グッドトリップ 作:平成
129。言わずと知れた
ビルの頂上に129の電飾を象徴的に構え、トレンドの発信所としてその名を全国へ轟かせている。ビルの内部へ入ると、ブランドロゴの印刷された紙袋を装備品にして、イマドキの若者が往来していた。
無数の
手近なショップに入るだけで、あらゆるアイテムが懐古を刺激してきた。意味不明な英文を羅列したデザイン、チェック柄のモノトーン色調の服、正気と思えないほど派手なジャケット。なんだこれ、平成版の大人帝国か?
「ねー、これ似合うかな? ……樹理クン、ちょっと涙ぐんでる?」
「感激しちゃって、つい」
「樹理クンって時々変」
ドン引きしている籾岡さん。
もっと濃い色のサングラスを持ってくるんだったねぇ、ここはいささか眩しすぎる。
籾岡さんは柄物のTシャツを手にして、鏡の前で自分の姿と照らし合わせている。大胆に肩を晒した今の格好より、肌色面積が少なくなって健全だ。
ハンガーラックをディグりながら、籾岡さんが声を投げてくる。
「高校生ってギャル本番じゃんか。あたしも流行りに寄せた方がいいのかなーって思うんだけど、どうかな」
「ギャル系ね。似合うよ、絶対」
今日の彼女は都会的で上品な印象だ。普段の籾岡さんのイメージだと、
「うーん……でも、ケバすぎるの嫌なのよねー」
「そうですか……」
女性とのデートで意見を求められても、通ることは低確率だ。稟議か?
「どちらかといえば、このショップの系統的に樹理クンの方がイメージに合いそうじゃない?」
「ほんとにござるかぁ?」
「まかせてよ、マイチョイスに」
「いや、オレは大丈夫だよ。世の流行り廃りがわからないから。トレンドアンテナ錆び付いてるから受信できない」
「御託はいいから!」
籾岡さんのテンションが上がっていた。
静止も間に合わず、オレは試着室に沈められた。
それからのオレはサンドバッグだった。
対戦相手のソリティアを見る時ほど痛々しい時間は存在しない。相手の盤面が熟成し、対抗札が全て封じられていく諦念。着せ替え人形にされるオレは、まさしく
「このズボンと、これ合わせてみて!」
「籾岡さん、ズボンのサイズが合わないや。太ももでデニムがパッツパツになっちゃう。違法デニムだ」
「やっぱり高身長ってなんでも着こなせて得よねー。身長いくつ?」
「185だよ」
「すご、ほんと日本人離れしてるね」
「両親ともに日本人なんだけどね」
「そー? よし! 次はこれ!」
高速な手捌き。籾岡さんは眼光を灯し、あちこちのラックから古着を取り出して押し付けてきた。そのままの勢いで、一人しか入れない試着室に押し込められた。
黒地のTシャツにデニムパンツ、アメカジのキャップ、チェーンやらシルバーやらをやたらめったら巻きつけられた。
職人が丹精をこめ、丁寧に作り上げたヤンキーファッションだった。
あまりの衝撃によって姿見の前で硬直する。
「ワルイヤツラ ハ ダイタイ トモダチ」
「できの悪いストリート崩れが出来上がっちゃったね、どこで間違えたのかしら?」
「ショップ ジャネ」
「うえーん壊れちゃった。他の樹理クンを探さなきゃ」
泣き真似でおどける籾岡さん。なんだこの時間。
彼女も一頻り眺めて満足したのか、笑顔で試着室のカーテンを閉めてきた。
怒涛の勢いだ。疲労で息をつく。
振り回されていても、悪い気分は一切しなかった。やっぱり、親戚の子どもと過ごしているような穏やかさを感じる。彼女も楽しんでいてくれたら何よりなんだけど。
試着した服を返却すると、籾岡さんは何やら落ち着かない様子でオレを待っていた。
周囲を警戒し、ハンガーラックの影になるよう隠れてる。どうかしたのかな。
「お待たせ、服返してきたよ。なにかあった?」
「いや、あのね……」
声をひそめて顔を寄せようとしてくる彼女。
