女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

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22話 決別?

 

テストは特に危なげなく終わったと思う。

 

2日前から、テストと同じ問題をやってるんだ。出来ない方がおかしい。三馬鹿も反応からすれば悪くはないのだろう。

でも、この方法も今回限りだ。何度も使えるものじゃない。

引き続き勉強のモチベーションは持っておいてほしいものだ。

 

 

そして俺は今、生徒指導室へ呼ばれている。お察しの通り、我が担任からの呼び出しである。

流石にテスト前に呼ぶのは向こうも止めておいたらしい。そのへんの常識は一応持っていたみたいだ。

 

せっかくテスト終わったということなのでいくつかのお疲れ様会にお呼ばれしてたのに…、俺は担任と寂しくお話である。

 

 

 

 

コンコンコン

 

 

「失礼します。」

 

 

 

茶柱先生は既に待ち構えていた。中々鋭い目つきでこちらを見ている。

 

 

 

「まぁ、座れ。」

 

 

 

先生に言われるがまま俺は先生の正面に座る。

 

 

「まず、過去問を見破ったことは流石というべきか…。」

 

 

「お世辞はいいので本題に入りましょうよ。」

 

 

茶柱先生は、らしくもなく話し始めたので俺が遮る。こちらはテスト対応で中々ハードスケジュールだったのだ。癒やしを求めて少しイライラしている。

 

 

「……。テスト範囲の件…、お前が上に、報告したそうだな…。」

 

 

茶柱先生はそう言い始める。

 

 

「なんですか?恨み節ですか?生徒の将来がかかってるんだ。あれでもまだ足りないくらいでしょう…。」

 

 

 

「…………、いや。私としても流石に今回のは懲りた。上からもかなり搾られた。」

 

 

茶柱先生は、やれやれとそう呟く。

 

 

「自分のやったことの重大さ理解してますか?正直、あなたの行動や言動は教師としてどうかと思いますよ。あんたは何がしたいんだ?」

 

 

この教師の言動などは教師としてはどうかと言う点が多い。はじめはそういうものだと思っていたが他の教員を見ているといかんせん酷い。更にDクラスを窮地に陥れる行動までしている。かと思えばこちらにヒントとなる情報ももたらす。

何がしたいのかわからないのが正直なところだ。

 

 

茶柱先生は黙ったままこちらをじっと見ている。

 

 

「…………。都合が悪くなればだんまりですか…。子供ですか貴方は…。」

 

 

俺は先生を軽蔑するように見る。

 

 

「…………、お前は何故自分がDクラスになったか考えたことはあるか?」

 

 

唐突に茶柱先生はそう問うてくる。

 

 

「??Dクラスになった理由ですか?まあ、心当たりは無くはないですよ。」

 

 

なんせ学校なんか通ってない。内申点なんてゼロだろう。

 

 

「お前はいくつもの渡航禁止地域への渡航履歴がみられた。お前は何をしていたんだ?」

 

 

「なんか話題をそらされた気がするんですが………、まあいいか。世界旅行してただけですよ。」

 

 

「ほう…。わざわざ紛争地へ?」

 

 

なんだ、この人。俺の旅行歴聞いて何がしたいんだよ。

 

 

「親の意向で色んな情勢をこの目で見てこいと言われてたんでね。」

 

 

「では、お前の左脇の傷跡。あれはその時の傷か?」

 

 

身体検査で脱いだとはいえ、担任がそこまで把握しているのか。ドン引きだぞ…。

 

 

「そうですね。巻き込まれました。」

 

 

「あの傷跡は明らかに銃創だ。よく無事だったな。」

 

 

えぇ……、

 

 

「九条、お前は本当に旅行で行ったのか?ほんとは紛争に参加しに行ったのでは?」

 

 

確信めいたように茶柱先生はそう告げる。

 

何を持って俺が紛争に参加したと思ったのか…。まあ参加はしたが…。

 

 

「お前を観察・指導するようには入試以来言われている。お前にそのような事実があるのならばこちらも相応の対応を取らないとな…。」

 

 

この人は何を言っているのか…、俺を脅そうとしている…?有栖といい、中々好戦的なお嬢さんが多いみたいだなあ。

 

 

「それで、九条。お前にはDクラスの先頭に立ってAクラスを目指してもらいたい。」

 

 

急に話題が飛躍したよ…。なんなんだよこの人。

 

 

「俺は既にまずこのテストでは遺憾なくクラスのために動いたと思うんですがね…。それに水を差したのはそもそも貴方でしょ…。」

 

 

「あれがあったからこそ過去問の存在に気づいたんだろ?」

 

 

 

この人は何を勘違いしてる…?

