……許してください、今エリア会話とかイベスト拾って情報収集中です……
た、多分完結する頃にはそれっぽくなってると思いますので……暖かい目で見守っていただけると幸いです。
あっ、バンドリ原作は初投稿です。
対戦よろしくお願い致します!
小さい頃、たまたま出会い、仲良くなった友人を多くの人は幼馴染みという。
燈は、どこか周りとズレていて。
薪は、どこにでもいる普通の子。
アンバランスで、釣り合いの取れない2人は、薪の許容と燈の真っ直ぐな感性で繋がっていた。
やがて、歳を重ねても関係は変わらず。小学生になっても、中学生になっても、2人は隣に居た。男女という差から、遊ぶ機会は減る傾向にあったが、それでも同世代の異性よりかは多く、仲が良かった。
故に、転機が訪れても2人の天秤は崩れない──筈だった。
光がそこを通るまでは。
『バンド……? 燈が?』
『う、うん……月ノ森の子に、誘われて。えっと、その子は祥子ちゃんって言うんだけど……』
『待て待て待て。一気に説明されても飲み込めないって……』
『あっ、ご、ごめん……』
『……まぁ、燈が楽しめたらいいんじゃないか? もし、ライブとかやるなら呼んでくれよ。絶対見に行くから』
『ありがとう……がんばって、みる』
スマホを与えられてから、顔を合わせられない夜は電話することが増えて、その話題は当たり前のようにそこにあった。
バンドメンバーとカラオケに行った話。練習の話。自分の書き殴った言葉が歌詞になって、曲が生まれた話。
バンドを組んだ日から、絶えることなくその話題は続き。嬉しそうに、楽しそうに話す燈に薪はほっと安堵し、笑った。どこかズレていた幼馴染みが、好きなものを好きと思えるまま居られる場所ができたのだから。嬉しくないわけがない。
だから、薪は祈った。
どうか、こんな幸せな日々が長く永く続きますように、と。
呆気なく終わるその日まで。
◇
無音のままの通話画面。
日課になりつつあった夜の電話は、ある日を境に無音になった。燈は何も話さず、薪も問うことをしないから、終わりのない静寂だけがあって、息の吐けない地獄だった。
『……………………』
知っている。
彼は、知っている。
燈が組んでいたバンド──CRYCHICの今を。初ライブに合わせた投稿以来更新のないSNS。何も言わず、それでも自分との電話にだけは応じ、話さない幼馴染み。
嫌でも、想像くらいつく。
終わったんだ。燈の幸せだった、
『もう少ししたら、高校受験、だな』
『……………………』
『……燈は羽女だっけ? 高校からは離れ離れだけど、お互いがんばろうな』
『……………………』
『……この電話もさ、高校になっても続けよう。そんで、高校生活がどんな感じかとか、話そう?』
『……………………』
『頼むから、せめて声だけでも聞かせてくれよ、燈。嫌なことは、苦しいことは、言わなくていいから。もし言いたくなったら、全部俺にぶちまけていいから。なんでもいいから、話してくれ。話してくれないと……お前に何もしてやれないよ』
『…………ごめん、なさい。ごめん、ごめん、なさい……私が……ダメだから……壊して……』
なにかしてあげたかった。
そんな言葉に突き動かされるままに漏れた言葉が、燈の言葉を引きずり出す。触れるのも痛いような記憶をそのまま、引っ張り出す。理由もわからない、理解する間も与えられないまま終わってしまったバンド活動。始点が終点となり、抜けた穴を埋められなくなって空中分解した関係。
傍から聞けば悪いのは光だった。
陰った光が全てを壊して。
照らされた燈は消えて、終わり。
けれど、彼女はそうは思わなくて。独り、たった1人自分を責めて、追い込んで、ぐちゃぐちゃになった言葉を吐き出していた。
苦しんでいた。
悲しんでいた。
故に、今にも掻き消えそうな火を、薪はそっと自分を焚べて延命させる。
優しい彼女が自分だけを責めないように。優しい彼女が、友達を責めなくていいように。言葉をかけ続けた。燈が疲れてる眠るまで、ただ1人、近くにいる者として支え続けた。
正解も間違いもわからない人生の選択の中で、薪はこの行為をきっと永遠に採点できない。
何が一番正しかったのか。
何が一番必要だったのか。
迷子になって苦しみ続ける大切な幼馴染みに、自分はどうしてあげるべきだったのか。彼はきっと、生涯考え続ける。
そして、時は流れ。
2人は──高校生になった。
◇
『……じゃあ、薪くんはバイト、始めたんだ』
『おう。親からも反対されなかったし、社会勉強ってことで。燈は部活とか、なんか入ったのか?』
『私は天文部、入ったよ。部員は……1人だけだけど』
『そっか。それなら今度、部活の実績のためにもどこか行ってみるか? 活動実績とか、難しくなければ俺でも付き合えるし』
『もしもの時はお願いしよう、かな。ありがと、薪くん』
小さく、されど優しい声。
いつか聞いたライブの時とは違うようで同じ、素直な言葉遣い。日課として定着した夜の電話も、いつしか2人にとってかけがえのないものになり。
やがて、薪を燃やす恋となる。
これは、迷子の彼女と、彼女の傍らにいた燃え続ける薪の物語。
止まらず、走り続ける物語。
次回もお楽しみに!
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