バカとダイヤと召喚獣   作:アマノジャック

31 / 31
テスト科目・安全

【問題】1906年、アメリカの巨大鉄鋼メーカーであるUSスチール社の社長が掲げた経営方針「安全第一」には続きがあります。それを答えてください。


サトノダイヤモンドの答え
「第二品質、第三生産」

吉井明久のコメント
「正解。この方針のお陰で労働災害によるケガや死亡者が大きく減ったと言われているね。」


セイウンスカイの答え
「安心第二、安眠第三」

吉井明久のコメント
「不正解。トレーニングも補習をサボらないように。」


ナカヤマフェスタの答え
「リスクはつきもの」

吉井明久のコメント
「…君も僕と一緒に安全について特別教育を受けるかい?」


第三十問 吉井家

僕の1日は家族の笑顔から始まる。

 

「おはよう。」

 

「おはようございます明久君。」

「おはようございますアキくん。」

「パパ、おはよ♪」

 

瑞希ちゃん(僕の妻)と小豆ちゃん(僕たちの天使)と姉さんに軽く挨拶をして、身支度を始めるのだ。

 

「今日はどういう予定ですか?」

「文月学園で職長用の安全特別教育だよ…フィールド設置工事の現場に入るためにいるんだってさ。」

「人生は勉強ですからね。」

「パパ…きょうもおそい?」

「ううん、今日は早いよ!後、明日と明後日も!特別教育で帰れるからね!」

「ほんとう!?わーい!」

 

あぁ、小豆ちゃんマジいい笑顔…今日はもう仕事したくないな。

 

「アキくん、時間ですよ。」

「分かってる分かってる。いってきます。」

「いってらっしゃい、パパ!」

「はーい!」

 

小豆ちゃんの笑顔をバックに玄関を出る。

 

「…明久君、小豆ちゃんにばっかり構って。」

 

同時に瑞希ちゃんの嫉妬も感じながら。

 

───

 

「よし、残りは明日でいいだろう。」

「はひぃぃ…」プスプス

 

慣れないWeb動画を見た1日だった。事故の例…高所からの落下とか破片による切り傷とか重いものによる圧死とか、召喚獣越しとはいえ実際に経験したこともあり…割と笑えない内容だった。いや、特別教育そのものが終始真面目な動画なんだけどね!

 

「…さて、お疲れのところ悪いが吉井。少し手伝って欲しいことがある。急遽大量のスピーカーが届いてきてな…俺以外に人がいない。運搬を手伝ってくれ。」

「分かりましたよ。僕と西村先生と召喚獣たち4人でいいですね。」

「本当に悪いな。今度飲む時は俺が出そう。」

「いいですってこれくらい。」

 

『試獣召喚(サモン)』

 

………

 

「ただいま~」

「おそい!」

「ご、ごめんね小豆ちゃん…欲しいものある?」

「あずきはまた(・・)ぷりふぁいのおもちゃがほしい!」

「…姉さん?」

「…」ぷいっ

 

僕たちに黙ってオモチャを買ってあげてたらしい。いや、本人が喜んでたならその姿を写真で送ってくれてもいいじゃん!

 

「ごめんね、明日の帰りに買ってくるからね。」

「パパだいすき!」

「ありがとう。僕も大好きだよ小豆ちゃん。それじゃあ、瑞……んん!ママが帰るまでにご飯作るね。玲おばちゃんと一緒に待っててね。」

「はーい!」

「ア~キ~く~ん~?」ゴゴゴ

「ほらほら、小豆ちゃんの前で怒らない怒らない。」

「…」ゴゴゴ

「アキラちゃん、あそぼ?」

「えぇ、そうしましょうか……後でヤブサメ。」

 

最後に何かを言いながら去る姉さん。ヤブサメ?確かウマ娘が走りながら矢を射る伝統行事だよね?姉さんはウマ娘じゃないからヤブサメ出来ないと思うけど…うーん…とりあえず、ご飯作るか。小豆ちゃんの好きなポテトサラダでも作ってあげよう。

 

「ただいま帰りました。」

 

「お帰り瑞希ちゃん!」

 

瑞希ちゃんが帰ってきたが…夕食の準備中なので声だけで返事をする。すると、小豆ちゃんと姉さんが出迎えにいっていた。

 

「ママ!おかえり!」

「お疲れ様です瑞希ちゃん。」

 

「小豆ちゃん、玲さん…ただいまです。」

 

会社から帰宅した瑞希ちゃん…そういえば、僕がトレセン学園に行き始めてからずっとこの姿をみてなかったな。

 

「小豆ちゃん、そろそろ出来るから椅子に座って待っててね~」

「はーい!」

 

