テスト結果の発表日を迎えた。
クラス内には異様な緊張感が流れている。そりゃ赤点で一発退学なのだ。緊張が出るのは仕方がない。
ただ、結果は想像よりすんなりと終えた。
退学者ゼロ。
「よっしゃああああああああ。」
クラスはお祭り騒ぎになる。特に3バカは宝くじが当たったような喜びようだ。
結果を見ると3バカでも軒並み6割辺りを推移。最低点も半分を下回ることはなかった。
反対に高得点者も続出。全教科平均9割越が続出しており、クラス平均も軒並み8割を超えている。
大勝利である。
ちなみに清隆は全教科揃えることなく7割〜8割にしていた。これなら数奇な目で見られることもないだろう。
あとここで、赤点の説明もあり今回は教科ごとに違いはあるがおよそ40〜42点である。クラス平均の半分が赤点になるとのことだった。
次はこれほど高くなることはないだろうが、特に3バカは引き続き勉学に励む必要はあるだろう。
俺の方も流石に自作プリントは一旦終わるが引き続き解説などは引き受けるとは言ってある。
さて、今俺の部屋には軽井沢抜き軽井沢グループが集まっている。祝勝会というやつだ。
なぜ部屋なのかというとクラスはまだゼロポイントだ。節約大事。
俺は軽井沢は省いていいのか?と聞いたが、別日に女子だけで集まるらしい。それに今日は平田と予定があるそうだ。
「「「「カンパーイ!!!」」」」
それぞれ紙コップに入れたジュースを交わす。
「それにしても、あれだけ必死だったのに案外簡単に乗り越えたね。」
「まさか全く同じ問題が出るなんてね…。」
話題は終わったばかりのテストについて。
「毎回、過去問で乗り越えれたら楽なんだけど流石に次は無いよね…。」
「毎回、あれほど緊張感持たないといけないなんてね…。」
「まあまあ、とにかく今くらいテストのこと忘れてぱぁっと飲もうよ!」
佐藤さんがそう雰囲気を変えようと声をかける。
「と言ってもうちらポイントないから数少ないジュースとお菓子くらいだけどね…。」
篠原さんが現実的なツッコミを入れる。
「確かにちょっと質素な感じは否めないよね〜。」
松下さんも同調する。
これだけ女性ばかりで、その中で話されてると話題に入るのは少し遠慮してしまう。俺は陰に徹しておこう………。
俺は紙コップに入ったお茶をちびちびと飲む。
そんな俺に、松下さんが話をふってくる。
「そういえば、九条君。約束覚えてるよね?」
約束…。そうだ。平田主催の勉強会でふと、勉強の継続することが難しい、との話題になった。その時に松下さんが、にやりと
「九条君。一番テスト成績良かった子にご褒美とかあればいいんじゃないの?」
との話が出た。
俺はまあポイントも持ってるし出来る範囲常識的な範囲なら良いよ(何か買う的な意味で)と伝えてあった。
「あれー、私一番なんだ。」
そう松下さんが言う。
「まさかの伏兵がいたとは…。」
「完敗だった…。」
佐藤さんや篠原さんは悔しそうに呟いている。
結果としては松下さんがダントツで全教科合計で480点を超えていた。他の佐藤さん、篠原さん、森さんは平均80点台と言ったところだ。
「常識的な範囲ならいいよ。」
多分、使っても数万ポイントまでだろう…。
俺はそんなことを考えていたのだが…。
「じゃあね、九条君部屋でお泊り会なんてどうかな?もちろん二人で。」
「……ん?」
一瞬の静寂、俺は松下さんの言葉を頭で3回ほど咀嚼する。
「なっ…………、流石にそれはライン超えだよ!」
「そうだそうだ。」
他からは非難の声が上がる。
「ははは。松下さんも冗談言うんだね。」
「えー、本気なんだけどな。」
