貞操観念逆転世界の転生トレーナー   作:潮見犬太郎

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うちのドーベルは男性が苦手ではありません。

ちょっとだけむっつりで、初対面の男の子には意識しすぎて、盛大にキョドってしまうだけなのです。


メジロのみなさんのおかげで した

目覚まし時計が鳴るわずか前に、自然と目が覚めましたわ。

 

休日の始まりとしては、理想的ですわね。

 

学生寮の寝台も悪くはありませんけれど、やはり実家のものがいちばん落ち着きますわ。

 

みなさま、おはようございます。

 

私、メジロマックイーンと申しますわ。

 

我がメジロ家の悲願である盾のため、今日も一日、しっかりと過ごしていかなくてはなりませんわ。

 

 

良い一日は良いお食事から始まりますもの。

 

朝食はきちんといただかなくてはなりませんわ。

 

『朝食は』に疑問をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お尻をバットでフルスイングしてさしあげますわ!

 

寝間着のまま部屋でだらだらとお食事をいただきたい…そう思うことも、たまにはございますけれど、メジロのウマ娘として、そのような不精な姿は、誰も見ていらっしゃらないとしても、私自身が許しませんわ。

 

早速、身支度を整えて食堂へ向かわなくては。

 

 

部屋を出ようとした時、ふと何か違和感を覚えましたの。

 

それが何かはっきりとはせず、少々気持ち悪さもございますけれど…わからないことを考えても仕方がありませんわね。

 

「おはよう、マックイーン。調子はどう?」

 

食堂へ向かう道すがら、後ろからお声がけがあり、振り向きますと…。

 

…えっ? な、なぜ実さんが私の家にいらっしゃいますの!?

 

ばあや!ばあや!聞いてませんわ!聞いてませんわよ!

 

う…うろたえるんじゃあないッ!メジロのウマ娘はうろたえないッ!

 

「おはようございます、トレーナーさん。昨夜はよくお休みになれましたか?」

 

「いやー、泊まる度に思うけど、あのベッド凄いね。危うく寝坊しそうになったよ」

 

「お疲れが溜まっていらっしゃるのではなくて?いつでも泊まりにいらして構いませんわよ。メジロ家はいつでもあなたを歓迎いたしますわ」

 

…これは善意からの、善意からの提案ですわ。

 

決して他意などございませんことよ。

 

「おはよー。実さん、マックイーン」

 

…この声は、パーマーですわね…って!?

 

な、何故トレーナーさんに後ろから抱き着いて…!?

 

まだあわわわわ、わわわわわわ。

 

「おはよう、パーマー」

 

…い、いくらなんでも距離が近すぎますわ!

 

これではトレーナーさんが家に寄り付かなくなってしまいますわ!

 

もしそうなったら、私、激昂なさったラモーヌさんを止める気はありませんわよ!

 

そ、それに…こ、これを見ていると、なにか妙な気持ちに…これが、ドーベルの言っていた『脳がこわれる』という現象ですの…?

 

「パーマーさん!何をなさっているのですか!は、ハレンチですわよ!」

 

…な、なぜそこで、お二人してきょとんとなさるのです!?恋仲でもないのに、女性が男性にいきなり抱き着くなど…!下手をすれば警察沙汰にもなりかねませんわ!

 

「しょうがない、ここはマックイーンに譲ってあげよう」

 

「ほらマックイーンおいで。あ、でも昔みたいに全力で突っ込んでくるのはやめてね」

 

さ、さすがにこの歳でそのようなことはいたしませんわ。

 

…それにしても、トレーナーさんが両手を広げていらっしゃいますが…なにかおかしいのではなくて?

 

私がおかしいのですか…?

 

いえいえ、そんなはずは…

 

「もう私は一人前のレディですのよ。人前でそのようなはしたない真似はできませんわ。ほら、パーマーさんもお離れなさいな」

 

…ふふ、なかなか淑女らしい対応ができたのではないでしょうかしら。

 

…少し残念だなんて、思っておりませんわよ。

 

…ええ、思っておりませんとも!