背を曲げて耳を近づけるといい匂いがした。真面目なトーンの声だったから、オレも息を潜めた。
「今朝の駅前でナンパしてきた他校の男がそこにいて……」
「なるほど、やり過ごしたい感じだ」
「そうそう。スパイ大作戦ってわけ」
得心と共に胸を痛めた。
女性は大変だな。彼女の辟易とした表情を横目に、
厄介事の気配。ショップの狭い通路を堂々と塞ぐ学ラン姿のヤンキー二名を発見。
大声で喋っている。会話の内容が筒抜けだった。
「ここに居たのかよ
「おうよ、こないだ会ったオレの女。マブすぎてオメーもやりたくなんべ?」
「マジ? マジ!? マジハードル上げたで!?」
「マジンガーだべ!」
眉をしかめ、静かに問いかける。
「……彼らの高校って、ダンコーか」
「うん。たぶん男清高校の奴ら」
「あー……」
タイムリープ前のオレの母校だ。彩南町の端に位置する男子校。
遠い記憶が頭痛と共に浮かぶ。眉根を揉んだ。
直接的な関わりは薄いが、彼らも見知った顔だ。
確か、シンジとサトシって名前だ。
ふたりは、ショップに入ろうとする若者に睨みを効かせ、アクセサリー類を私物のように扱っている。
明らかにお店の迷惑だ。店員さんも注意するタイミングを伺っているようだ。
オレが入学した時もかなりヤンキー寄りの高校だったが、まさかここまで歯止めが効いていないとは。
「樹理クン、アイツら強引に連絡先交換しようとしてくるの。ほんとウザい」
毅然な態度を演じようとしているが、明らかに怯えた様子だ。
これは見過ごせない。なにより母校の恥だ。責任を感じる。
「また絡まれたらめんどくさいんだけど」
「よしわかった。籾岡さんはここにいて」
「え? ちょ、喧嘩はダメだよ」
「大丈夫。スマートでクレバーにやってくるから」
ひらひらと手のひらを振り、笑顔を向ける。
見せてやる、大人の交渉術。
ハンガーラックに隠れていた体を、彼らの前に晒す。
「ひっかけたらオレらでまわす、べ……」
「どっちが先か、だなぁ……」
声をかけずとも、ふたりの会話が尻すぼみになっていく。
オレが視線を下す。ふたりはそらす。
硬い表情を意識し、声を落とす。
冷静に諭せば、彼らもきっとわかってくれる。
「高校、どこ?」
「あ、ぃえ……! オレら別に」
「お店や往来の方に迷惑、だね?」
「すみません……」
「わかってくれたね。節度を持って買い物しようか」
青ざめた表情。
身を縮ませ、商品を棚に戻す。
「買い物を邪魔してごめん。何か買わなくてよかった?」
「あ、ああー! オレ、これ欲しいんだった!」
「オレもオレも!」
ふたりしてボンゴレリングみたいなアクセサリーを手にし、レジへ駆けて行った。平成男児がみんな欲しくなるやつだもんな。
その後ろ姿を視線だけで見送り、様子を観察していた籾岡さんへと声をかけにいく。
不安そうにオレを見上げ、紅潮した頬に緊張を滲ませていた。
「お待たせ。交渉成立したよ」
「……なにしたの?」
「声をかけただけ。思っていたよりも話が通じてよかったよ」
「へぇー……」
「さ、お店でようか」
「はい……」
表情は伺えない。硬い声のまま頷き、少女の歩幅で店を後にする。
と。
背後から視線を感じ、店側を振り返る。
「あいつ……オレたちのオンナを……!?」
「脳が、脳が……!」
「ショウジ君にシメてもらわねェと……!?」
ショウジ。頭が揺れる感覚があった。
生涯唯一の悪友。
あいつ、男清にいるのだろうか。
「樹理クン?」
「……ごめん、すぐいくよ」
首を振り、彼女との歩幅を揃える。
目的地もなく、往来の流れに身を任せる。
と、籾岡さんがオレの顔を覗き込んできた。
「話し、してもいーい?」
「なんで確認するのさ」
「だって、樹理クンの顔ちょっと怖かったから」
「うぐ……」
怖がられるのは慣れているけど、身近な子が相手だとショックだった。
頬の筋肉を引きつりながら、かける言葉に迷う。
