よう実4期の作画が私の好みにドストライクです!1年生組も声が良い!宝泉くん、椿さん、天沢さんこの3人の声が特に好みです。
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――― 綾雪志朗 ―――
時刻は20時を回り、各クラスの点呼を終え楽しい楽しい焼き肉パーティーは終わりを迎えた。うちのクラスの星之宮先生をはじめ茶柱先生も坂上先生と一緒に飲み会みたいなことをしていたが、流石に生徒の前だからか酒は慎んだらしい。
酒に酔いながら朝のホームルームに来てそのまま吐き、帆波や麻子に介抱されているイメージが強すぎて忘れていたが早急に評価を道端の小石から道端の空き缶レベルに改める必要がありそうだ。決して蹴りがいがあるとかいう意味ではない。
「はあ~、あいつら騒ぎすぎ、まじうぜえ。」
自分たちBクラスのベースキャンプに戻り、明日以降どうするか、先生にあとで話さなきゃなとベースキャンプから少し離れた位置。具体的には河原の石に腰かけて物思いにふけっていると、ふと背後から声がした。
ダウナー気味の声にマイナスな発言、軽い舌打ちが聞こえ、ふと笑みがこぼれる。うちのBクラスでこれらにあてはまる人物は1人しかいない。思わず振り返ると声が被り、髪色と同系色の綺麗な紺色の瞳と目が合った。
「はは……ユキだと思った。」
「あんたこそ、ここで何してるわけ?」
「明日以降どうするか、ちょっと考えてた。」
「……ふーん」
目をそらし、心底つまらなさそうな顔をしているこの女の子は姫野ユキ。月明かりに水色のメッシュと髪が映えて綺麗だなと思っていると、ユキは歩いてきて俺の隣に腰かけた。
「隣、いい?」
「ん、いいぞ。」
「あいつらまじでうるせえ、猿かっての」
「はっ、それ作った原因の前でそれ言うかよ。」
「……?ああ、無料のバーベキューがあるよって最初に言ったのは志朗だったっけ?」
「そうだよ、Cクラスの奴らの顔見たかよ?特に龍園、あいつの顔は傑作だった。」
「ぶっ、思い出したらそうだったかも、Cクラスには入学したときからずっとイライラしてたからスカッとした。」
「それはよかった」とユキの会話に返事を返す。先ほどの鬱屈とした雰囲気は晴れて笑みを零すユキ。本人の特性的にあんまり大人数は好きじゃないがこうして話してる分にはノリがいいしなんてことない話にもノッてくれる面白い奴だ。
あんまり人と話したがらない彼女のことだから一人になりたいと思ってこっちに来たんだろうが、俺の隣に腰かけたのはどういうことだろうか、こうやって愚痴を軽く零してくれるぐらいには信頼してくれていると思えば悪い気はしないが、まあどうだろう。
ユキは足をバタバタさせながら、夜空に浮かぶ月に視線を向け、何かに思いを馳せるかのように口を開く。
「わたしさ、このクラスのことあんまり好きじゃないんだよね」
「知ってる」
「困ってる人が居たら助けるのは当然、1人でいるのは可哀想。同調圧力?っていうのかな。みんながやってたら私たちもやらなきゃいけなくなる、そういう雰囲気が、嫌い。」
「まあ、リーダーの帆波がそういう人間性だからな、俺もぶっちゃけBクラスの雰囲気は好きじゃない。」
「……ふーん、一之瀬さんとか網倉さんとか、あと柴田とか渡辺とかその雰囲気の元凶になってるやつらとあんたは仲良いでしょ?そんなこと言って言いわけ?」
「勘違いすんな、俺が嫌いなのは「一之瀬に任せてれば間違いない」っていうクラスの雰囲気のことを言ってる。帆波とか紀仁とかのことじゃない」
「……そういうことね。今日の試験が始まるときに思ったけど、志朗が一之瀬さんに代わってずっとリーダーする気はないわけ?」
「ない」
「は、即答かよ」
即答する俺に対して乾いた笑いを零すユキ。今日は愚痴が多い日のようだ。俺の返答にとくに動揺する様子は見せず、彼女は言葉を続ける。
「クラスが誰か1人に依存することを避けたい……だっけ?随分大層な目標挙げたよね。クラスのためによくそんなこと言えるよね」
「嫌でも3年間一緒のクラスだからな。嫌なわけじゃないけど。それに、友達が悪い方向に進もうとしていたら止めるのは友達の役目だろ?」
「そのとってつけたような回答嫌いなんだけど、心底なんとも思ってなさそうで」
「じゃあなんだ?少しでも居心地よく過ごしたいから言ったって言ったほうがユキ好みか?」
「いいねいいね、そっちの方が私好み」
「クソみたいな会話だな」
「ほんっとね、まじうける。」
けらけらと笑いながら言葉を交わす俺たち2人、温厚で平和なBクラスの面々が聞いたら卒倒しそうな内容だがそんなのは知ったことではない。息をするように出てくる毒舌をだれが止められるというのか、普通に蛙化不可避である。あれこの言葉もう古いんだっけ?
