金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

61 / 61

 すいません。
 職場トラブル、体調不良、新作ゲーム、スマホ異常、データ記録ミスなどで中々書けませんでした。
 



第六十話 ヒーロー仮免許試験前、その2。

 

 ヒーロー仮免許資格試験。

 ヒーローを志す者にとって何よりも大切な、それこそ人生を左右する大事な試験。

 今回、例年や通例とは異なり一年生から挑戦する雄英高校生、まだ機会のあるヒーロー科二年生ならばまだ機会はある。

 だが受験生の大半を占めるヒーロー科三年生にとっては下手をすれば最後の機会になりかねないその試験になんとも珍妙な格好の、実力は異様に高い存在が現れた。

 別にヒーロー仮免許資格試験は高校生のみに受験資格があるわけではない。

 大学生や専門学校生もいるし、少数ではあるが社会人も受験している。

 他国では退役した軍人や元格闘家、元警察官などがヒーロー資格を取ることも多い。

 だがこの国、日本ではヒーロー科卒業までにヒーロー仮免許が取れなければヒーローの道を諦める場合が多い。

 その理由は、この国ではヒーロー科卒業と同時にヒーローデビューを果たして活躍している者達が多いこと。そしてヒーロー事務所がサイドキックとして雇う者はヒーロー科卒業生の年齢が若い者ばかりという実態がある。

 個人事業主ばかりのヒーロー事務所。

 その中にサラリーマン経験者などほぼいなく、ゆえに年上の部下という一般企業でも手を焼く人材を雇用したがる者は希少なのである。

 そんなわけでフレッシュで瑞々しい学生が大多数を占めるヒーロー仮免許資格試験に現れた異質な存在フォルゴ・マイト(年齢・多分アラサー)。

 彼はそのツッコミどころしかない外見で、まるで当然のように別の意味で異質で目立つ集団(受験生が一年)に声をかけるのであった。

 

「久しぶりだな、あしゅら男爵もどき。

 元気そうでなによりだ。

 観光にでも来たのか?

 そして帰れ」

 

 親しげにブラザー呼びされたイタリアの英雄パルコ・フォルゴレのサイドキック(本人未了承、イタリア政府認定)爆豪勝己は、とりあえず挨拶は返しつつもお帰りはあちらだと手を振る(なおその横で解釈違い過ぎるオールマイトオタクの緑谷出久が八百万百に創造してもらったお茶漬けを投擲する姿勢)。

 

「フッ、確かに多くのヒーローが生まれるこの地はまさに誕生の聖地。一ヒーローファンとして外せない場所だ。売店も充実してるからオススメだね」

 

「「「ぶっ!?」」」

 

「「「既にチェック済みっ!?」」」

 

「なん・・・・・・だと!?」

 

「デク君、そのサイフは試験終わるまでしまっとこ」

 

 一部の学生があしゅら男爵というあまりにしっくりくる発言に吹き出し、一部の学生達が国立競技場の売店事情に驚き、緑谷出久がサイフを取り出しダッシュしようとし、麗日お茶子がそれを静止した。

 

「しかしブラザー、俺は観光しに来たわけではないのだよ」

 

「売店チェックしといて説得力ねえわ。あとブラザーじゃねえ」

 

 絡むフォルゴ・マイトに嫌そうに返す爆豪勝己。イタリアの騒動とパルコ・フォルゴレのコンサートを共に乗り越えた戦友とはいえ、変なところで常識的な感性の爆豪勝己にとってフォルゴ・マイトはあまり関わりたくない存在である。

 

「俺は、この地で、この国で、

 ヒーローに成りに来たのだ」

 

「イタリアに帰れ」

 

 向こうのヴィラン犯罪率はこの国の比じゃねえだろと爆豪勝己は真顔でツッコんだ。

 なにせ本業はコメディアンであるパルコ・フォルゴレと、まだ学生でしかない爆豪勝己すらヒーロー認定しちゃうような状況なのだ。

 ヴィジランテすら合法なあの国こそ(日本以外は割とそんな感じ)、フォルゴ・マイトは必要なのだろう。

 そんな爆豪勝己の反応をスルーして、フォルゴ・マイトは己が胸の内を、自らの想いを語りだす。

 オタク特有の自分の世界に入り込んでしまっているのだ。

 

「偉大なるヒーロー、平和の象徴オールマイトは巨悪を打倒した。だがその代償として力を使い果たしてしまった」

 

