この矛盾だらけの世界で貴方を待つ   作:練り物

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 一年戦争は超急ぎ足のダイジェストでした。
 今後の描写は回想くらいしかないので、各キャラの解説を置いておきます。


◆人物紹介(一年戦争)◆

 

■イセリア・ボゥ(今世)

 フラウの兄として転生した男だが、サイド7襲撃の際に頭を打ったことで前世の記憶が生えてきた男。

 しかし記憶はともかく、価値観や感性は前世と都合良く融合されることなく、スペースノイドとして積み重ねてきた十数年間生きた方がベースとなっており、前世は意識だけの存在として頭の中に存在している。世間一般でいう転生者(意味不明)というよりは、現地人と転生(憑依)者の二重人格というのが適切か。

 

 幼馴染のハヤトとは柔道や空手といった格闘技を、お隣さんになったアムロとは趣味である機械いじりを、それぞれ共通の習い事と趣味があったため、よく二人の仲裁をやることが多かったため兄貴気質。

 

 正義感も強く、やや潔癖気質なため、戦争の意義に疑問を持つ……はずなのだが、それより前世の価値観や感情がヤバすぎてヘイトは自分にばかり向く。かといって前世を全くの別人と割り切ることもできず、“自身の一部”と捉えている上に、誰にも相談できない不器用さを持っている。

 

 リュウ、マチルダ、スレッガーといった前世でも死亡する人間を救えなかったことに後悔と自責をしながらも懸命に戦っていたが、本来死ぬはずのなかったハヤトが死亡したことによってとうとう限界を迎える。

 情け容赦のないニュータイプが、後述の前世からのアシストを得てビグ・ザム一個戦隊をスクラップにさせる。この時、ビグ・ザムのメガ粒子砲の雨や他の戦艦、モビルスーツの攻撃を華麗に躱し続け、的確にコクピットを狙う黒いガンダムの姿から、生存したジオン兵たちから“黒い天使”と呼ばれるようになる。本人はこの二つ名を死ぬほど嫌っている。

 そんな姿を見た妹にも拒絶されてしまい、自暴自棄に陥るが、ニュータイプとして覚醒したアムロのメンタルクリニックによりかろうじて回復。そしてアムロに対して依存寄りのクソデカビッグ感情を向けるプロトタイプのボッシュが誕生した。

 

 これ以上の犠牲を出さないよう、ア・バオア・クーの決戦に臨むが、戦闘中に同じくソロモンで決戦中であったシャアとシャリア・ブルのいる空間が繋がってしまい、エクストリームバーサスが勃発。シャリアによって分断されたところでシャアのガンダムからゼクノヴァが発生。紅白のガンダムは彼方へと消え失せ、取り残されることに。こうして加湿器へとジョブチェンジを果たす。

 

 ちなみに、戦闘に関しては持ち前の反射神経と瞬間的な発想力を活かした白兵戦が得意。地球に降り立った時からジャブローまでガンキャノンに乗っていようとも白兵戦を仕掛け、後に与えられた黒色のガンダムにはあらゆる部位にビームサーベルをつけようとするサーベル脳のゴリラと化す。やるな、アムロ! でもそんなガンダムなんて地味すぎるぜ! もっと腕にサーベルつけるとかさ! 

 射撃はアムロに及ばないだけで全然出来るのだが、照準定めている暇があったら近づいて殴ったり切ったりする方が早いから好んでいるだけ。

 

 戦争終結後、サイド6のとあるバーに身を隠しながら細々と暮らしている。かつての正義感溢れる性格が嘘のように鳴りをひそめ、無気力かつ自堕落、「澄ました顔で女を殴ってそう」と傍から言われるほどに変貌を遂げてしまっている。そんな屍のような存在になりながらも、壊れて動かなくなったハロを毎日眺めながら、誰かの帰りを待ち続ける。

 

 

 

■イセリア・ボゥ(前世)

 今世の苦悩はだいたいこいつのせい。

 女の名前なのに……何だ男か。え、しかもワイの名前がガルマの彼女と一文字違いやん。ないわ〜。うわ、シャアがガンダム乗るんか。どうなってしまうんやろこの宇宙世紀。

 ……と言うように意識はあるが、肉体の主導権はないため、ずっと“テレビの前の皆”状態の男。そのせいか今世→前世は“他人だけど自分”と見ている一方で、前世→今世は“自分のような他人”と思っており、当事者意識は皆無である。加えて共感性も低いので、リュウさんを始めとした仲間が死亡してしまった時も「まあそうなるわな」の一言で片付けてしまい、今世との軋轢を生み、メンタル崩壊を加速させる原因になった。頭の中にマーリンみたいなものがいるようなもの。

