神秘で広大な宇宙。この宇宙に巣食う悪のエネルギー生命体・宇宙海賊ガイスター。彼らの前に、敢然と立ちふさがるヒーローがいた。宇宙警察エクスカイザーである。
これは宇宙にはびこる悪と戦う勇者エクスカイザーと仲間達か活躍したその後の物語である。

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エクスカイザー 〜if after〜

神秘で広大な宇宙。この宇宙に巣食う悪のエネルギー生命体・宇宙海賊ガイスター。彼らの前に、敢然と立ちふさがるヒーローがいた。

宇宙警察エクスカイザーである。

これは宇宙にはびこる悪と戦う勇者エクスカイザーと仲間達が活躍したその後の物語である。

 

 

 

 

-君んちにも宇宙人いる?-

子供の頃、僕はこの質問をよく投げかけていた。

子供だからの夢や妄想なんかではなく、実際に僕の家には宇宙人がいたからだ。

 

昔、この地球(ほし)には宇宙海賊ガイスターという悪のエネルギー生命体達が地球の宝物を求めて暴れ回っていたんだ。

そんな地球を救ってくれたのが宇宙警察カイザーズのエクスカイザーたちだ。

 

彼らのおかげで地球は平和になった。

でも、それはエクスカイザー達との別れでもあったんだ。

 

ガイスターを捕まえたエクスカイザー達は宇宙へと帰って行った。

僕の「また会えるよね?」という問にエクスカイザーは誤魔化したりせずに「それは約束できない。」と答えた。

人によっては「子供に酷い」「嘘も方便だろう」と言うかもしれない。

でも、僕は子供や大人としてではなく、1人の『友人』としてみてくれていたからこその誠意なんだと思っている。

 

だから僕はエクスカイザーに会いに行こうと思った。

子供の時から持っていた「宇宙飛行士になる。」という夢を叶えた僕は今、惑星探査車両のテストパイロットとしてナスカ台地にいた。

 

ここは僕とエクスカイザーの思い出の場所の1つだ。

この広大な宇宙で僕ができることなんてちっぽけな事だろう。正直、僕自身がエクスカイザーに再会できるとは思ってはいない。だけど、僕のその後。そのまた後。と続いていけば、いつかエクスカイザー達にまた僕らは会えるかもしれない。

そんな願掛けもこめて今、この土地での惑星探査車両の最終試験をする。

そして、もう1つの願かけがこの惑星探査車両だ。

僕の見上げる先にあるそれは白を基調として、赤い差し色の大型のトレーラー型の車両だ。

『キングローダー』

当時、エクスカイザーが召喚し、合体することでキングエクスカイザーとなるための支援機。

それをモチーフにして惑星探査車両を作成した。

これを見ればエクスカイザーは直ぐに僕らのことに気がついてくれるはずだ。

 

「コウタくん。そろそろ最終テストを始めるわ。準備はできてる?」

 

通信機に近くのベースキャンプからの声が届いた。

 

「大丈夫だよコトミちゃん。これから『キングローダー』に搭乗するね。」

 

そう通信先の女性。コトミちゃんに声をかけた。

小学生時代から今まで僕を支えてくれた女性だ。

そんな彼女を遮るように騒がしい声が続けざまに通信機から響く

 

「コウタ!!これで最後の最後に失敗なんかしたら許さないからな!!」

 

金有タクミ。彼も小学生時代からの友人だ。色々なことがあったが、なんだかんだ今でもつるんでいる腐れ縁だ。

 

「タクミ。別にお前まで試験に来なくて良かったんだぞ?」

 

「そうはいくか。その探査車両は僕の家がスポンサーについているんだ。スポンサーとしてテスト結果を見る義務があるからね。」

 

「はいはい。それに関しては感謝しているよ。」

 

悪態を付きつつも心の中では本当に感謝しながらキングローダーの操縦席に座り込む。

そしてポケットから時計状の物を取り出し、左手に巻いた。

『カイザーブレス』

当時エクスカイザーから貰った通信機だ。

今はもう繋がることはないけれど、今でも大切な友情の証で僕のお守りだ。

 

「これより惑星探査車両「キングローダー」の最終稼動テストを開始します!!」

 

そう言って僕はキングローダーのアクセルを踏んだ。

 

 

 

 

 

 

 

テストは順調だった。

僕らのキングローダーはどんな悪路も難なく走り抜けて行った。

 

「これよりベースモードへの変形テストを開始します。」

 

そう言って僕はパネルを操作した。

エクスカイザーの使っていたキングローダーは合体するために人型に変形した。

さすがにそれを再現するのは無理ではあったが、僕らのキングローダーは惑星探査車両として開発された。

探査中は母船に戻れない日も続くだろう。

そのため、このキングローダーにはその場その場で拠点になれるように基地(ベース)モードが搭載された。

 

キングローダーの左右前輪と後輪をそれぞれ大の字に広げるように展開し、安定性を確保した形態にすることができる。

また、上部を発進口として小型ビークルの発着もすることができる。

もっとも今は車が1台収納されているだけだけど。

 

無事にベースモードへの変形を終え、各部の点検にはいる。

 

「コウタくんどう?何か問題とか起きてない?」

 

「うーん。今のところは大丈夫そうかな?変形による負荷とかも想定内みたい。」

 

「そりゃそうさ!なんて言ったってその機体は僕ら金有グループの粋を結集した機体なんだから」

 

「はいはい。それが怖いんだよ。」

 

「徳田さん、テストが無事成功したら『特ダネは最初にぜひこの徳田に!!』って言ってきてたわよ」

 

「徳田さんは相変わらずだなぁ」

 

そんな昔から変わらない雑談をしながら全体の点検を終える。

 

「よし!!全部問題なし!!あとは最後に」

 

その時だった。

ズドォォォォン!!

