カムりたい 作:カカシ先生は俺の青春
「準備はいいか白い牙の息子よ」
「よろしくお願い致します大天狗様」
朝食を終え一息ついてから大天狗様の居る庭へ、広間に居た全員で向かった。正直に言って影分身一体出している状態で、大妖怪を相手にするのはかなり骨が折れそうだ。
だからと言って影分身を消してしまえば、修学旅行に参加している俺が突然消えたと大騒ぎになる。
「周りに被害が出ないように私自ら結界を貼る」
八坂様が自ら結界を貼るのを申し出た。
お付の妖怪達も八坂様に協力して、最硬の強度の結界が庭全体を包み込んだ。
戦いの場が整い、いよいよ大天狗様との戦闘が始まる。
「カカシィ〜!大天狗様めっちゃ強いからな〜!」
「頑張るのじゃカカシ!」
焔と九重から気の抜けるような応援をされ、変に入っていた体の力が抜ける…。
八坂様と大天狗様はこの応援にクスクスと小さく笑っていた。
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「さあ!何時でも来るがいい!」
「お言葉に甘えさせていただきます!」
カカシは腰に付けているホルダーから片手で二つ手裏剣を取りだし、腕を素早く振るい手裏剣が大天狗目掛けて飛んでいく。手裏剣を投げてから素早くカカシが印を結び、手裏剣は二つから10枚に増え大天狗を襲う。
「手裏剣を増やすとは面白い!」
大天狗は迫り来る手裏剣に慌てる素振りを見せず、余裕の笑みを見せながら腕を大きく振るった。大天狗が腕を振るうと竜巻が巻き起こり、カカシが投げた手裏剣が全て竜巻によって落とされた。
「土遁・土龍弾!」
土遁の印を結んで忍術を発動させた。
カカシの足元から二匹の土で出来た龍が現れ、二匹の龍は大天狗へ向けて土塊を口から飛ばした。
迫り来る土塊に大天狗はニヤリと笑い、腕を大きく振るうと大天狗を守るように発生していた竜巻が土塊へと向かった。
強風と土塊が衝突した瞬間、広範囲に及ぶ土煙が発生した。
「千鳥!!」
土煙に紛れてカカシは大天狗の背後に瞬身で移動、そこから千鳥で大天狗の気絶をさせようと仕掛けた。貫手から拳に握り直し、千鳥が大天狗へ当たると確信した時...砂煙で見えてない筈の大天狗が千鳥を纏っているカカシの手首を掴んだ。
「!?」
「目眩しで視界を潰し、儂の背後を取り仕留めようとする算段...流石は白い牙の息子だ。だが、儂は天狗の長!そう易々とやられてはあげられんな!」
大天狗はカカシを宙へと投げ、カカシの腹部に風を纏わせた拳が突き刺さった。カカシは小さな呻き声を上げて後方に吹っ飛ばされ、八坂が貼った結界に強く叩きつけられ、そのまま前のめりに倒れた。
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ボフンッ!って音と共に俺の影分身が消えた。
「砂煙に乗じて分身を作っていたのか?」
「はい...大天狗様の力が分からない以上、不用意に近づくべきでは無いと思い砂煙に乗じて分身を作り大天狗様に仕掛けました」
「ククク!最近の若者は末恐ろしい」
影分身に特攻させて正解だった...本体の俺が大天狗様の拳を受けていたら確実にやられていたし、修学旅行に行っている影分身も消えるかもしれない。
「見たいものは見れた!終いにしよう」
「手合わせありがとうございました」
手合わせはお開きになり、八坂様は貼っていた結界を解いた。結界が解かれると大天狗様は豪快に笑いながら、部下たちを引連れてこの場を去っていった。大天狗様が居なくなってからホッと一息をついて、その場に腰を下ろした。
「凄かったのじゃカカシ!手裏剣増えたり!土の龍が出てきたり!分身したりで忍者みたいじゃ!」
「勝てなかったけどね...。それに大天狗様はまだ本気を出していなかったし」
「それはカカシとて同じ事でしょ?」
八坂様に本気で戦ってない事を見破られた。
影分身でチャクラが半分しか無く、今の状態で戦ってチャクラ切れを起こしたりなんかしたら修学旅行に行ってもらっている分身が消えてしまう。
それに大天狗様も本気で戦っている様子は無かった。
風の操作を得意とする天狗なら、あの砂煙が発生した時点で風を操って砂煙を払う事だってできた筈だ。
「昨日の俺らを倒したやり方をしなかったんだ?」
「相手は風の申し子と言われている天狗にあの戦法は使えないし、使ったとしても風で吹き飛ばされて終わりだよ」
焔から昨日の戦法を使わないのかと聞かれ、焔達にした戦法だと早期敗北する事間違えなしと答えた。あの時は鎌木のかまいたち風を発生させるタイムラグがあったから出来た事で、大天狗様相手だと攻守共に出来てしまう風が相手だと、仮に水龍をぶつけて辺りを水浸しにしても風で水を弾かれると予想していたから昨日の戦法は使えなかった。
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「さて、仙術の修行を始めましょうか」
「よろしくお願いいたします」
大天狗様との戦闘を終え、少しチャクラを回復させてから仙術の修行に入った。ギャラリーには焔、九重、それから何処かへ出掛けていた鎌木が居た。
「先ずは気を知覚してもらわなくてはならないけど…大天狗との戦闘で見せたチャクラを使っての術は気とほぼ同じだった」
「という事は…」
「第一ステップはクリアということになる。第二ステップは外から気を集めてもらうんだけど、最初は私がカカシに仙術エネルギーを流してそれを感じてもらう」
俺はその場で座り、座禅を組んで目を瞑った。
八坂様の指が俺の額に触れた瞬間、俺の中に暖かいものが流れ込んでくる。これが仙術エネルギーなのかと、心の中で感じていたら頭を思いっきり引っぱたかれた。
突然の事に驚いて目を開けたら、八坂様と焔達が俺の左腕を見て慌てていた。何に驚いているのかと左腕に目を向けたら…左腕が石化しかかっていた。
「し、信じられない…」
「仙術って石化しかけるんですか?」
この世界の仙術もNARUTOみたいに仙術チャクラを取り込みすぎると石化になるのかと思っていると、八坂様が普通の仙術エネルギーで石化する事はありえないと答えた。
「仙術を扱う者の中で稀に純粋な自然エネルギーを取り込む者が居る…。カカシ…仙術を極めれば、他の仙術使いより遙か上の仙人になれる可能性を秘めている」
「凄いのじゃカカシ!母上!私も仙術の修行に加わりたいです!」
「九重はもう少し大きくなったら考えます」
普通の仙術を体得する予定が、レア仙術を体得する事になった。純粋な自然エネルギーを取り込めるという事は、ナルトや自来也様と同じ仙人になれる可能性が出てきた。
八坂様は一旦俺に合う仙術の修行を考えてくれるらしく、とりあえずは修学旅行に参加して来るようにと言われた。焔と連絡先を交換して分身の元へ向かい、分身と合流出来てから術を解いて修学旅行に参加した。