 

「というか、マックイーンなんで運動着じゃないの?実さん、マックイーンのトレーニングのために来たんだよね?」

 

「ん?食事の後で着替えるだけじゃないの?」

 

トレーニング?

 

ばあや!ばあや!聞いていませんわよ!ちゃんと仕事してくださいまし!

 

「マックイーン、もしかして今年からトレーナーになることを言ってなかったこと、まだ怒ってる?」

 

「えー!さすがにもう許してあげなよー。担当契約も結んだんだしさ。実さん、マックイーンがいやになったら私の所においでよ。一緒にどこまでも逃げてあげるからさ!」

 

…トレーナーに?私の?

 

混乱している所に、さらに情報を重ねて殴りつけるのはやめてくださいまし!

 

もう何が何だかわかりませんわー!!!

 

 

なんとかお食事を終えて、「着替えてまいりますわ」と言って部屋に逃げ戻ってきましたわ。

 

スマートフォン、スマートフォンは…。

 

な、なにが起こっているんですの!?

 

4月5日…?

 

こんなことあるはずないですわ!

 

ついこの間、ゴールデンウィークは終わったばかりのはずですの!

 

時計がずれているだけに決まっています!

 

この前、天皇賞が終わったはずですわ。検索…検索…。

 

皐月賞、桜花賞…どこにも結果が載っていませんわ。

 

明日の大阪杯の展望…?

 

本当に時間が巻き戻ったとでも言いますの!?

 

と、言いますか、このニュースはふざけていますの!?

 

男性役員がセクハラを告発され辞職…春の満員電車での痴漢対策…。

 

はっ!? まさか…これは…ドーベルさんが言っていた…。

 

貞操観念逆転世界!!!

 

『ありえない』なんて事はありえない。

 

時間が巻き戻り、世界が逆転した。

 

そう考えますと、さきほどのパーマーさんと実さんの様子にも納得ですわ。

 

この世界の実さんの思考は、元の世界の女性に近いとしますと、同年代の男性に抱き着かれたようなものですわね。

 

よほど不快な相手でなければ、嫌がることはありませんわ。

 

自慢じゃありませんが、ウマ娘は世間一般で見て美人といわれていますわ。

 

わ、私は、なんてもったいないことを…。

 

いえ、今は未来を見るべきですわ…!

 

こちらは理由はわかりませんけれど、私と担当契約を結んだということですし、これからいくらでも何とでもなりますわ!

 

…よく考えますと、パーマーさんは人のトレーナーさんに対してあのようなことをしていましたの?

 

…ふーん。

 

 

「マックイーンったらすごい面白い顔しているわ。あなたにも見せてあげたい」

 

耳につけた超小型イヤホンからドーベルの声が届く。

 

なんだか語尾に芝生えていませんこと?

 

どうも、一般通過転生トレーナーです。

 

結論から言おう。

 

世界はひっくり返っていない!

 

じゃあ、今の状況はなんなのか。

 

メジロ家総出でのドッキリである。

 

マックイーンのスマホは昨晩の内にすり替えられており、過去のデータにしかアクセスできないようになっている。

 

この辺はサトノ家、というかダイヤちゃんに協力してもらっている。

 

サトノ驚異のメカニズム!である。

 

まあウマレーターなんてものがあるので割と何でもありなのだろう。

 

「でもサトノさんの作ったマックイーンの行動予測AIの精度、ほんとにすごいわね。怖くなるくらい」

 

愛じゃよ、愛。

 

まあ当然無償で協力というわけではなく、今日のマックイーンのオモシロ顔5選が報酬である。

 

キタちゃんが見つけてシュタタタタ...されないように注意するよう言っておかなければ。

 

ちなみに今日のドッキリ内容を考えたのはドーベルである。

 

どぼめじろう先生、さすがっす!