という爆発音が周囲に響き渡った。

 

「きゃぁぁぁぁあ!!」

 

「うわぁぁぁぁぁあ!!」

 

通信機からコトミちゃんとタクミの声が響き渡る。

 

「コトミちゃん!?コトミちゃん!!返事をしてコトミちゃん!!

タクミ!おい!応答しろタクミ!!」

 

そこへさらに爆発音とそれに伴う地響きが伝わってくる。

べーキャンプの方を向くと爆煙が上がっている。

 

「なんだ?何が起こったんだ!?」

 

キングローダーの運転席に乗るとトレーラーモードに変形させ、アクセルをめいっぱいに踏んだ。

 

何も無いナスカ台地。このキングローダーの最高速度なら3分とかからないで戻ることができる。

 

だがその数分が僕にはとてつもなく長く感じられた。

 

ベースキャンプに着くと辺りは火の海になろうとしていた。

テストのために来ていてた人達が逃げ惑っている。

その炎の中に巨大な影を見た。

 

「ウソ・・・だよね・・・」

 

それはまさに怪獣。いや、正確には怪獣の姿をしたロボットと言った方が正しいだろう。

そして、僕はこの怪獣ロボを知っている。

 

「ダイノガイスト!!」

 

その姿はかつてエクスカイザー達と死闘を繰り広げ、最後は自ら太陽に身を投げたダイノガイストそのものだった。

 

肩のキャノンを放ち、足下のテントや車を蹂躙しながら破壊の限りを尽くすダイノガイスト。

 

「コウタくん!!」

 

呼ばれてハッと我にかえる。

振り返るとコトミちゃんとタクミがいた。

 

「2人とも無事だったんだね!!良かった!!」

 

「コウタどういうことだ。あれってダイノガイストだよな?」

 

そうだ。あれはたしかにダイノガイストだ。

 

「僕にも分からない。だけど、なんとか僕が奴の注意を引くからその間に皆を連れて逃げるんだ!!」

 

「注意を引くってお前」

 

タクミの言葉が終わらないうちに僕は駆け出した。

 

「コウタくん!!」

 

「コウタ!!」

 

2人の声を背に僕はキングローダーに乗り込むとダイノガイストへと向かっていく。

チラリと左腕に巻いたカイザーブレスに目をやる。

(エクスカイザー、今度は僕も地球を守るよ)

 

運転席のパネルを操作し、キングローダーの左右に収納された砲身を展開する。

 

過去にガイスターの驚異に晒されたことから宇宙での活動時に外敵となる宇宙生命体がいることを考慮して、それらから身を守るために二門の砲塔が装備されていた。

 

左右の砲身からビームを発射し、ダイノガイストに命中させていくが効いた様子はない。

それでも構わずに攻撃を続け、ダイノガイストの後ろへと回り込むとダイノガイストも僕を追いかけて振り返る。

 

「よーし。いいぞ。そのままこっちに来るんだ。」

 

コトミちゃん達にちょうど背を向けている状態だ。そのまま後退することでコトミちゃん達からダイノガイストを引き離すことが出来るはずだ。

 

ダイノガイストの攻撃を避けながら反撃し、後退を続ける。

しかし、1発の砲撃がキングローダー近くに着弾。爆発に煽られて車体が大きく傾く。

 

「しまった!!」

 

そう思った時には僕はキングローダーから放り出されてしまっていた。

 

地面に叩きつけられた衝撃で身体が上手く動かない。

 

キングローダーは僕の後ろで横転してしまい、眼前にはダイノガイストが迫ってきていた。

 

ダイノガイストの砲身が僕を捉える。

そして、エネルギーが収束していく。

 

(ごめんエクスカイザー。僕だけじゃ地球は守れなかったみたいだ。)

 

エクスカイザーがいない今、このダイノガイストに勝てるものがいるのか分からない。

ただ、今の自分にはそれが出来ないのは明白だった。

 

コトミちゃん。タクミ。なんとか上手く逃げてくれよ。

 

動けない僕に向かって、ダイノガイストの砲身からビームが放たれた。

 

 

 

 

 

 

その時だった。

鳴るはずのない。カイザーブレスが鳴り響いた。

僕のキングローダーから飛び出す一筋の光。

そう。あの時、僕の家のガレージにあったあの車と同型のスポーツカーだ。

時間があればそれでドライブでもしようとキングローダーに格納していたそれが、ひとりでに飛び出したのだ。

 