挙動不審なオレを見かねて、籾岡さんが笑顔で返す。
「冗談! 硬くならないでよ」
バシバシと背中を叩かれた。
年下の気遣いって、あたたかさと苦々しさを感じて複雑な感情を生むよな。
まっすぐな視線が見上げてくる。
「ありがとう、かっこよかった」
「……それは何より」
視線を返せず、頬を掻いた。
少女の切り替えの早さで、籾岡さんが声を振ってくる。
「臨海学校の水着、もう用意した?」
「いや、まだだよ」
「あたしもまだなのよねー。ね、お互いの水着を選ぶってのはどう?」
「大役すぎじゃないか」
「……なんてね、本番の日までお預け!」
それは楽しみだ。
とはいえ、同級生の水着姿に期待するのは大人として問題あるか。
談笑の中、不意に沈黙がふたりの間を通った。
「もうこんな時間、だね」
突然足を止めた籾岡さん。彼女を振り返る、と。
「このまま帰っちゃうの?」
ジャケットの裾を摘み、上目遣いで伺ってくる。
「まだ遊び足りない?」
「それもある、けど……」
「…………」
「今日、うちに親が帰ってこないんだよね」
「夕飯ひとりだと寂しいか」
「そういうんじゃなくて、暇だから、さ」
モジモジとしていじらしい態度に苦笑する。年相応のわがままを、オレ相手に向けてきてくれている。気心が知れたみたいで嬉しかった。
時計の針は3時を回った程度。時間はある。
春の陽が落ちるまで、もう少し。
目の奥でチカチカと明滅する光。
瞬きの間、逡巡した。
「寄り道、していこうか」
カシャリ、と。どこかで音がした。
彩南水族館。
湿った薄闇。水槽ごとに区切られた
「閉館まであと一時間だって。どこ回る?」
「ペンギンはマストだね。あとはルート通り歩こうか」
「あたし、ここ来るの小学生の頃以来かも」
「オレは……たぶん13年ぶりくらいかな」
「ほとんど生まれてすぐ以来じゃん。おいで、案内してあげる」
大人しく少女の背後を追随する。
穏やかな水流の中で泳ぐ魚。
海草を旋回する小さな魚群を目で追いながら、隣の少女との間合いを探る。
人工で再現された海の色が顔に反射し、籾岡さんの表情に陰りを生んでいる。大人びた表情に見えて、変に緊張する。
「魚、泳いでるね」
「そうねー……神秘的よね」
当たり障りのない感想。
水族館は、演出された空間を楽しむ場所だ。生まれる感想は、どことなく地に足がつかないものばかり。
一つ一つの世界。
水槽それぞれで整えられた環境は、すべてが異世界だ。
浮遊するクラゲ。触手が織物のように規則正しく漂う。
「籾岡さんは、宇宙人を信じる?」
「んー? いるんじゃない? いるかいないか、わかんないけど。どっちでもいいかな」
「そうだよね」
相槌の裏で、意識を最近の振り返りへと延ばした。
突然のタイムリープ。ララさんの転校と、ララさんの婚約者を名乗る宇宙人の襲来。
宇宙は未知のもの。だけど、あり得ないくらい身近な距離に近づいてきた。
現実は不思議に溢れていた。大人でも知らないことは多い。
例えば、肩を寄せて見上げてくる
「水着、どんなの着てほしい?」
「まだ諦めてなかったんだ……」
「だって、水族館って海じゃん。連想しちゃうじゃん」
「同級生の水着を選ぶって、かなり難易度高いよ。オレってファッションセンス雑魚だから」
「あたし、樹理クンが選んだ水着を着てもいいよって言ってるの」
え? 一瞬交差した視線が目に焼きつく。
流し目。まつ毛が長く、整った眼差しが熱で惑う。
不満げに唇を尖らせ、オレと距離を離す。
「乙女心わかんないよねー?」
「いや、そういうのって友達同士か恋人関係がやるものだし」
「しーらない。樹理クンはふんどし履いて臨海学校参加ね」
「罰ゲームがすぎるだろ」
ふんどし姿で海中遊泳する姿を想像し、あまりにも場違いな様相に寒気がした。いや、逆に漢が際立つか?