 

 とは言え、頭の中でニートしているわけではなく、前世の記憶を参照させてあげるのは勿論、きまぐれに思考のフィードバックさせることで戦闘を補助してあげている。さらには今世の影響を受けてニュータイプとしても覚醒しているため、ニュータイプ二人分の危機管理を一人で行うことができる。

 ハヤト死亡の際は、さすがに色々と歴史が収拾つかないレベルで破綻すぎるでしょ……と考えたのか、今世の戦闘に全面的に協力してあげた。結果、ビグ・ザム一個戦隊がぶっ壊れた。こわ。

 一年戦争終結後も相変わらず今世の中にいるが、戦争時とは違い休眠状態になるよう徹しており、思考に介入するのは極希にしかなくなった。正史から外れすぎたため記憶も役に立つことがなくなり、実質的にニートになってしまったが、多分今世にとってはこのスタンスの方が楽なんだろうな、とようやく理解したようだ。

 ちなみに、ジークアクスの存在を知る前に転生している。よって彼の中でこの世界は「ギレンの野望の世界」の派生エンディング後の世界だと思っている。

 

 

■アムロ・レイ

 ご存知、世界のバグ的な天パ。

 おっちゃんの方のガンダムで大地に立ってから無双するのは相変わらず、ジオン軍相手でも一歩も引かずに千切っては投げを繰り返す恐るべき民間人。最大のピンチは最初のシャアとの戦闘くらい。

 相も変わらず機械いじいじするのが好きな男の子だったが、共通の趣味を持つ人間がいたことで原作よりも若干明るい。主人公に対しては親のいない寂しさとかを解消させてくれたため元々好感度は高かったが、ホワイトベース乗船後も共に戦ってくれて、時には厳しく、時には優しく寄り添ってくれたため尊敬と憧れを抱いていた。でも足にサーベルをつけようとする精神は申し訳ないが理解できない。それより相手に見つかる前に超遠距離から狙撃した方が早くないですか? バズーカも積みましょう。

 ニュータイプとして完全覚醒を果たし、主人公の中にもう一人いることを見抜く。ハヤト死亡の後、限界を迎えていた主人公に対し、自分が理想を押し付けていたことに反省しながらも「今度は自分が助ける番」とメンタルケアを実施。自分がいることで主人公が救われるのなら、と生き抜く決意を更に強固にするも、怪現象により実現してしまったシャアとの最終決戦時にゼクノヴァに巻き込まれ失踪。MIA扱いのまま伝説となる。

 ちなみに、主人公のビグ・ザム一個戦隊の戦果は連邦を出る際にブライトとカイを始めとしたホワイトベースクルーが全員口裏を合わせて「その時だけ機体トラブルがあったため、黒いガンダムにはアムロが乗っていた」ことにした。戦争後の主人公が追われないようにした配慮であったが、この世界のアムロの戦果は神話扱いになっている。

 

 

■シャア・アズナブル

 天パにガンダムが渡るというジオン最大のガバを、なぜかもう一つあったエヴァっぽいガンダムとペガサスを鹵獲することでケアした男。ジークアクス世界と同様、持ち帰ってガンダムをベースとした統合整備計画を出したものの、なんやかんやあって決裁が滞ってしまい、通った頃にはジオン脅威のビックリドッキリメカの試作機は完成してしまっていた模様。

 本作ではガンダムの性能と持ち前の操縦技術で宇宙で勝ちまくり! モテまくり! していたが、地球に下りたジャブローでガンダムコンビに大敗。このタイミングで「私にも背中を任せられる者が必要だな」と考え、シャリア・ブルとのマブのフラグが立ってしまった。

 再び宇宙に上がってからは概ね原作通りだが、アムロに討たれそうになったシャリアを救ったり、ララァが死んでしまったり、生存した壺おじがしめしめとルナツー攻略戦から外したり、運命に翻弄されながらも連邦によるソロモン落としの阻止に向かう。その際、怪現象により実現してしまったアムロたちの宿命の対決の末、ゼクノヴァにより失踪。ソロモンの一部を削り落としたため、グラナダ墜落は免れ、ジークアクスと同様、ジオンの英雄扱いに。キャスバル坊や……♡ ええい、冗談ではない! 