それは巨大な影へと姿を変えると僕に覆いかぶさり、ダイノガイストの攻撃を防いでくれた。

 

「大丈夫か。コウタ」

 

その声にすぐに何が起きたか理解出来た。

 

その声はもう二度と聞けないはずの声。

その声はまた聞きたいと思っていたはずの声。

その声は、僕の大切な大切な宇宙からの友人の声。

そう。彼は

 

「エクスカイザー!!」

 

僕はその友の名を叫んでいた。

エクスカイザーはあの時と変わらない笑顔を向けるとすぐに踵を返し、ダイノガイストに向き合う。

 

「貴様は何者だ!!ダイノガイストなのか。それとも」

 

エクスカイザーの問にダイノガイストは答えることなく、砲撃を放つ。激しいビームの嵐がエクスカイザーを襲う。

 

ビームに押され、少しづつ後退するエクスカイザー。だが、その目は諦めてはいなかった。

 

「コウタ!!君の作ったキングローダーの力を貸してもらえるか?」

 

その一言で僕は全てを察した。

 

「もちろんだよ!エクスカイザー!!」

 

僕の答えを聞くとエクスカイザーはダイノガイストへ腕を伸ばす。

 

「ジェットブーメラン!!」

 

エクスカイザーの腕の発射口から小型のミサイルが発射され、それはダイノガイストに直撃した。

ダメージは受けている様子は無いが、ミサイルの直撃によろけ一瞬の隙がうまれる。

その一瞬の隙にキングローダーに向かって光を放つ。

 

「キングローダー!!」

 

光に包まれたキングローダーは姿勢が直り、エクスカイザーへと向かって加速する。

加速した勢いのまま後部のバーニア吹かせ、車体が急上昇すると車体下から本来なかったライオンの顔が現れた。

キングローダーが空中で静止するとライオン部分を全面とするようにさらに車体を90度起こし、車体内部から肩アーマーを引き出し後輪部分を腕として両腕形成。

車体前部だった部分はパネルを展開させながら伸ばし、左右に分割することで両脚を形成した。

そして、

 

「トウッ!!」

 

エクスカイザーの掛け声とともに昔とは違い車体を折りたたむように変形するとバックパック部分からキングローダー内部に合体。

それと同時にキングエクスカイザーの顔が浮かび上がる。

 

「巨大合体!!キングエクスカイザー!!」

 

合体シークエンスは変わっていたがそこには間違いなく僕の知っているエクスカイザーが、キングエクスカイザーがいた。

 

キングエクスカイザーの姿にダイノガイストは危機を察したのか力任せに突っ込んでくる。

しかし、キングエクスカイザーはそれを受け止めるとその勢いを逆に利用て横へと投げ飛ばす。

ダイノガイストらしくない完全な力任せな戦い方に僕もエクスカイザーも確信した。

 

「どうやら貴様はダイノガイストでは無いようだな。」

 

ダイノガイストの姿したそれは答えず咆哮するだけだった。

 

「カイザーソード!!」

 

背中に収納された剣が飛び出し、それをキングエクスカイザーはキャッチすると構える。

胸のライオンが炎を吹き、それを剣が纏っていく。

 

その炎をエネルギー球状にしてダイノガイストへと投げつけた。

 

「カイザーフレイム!!」

 

ダイノガイストに直撃したそれは炎と電撃の檻として、動きを拘束する。

動けなくなったその隙にキングエクスカイザーは剣を掲げるとエネルギーを貯める。

それは周囲に雷を落とす程のエネルギーを巻き起こした。

 

「サンダーフラッシュ!!」

 

エネルギーを纏った剣は勢いよく振り下ろされ、直撃を受けたダイノガイストを一刀両断にする。

 

激しい光とともにダイノガイストは爆発。

キングエクスカイザーはそれに背を向けると剣を背中に収納。勝利を確信すると胸のライオンを咆哮させた。

 

 

 

 

 

 

 

辺りはすっかり日に暮れていた。先程までの激しい戦闘が嘘のように辺りは静かになっていた。

そして、そこに僕と合体を解除したエクスカイザーの姿があった。

 

「エクスカイザー、どうしてまた地球に?」

 

「最近、謎のエネルギーを観測したんだ。そしてそれはこの地球へと向かっていた。恐らく先程のダイノガイストはその影響で現れたコピーのようなものだろう。」

 

「そうなんだ。そうしたら今回はこれでまた宇宙に帰っちゃうの?」

 

「いや、まだ反応が小さく場所の特定は出来ないが謎のエネルギー反応が地球上にあることは確かだ。そして、それを放置しておけば今回のようなことが起こるだろう。だから、またしばらくは地球にいさせてもらおうと思う。」

 

「そうなんだ。」

 

これはきっと地球にとっては良くないことなんだと思う。

きっとまた色んな事件が起こってしまうのかもしれない。

 

そして、この再会があったということはまた別れがあるということでもある。

 

でも、それでも今だけはこの再会を喜びたい。

 

 

 

「おかえり。エクスカイザー!!」


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