼れなくても何とかするしかない!!

しないとおそらく死ぬor死ぬより酷い目に会う!!!

 

この世界でもやる事は同じだ、外国のご機嫌を取り、交易をし、外貨を稼ぎ国を発展させる。

おそらく彼らのような難民は山ほど居るのだろう、移民として吸収すれば労働力には困らない。

国民の命を背負うと決めたんだ、最後まで足掻いてこの国ごと生き残って見せる。

 

 

「いや、大丈夫だカルペッパー」

 

「それなら良いのですが…」

 

「少し決断をしてね ハハハ!」

 

「プレジデンテ一体どんな決断ですか?失礼でなければ聞きたいです」

 

 

もう数百万人背負ってるんだ、数人追加しようが何も変わるまい。

 

 

「あー 彼らの処遇については何か決まっているかね?カルペッパー?」

 

「? いえ、今のところは何も」

 

「では大統領権限で私が決めよう」

 

 

カルペッパーは不安そうに私を見つめる。

 

 

「すまないが彼らと喋れるか?」

 

「はい、勿論です」

 

 

カルペッパーはそう言うと机の上のマイクをこちらに滑らせる。

 

 

「根本のスイッチを押している間はこちらの声を拾いますし、向こうの声も聞こえるようになっていますよ」

 

 

彼らのような人々を救いたい、見捨てたくない、そう思うのは間違いではないだろう?

 

幸いにも私には、その力がある。

 

私は恐る恐るスイッチに触れ、喋り方を国民や諸外国向けのものへと切り替えて英語で声を発する。

 

 

 

「御寛ぎのところ突然失礼する、私は異界の海に浮かぶ楽園! トロ〜ピコのプレジデンテである!!」

 

「君たちが読んでいるその本、プレジデンテ統治録の著者でもある!」

 

「今回は君たちのことを我が軍が保護したと聞き駆けつけてきた! 今君たちは正体不明の異界の軍隊に保護され、随分と心細いことだろう……」

 

「しかし! もう何も心配する必要はない、このプレ〜ジデンテがこの国を収めている間は! 君たちの未来を保証しよう!」

 

「永住を希望する者には移住ビザを! 故郷へ帰りたい者は我が国が全面的に協力しよう!」

 

「移住だ故郷だのと突然言われて混乱している者も居るかもしれない… それならば我々は君たちにできる限りの説明を、未来のビジョンを見させようとも!!」

 

「ともかく今は君たち出会えたこの奇跡に感謝するために、この言葉を使わせてくれ!」

 

 

¡Bienvenido a Tropico!(トロピコへようこそ!)

 

 

「どうか君たちがトロピコで、"幸せ"を見つけられることを心から願っている!」

 

*1
本名:ロドリコ・ロドリゲス 「私は実戦経験のない、典型的な現代の将軍です。戦争を経験していないことが私の強みです。私の戦略には、実戦の知識を一切入れていません! なので間違いなく、敵を驚かせることができるんです!」




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