女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

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28話 ありきたりな結末

 

 

俺は例の家電量販店に来ている。

今日奴が出勤しているのは確認している。

 

多分あと1時間もすれば退勤だろう……。

 

 

 

 

 

 

 

丁度品出しを行う店員を見つける。

俺は店員に近づき声をかけた。

 

 

 

「店員さん、この間はありがとうございました。」

 

 

 

筆跡のために聞いた道案内のお礼を言う。店員は俺のことを覚えていないのか「誰だ?」と言った表情。女性には執着するのに男だとこれだ。

 

 

まあいい。とりあえず要件を伝えよう……。

 

 

 

「店員さん……。仕事終わり少しお時間いただけます?…………『雫』、俺の女なんですけどあなたにつたえておきたいことがあるので。外のベンチで待ってますねー。」

 

 

 

俺の言葉に店員の目つきが一瞬で変わった。だが俺は返事を聞かずに店を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外が薄暗くなり、街灯が付き始めた頃に店員は店から出てきた。既に顔はこわばり臨戦態勢なようだ。

 

 

 

「まあまあ、周りに聞かせる内容でもないですしもう少し人通りのないところで話しましょう。」

 

 

 

まだすぐに店員は激高することなく、俺の言葉に従い後ろをついてくる。

 

 

 

そして裏路地に入った。街灯の光がかろうじで入ってくる程度の場所だ。人通りもほぼない。

 

 

俺は店員と向き合う。

 

 

 

「単刀直入にいいますね。雫が言ってましたよ。気持ち悪い人に付きまとわれていると……。なので、付きまとい行為やブログの投稿、手紙やめてください。明らかなストーカー行為なので…。」

 

 

 

俺はまず淡々と事実を突きつける。俺の胸ポケットにはペン型のカメラ、それに裏路地になるがここはかろうじで監視カメラが映ることも確認している。

絶好の場所と言って良いだろう。

 

 

 

「…………、雫がそんなことを言うはずはない。僕は雫と愛し合っているんだ。」

 

 

 

現実と妄想が見えていない。ヤバい奴だと再認識する。

 

 

 

「そもそも君は雫のなんなんだ。僕のと雫の仲を引き裂こうなんて……、ああそうか…、嫉妬だね。男の嫉妬ほど見てられないものはないんだよ。哀れだね君は。」

 

 

 

ストーカー犯はそう自己完結する。

 

 

ほんとにやべぇ奴だ…。近くで同じ空気を吸ってることすら気持ち悪い…。ほんとに佐倉さんはとんでもないやつに目をつけられてしまったようだ。

 

 

 

「なるほど…。引き下がる気はないようですね。じゃあこちらも容赦しませんよ…。」

 

 

 

俺はそう呟く。

俺はおもむろに携帯を取り出す。

 

 

 

「あなたは雫と愛し合ってるんですよね?じゃあ雫は何が好みでどういう趣味があるかおわかりで?」

 

 

 

俺は携帯をいじりながら少し凄みながら問いかける。店員は何も答えない。

 

 

 

「彼女はここに入学して右も左もわからずやってきた。ただそれだといけないと今は己を成長させるために頑張ってる。」

 

 

 

「せめてファンならファンなりにお利口さんにしておけよ……。ルールすら守れない奴がファンなんか名乗るな……。ほんと反吐が出る。」

 

 

 

「何よりも俺が許せないのは、女の子の気持ちを一切考慮していない点だ。アイドルとは言え、いち女子高校生に付きまとい妄想を押し付け怯えさせ…………、普通自分が気にかけた女ならその子を満たすために尽くすのが当たり前だろ。それを中年のおっさんが自分の理想・妄想を女子高生に押し付けるなんて…、人としても男としてもあんたは失格だよ。」

 

 

 

俺は携帯の操作する手をとめる。

 

 

 

「あぁ、それからあんたは俺が嫉妬でこんなことを言っていると言っていたな。たださっき俺が言ったこと覚えてるか?………俺は『雫は俺の女』っていったんだ。あぁ、先日の撮影会は楽しったなあ。」

 

 

 

俺はそういうとストーカー男の目の前まで歩き、携帯に写る1枚の写真を見せつける。例のいかがわしさしかないツーショットだ。

 

 