そんなことを考えていると、ふとユキが真面目な顔をして俺の方に視線を向け口を開いた。
「1人に依存して他のクラスメイトは思考停止でついていく、これって何もいいことないよね。」
「そうだな。」
「クラスのみんなは雰囲気に流されて、志朗の言っていたことをまともに受け止めた人なんて一握りだと思うんだけど?」
「……何が言いたい?」
「焦んないでよ、私もこう話してるうちになんかイライラしてきた。なんだろうな、まとめると、結局中学校を卒業したばかりの人たちに正論を述べたって、結局その状況にならないと実感しないでしょって言う感じ?脳死でついていってるなら、自分が追い込まれてることにすら気付かないかもだけど」
「そうだなあ、実際そうなる未来がうちのクラスは見えたわけだから一応釘刺したわけだし、ってことはユキは今のクラスの雰囲気だけじゃなくて、あり方にも疑問があるってことか?」
「まあ、そうかもね、結局のところ私があんたに話したって私が何したいってわけじゃない。そもそもなんで私がこんなことを考えてるのかもいまいちわからない。頭ぐちゃぐちゃ、あーむかつく」
「自分で話して自分でイラついてやんの、おもしれー」
「うっぜ、話すやつ間違えたかも」
「んでも、そういう小さいのって大事かもな」
「え?」
疑問に思って首をかしげるユキ、俺は一度目を瞑って考えを整理しながら小出ししていく。
「帆波は変わらない、良くも悪くも頑固だ。クラスの在り方に疑問を抱いているのは隆二も一緒。ユキは隆二と同じで妄信的なクラスメイトと違って同じように疑問を抱くことができる。」
「頑固……ね。」
「実際そうだろ、Cクラスの暴力事件の際、Dクラスに協力できなくなった時、帆波だけが納得いかない顔をしていた。」
「……そうだね。うちのクラスに実害が出ていてクラスの不満がたまっていたから一之瀬さんは協力をやめなきゃいけなかっただけだし。一之瀬さんが白と言ったら白になるし、黒といえば黒になる。仲良しこよしの顔をして、事実上は独裁でしかない。」
「正しいか正しくないかは関係ない、そこにあるのは大人数が選択している方が正しいという思い込み、自分が白だと思うものを黒だと言われ続けて苦しむよりは、流されるままの方が楽……か?」
「そう、言わなければ私の心は平穏でいられる。いいとか悪いとか以前に、私にとっては自分を守ることのほうが重要だから。誰とも親友にはなれない、でも誰とも険悪にもならない。誘われるときもあれば誘われない時もある。それくらいの距離感、空気感を壊したくない」
「でも、それじゃ結局他のクラスの人たちと変わらないんだよね、無駄な努力になるかもしれないけど、あんたが本気でやるなら、私はあんただけに、1人だけそれを背負わせる気は無いから。」
無駄な苦労、それを避けるため今までしてきた努力、流されるがままに生きて事なかれ主義を貫いてきたユキ。口にした言葉から伝わる本意と不本意。
自分の考えを口に出しながら整理しているように見えたユキは俺の目を据えて言葉を続ける。
「結論から言うとね、私って臆病なんだよ。」
「臆病……ね。」
「そ、今も昔も私は自分を守ることの方が大切だしそれはずっと未来永劫変わらない。大人数の意見に流されるまま波風立てずに過ごしたい。」
「はあ」
「でも、一之瀬さんを妄信しているクラスの人たちとひとまとめにされたくはない。」
「それ酷く矛盾した考えなんだけど気付いてるか?」
「うっせ、表面上の付き合いだけして仲良しこよしなんて反吐が出るでしょ」
「わからなくもないけどな、それが結果的にクラスを変えることになってもか?」
「はあ?そんな大きなこと考えてないけど。まだ一之瀬さんの方針で勝てないって決まってるわけじゃないし。私は私が大事。でもこのままじゃ私が私ですらいられなくなるかもしれない。事なかれ主義を貫いて守るべきものが守れなかったらそれこそ本末転倒じゃん、なら多少は捨てる覚悟を持たないと、って思っただけ。」
「まあ、でも結果的にそうなるのかな、1人じゃなくて2人なら、少しだけ勇気が出るから、声を張り上げる。今までできなかったけど、もう、きっと出来るはずだから。」
「……ねえ、私って傲慢?」
「酷く傲慢だな、でも嫌いじゃない、入学したときじゃ聞けなかったかもな、そんなこと」
「……ふふ、そうかもね。」
ふつふつと笑みを零すユキ。ユキみたいに本心を内側に秘めている生徒は意外と多いだろう。ただ、今は流されるままでもクラスが問題なく回っているから、問題が表面化していないだけ。ユキの回答に嬉しく思いながら、俺は語りかける。
「俺がやってることはユキがさっき言ったことと一緒で別にそんなクラスを変えることなんて大層な目標は持ってない。結果的にそれがクラスを変えることになるだけだ。」
