だから、料理を作るのだ……
※今作はVtuber白兎ねむりのネタを多用しております
用語解説
しらと耳:白兎ねむり様の兎耳
シラート:白兎ねむり様の脂です、そう、脂
新年度に入った日の仕事帰り、これから続々と桜が開花し、見頃を迎える今日この頃、すきっ腹を抱えてスーパーに足を踏み入れる。
さて、今日は何を食すべきか。
精肉コーナーをふらふらとしていると、ふととある商品に目が留まった。
『夢の国産 しらと耳 ステーキ用』
しかもちゃんとシラート付きの本格仕様だ。
サラダ油だの、牛脂だのを使う輩も居ると聞くが、流通量の多くない希少食材を頂くのならばやはりシラートの脂でニンニクを炒め、しっかりと香りを引き出すやり方がベストアンサーと言う物だ。
少し豪勢に行こうじゃないか。
ニンニクに、バター、彩りにパセリ、ニンジンのグラッセも必要だろうか。それから赤ワインも欲しくなる。きっと最高の晩餐になることは間違いない。
そうと決まれば食材を買って早々に帰宅だ。
この4月1日にステーキ用のしらとみ耳が手に入るとは運が良い。
昨今は裏ルートの締め付けも厳しく、正規ルートのしらと耳も流通量が少ないため、なかなか手に入らなかった為、こうしてスーパーで買えるのはとても珍しい事だ。
やはり耳畑のしらと耳が横流しされていたのが問題だったのだろう。
今後は流通量が増えればいいのだが……
まずはニンジンのグラッセからだ。
ニンジンのグラッセとは、たまに洋食の付け合わせに出てくる甘くてテカテカしているあのニンジンだ。
ニンジンを適当な大きさに切って、角をトリミングする。別にトリミングをしなくてもいいのだが、これは気分の問題だ。煮崩れだのなんだのと色々とあるのかもしれないが、別に店で出すわけでも無し。ただ、せっかくの高級食材なのだから、このぐらい凝って料理したい、それだけの話だ。
小鍋にトリミングしたニンジンを入れ、ニンジンが浸るくらいの水を入れて、そこに、塩と砂糖、そしてバターを加える。
そして煮立たせて10分ほど煮込む。後は水が無くなるまで強火で加熱し、良い具合に照りが出てくれば完成だ。
お次は本命、しらと耳のステーキだ。
元々薄いこのしらと耳をステーキで食べようとしたとき、強火で一気に焼かなければならない。
塩、コショウで下味を付け、浸透圧で出てきた水気はペーパーでふき取る。
フライパンにステーキ用しらと耳に付属してきたシラートを入れて熱し、スライスしたニンニクを投入する。
ニンニクが脂に香りが移るようにキツネ色になるまでじっくりと炒め、ニンニクを回収する。
そしてそこにお待ちかねのしらと耳を投入する。
ジューという肉のよく焼ける音がキッチンに広がり、期待感を高めてくれる。
そこにバターを投下して、さらにバターの香りも追加する。
シラートのコクのあるうま味とニンニクとバターの香りも追加となればこれはいよいよもって仕上がりに期待が持てる。
強火で片面をこんがりと仕上げ、裏返したら中火に落としてバターを回しかけながら火を入れていく。
しらと耳が焼けたら、バットに上げてアルミホイルをかぶせて肉汁を落ち着かせる。
淡白な味わいだが、やはりしっかりと肉汁を落ち着けるために余熱調理はしっかりとしておいた方がいいのだろう。
後はさらに盛り付けれ、最後にパセリを散らせば完成だ。
しらと耳のステーキにニンジンのグラッセ、ステーキにはこんがりと焼けたガーリックをトッピングし、彩りに緑のパセリ、そして赤ワイン、これほど完成された晩餐も無いだろう。
もちろん、ナイフとフォークで頂く。
気取っている? もちろん、それが何か?
しらと耳をナイフとフォークで切り分けて一口食べる。
淡白な味わいのしらと耳だが、パサパサすることも無く、しっとりと柔らかいのが特徴だ。シラートで焼くことによって脂のほんのりとした甘みとコクがより一層際立ち、そこニンニクのガツンとした香りとバターのうま味と風味が合わさることによって極上の味わいにしてくれている。
「美味い」
ニンジンのグラッセはどうだろうか、ニンジン本来の甘みにプラスしてバターのうま味が効いている。ステーキとの対比も素晴らしい。これなら付け合わせとして優秀だ。
しらと耳のステーキは赤ワインにもよく合う。
その淡白な味わいから、白ワインの方がいいかとも思ったが、杞憂だった。やはりステーキには赤ワインが最高なのだと思わせてくれる。
なんおと調和の取れた晩餐なのだろうか、贅沢そのものだが、心にゆとりを持たせてくれるというのはこの事だろう。
「全く、4月1日は良い日だな」
そう、今日は4月1日、とても良い日なのだ。