女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

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2話 ガイダンス

 

「新入生諸君、私がDクラスを担当することになった茶柱佐枝だ。教科は日本史を担当している。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの3年間、私が担任としてお前たち全員と学ぶことになると思う。今から1時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にこの学校にある特殊ルールについて書かれた資料を配らせてもらう。もっとも以前入学案内と一緒に配布はしてあるがな」

 

黒のスーツに長い髪をポニーテールで纏め、達観した目つきでいかにも出来そうな美人の女がガイダンスを始めた。

資料が全員に回りそれぞれが資料に目を通す。しかしその中で心ここにあらずな九条。

 

 

なんで、あいつがこの教室にいるんだ。

なんで、あいつがこの学校にいるんだ。

なんで、あいつがあそこから出てきてるんだ

………いや、それを考えていても仕方ない。どう、綾小路と付き合っていくかが問題だ…………………………………。

とにかく一度接触するのは絶対だ。こういうのは早い方がいい。そう教官も言っていた。ズルズル引きずると拗れるだけだと。

 

 

この思考に要した時間およそ3秒。

この後の行動が決まった。

 

茶柱教諭による説明はまだ続く。

 

 

「今から配る学生証カード。それを使うと、敷地内にあるすべての施設を利用することが可能だ。さらに売店などで商品を購入することが出来るようになっている。クレジットカードや電子決済のようなものだな。ただし、ポイントを消費することになるので注意が必要だ。学校内においてこのポイントで買えないものはない。学校の敷地内にあるものなら何でも購入可能だ」

 

 

「学校内においてこのポイントで買えないものはない。」ねぇ…。えらく含みをもたせた言い方だな。まぁなんかあるよな……

 

 

「これから配る学生証、それを施設の機械に通すか、提示することで使用することができる。それからポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。お前たち全員に平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある。」

 

10万という大金がポンと手に入ったことに対して、教室内がざわめく。

 

「俺、ゲーム機欲しかったんだよな。ここ持ち込みが無理だったし。」

 

 

「俺は漫画の大人買いとか憧れだったんだよな。10万もあるんなら買ってみようかな?」

 

 

周りは既に自分の買いたいものに対する会話で花を咲かせていた。

 

 

10万…。一学年160人…つまり月1600万、年1億9200万。それが3学年…。それだけ捻出するほどここの奴らは優秀なのか?

あー…「毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。」

なるほどねぇ…。毎月10万とは言ってないか…。まあ要調査だな。

 

 

「支給額が多いことに驚いたか? この学校は実力で生徒を測る。入学を果たしたお前たちにはその時点でそれだけの価値と可能性がある。それはお前たちに対する評価みたいなものだ。遠慮することなく使ってくれ。ただし、このポイントは卒業後には全て学校側が回収することになっている。現金化などは出来ないから、ポイントを貯めこんでも得にはならんぞ。振り込まれた後、ポイントをどう使おうがお前たちの自由だ。好きに使ってくれ。仮にポイントが必要無いと思った者は誰かに譲渡することも問題ない。だがカツアゲするような真似だけはするなよ? 学校はその手の話やいじめ問題にだけは敏感だからな。厳粛に対処することになるぞ。」

 

 

そういえば、この教室に監視カメラが複数台…。この教室に来るまでも異常な数の監視カメラがあったな。はじめはセキュリティ的に厳重にしてる程度に思ってたが、生徒を、評価するためなのか?いや、まだなんとも言えない…。でもこれらの説明を含めたら全て何かしらの意味があるんだろう…。

 

 

「何か質問はあるか? 今のうちに聞いておいた方が楽だろう?」

 

 

茶柱教諭がそう促す。ただ教室内は少しざわついているだけで特に誰も質問をする雰囲気は無かった。

 

 

これだけ違和感がある説明に対して誰も質問はないのか?ここで少しは頭の切れる人物を知っておきたかったんだが…。本当に気が付かないのか?それとも単に興味がないのか?

とりあえず、1点だけぶっこんでみて反応を見てみるか…。

 

 

「はい。1点だけ確認したいことがあります。」

 

 

「九条か。いいぞ、何についてだ?」

 

 

「先生は『学校内においてこのポイントで買えないものはない。』とおっしゃいました。それは言葉のまま捉えても宜しいのですか?」

 

 

茶柱は少し目を見開いた。

 

 

「それは私が説明した通りだ。それ以上説明しようがない。」

 

 

…明らかに濁しているのは実質肯定してるもんなんだよな。

 

 

「なるほど。ありがとうございました。」

 

 

それにしても今の質問で大半の生徒は何のことか分かっていない感じだった。まあ何人か反応していたし、それを確認できただけでオッケーかな。

 

「他に質問はないようだな。ではよい学生ライフを送ってくれたまえ」

 

 

 そう言うと先生は教室から去っていく。教室内は10万円という金額に対して喜びや驚き、早速遊びに行こうなどの声があがっている。

 

その中で九条は茶柱先生の言葉を振り返り、何から調査するか、また綾小路に対してどうアプローチをかけるかを考えていた。

 

 

─高度育成高校データベース──

 

 

 氏名:九条将 くじょう しょう

 

 クラス:1年D組

 

 部活動:無所属

 

 誕生日:12月17日

 

 身長:183㎝

 

 体重:80㎏

 

 

【評価】

 

 学力:A

 

 知性:A

 

 判断力:A

 

 身体能力:A

 

 協調性:C

 

 

【面接官からのコメント】

 学力、身体能力共に非常に優秀で入試では満点を叩き出している。面接での質疑応答でも非常にスムーズで非の打ち所がなかった。以上からAクラスが妥当との見解であった。しかし過去の経歴から義務教育の9年間に学校への通学実績がほぼなく、さらに渡航自粛地域への渡航歴などもあった。面接でも一部一般常識が欠けていると想起させる口述もあったため、Dクラスへの配属とする。

ただし面接ではまだ人格を押し量りきれず、学力・身体能力共に底が見えない。よって学校生活から人格面やあらゆる能力面を把握し、適切に指導することを望む。

 




思ったより文字数っていかないものなんですね…。

普通に平均7000とか10000超える人とか本当に尊敬します…。

ヒロイン達との絡みはもう少々お待ち下さい。
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