「また言葉遊び?あんまり意味わからないのはやめてほしいんだけど。」
「一之瀬帆波という人間を軸にしてクラスを回すのは変えない、大事なのはこの人1人に任せていいのか、自分たちがもっとしっかりしなきゃいけないんじゃないかっていう当事者意識を持たせる、匂わせること。」
「転んで出来たかすり傷を見つけて手厚く介護をするのがうちのクラス、転ばないように、かすり傷を受けた生徒の代わりに介助を繰り返す。それを続けた結果心配をかけないように皆不満を溜め込み始める。どうして転んだのか。何故手を痛めたのか、それをじっくりわからせなきゃいけない、そういうこと?」
「そ、本当はもっと痛いところがあるのに、心配をかけないために黙って抱え込む。 そうして出来上がるのが上辺の関係だけで構成された空っぽのクラス。そんなことは絶対にさせない、ましてや1人に負担をかけ続けるなんて、あってたまるか。」
「自分で言うのもなんだけど、皮肉だね。随分感情が入ってるけど、それ経験から来てるの?」
ユキに指摘されて、自分が握りしめる拳に予想以上に力が入っていることに気付く。“それ”が何を差すか、お互いうっすらと分かりながら、知らないふりをする。そんな俺の様子を察してか、ユキが口を開く。
「まあ、いいや。言いたくないことの1つや2つあるだろうし、詮索はやめとく。」
「……いいのか?」
「私は足並みを揃えるのだけ取り柄みたいなものだからさ、それに、ここまで話聞いてくれた恩もあるし。」
「……助かる。」
「私そろそろテント戻るね、誰かさんのせいで明日からずっと朝早いからさ。」
「それを本人の前で言うかよ、お母さんみたいだな。」
「は、ごめんなんだけど?」
「ごめんごめん、面白くてつい。」
語気が強いユキだが、本当に怒っているということはなく、柔らかな笑みを浮かべている。そのあともお互い軽口を浮かべて笑いあいながら、ユキは一人先にベースキャンプへ戻っていった。なんだかんだでここまで長くユキと話したのは初めてだな。心の内の鍵を何個か外して話してくれたのも自分が信頼されているとわかって悪い気はしない。
無人島生活1日目の夜が更けていく。食事も終えればあとはイベントもないというわけじゃないが、今日はクラスメイトに比較的動いてもらったので休みを取るのを優先してもらっている。まだ21時も回っていないので、クラスメイトの声が途切れ途切れにベースキャンプの方から聞こえてくる。
「……まだまだだな。」
そう口に出して思い出すのはさっきのこと、ユキに指摘されて、自分が握りしめる拳に予想以上に力が入っていたこと。気づかぬうちに、重ね合わせて感情移入していたらしい。
今こうして学校生活を清隆や雪と一緒に送れているのは、はっきり言って清隆の気まぐれだ。あの数年前のメンタルクリニックで、清隆が雪の事を気にも留めていなかったことぐらい、目を見ればすぐわかった。もしあのまま行けば、雪は心に再生不可能なダメージを負い、トラウマの症状もひどくなり、社会復帰も不可能になっていただろう。
だが、実際はそうはならなかった。実際は清隆は雪に優しい言葉をかけ、綾小路篤臣を欺くために筆談で会話するなど、あの場での最適解を選択した。
何が清隆を変えたのだろう。雪は「志朗が変えた」と言っていたが、俺はそれにあまり納得がいかないでいる。まあ、俺の存在が少しでも清隆の変化に結び付いたのなら、それは嬉しいことなのだが。
清隆が平穏な学校生活を3年間全うするために、やることは全部やる。これは雪と2人で約束したことだ。人生のほとんどをホワイトルームに縛られた清隆には、少なくとも自分のようにはなってほしくないから。もっと、外の世界に希望を持っていてほしいから。
まあ、今考えても仕方ないことか、そう思いながら、俺はさっきから息を殺し盗み聞いている視線に目を向ける。静まり返った草むらの中で、草を足で踏む僅かな動作が、少しだけ音を立ててしまった。気づかれたか気づかれていないか、当人がそう思っているであろう微妙な雰囲気で俺は口を開く。
「盗み聞きは良くないですね、星之宮先生?」
と、
※小説の情報には書きましたが、オリ主タグを追加しました。っていうのも雪ちゃんと志朗くん0巻しか登場しないので描写が難しく独自解釈などを入れることになってしまいます。ならオリ主タグ入れた方がいいかなと思った次第です。
清雪の絡みもっとあった方がいいですか?
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もっとほしい
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別に