 

 

■シャリア・ブル

 みんな大好き緑のおじさん。今作ではシャアが二人一組の戦術アドバンテージを早期に閃いたために原作(無印)よりも早く合流を果たす。サイド6で主人公とアムロに対面したのもこのため。

 原作(無印)どおり、キケロガでホワイトベースを強襲した際、頭のおかしい天パに討ち取られそうになったが、ガンダムの機体トラブルとシャアの介入により命拾いした。アムロのぼん、おっちゃんもう年やねん。

 ボルドーの左岸を開けたやり取りはジークアクスと同様あったものの、今作ではララァを失ったシャアを鼓舞する場面が追加。さらに強固な絆を結んだ無敵のMAVでソロモン落としの阻止に向かったが、怪現象により白黒ガンダムコンビとの最終決戦にもつれ込む。最終的には赤いガンダムによるゼクノヴァにより戦闘終了。

 戦争終結後は中佐に昇進。シャアと赤いガンダムを探し、ソドンで宇宙のあちこちを回っている。秘密裏に出撃させたジークアクスとエグザべ君の回収のためサイド6に強引に入国。

「サイド6といえば、彼らと会った場所ですね」とふと思い出した時にニュータイプとしての勘が働き、エグザべ君を連れて主人公のいるバーへと直撃したのが今作。

 今宵、連邦とジオン、最強の加湿器対決が始まろうとしていた。

 

 

■フラウ・ボゥ

 今作トップクラスの被害者であり加害者。元ボーイフレンドがどこか遠くの存在になり、後の夫が消炭にされ、唯一残った家族も人間を辞めてしまうなど、この世界でかなり可哀想な存在。

 戦争終結後はカツレツキッカ三人を引き取ったのは変わらないが、人質にすれば兄を利用するのにうってつけな存在であるため、セイラさんに匿われて細々と暮らしている。

 兄とは形上は和解しているものの、非常に気まずい仲になってしまった。……もしもあの時、反射的に手を引かなければ、とずっと後悔しながら生き続ける。

 

 

■ハヤト・コバヤシ

 今作トップクラスの被害者。主人公とは幼馴染で、本当の兄のように慕っていた。戦争が続く中、アムロは精神的な成長を見せる一方で、段々と精神的に疲弊していく主人公に気づいていた稀有な存在。

 アムロへのコンプレックスは抱えたままでも、せめてこの人は僕が支えるんだ、と奮起するものの、ビグ・ザムの群れによって命を落とす。

 主人公兄妹の大きな瑕として、深く刻まれてしまった存在。彼がいれば、まだ苦悩を抱えながらも人間でいられたのかもしれない。

 

 

■ブライト・ノア

 今作トップクラスの被害者。ホワイトベース出航当初に赤いザクを脅迫に近い形で無理矢理出撃させた主人公に対しては当然良い感情を抱くはずはない。あたりまえだろ。

 とはいえ、しっかり反省して自分から独房入りを希望した以降は艦内の自治に協力してくれるようになり、ランバ・ラル襲撃の頃には「アムロの代わりにガンダムに乗せる」くらいには信頼回復していた。

 戦争終結後はカイと協力して主人公の撃墜スコア改竄に加担する。その後も連邦に残っているものの、宇宙の拠点を全て失った連邦の士官が宇宙に上がる機会に恵まれず。地球の重力に縛られながらも宇宙にいる戦友達の無事を祈り続ける。

 

 

■セイラ・マス

 出生からしてとんでもない爆弾を抱えながらも波乱万丈な人生を送る気高い女性。戦争終結後は今まで培った能力や自身の経験を総動員して、主人公を匿うことに注力。その後は原作どおり投資家として生計を立てているが、この人との関係は一言で済ませられないため追々。

 

 

■エグザべ・オリベ

 可哀想な目に遭いがちな顔が良いニュータイプ。

 上司の奢りと聞き、ついてきたのは高級バー。

 しかし、そこは自国で怪談扱いされている化物の巣であった。

 

 




Q.アムロにマブなんていらねぇだろふざけんな。
A.それはそう。
 それはそれとして、一年戦争のアムロという条件で、もし誰かとバディを組むとしたらどんな奴なんだろうと考えたところ、実力云々よりも精神的な支柱になれる人間なんじゃないかな、と思いました。
 一人で戦わせない。叱るときは叱るし、寄り添うときは寄り添う。かといって完璧すぎず、弱った時は支えさせてくれる。
 大抵、この手の話は戦術的な話ばかり先に挙がるので、たまにはこんな切り口から語ってもいいんじゃないかな、と思い、書いたのが今作です。

 Q.時系列的に合わないだろ。あの設定と噛み合わないだろ。矛盾点が多すぎetc
A.それはそう。
 しかし“矛盾”が本作のテーマなので、ひとまずはそういうものだと飲み込んで貰えればと思います。


 という感じの作品でした。
 エイプリルフールの一発ネタにしようと書いていましたが、いつの間にかこんな時期になってしまいました。
 多分また追記します。
 
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