 

「雫。中々いい女だよ。お前は指でも加えながら一人で自家発電でも楽しんでろよ。」

 

 

 

耳元でそう囁く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の雫にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。」

 

 

 

 

男はその途端、大声を上げポケットから果物ナイフを取り出す。

 

 

 

退勤から少し時間が空いて来たと思ったが、ナイフを用意していたようだ。

まあ、俺からしたら逆に有り難い。より確実に刑務所に打ち込める。

 

 

 

「雫はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、僕のものだぁぁ!!!!!!!!」

 

 

 

男は果物ナイフを振り回しながら、俺へ攻撃を加える。全く素人のただ振り回すだけの動き。ただ単に押さえつけるだけも簡単だが俺はわざと腕を切りつけられる。

 

はい、傷害事件、ワンチャン殺人未遂。

 

 

 

腕から血が出るが、市販の果物ナイフで力のない男。切られ方も調節した。正直どうってこともない。

 

 

 

「あーあ。あんた終わったな。」

 

 

 

「だまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」

 

 

 

錯乱しているのか、奴は尚もこちらに向かいナイフを振り回す。

 

 

 

もう茶番はいいよ……。

 

 

 

俺はナイフを持っている手を蹴り飛ばし、ストーカー犯を押さえつける。

 

携帯で110番して、警察の到着を待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

間もなく警察が到着した。

抑え込んでいる間も奴はなんか色々叫んでいたが、知ったことではない。もう、一生佐倉さんには近づけさせない。

ただ、あれだ。去勢するの忘れてた……。

偶然装って玉を潰しとけばよかったとだけ後悔している。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを考えながら俺は病院へ搬送されている。

 

 

 

 

 

そこから俺はまず、治療を受けた。なんだかんだ10針くらい縫うことにはなったがこれで確実にストーカー犯は刑務所行きだろう…。

 

 

 

 

治療が終わると日をまたぐくらいの時間になっていたが、警察による聞き取りが行われた。

 

 

そこで俺は友人からストーカー被害の相談に乗ったこと。そこからストーカー犯に話をしにいったら、逆上されたことを話した。

警察からは「なんでそんなに危ないことをしたんだ!」、と怒られたが「気になる子を少しでも早く助けたかった。」と俯きながら答えたら、調書を書いていたっぽい婦警さんがキラキラした目で「青春だわっ!」と言って事なきを得た。チョロい。

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間に次の日になったが俺はまだ病院にいる。精神的ケアとか他も念の為検査するとかでまだ入院がいるらしい。

 

まず早朝には学校の偉い人達がぞろぞろと来た。

流石に敷地内での傷害事件だ。大事もいいところだろう。冷や汗をかきながら俺への謝罪を繰り返す。

 

 

まあ俺としては学校には否はないとは思っている。あくまで個人の事件だし。でも全寮制の学校の敷地でこんな事件が起きてしまったのだ。……………そうだね。お詫びのポイントだね。いっぱい寄越せ♡

 

 

遠回しに侘び寄越せと言ったら、それはもう丁寧に準備しておきます!と確約を得た。ただ事件の経緯的には佐倉も関係者ということで彼女にも聞き取りを行うらしい。警察も含めて…。

俺は一応一通りはどう答えたらいいとは言っているが、何か余計なことを言わないか……、それだけが少し不安ではあった。

 

 

 

 

そうしているうちに、検査も一通りして午後になった。

 

 

 

 

 

今は個室の病院のベッドでただゴロゴロとくつろいでいる。

ふと携帯を見ると堀北、佐藤、松下、みーちゃんなどなど連絡が入っている。学校からはまだ連絡は言っていないはずだが、健気に心配してくれる彼女達はとても癒やされる。

彼女達には『心配かけてごめんね。ちょっと珍しく疲れ気味なので寝ときます。』と送っておいた。

そんな中、波瑠加だけは多少事情を知っていただけに数件の電話と『大丈夫なら返事して!』と少し切羽詰まった連絡をしてくれていた。波瑠加には無事だということと、この病室の部屋番号を連絡しておいた。

 

 

 

 

 

そんなこんなしていると、ノックもなくドアが勢いよくあいた。

 

 

 

「……九条君!!!」

 

 

 