 

 

エントランスで待っていると、着替えたマックイーンがやってきた。

 

「お待たせいたしましたわ、トレーナーさん。それでは、参りましょう。」

 

扉を開けると外から熱気が流れ込む。

 

「4月とは思えないほど暑いですわね…」

 

まあ、実際5月だからね。

 

下手に冷静になられてしまうとばれかねないな。

 

「確かに4月からこれだけ暑いと夏はどうなっちゃうんだろうね。半袖でもよさそうだ」

 

そう言ってジャージを脱ぐ。

 

今日はいつもよりちょっとピッチリとしたシャツである。

 

「これでよしっと。さて、レディ。トレーニングコースまでの短い道のりですが、私に美しいレディをエスコートする栄誉を与えてはもらえませんでしょうか?」

 

そういって大仰に跪いて見せる。

 

このあたりの気障な台詞回しはライアン監修である。

 

ライアン相手に練習したけど、途中から単に自分がやってほしいことのリクエストになっていた気がする。

 

ひっくり返った世界で、掲示板見てゲラゲラ笑っていそうなドーベルと、変わらず乙女趣味なライアン。

 

どうしてこう差がついたのか、慢心、環境の違い…。

 

 

な、なにが起こっているんですの!?

 

こういう場合はどうすれば…前の世界のマナーを男女逆にすればよろしいのですの?

 

「よろしくお願いいたしますわ、サー」

 

そう言って手を差し出しますと、軽く口づけをなさり、私が腕を取りやすい位置に…。

や、やだ…これは…! トレーナーさんのお肌から、直接体温を感じますわ…。

ずっとこのままでいたいと思う反面、早くトレーニングを始めませんと、という思いもございます。

と、とにかく走り始めてしまえば、多少しっとりとしていましても、汗だと言い張れますわ!

 

 

「…マックイーンちょっと鼻広がってるし。すごいオスの顔してる」

 

「ぶふぉっ!」

 

「実さん!?」

 

「あ、いや、なんでもない。ちょっとむせただけだから、気にしないで」

 

ドーベルこのやろう!

 

この世界ではそういう言い回しになるのは分かるが、ちょっと自重しろ!

 

 

ふぅ…少々冷静になりましたわ。

 

やっぱりウマ娘は走ってなんぼ!走ってなんぼですわっっ!!

 

「マックイーンお疲れ様、相変わらずきれいなフォームしてるね」

 

「ありがとうございます、トレーナーさん。そう仰っていただけると嬉しいですわ」

 

トレーナーさんからタオルと飲み物を受け取りますわ。

 

正直、今の状況には戸惑っておりますけれど、私、気が付きましたの。

 

実際に世界が変わっていようと、ただの夢であろうと、そのようなことは些事であると。

 

トレーナーさんを独り占めできて、大いに甘えることができて、文字通り、ぴったりとくっついていても問題ないのですわ!

 

こ、このような好機…逃してはメジロの名折れですわ!

 

「先ほどメニューを確認させていただきましたが、午前のトレーニングはもう終わりですわよね?」

 

「そうだね。トゥインクルシリーズは年単位の長丁場だし、最初から焦る必要ないからね。走り足りない?」

 

「いえ、そうではないのですが。まだお昼まで時間もありますし、よろしければ少し木陰で休んでいきませんか?」

 

「ああ、いいよ。天気もいいし、風も気持ちいいしね。じゃあ足のチェックもそっちでやろうか」

 

 

トレーニングコースから少し離れて腰を下ろし、マックイーンが足を投げ出す。

 

「こうしておりますと、幼い頃、裸足で駆け回っていた時のことを思い出しますわ」

 

「懐かしいね。あの頃はみんな元気いっぱいって感じだったよね。というか元気すぎてついていけてなかったよ」

 

いや、本当にさ。

 

ウマ娘の世界で原作キャラを見てテンション上がってたのもあるけど、片手からあふれる数のウマ幼女相手に追っかけっことかしてたからね。

 

勝てないと頭ではわかっていても、プライドズタズタである。

 

「ウマ娘に少しでもついていらっしゃれたこと自体、不思議なくらいですわ。…トレーナーさんの姉君の方は、もしかして尻尾が生えていたりしませんこと?」

 

「生えてないよ。正直私も最初のころは疑っていたけど。私の方はすぐにばてて、外からの応援しかしてなかったけどね」

 

「むしろ、その方が助かっていたと、今は思いますわ。アルダンさんが寂しい思いをせずに済みましたもの。実さんがいらっしゃらなかったら、今も皆であのように仲良くできていなかったかもしれませんわ」

 

それはどうだろう。

 

アルダンが普通にいい子なのもあるけど、根っこのところで覚悟ガンギマリ勢だったと思うから、どんなとこからでも這い上がってきそうだけれど。

 

「私だけでなく、きっとメジロ家の皆も、トレーナーさんには感謝していると思いますわ」

 

「そっか、ありがとう。私もみんなには感謝しているよ」

 

 

いつまでもこうして、みんな仲良く過ごしていけたらいいですわね…。

 

…って、なぜ私は、こんなしんみりとした話をしておりますの!?