 

 

「そもそもこのくらいのテスト、本来自力で乗り越えてもらわないとAクラスなんて夢のまた夢でしょ。使わざる得ない状況に貴方がしただけですよ。」

 

 

 

「それで、クラスの先頭に立つ……、ですね…。言われなくてもやりますよ…。ただ………、貴方の横槍でこちらの想定もめちゃくちゃになるんですよ……。だから貴方はせいぜい指を加えて見ておいてください。あなたこそクラスで1番の『不良品』だ。」

 

 

俺の言葉に茶柱は顔を歪める。

俺としちゃ、もう用もないので席を立ち、ドアを開ける。

 

 

「あなたのやり方だと誰一人付いてくることはない。俺も失望しましたよ…。あともし、それでも俺らの邪魔をするようなら……、その時は覚悟しておいてくださいね?」

 

 

ビクッ

 

 

心を込めて殺気を一瞬ぶつけ、俺はドアを閉める。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー茶柱sideーーーー

 

 

九条が去った部屋に私はまだ残っていた。というより身体が動かなかった。

 

 

なんだ最後の殺気は…。

 

 

 

九条はクラスの担当が決まった時から目をつけていた。何故Dクラスなんだというような成績をしていたからだ。それに九条だけじゃない。高円寺に堀北…、平田や櫛田、それに綾小路。中々メンツは揃っている。私はAクラスに負い目があったし、もう諦めていた。

が、このメンツを見て野望は再燃した。

こいつらならAクラスになることも可能だと。

 

 

そして、入学間もなくさっそく九条がシステムを看破した。

交渉の場では、言いくるめられたが私は歓喜していた。

コイツは想定以上に使える。そう感じた。更に九条は女たらしなのか、よく女子生徒と関わっている。さらに毎日欠かさず私にすらチャットを送ってくる始末。

ただ、それは高円寺のような我が道を行くタイプではなくコミュニケーションは取れるということだ。俄然、クラスを引っ張っていってもらいたい。ただ結局九条は4月には、行動を起こすことなくクラスポイントは0となった。

流石に1カ月でほぼ1000ポイントもAクラスと差がつくとは思わなかったが、あまりにクラスの態度は悪かった。口止めはあったとはいえ学校のシステムを知ってもクラスのために動かなかった九条に私は焦った。

なんとか動かせないのか、そればかり考えていた。

 

テスト期間になって、勉強会などと正攻法でテスト対策行うようだがそんな馬鹿正直にやったところでこの学校ではやっていけない。もっと思考を廻らせれるような、そんなクラスにならないといけない。

そこで私は、わざとテスト範囲の変更を伝えずにクラスを窮地に立たせた。こうすれば、嫌でも動かざるを得ないだろう…。九条…綾小路…高円寺、誰でもいい。このクラスのため、この学校のやり方に慣れてくれ。

 

そこから間もなく、私は理事室に呼ばれた。テスト範囲変更の件の調査と叱責を受けた。追って処分もあるらしい…。その時初めて後悔もしたが、Aクラスへあがるためだ。多少の処分は致し方ない。ただ、この件を報告したのが九条だと聞いた。あいつなら私の意図には気づいたはずだが…。

私はその件を問いただすため、また奴をAクラスへ上がるための駒として釘を刺すためにテストが終わるとともに生徒指導室へ呼び出した。

奴は入室した時からどこか雰囲気が違っていた。どこか近寄りがたいような…、内心少し焦ったが話をすすめる。

奴のペースへ話が進みそうだったので、こちらも思わず切り札としてやつの過去に触れた。少しでも怯めばいい、と思ったのだが……、私は選択を間違えたらしい…。

 

一方的に私は失望され、最後には明らかな敵意を向けられた。

それでも……、私はAクラスに行かないといけない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからその日は、そのことが頭から離れず気がつけばもうベッドに横になっていた。

 

いつの間にか無くなっていたこの時間に奴から来る寝る前の挨拶のチャットをふと思い出す。

 

テスト範囲変更を告げたあの日からやつからのチャットは、なくなっていた。

 

何か心のどこかぽっかり空いている感覚に陥るが、私はただ眠りにつく。

 

 

 

 

 

その感覚が寂しさと気付くのはもう少し先になる。

 

 




バッドコミュニケーション茶柱…。
流石にこの時期の茶柱先生に救いは与えれませんでした…。

ただ、万が一でもまだどうにかなるかもしれませんので改心するよう願っております。

次話は息抜き日常小話シリーズです。新規ヒロイン参入いたしますのでご期待ください。

あとその他キャラのアンケートも実施しますので、またご協力お願いします。

学年違い、その他のヒロインで誰が好き?

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