女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

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26話 相談

 

 

 

『どうすれば、もっと学力が上がりますか?』

 

 

 

『しーくんの協力があったのに、結局平均点70しかなかったのが悔しい。引き続き勉強教えて!!』

 

 

 

テストが終わり、ほっとしているクラスメイトが多い中で緩むことなく勉学に励むクラスメイトがいた。

 

 

 

佐倉さんと波瑠加だ。

 

 

佐倉さんは全教科平均68点、波瑠加は全教科平均71点だった。今回のテストではクラスの中で低い方になるが、彼女らは「自分の力でやる。」と過去問を見ずにテストを受けている。

 

 

ここまでやる気になってくれるとこちらも教えがいがある。2人とも教室では目立ちたくないのか直接話しかけてくれることは少ない。

なので、必然的にチャットや電話でやり取りをしている。少し二度手間ではあるが、彼女達にとっても最適なのだろう。気づけばほぼ毎日連絡するようになっている。

 

 

そして今日は珍しく、佐倉さんから直接話したい事があると言われている。

そこで放課後一番に俺の部屋に来る事となった。

 

 

 

………、また女性を連れ込むのか(呆れ)

 

ごめんて………………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒に帰ると目立つので俺たちは別々に帰り部屋の前で集合する。

 

 

 

「どうぞ。」

 

 

 

「………、おじゃまします。」

 

 

オドオドしながら、佐倉さんは部屋の中に入る。

チャットではだいぶ砕けて話せるようになってきたが対面だとまだ緊張するらしい。

ただ俺としては、チャット程度の仲の異性の部屋に二人きりで入るのは警戒心がなさすぎるのではなかろうか…。このクラスの女性には心配しかない。

 

 

 

「あのぅ……、わざわざ私なんかに時間をとってもらって……、ありがとうございます。」

 

 

「別にいいんだよ。というより君みたいな子に頼られて嫌な奴なんていないよ。」

 

 

俺は自分を下げる佐倉にそう声をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

そこから佐倉は何か話そうとしてはつまり、話そうとしてはつまりを繰り返す。

 

 

「大丈夫。ゆっくりで良いから、自分のペースで。」

 

 

 

俺は焦らさないように優しく声をかける。

 

 

 

 

 

「………ふぅ。…まず、これを見てください。」

 

 

 

すると、決心したのか佐倉さんは、俺に1枚の画像を見せる。

 

 

 

そこに映っているのは、とあるブログの画面だ。

 

そこには美少女が映っていた。

スタイルが抜群によく、表情も非常に明るくあどけなさがあり凄い可愛い女性だ。

プロフィール欄には『雫』とある。

グラビアアイドルらしい。

 

 

俺は「ん?」と思い、画像の女性をじっくりと見る。そして今度は佐倉をじっくりと見る。

 

目元……、髪、……鼻、口…、胸………………。

 

 

 

「うぅ////」

 

 

俺の視線に耐えれなかったのか佐倉さんは視線を背ける。

 

 

 

「…………これ、佐倉さん?」

 

 

その女性と佐倉さんは表情こそ違えど明らかに同じだった。

 

 

 

「はい……、そうです。」

 

 

佐倉さんは肯定する。

 

驚いた。ただ確かに佐倉さんは美しい身体をしている………。しかも顔もいい…。そりゃアイドルにもなるか。

 

俺は一人納得していた。

 

 

 

「話、続けますね……。」

 

 

そこからが本題らしく佐倉さんの話は続く。

 

内容はこうだ。

 

入学して間もなく、カメラを購入するため家電量販店に寄ったそうだ。それ以来嫌な視線を感じるらしい。

 

その家電量販店では明らかに視線が怖い店員が居たらしく恐らくその人だと思っているとのことだ。

 

ただしばらくは視線以外特に被害はなかった。だから、自分もそこまで深くは考えずにいたらしいが、テスト前期間中に事態が一変。

 

自分の郵便受けに差出人不明の手紙が入るようになった。それが日に日に頻度が増し今朝には、自身の制服姿の映った写真が投函されていたらしい。

 

明らかなストーカーである。

 

 

さらに『雫』のブログ内のコメント欄には同じハンドルネームから執拗にコメントがされていた。

 

内容は見れたものではない。

『僕たちは運命なんだ。』などは可愛いものだ。勝手に結婚したこととなっていたり、子供は何人欲しいだの、子供の名前はどうしようだの…、中には度を越したセクハラ発言もある。