 

確かに本心ではありますけれど、ちがう、ちがうんですわ!

 

今日の私に、そういう空気は合いませんわ!

 

「えいっ」

 

「マックイーン?」

 

「感謝しているというのなら、少しの間、私にお貸しくださいまし」

 

はぁ…殿方の、硬い太腿…たまりませんわ~。

 

私たちウマ娘の方が遥かに鍛えているはずなのに、こちらの方が硬いとは不思議ですわ。

 

ヒトミミの神秘、ですわね…。

 

生地一枚の厚さが恨めしいですわ。

 

頭を撫でてくださる優しい手つきも…たまりませんわ~。

 

このまま寝たふりに移行して、時間いっぱいまで、たっぷり堪能させていただきますわ!

 

 

「マックイーン?マックちゃんやーい」

 

返事はないけど、寝て…はいないな、鼻息ちょっと荒いし。

 

いやそれ以前に太ももすりすりされていたら、さすがに起きてるのわかるわ。

 

こっちはこっちでマックイーンのサラサラの髪の毛の手触りを堪能するとしますか。

 

「これで本気で寝たふりが通じてると思っているのかしら?前々から感じていたけれど、マックイーンって結構アホよね」

 

それには同意だけど、ドーベルがそれ言っちゃうの?

 

私の脳内メジロアホの子ランキングではどぼめじろう先生が2位だからね。

 

3位?まあ順当にラモーヌかな。

 

まあ彼女らのレベルになると、これも一つの萌え要素ではある。

 

「準備は順調に進んでいるわ。あと1時間ぐらいかしら。もうちょっとのんびりしていなさい」

 

イヤホンを2回小突いて『了解』と返す。

 

ドーベルは準備には参加しないのかな?

 

「私はここでマックイーンが暴走したときの備えよ」

 

ナチュラルに思考を読むのやめてくれないでしょうか。

 

「アンタの考えていることぐらい、顔を見れば結構わかるわ。もちろん全部じゃないけど」

 

こわ…と思ったけど、どぼめじろう先生ならバカ話できるウマ娘枠が一つ増えるだけなのでは?

 

それはそれでありかもしれない。

 

 

気付いたら少しうとうとしてしまったようだ。

 

マックイーンは寝たふり継続中…?

 

なんか近くなってない?

 

頭の位置が徐々にこっちに寄ってきている。

 

「ウ、ウーン」

 

なんか、すっごいわざとらしい寝返り!

 

というかよだれの跡でもつけられたら、ものすごい誤解を受けそうなところにマックイーンの頭がある。

 

コラ、鼻をひくひくさせるんじゃあない!

 

「ちょっと!大丈夫!…嘘よね…なんで…パーマー!ライアン!!あのバカひっぱたきに行くわよ!!」

 

うぉっ、ヒトミミこわれるっ!

 

ドーベルから声がかからないなと思っていたら、なにかで席を外していたのか、というか盛大に勘違いされているな。

 

 

マックイーンの背後から爆走してくるドーベルとライアンが見えた段階でジェスチャーを送り、静かに寄ってきてもらう。

 

マックイーンのすぐ後ろまで寄ってきたところで、ドーベルとライアンは勘違いに気づいたようで、顔をこれでもかというくらい真っ赤にしている。

 

パーマーはちゃんとドッキリ大成功の看板をもって後から来てくれた。

 

このお嬢様ギャルほんと頼りになる。

 

というかここまで近づいてきても気づかないとか、マックイーン…。

 

パーマーからハリセンを渡され、最上段に構えるドーベル。

 

次の瞬間、全力で振り下ろされ、『スパンッ!!』という見事な音が響いた。

 

「ふぎゃっ!」

 

「んぎっ!」

 

ここでマックイーンの頭があった位置を思い出してみよう。

 

紙のハリセンと言えど、ウマ娘の全力で振り下ろされたのである。

 

見事な玉突き事故である。

 

タマだけに。

 

せ、センバになってしまう…!!