なんと佐倉さんが来てくれたようだ。

まだ授業中のはずだが、恐らく事件のことで聞き取りをされていたのだろう…。

それからこちらに来たっぽい。

 

 

 

「佐倉さん。わざわざありがとう。」

 

 

 

なんだか切羽詰まった様子の佐倉さんだが、俺はのほほんとした顔で佐倉さんを出迎える。

 

 

佐倉さんの目には涙を浮かべている。

ドアからツカツカと俺の元へと来る。

 

 

 

「……、心配したんですよ。今日の朝警察の人が部屋に来て傷害事件があったって聞かされて………、それで私……、九条君が怪我をしたって…………、私のせいで…。」

 

 

 

佐倉さんは俺のベッドにへたりこむ。

 

 

……、かなり心配をかけたらしい…。俺からしたら罪をより重く確実にするためわざと切られたのだが、そんなことを言う空気ではないのは確かだ。

小さい頃からボコボコにされ、気絶させられ、紛争地に送られて来た俺にしては擦りむいたのと対して変わらないものだったのだが、かなり事は重大だと佐倉さんを見て気付かされた。

 

 

 

そんな佐倉さんに俺はどう声をかけたら良いか手を拱く。

 

 

 

 

 

 

「ごめん。心配かけた。」

 

 

 

謝罪の言葉しか出ない俺はまず誠心誠意謝罪をした。

 

佐倉さんは尚も俺のベッドに顔を伏している。表情は見えずただ時間が流れる。

 

 

 

 

 

気軽に切りつけられに行った俺は罪悪感が天井突破していた。

 

 

 

 

 

 

それでも時間だけが過ぎてゆく…。

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラガラ

 

 

 

そんな静寂を破るようにまた勢いよくドアが開かれる。

 

 

 

「しーくん!!!」

 

 

 

デジャブ……………。

 

 

 

今度は波瑠加が来たようだ。

授業終わりに全力疾走できたのだろう。

息を切らし、額には汗が見える。

 

 

 

「何が安心して欲しい、なの!怪我してるじゃん!ほんとに心配したんだから!」

 

 

 

はい……、本当に申し訳ありません…。

 

 

 

俺は改めて罪悪感を限界突破させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからも波瑠加の説教が止まらなかった。計画実行の連絡もない、連絡なく休む、心配かけすぎなどなど……。

 

 

 

はい………、はい…………、ほんとスミマセン…。

 

 

 

俺はシュンと小さくなりながら彼女の説教を聞いていた。

あまりの勢いに佐倉さんもはじめこそ同調していたが、だんだん「波瑠加ちゃん………そろそろ……。」「九条君も反省しているみたいだし………。」と止めに入るが、波瑠加は「愛里は優しすぎ。バシッと言っとかないと。」と一喝されて同じくシュンとしてしまった。

 

 

 

「しーくん。ほんと分かってるの?」

 

 

 

一段落したのか、波瑠加はそう聞いてくる。

 

 

はい…、重々承知しました。もうむやみやたらに怪我しにはいきません。報連相大切!

 

 

「スミマセン…。マコトニモウシワケアリマセンデシタ。」

 

 

 

俺は頭を下げる。

 

 

 

「………はあ。ほんと心配したんだよ?」

 

 

 

そういうと波瑠加はベッドに身を乗り出すと俺の頭を包み込むように抱きしめる。

 

 

 

「愛里のためにありがと。」

 

 

 

叱ってそのあと優しく接する…。波瑠加はたらしの才能があるのかもしれない。しかも今俺の顔には柔らかい感触が2つ。なんだか天国にいるようだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は…波瑠加ちゃん?あの……、九条君が苦しそうだよ?」

 

 

 

しばらく堪能していたが、しびれを切らして佐倉が止めに入る。まあ異性の友人同士の包容なんか見れたものではないだろう……。でも俺はもう少し堪能したかった。

 

 

 

「しーくんも案外男の子だね。最後の方私の胸を堪能してたでしょ?えっち。」

 

 

 

波瑠加にはバレていたらしい…。

 

 

 

「ごめん。本能には抗えなかった…。」

 

 

 

こういう時は素直に謝るのが一番。まあ向こうからの包容なのでよっぽど酷くない限り許されるだろう。

 