そう言うと、松下さんは俺の横に座り俺の腕を取った。松下さんの胸の感触が俺の腕に伝わる。
「何やってるのよっ!」
そんな松下さんに篠原さんが慌てて引き剥がした。
「えぇー。別にいいじゃん。」
「………じゃあそうだね、4人で九条君ところにお泊りならいい?」
松下さんはそう、提案する。
いや、キャパオーバーだろ…。流石に5人で寝るところは無いぞ…。
俺は冷静にそう思う。
しかし、彼女らはと言うと……
「なっ////……………、まあみんなで一緒ならいいんじゃないの?」
「あっ、私はさんせー。」
「わっ私も……九条君がいいなら………。」
4対1だ。覆すことはできそうにない…。
あっという間にお泊り会が急遽決定した。
準備のため彼女達は一旦自室へと戻っている。
俺はというと流石にガッツリは今からだと難しいのでサッとできる食事を準備している。幸い材料はあった。
そうしているうちに用意を済ませた4人が続々と部屋に集まる。
制服と違い寝間着である。
佐藤さんはモコモコのパジャマ、篠原さんはサテンのパジャマ、松下さんと森さんは緩めのTシャツにズボンスタイルである。
「4人共普段と違うから凄いドキドキするよ。」
素直に俺は感想を述べる。
佐藤さんや篠原さんはわかりやすく顔を赤らめる。
そこからは特に何かあるわけでもなく駄弁って飲んで食べてをして時間が流れた。
女性は美容や服など、男性以上に大変そうだ。なのでテスト前の1万ポイントの配布は本当に助かったらしい。
茶柱のやらかしがなんだかんだ役に立ったみたいだ。
あっという間に時間は日付が変わる時間になる。
「もうこんな時間。そろそろ寝る?」
「そうだね。」
そういうと、床に毛布を広げる。流石に敷布団の予備はないので、毛布を2重に下にひき簡易敷布団にした。
「これで狭いけどベッド2人、床2人で寝れるね。俺は隅の方で寝るから。」
さて、俺は枕だけとって隅の方へ…。
まあ布団なしでの睡眠は慣れたものだ。
「いやいやいや、なんの冗談。」
「そうだよ。」
しかし俺の配慮を他所に彼女達はそういうと、彼女達は俺を部屋の真ん中へと連行する。
えぇ…4人いるとはいえ君たち俺への警戒心がなさ過ぎる。将来が心配だわ。
しかし俺の不安も関係なしに彼女達はどう陣取るかで話し合っている。
あーだこーだ言い合い、結局じゃんけんになっていた。
「じゃあ電気消すよー。」
「くっ…うらやまけしからん…。」
「それならこっちは九条君のベッド堪能するんだから…。」
俺の両サイドには松下さんと佐藤さんが横になっていた。
篠原さんと森さんは恨み節を吐きながらベッドに横になる。
女性特有のいい匂いが両サイドから漂ってくる。
凄いいい匂い…。なぜ女性はこういい香りがするのだろうか…。
俺の思考はそんな感じの事でいっぱいになっていた。
「ねぇ…なんか九条君反応薄くない?なんか私らだけ意識してるみたいじゃん。」
そんな俺の頭の中など露知らず、松下さんが不満げにそう呟く。
まあ下心丸出しなんてしようものなら警察案件だもの。俺は前科者にはなりたくない。
「そんなことないよ。今だって結構必死に顔に出さないようにしてるだけなんだよ。ほら、胸に手を当ててみ?」
そういうと、松下さんは俺の胸に手を当てる。
「へぇー。案外九条君ってむっつりなんだ?」
バクバクしている心臓音を聞き、そう松下さんはいたずらっぽく呟いた。
仕方がないじゃないか。俺も10代男児なのだ。
「ねぇ、何二人の世界入ってるわけ?こっちもいるんだけどー。」
反対側から佐藤さんが不満そうにそう呟く。
「ごめんね、佐藤さん。でも佐藤さんガチガチだったじゃん。」
松下さんは返答する。