姉さんが机を拭きつつ、小豆ちゃんは天使の笑顔で待機する。瑞希ちゃんもビジネススーツから着替え終わり、座ったタイミングでちょうど炊飯器の炊ける音がなる。少し冷ましてる間に出来たのを運ぶとしよう。

 

「おさかなだ!えーと…ソモン!ソモン!」

「そうそう。フランス語が言える小豆ちゃんは天才だね…瑞希ちゃん。小豆ちゃんの分は皮を取ってあげて。骨は最初から無い鮭だから。」

「分かりました~」

 

メニューを運んで…全員で手を合わせた。

 

『いただきます。』

 

「みそ汁ですか…日本にいるって感じがします。」

「フランスで父さんは作ってくれないの?」

「味噌がなかなか手に入りませんからね…ふぅ、いいですね。日本の味です。」

「おかわり欲しかったらいれるから言ってね。」

 

小豆ちゃんが食べる姿を見つつ、姉さんの話を聞く。…うん、ちゃんとスプーンを使えているね。

 

「パパ、おいしい。」

「私もですよ明久君。」

「良かった良かった。実は作ったのは久々だったからちょっと不安だったんだ。」

 

まぁ、瑞希ちゃんより帰りが遅くなったからだけどね…お陰か瑞希ちゃんの夕食の成功率が上がった気がする。最後に気絶したのはいつだったかな?

 

「明日はまた職長の安全特別教育の続きなんだ…」

「アキくんは現場監督になられるので?」

「違うけど学園長が受講してくれって言うから受けてる。後は粉塵と酸欠の特別教育も…」

「トレセン学園の地下に入るのでしょうか?」

「まだ聞いてないけど、そんな気はするかな。」

 

召喚フィールドに使うデバイスって、てっきり学内の壁の中に埋め込むものと思ってたから…まさかの地下にセットしていたとは。うーん、ここまで大がかりな工事だったのは予想外。

 

「まぁ、お陰で数日は早く帰れるから…」

「終わればまた忙しい毎日でしょう?」

「……はい。」

 

故に今の時間は本当に貴重なんだ…。

 

「パパ、つらい?」

「つらくないよ。パパとママが頑張れるのはこうやって皆と過ごすためだからね…お?小豆ちゃん、1人で全部食べれたね~、えらいね~」

「えへへへ…」

 

フランスに行く前はスプーンからご飯をこぼして食べれなかった小豆ちゃん。フランスで姉さんや母さんたちが上手に扱えるように教えたのかな…うーん、親としての楽しみを1つ奪われた気分だけど…成長した姿が見れて嬉しくもある。

 

『ごちそうさまでした。』

「ごちそさま!あきらちゃん、えほん!えほん!」

「はい、分かりました。アキくん…」

「うん。小豆ちゃんを任せたよ。」

 

姉さんは小豆ちゃんを連れてリビングを後にする。

 

「明久君、今日は私が洗いますね…その間にお風呂に入ってもらえれば。」

「え?別に僕が全部洗うけど…」

「今日くらいはゆっくり休んでください。」

「ありがとう瑞希ちゃん。ゆっくりさせてもらうよ。」

 

時間だけを見れば瑞希ちゃんより早いけど…まぁ、ここは素直に甘えるとしますか。

 

………

 

風呂からあがり、明日の準備をしていると姉さんが部屋へと入ってきた。

 

「小豆ちゃんは寝ましたよアキくん。」

「了解。姉さん、今日も小豆ちゃんのこと…ありがとう。」

「お礼なんていいんです。私たちも始めるとしましょう。」

「ん?何の話?」

「ヤブサメ。」

「???姉さんってウマ娘じゃないよね?」

「アキくん、じっとしていなさい。」

「ちょっと待って姉さん!?そのロープは何!?ヤブサメに必要ないよね?ちょっと?姉さん?ステイ!姉さんステェェエ!!」

 

正直姉さんがここにいることは嫌じゃない…これさえ無ければね!…さて、今日はどう対処しようかな?

 

「…玲さん?明久君に何を…?」ゴゴゴ

 

あ、今回はあっさりと対処できそうだ。

 

───

 

「──!?今、吉井さんの叫びが聞こえた気がしました!?」

「……ダイヤ、疲れてる?早く寝よう?」

「こうしてはいられません!急いで……?」

「早・く・寝・よ・う・ね?」ガシッ

「……はい。」

「…」こそっ

「ノブレスさんもです。」

「……はい、ですわ。」

 

サトノダイヤモンド&サトノノブレス、就寝。




凱旋門賞を走ったメイショウタバルとアドマイヤテラ…お疲れ様でした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。