 

俺と一緒にそのコメント欄を見る佐倉さんは、それに怖くなったのか震え始める。

 

 

 

「佐倉さん。よく相談してくれたね。怖かったろう…。」

 

 

 

佐倉さんの震える手に俺は手を重ねる。

佐倉さんはその言葉に我慢していたのか、涙が決壊する。

 

 

 

「うっ………うっうっ…。」

 

 

 

 

 

俺は彼女の背中を擦りながら泣き止むまで待つ。

 

 

佐倉さんのことだ、相談する相手もいなかったのだろう…。まさか全寮制、外の世界と隔離された高校でのストーカーだ。より狭い範囲、身近にストーカー犯がいると考えると恐怖でしかないだろう。

 

 

 

 

しばらくして、佐倉さんは落ち着いたらしく声や身体の揺れが落ち着く。

 

 

 

「落ち着いた…?」

 

 

 

「…すみません。お見苦しいところを見せてしまいました。」

 

 

 

 

さて…、ストーカー対策を考えないとな…。消すのは簡単だろうけど…、ここは法治国家だからなあ…。

とりあえず佐倉さんはどうしたいか聞かないと。

 

 

 

「佐倉さん。君は何を望む?」

 

 

 

俺は佐倉さんを見つめ、問いかけた。

 

 

 

「私は………、私はただ普通に学校生活を送りたい……。誰かに怯えることのない…そんな普通の生活を送りたい。」

 

 

佐倉さんはそう懇願する。

 

 

「ストーカー犯には何を求める?」

 

 

「えっと…………、私に対しての行為さえやめて貰えれば………。」

 

 

佐倉さんはとても常識人でとても優しい。

だからストーカーなんて犯す奴の思考なんて理解できない。そのことをまずしっかり理解してもらわないといけない。

 

 

 

「佐倉さん。まず前提としてこいつは話し合いなんかでどうにかなることはまずないと思ってほしい。生半可に話し合いなんてしたら反対に逆上してもっとエスカートするはずだ。」

 

 

 

「大事にはしたくなくて………。じゃあ警察とか…………?」

 

 

 

「警察ね…。佐倉さん、もし警察に相談に言ったとしよう。恐らく物的なものもあるから受理はされるだろうけど、調査で時間がかかりそこから、多分口頭の警告だけになる。もしかしたら学校側からそのストーカー犯を追放するとかあるかもしれないけど…、かなり中途半端な対応になる可能性が高い。」

 

 

 

俺は現実をしっかりと伝える。

 

 

「ならどうすれば………。」

 

 

 

「警察は基本被害が起きないと動かないからね…。

今俺が提案できるのは3つ。

1つ目は今言ったように警察・学校に委ねる。結果はどう転ぶかわからないけど一番正攻法ではあるね…。

2つ目はもうしばらく様子を見る。佐倉さんには負担がかかるけれど、物的証拠をより集める。

3つ目は…ストーカー犯をより確実に追放させるよう誘導する。」

 

 

 

「えっと…、それって……?」

 

 

 

「まだぱっと考えただけだから絶対こうするってわけじゃないよ。例えばだけど佐倉さんがストーカー犯を拒絶する。そうすればほぼ確実に逆上する。そこを押える。確実に刑務所行きだ。ただ………、流石に佐倉さんにそんな危険なことやらせれるわけ無いからね。そこでもうひとつの方法だが犯人の前で俺と佐倉さんがめちゃくちゃイチャつく。」

 

 

 

「へっ/////」

 

 

途端に佐倉さんの顔が赤くなる。

 

 

「例えばだよ!笑」

 

 

「そうすれば多分犯人の逆上は誘える。そして俺に逆上するところを押さえつける。ただ…これも確実に矛先が俺に向くわけじゃないからねぇ…。」

 

 

うーん、中々いい案が出ねぇ…。

 

 

 

 

 

……………………、あぁそうか別に佐倉さんがいる必要はないのか…。

 

 

 

 

 

 

「ごめん。俺佐倉さんが居ることに固執してたわ。俺個人で犯人と接触して逆上させにいけばいいだけの話だった。」

 

 

なんかこの平和な世界に来て色々と鈍ってるなあ…俺…。そうだ。俺が一人で犯人に話をつければいいだけの話だった。どうしても一人だと犯人を消すくらいしか考えてなかった。「雫は俺の女」なんて言えば確実に逆上するだろう…。あとは証拠の映像くらい残さとけばいいだろう。