確かに佐藤さんはじゃんけんで場所を決めてからカッチカチになっている。声をかけてもまともな返答すらなかった。
やっと落ち着いたのだろうか…。
「それはそれ//。流石にこんなに近くにいて私抜きで二人の世界に入られたら私だって不満の1つくらいでるよ!」
むーっと佐藤さんは「私不機嫌です」と言った感じでこちらを見る。
「ごめん。ごめん、佐藤さん。仲間はずれにしちゃって。全然そんなつもりじゃなかったんだよ。おいで。」
俺は、仲間はずれにする意図は無かったんだとわかってもらえるようにと、佐藤さんを自分の胸に引き寄せる。
「〜〜〜〜っ////」
すると、佐藤さんは再びガチガチになってしまった。
「ちょっと九条君。佐藤さんまた固まっちゃったじゃん。それで私にはそういうサービスは無いわけ?」
松下さんはそう言うが、なんかずっと松下さんのペースに流されてる気がしてる…。今も余裕そうにしているし…。
ちょっと意地悪したくなった俺は、松下さんに背を向け、佐藤さんのお腹に両手を回す。
「っっっっっっっ////」
佐藤さんは声にならない悲鳴のような言葉を発する。
いちいち佐藤さんは反応が可愛らしい。
ただ、松下さんにしては面白くないだろう。不満そうに俺の背中を突く。
「ちょっと無視しないでよ。何、そんなに佐藤さんがいいの?」
「そういうわけじゃないよー。」
そう返答するが俺は振り向かずにいる。
しばらくそのままでいると、不貞腐れたのか松下さんは「もうしらなーい」と反対を向いてしまった。
ただ、時々チラッとこちらを伺っているようだ。
俺はそれを見逃さず、しばらく焦らす。その間も佐藤さんのことをギュッとしたり緩めたりする。その度に反応する佐藤さんを楽しみながら俺は松下さんの行動も伺う。
もういいかな?
俺は佐藤さんにちょっとごめんね、と声をかけ拘束をとく。
佐藤さんは「あっ。」ともの欲しげな声をあげるが俺は松下さんの方を向く。
俺に背を向けている松下さんだが俺が動いた音が聞こえたのか少し身体がビクッと反応したのが分かる。
そのまま松下さんのすぐ後ろまで行くが松下さんは無干渉を貫いている。
「機嫌直してよ。」
俺が耳元で声をかける。一瞬身体は反応するが、それでも松下さんは無視を貫く。
松下さんがそのつもりなら俺は反応してくれるまでいたずらを継続しよう。
そう俺の中の悪魔が頭の中で一方的に宣言した。
俺は松下さんに密着すると、右手で腿を撫で回す。
「んっ//」と反応を示すがまだこちらは向いてくれないようだ。
続いて俺はその手を上へスライドさせ、緩いシャツの中へ突っ込む。
「ひぇあ////」
なんとも可愛らしい悲鳴が聞こえるが知ったことじゃない。俺は松下さんのお腹を撫で回す。
「ちょっちょっと九条君。」
思わず松下さんはこっちを向いた。
俺の勝ちぃ。
「あっ、やっとこっち向いてくれたね。」
俺はそういうと、松下さんをギュッと抱きしめる。
「うぅぅぅぅ///////こんなはずじゃ…。」
無事松下さんとも仲直り?した俺は再び仰向けへと体勢を戻す。
ゴソゴソと松下さんも佐藤さんも俺の腕に抱きついてくるが振り解くことなく、そこから夜を過ごした。
両方固められているので、寝返りがうてずに少し身体が凝ったが男の勲章だろう。
次の日、篠原さん、森さんは不満そうだったが佐藤さん松下さんはホクホク顔で帰っていった。
そこから少し身体的距離が近づいてしまったようだが、まあ仲良くなったのなら良しとしよう…。
一部の男子達の嫉妬の目が増えたのも言うまでもない。
まだ6月始めなのにすでに主人公が刺されないか不安になってきた今日この頃です…。