 

「あっ、ごめん!」

 

こうして私は思春期ウマ娘4人の前で股間を押さえてうずくまることになったのである。

 

 

いきなり頭に衝撃を受けたと思ったら、実さんはうずくまっていて、ドーベルは憤怒の表情で、ライアンは顔を押さえてうずくまり、パーマーはちょっと困ったような顔をしていますわ。

 

いったい、いったい何が起きましたの!?

 

カチコミですの?

 

いい度胸ですこと。

 

メジロに喧嘩を売ったことを後悔させて差し上げますわ!

 

「ドーベル、敵は、敵はどこですの」

 

「男の敵なら、まさに目の前にいるわね」

 

バッと後ろを振り返る。

 

まだうずくまっている実さんがいるだけですわね。

 

「誰もいませんわ」

 

「アンタのことよ!」

 

スパンッ!

 

「パーマー!」

 

「はいはーい。じゃーん!」

 

なんですの?

 

…ドッキリ大成功…はて?

 

の、脳が理解を拒んでいますわ…。

 

「…ちょっとした確認なのですけど、今日は4月ですわよね?明日は大阪杯がありますよね?」

 

「今日は5月なんだ、マックイーン…」

 

そ、そんな…ありえませんわ…。

 

「貞操観念逆転世界は」

 

「そんな都合のいい世界があるわけないじゃない。そんなものがあったら私だって行きたいわよ」

 

…と、いいますか、冷静に考えれば、どちらの世界であろうと、私の先ほどの行いは…その、セクハラ、ですわよね!?

 

私だって知らない男性にされたら全力タイキックですわ!

 

ウマッタートレンド入り…炎上…押しかけるマスコミ…謝罪会見…訴訟…倒産…。

 

「わ、私はただのマックイーンですわ。ですから、ですからどうかメジロの家だけは…」

 

 

痛みが引いてきて、ようやく立てるようになったと思ったら、目の前でマックイーンが土下座しているんだが。

 

女子中学生を土下座させる成人男性。

 

字面だけでとんでもなくヤバい。

 

「マックイーン、起きて、全然気にしてないから!というかドッキリ仕掛けたのはこっちだし、誰が一番悪いかって言ったら間違いなく私だから!」

 

「いえ、何があろうと私の行ったことは淑女としてやってはならないことです!」

 

「いや、それを言ったらわたしはいたいけな少女を誑かすクソ野郎だから!」

 

このあとライアン、パーマー、ドーベルも謝罪合戦に参戦し、みんな悪かったってことで一件落着した。

 

 

「マックイーンもパーマーも、そろそろ戻ろうか。準備も終わってるし、みんな待ってるよ」

 

「準備?なんのことですの?」

 

「実さんのトレーナー試験合格祝いだよ。4月はみんなバタバタしてたからね」

 

「そーそー。さすがにドッキリのためだけに集まったわけじゃないよ」

 

「その割には看板とか作って、しっかり準備してましたわね」

 

「トレーニングだって、遊びだって、本気でやった方が楽しいでしょ」

 

「今日の所はちょっとした役得だったと思っておきますわ」

 

「まあ、みんなちょっとずついい思いしたからね」

 

3人そろって引き上げていく90年クラシック組。

 

「ねえドーベル」

 

「なによ」

 

「ものすごく焦って駆け付けてくれたみたいだけど、いったい何していると思ったの?」

 

「あ、アンタ、わかってて聞いてるでしょ!?ハリセンでひっぱたくわよ!」

 

この後おばアサマやラモーヌたちも合流して盛大に祝ってもらった。

 

 

サトノダイヤモンドのヒミツ

 

サトノ家本邸には地下金庫室があり、その中にサトノダイヤモンドしか開けられない金庫があるらしい。

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