楽しそうに足取りを弾ませる籾岡さん。
ふと湧いた疑問、その横顔へと投げかけた。
「今日、なんで遊びに誘ってくれたんだ?」
「んー? 樹理クンって存在感があるからね」
「まあ、人よりはあるけど」
「樹齢を何千年も重ねた御神木みたいだから、頼りがいがあるんだね」
「それが、誘った理由?」
「元を辿ったら、ね」
いまいち要領をえない回答だった。それ以上答えるつもりもないみたいで、彼女の視線は水槽の中へ向かう。
言動の裏を察するのも苦労する。思考を放棄し、目の前の水槽に意識を注いだ。
魚だと白身が一番好きなんだよなぁ。歳を取るにつれ、魚の好みが変わるのってなんでなんだろうね。
「ピピー。この先、お待ちかねのペンギンコーナーでーす」
「待ってました。たっぷり!」
「ねえ、あそこにいるのララちゃんじゃない?」
不意に、籾岡さんが立ち止まってそう言った。
指さす方向には、確かにララさんの姿が見受けられた。
異界じみた光景の中でも、彼女の異質な美しさは際立っていた。
背中にかかる長い桃髪。
濃紺のワンピースを、薄手のボレロで覆った清楚な立ち姿。天真爛漫な印象からは結びつかない、上品な装いだ。異星の王女の出立ちに、思わず目を奪われてしまう。
「見惚れすぎ!」
「いてっ」
肘で腹を小突かれて我に返った。
眉毛にこもる迫力。籾岡さん、微笑みの中に怒りが滲んでいる、気がする?
「あたしとデート中、よね?」
「……ごめんなさい」
素直に謝る。
デート。そう、デートだ。こんなデートスポットでララさんは何をしているのか。
見れば、何やらペンギンコーナーの仕切りに身を預け、にこやかにペンギンへ話しかけている様子。屈託のない笑顔と、震える嘴。
猛烈に嫌な予感がした。結城の姿を探さないと。
「クェエエエエエ!!」
と。水族館らしからぬ鳥の叫び声。
視線が集中する。
ペンギンコーナーの一角。瞳にエネルギーを宿したペンギンが、羽をばたつかせていた。
飛べない鳥類の代表格であるにも関わらず、ペンギンの体が揚力を得て中空を浮上する。
数羽が、動揺で立ち尽くす観覧客の前に躍り出た。
「な、何が……!?」
人垣越しで、仕立て人に呼びかけた。
「何したんだ、ララさん!」
「あ、ジュリだっ! 元気ー?」
のほほんスマイルで迎えるララさんとは対照的に、オレは冷や汗ダラダラ。
結城から彼女のトラブルメイカーっぷりは聞いている。
宇宙的な事件が目の前で起き始めていた……!!
「このペンギンたちに何したのさ!」
「デビルーク戦士の秘薬あげたの! 元気がいっぱいになるんだよ〜!!」
「餌やり感覚で変なのあげないの! ちゃんと飼い主の許可を取りなさい!」
第二宇宙速度で倫理をぶっちぎられたら困るぞ!
ともかく、ララさんには後で注意するとして、今はこの場を納めなくては……!
羽をばたつかせるだけで、どういうわけか浮遊するペンギンたち。遺伝子の歴史で発達しなかった飛行能力が、少女の気まぐれで覚醒していた。ウィキッドのワンシーンでこんな場面なかったっけ?
廊下に灯る
飛翔するペンギンの一群。超次元サッカーの禁術めいた光景。
「クエィーッ!!」
ペンギンは溢れるエネルギーを持て余しているのか、オレに突進してきた。
上体を逸らすと、さっきまで顔があった場所を旋風が起こった。
オレを軸にして、ペンギンが6羽旋回する。
「獲物にされてる……!?」
尋常じゃない速度で突撃してくる鳥の群れ。
インド出張の時、突っ込んでくる自動車の大群をかわして道路を横断していた経験がここにきて活きるとは……!