 

 

 

「………でも、それだと九条君が危ないんじゃ…。」

 

 

「大丈夫!このガタイだよ。それにそれなりに荒事もできるんだ。」

 

 

佐倉さんに笑いかけ安心させる。

しかし佐倉さんの顔は晴れない。

 

 

 

「テストでもご迷惑をかけて、今も相談に乗ってもらって…、さらに危険なこともやらせようなんて…、そんなつもりじゃなかったのに…。」

 

 

佐倉さんは自分が負担になっていることが許せないのだろう。

でも俺にとってはやろうと思ってる子には頑張ってほしいから勉強に付き合う、相談も信頼あってこそだしその信頼には答えたい。つまり俺がやりたいだけなのだ。そんなに気に病むことではない。

 

 

 

「佐倉さん。俺は佐倉さんに頼られて凄い嬉しいんだ。佐倉さんの頑張りに応えたい。不安を払拭したい。もっと楽しんでほしい。これは俺の意思でもあるんだ。だからね、そんなに気に病む必要もないしなんならもっと俺を頼ってほしい。」

 

 

俺は本心から佐倉さんに伝える。

 

そんな俺の言葉に佐倉さんは俯く。

 

 

 

「…………、お願いします。助けて下さい…………。」

 

 

ただその一言をつぶやく。

 

 

「あぁ。もちろん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっそく行動に移したいが、まず家電量販店の店員がストーカー犯である確証を得る必要がある。それとそれまでの間の佐倉さんの護衛だ。流石にストーカー被害が分かっていて一人行動はさせられない…。

ただ、俺が一緒に行動すると目立つ。それは佐倉さんも望まないだろう…。

 

そこで一人のクラスメイトに白羽の矢を立てる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

 

「来たよー。」

 

 

 

「わざわざごめんね、波瑠加。」

 

 

 

俺は波瑠加を呼んだ。彼女も基本一人行動をしている。

行き帰りに佐倉さんと一緒にいてもらうことで佐倉さんを一人にせず、かつあまり佐倉さんも目立たずにする。

 

 

 

「なになに、しーくん。改まってお願いだなんて…………って、佐倉さん…?」

 

 

少しテンションが高めな波瑠加がズカズカと部屋に入るが部屋に佐倉がいることを見つける。

 

 

「ねぇ…しーくん。流石に幻滅だよ。女の子連れ込んでる時に別の女を呼ぶなんて……。」

 

 

佐倉を見つけた途端、何を勘違いしたのか波瑠加は俺を糾弾する。

 

 

 

「何勘違いしてるんだ…。別に何もない、お願いも佐倉さんに関することなんだ。」

 

 

 

「へぇー。」

 

 

波瑠加は途端に機嫌が悪くなる。

 

いったい何を期待していたのだろうか…?

 

 

 

 

 

 

それから、まず佐倉さんと波瑠加の顔合わせを行い、事情を説明する。

ストーカー被害にあって俺が証拠など集めるまで行き帰りだけでも一緒に行動して欲しいと。

 

 

 

「よく耐えたね…。大丈夫!私に任せて!」

 

 

 

俺の話を聞き、波瑠加は佐倉さんを抱きしめる。

そして快く了承してくれた。

 

 

 

「助かる波瑠加。俺だとだいぶ目立つから佐倉さんには嫌だろうなっておもってね…。危険なことに巻き込んですまないがよろしく頼む。」

 

 

 

「何改まって。私としーくんの仲じゃん。佐倉さん………いや愛里って呼ぶね。愛里もよろしくね。」

 

 

 

「よっよろしくお願いします!」

 

 

 

二人の相性も悪くないようでホッとする。

 

 

 

「とりあえず1、2週間ほどでかたをつける予定だから、少し不便だろうけどよろしくね。」

 

 

 

 

よし、早く佐倉さんのためにもかたをつけないとな……。

 




ついに○乳二人の会合。原作より早い段階でストーカー被害が明るみに…。主人公が早く佐倉の信頼を勝ち取った影響ですね。

そして毎日のように部屋に異性を連れ込む主人公。
その事実が知れ渡ると学年中の男子達は血の涙を流すことでしょう…。

あとアンケートご協力ありがとうございます。もう少し締め切らずにいますが櫛田が強い…。そういえばこの作品も登場はしつつもメインはまだ張ってないからみんな櫛田さんに飢えているのか…。

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