 拳を握りしめオールマイトフェイスとパルコ・フォルゴレフェイス両方から涙を流すフォルゴ・マイト。

 それは大切な物を失った悲しみ。

 異様な外見だが、その気持ちは世界中全ての人々が同意するだろう。

 

「だが彼は最後の力を振り絞り(注・生きてます)、こう告げたのだ。

『次は、君だ』っと。

 ならば彼に指名された者として俺には全身全霊をもってその想いに応える義務があるのだ」

 

「アンタじゃなくね?」

 

 爆豪勝己は事件の後始末後にその映像を視聴し、その言葉が様々な場所で反響していると知ったが(フォルゴ・マイトのように思った者は割といる)、色々と察した今となってはそれが誰に向けた言葉なのか理解しているのだ。

 

「そう、次は俺だぁ!!」

 

「違うって」

 

 チラリとその託されたと予想されるお茶漬け構える幼馴染を見てから、熱く盛り上げるフォルゴ・マイトをなんとか落ち着けようと試みる。

 

「オールマイト引退により治安が悪化するであろうこの国を、俺がこの手で守り支えるのだ!!」

 

「実力は超級。

 志は気高く正しく。

 けど、外見でアウトだと自覚しろ」

 

 日本は世界的にオールマイトファン過激派が多いことで有名である。

 

「さぁ、フォルゴ・マイト伝説の始まりだ。

 共に覇道を征くぞブラザー」

 

 そっと肩に腕を回しながらフォルゴ・マイトは宣言する。確定した成功への道へと向けて(実力だけなら充分ではある)。

 

「つーかガチで受験するのかアンタ?

 よくイタリア政府と日本政府から諸々の許可がおりたな」

 

 出国入国滞在受験国籍取得などあらゆる箇所でひっかかる人物である。

 もっともその最たる理由が、実父が欧州最大マフィアのボスであることと、ヒーローコスチュームの外見なのだが。

 

「先日の事件の報酬として手回ししてくれたのだよ」

 

 フォルゴ・マイトはイタリアにおいても手放したくない人材である。

 だがその生まれから実家の影響が強い故郷で真っ当にヒーロー活動をするのは困難なのだ。

 日本政府、ヒーロー公安委員会としても戦力は欲しいので渋々了承した形である。

 その交渉によりヒーロー公安委員長及び職員、さらにその切り札である某早すぎた男が寝る暇がないほど働く羽目になり、さらに重度の胃痛になったそうだが。

 ちなみのちなみに、フォルゴ・マイト以外にも現アメリカナンバー1ヒーローが日本に移籍しようと行動してとんでもない騒動が国民の目に触れないところで起きていたりする。

 フォルゴ・マイト問題があっさり許された要因の一つがそれだったりするのだ。

 

「・・・・・・・・・・・・今回の合格は絶望的だな」

 

 フォルゴ・マイトが嘘偽りドッキリなくヒーロー仮免許資格試験に受験するとして、爆豪勝己は彼らしくなく、本当に彼らしくなく、資格試験合格を諦めかけるのであった。

 

「コレが俺の名刺。

 連絡先と事務所(予定)の住所も記されているからいつでもチームアップしようぜブラザーっ!!」

 

 強引に純金製の名刺を渡し、フォルゴ・マイトは颯爽と去っていった(そして緑谷出久から茶漬けは受け取った)。なおサイドキックではなくチームアップなのは、兄弟に上下関係はありえないからだそうだ。

 

「爆豪、なんでそんな絶望的な表情なんだ?」

 

 嵐のように過ぎ去ったフォルゴ・マイト。

 疲れ切った空気漂わす爆豪勝己にクラスメイト達は心配し声をかけた。

 

「タマゴからヒヨッ子になる場所で、バジリスクが現れたようなもんだぞ」

 

 試験の難易度跳ね上がり過ぎだぞと、フォルゴ・マイトの実力を知るが故に吐き捨てた。

 

「・・・・・・そんなに強いのか?」

 

 外見からやはりネタキャラにしか、芸人にしか見えない存在。

 だからこそ誰もが、外国の事件であったこともあり警戒を抱けないでいた。

 

「オールマイトの八割クラスのパワーで、八百万以上の物質創造、さらに本人の盲信レベルの思い込みでフォルゴレ並みにタフ。

 この場の全員、プロヒーロー込みでも勝てるかわからん怪物だよ」

 

 受験生のみならず生徒の引率として来た、プロヒーローでもある教師達。

 それらを含めた総掛かりでも厳しいと爆豪勝己は判断した。

 そして、そんな存在を片手間で相手したドン・ピッツァはどれだけだったのやらと遠い目になった。

 