 

 

「次は愛里。ちゃんとしーくんを労ってあげないと。」

 

 

 

「えぇ………。////私は…………あぅぅ。」

 

 

 

矛先が自分に向いたことに佐倉さんは慌てる。

 

 

 

「波瑠加……。あんまり佐倉さんを虐めてやるなよ。」

 

 

 

反応がおもろいのは分かるが、やりすぎは良くないからね。

 

 

 

「何真面目ぶってるのよ。しーくんだって内心愛里の包容期待してるんでしょ。」

 

 

 

「期待しかない。」

 

(嫌がってる子にむりやりやらせるのは良くない。)

 

 

 

「ほーらね。じゃあ愛里。ムギュっとやってあげて!」

 

 

 

あれ?なんか本音が口走ったらしい。うん…。俺もなんだかんだ疲れてるな……。

 

 

 

「えぇ………。私なんか………。」

 

 

 

「ウジウジ言わない!」

 

 

 

波瑠加は佐倉さんを無理やり俺に押し付ける。胸に俺の顔面がめり込む。

 

 

おっふ……、過去イチのボリューム感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めり込んでもなお、波瑠加は佐倉さんを俺に押し付ける。その時間約1分。

 

 

 

 

 

 

「うぅ…………、波瑠加ちゃんなんて嫌い……。」

 

 

 

佐倉は波瑠加をジト目で睨む。

 

 

 

「愛里ごめんって。でもしーくんは満足そうだよ。」

 

 

 

波瑠加は俺に話を振る。

 

 

やめなさい。俺はもう頭の中が今おっぱいでいっぱいなんだ…。何も考えられない。

 

 

 

 

 

 

「それにしてもしーくんはまだ愛里のこと苗字呼びなの?名前で読んであげなよ。」

 

 

 

話はずっと波瑠加のペースらしい。

 

 

 

「佐倉さん的にそんなにグイグイくる男子は苦手かと思ったんだけど…?」

 

 

 

俺からしては名前でもいいけれど、佐倉さんの印象的には程よく距離感があるくらいのほうがやりやすいと思っている。

 

 

 

「わ…私は…九条君になら………名前で……呼んで…もらいたい………です。」

 

 

 

だが、佐倉さんは名前で呼んでほしいらしい。女の子って難しいな。

 

 

 

「じゃあ愛里。これでいい?」

 

 

 

「うぅ///はいぃ。」

 

 

 

愛里は恥ずかしがりながらも了承する。

 

 

 

「それじゃあ俺のことも名前で呼んでよ。」

 

 

 

「えぇぇ!!!」

 

 

 

俺の一言に愛里は顔を赤らめる。中々恥ずかしいらしい。

それ以上のことを先日やったはずなのだが……。

 

 

 

「そうだよ愛里。信頼の証ってやつだよ。」

 

 

 

波瑠加も追撃を加える。

 

 

 

「分かりました…。…………将君…。」

 

 

 

上目遣いでそう呟く愛里。うん破壊力が凄まじい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあお大事にね。」

 

 

「また学校で!」

 

 

 

そのあと、少し真面目に学校からの慰謝料の話を出した。愛里はあまり乗り気ではなかったが、ポイント有りきの学校だ。もらえるだけ貰ったほうがいいに決まっている。なんとか納得してもらいできるだけ多く取ることで話はまとまり、2人は帰っていった。心配させた代として波瑠加からポイントの請求をされたのでポイントが入れば貢いであげよう…、と約束した。

 

 

それから学校からの連絡もあり、早くも犯人の敷地内からの永久追放も決定したらしい。

あまりに早い決定に驚いたが犯行映像も残っているので早々に決まったのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

あとはどれくらいポイントを得られるか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日俺は病院のベッドでまだ過ごしていたのだが…昨日以上に電話が止まらなかった…。

なんと俺が傷害事件の被害者であるとの情報が出回ったらしい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また騒がしくなってしまうぞ…。

 

 

 

 




なんかあっさり終わった…。
あとは他のクラスの子達への対応をどうするのでしょうかね…。

アンケート見ました…。うん……。変態の巣窟じゃねぇか!
3/4がヤル気満々だとは…、まあ私は信じてますよ。ただのスマブラ好きの紳士であると…。
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