嘴を矛先にし、牙突の勢いで向かってくるペンギンをかわしながら思考する。
周囲に被害は出ていないが、速度がとんでもない。
このまま避けて収拾を待つのはいいが、状況の打破ができない……! くそ、なんかないかなんかないか!
その時だ。視界の端に希望が輝いた。
「な、なんだこれっ!? ララお前何したんだよ!」
「結城ぃ〜! いつもいいところに来てくれるな!? リベロか!?」
「秦野!? なんだその動き!?」
「マトリックス見てないのか!? 筋トレに柔軟は必要ってことだ!」
普段着の結城の姿がそこにあった。オレはバック宙でペンギンを回避しながらガッツポーズをかました。居てほしい時にいてくれるマイフレンド。友情パワーが体に溢れ出た。
ステップの足取りでペンギンをいなし、結城へと声を飛ばす。
「係員さん呼んでこの子達の餌をもらってきてくれ!」
「わ、わけわかんねーけどわかった!」
かけ出す結城。彼の背中へ照準を合わせたペンギンの嘴を触り、軌道をずらす。
変則的な挙動で、ペンギンのルートが捩れる。
お、飛翔中なら誘導できるのか。じゃあ一旦水槽の中に戻せばいいな。
一瞬見えた光明。弛緩した体の動きを、ペンギンは見逃さない。
「樹理クン危ない!」
「見えてるよ、後ろも」
横に
飛翔する勢いを利用し、水槽へ向けて投擲する。
「森へおかえり!」
「苦エェーッ!?」
着水と共に暴れ回るペンギン。
大人しくしてなさい! 威圧を込めた視線で黙らせた。オレは人間にも動物にも恐れられるのだ。
有効打と認めたオレは、飛翔するペンギンに自ら接近した。
驚愕で動きを固めるペンギンの胴体を抑え、そのまま水槽へ投げ込む。漁業している気分だった。
「クエッ!?」
「頭を! 冷やせ!」
「ェーッ!?」
「スベッカム!」
「クェーーーー!!」
「ジュリってすごい! 地球人であんな動きできるんだ!」
「いやー……?」
「秦野、餌もらってきた!」
ペンギンコーナーのバッグヤードから、結城が魚の詰まったバケツを持って現れた。
なんでスタッフ通路普通に使えてるの? まあ結城に不可能はないか。
「トドメの一撃だ、結城! 餌をばら撒け!」
「ええい、なんとでも、なれえーッ!」
魚が宙を舞う。
バケツから放たれた餌を前に、ペンギンの眼光が定まる。
ダーツの如く直線で、それぞれが獲物の頭をとらえた。
6羽それぞれが魚を食べた。
途端。動きが急速に萎む。
陸地へと戻り、各々が食事に専念し始めた。
計画通り。ニヤリと微笑んだ。
「元気たっぷりになっても、消化機能は底上げされていないらしいな」
「秦野、つまりどういう……?」
「ドカ食い気絶させてやったのさ」
「は……?」
急な運動の直後。
体力が不足している中で餌にありつけた以上、生物なら体力の補完に尽くすはずだ。
動物的な知識はないが、完徹しまくった後にドカ食い気絶していた経験からこの作戦を導いた……!
「お、おおー……!」
たまたま居合わせたお客さんが、感嘆の声と共にまばらな拍手を打つ。その中には、口を開けたまま放心している籾岡さん、満面の笑みのララさんも含まれていた。
まずい、状況を収束するのに必死で周囲の視線を忘れていた……!
笑みを作り、なるべく声を張って虚偽陳述を開始する。
「いかがでしたか、ペンギンショーエクストラステージは?」
予防線張りまくりなギャルってガチ感が滲んで好きです
https://syosetu.org/novel/372112/
ダークネスバージョンも更新してあります。
私はもうダークネスの導入に理性を使うのをやめます。ついでにR17.9とかいうタグでそびえる0.1の壁を、最もえっちな言葉で批難します。