「ま、爆豪の判定は妥当だがヒーロー資格試験は必ずしもアレに勝たなきゃいかん試験ではない。

 警戒して全力で臨め」

 

「「「「「「「はい!!」」」」」」」

 

 爆豪勝己と同じ実力判定を下したイレイザーヘッドは生徒達にそう声をかけるのであった。

 

「あ、あのーイレイザー?」

 

「時間ないから後でな」

 

 そして濃すぎる嵐が去ったのを見計らって声をかけた傑物学園高校担任であるスマイルヒーロー・Ms.ジョークだが、情報収集及び関わる気だった生徒を含めて、雄英高校一年A組と会話することなく去る羽目になってしまった。

 





 補足、説明。

 今回はファルゴ・マイトの説明回です。
 なおイナサは金色のガッシュで戦友ですが、外見が違い過ぎて(ほぼきぐるみのコスチューム)気づいてません。
 彼の日本でのヒーロー資格取得及び、日本でヒーロー活動することに関係者は頭を抱えています。
 実力はあるだけに余計に。
 ちなみにファルゴ・マイトはデュフォーによる個性覚醒されてるので、劇場版のお嬢の個性が無くても同じことができます。

 お茶漬け。
 京都の作法?
 出されたら帰れってことらしい。  

 バジリスク。
 蛙が孵化させた鶏の卵から生まれる毒蛇の王(ハリポタ設定)、爆豪勝己からしたらそんな風に見えました。
 
 今後も更新は不定期です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

超次元サッカーへの挑戦(作者:黒ハム)(原作:イナズマイレブン)

普通に生きていた主人公十六夜綾人。▼しかし、彼は不慮の事故で死んでしまう……転生先はイナズマイレブン?え?超次元サッカー?なにそれ。えーっと?足から炎?背中に魔人?地面からペンギン?はっはっはっ。あり得ないだろ。▼普通のサッカーしか知らない少年の超次元サッカーへの挑戦が今始まる。▼


総合評価:7885/評価:8/連載:254話/更新日時:2026年02月09日(月) 06:00 小説情報

僕のヒーローアカデミア~ジンオウガの章~(作者:四季の夢)(原作:僕のヒーローアカデミア)

 世界総人口の約8割が超常能力“個性”を持つに至った超人社会。▼ 皆がヒーローに憧れる中、同じくヒーローを目指す少年――雷狼寺 竜牙。▼ そして、彼に宿りし個性――“雷狼竜”▼ この超人社会で今、雷を操る牙竜種が解禁される。▼ 


総合評価:15667/評価:7.99/連載:66話/更新日時:2026年07月11日(土) 11:43 小説情報

魔法って言うならもっとこう……あるだろう!?(作者:南亭骨帯)(原作:僕のヒーローアカデミア)

▼ この世の中の超常現象の九割以上が『誰かしらの個性だろ』で片付けられてしまう今日この頃。▼ ヒーローを目指す少年、森岸詠士(もりがんえいじ)が発現した個性の名は【魔法】──現代社会に喧嘩を売るような代物だった。▼「炎を操ったり風を吹かせたりもできねぇのに魔法使いなんざ名乗ってたまるかァ!?」▼ ……尚、攻撃魔法は一つもない模様。▼ ※注意!▼ 本作は他作品…


総合評価:17970/評価:8.51/完結:137話/更新日時:2026年08月15日(土) 12:00 小説情報

転生しただけのゲーセン経営してる冴えない男です通してください(作者:グフっていらなくない?)(原作:ダンボール戦機)

神の理不尽によって死にました。転生場所はダン戦です。ゲーセン営んでます。原作突っかかろうとは思ってます。▼原作ほわーんとしか覚えてないんで間違いあっても多目に見て欲しいです。


総合評価:331/評価:8/連載:12話/更新日時:2026年09月27日(日) 22:55 小説情報

破面ヒーロー『アランカル』(作者:揚げパンcat)(原作:僕のヒーローアカデミア)

死人に口なし、と言うだろう?▼──だから、ここでの事はくれぐれも内密にしてくれたまえ。▼お前は死んだ。それは変えようのない事実だ。▼ただ、お前の死因はそれはそれは不運だった。不運不愉快極まりないモノだった。だからこそ!!▼キミは転生する権利を得たのさ。私の憐憫を、寵愛を享受するという権利をね。▼さあ、好きなチカラで好きなセカイへ飛び込むがいい。私は、キミの活…


総合評価:221/評価:-.--/連載:20話/更新日時:2026年10月24日(土) 19:35 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>