女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

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3話 自己紹介

 

ガイダンスが終わり、教室内は茶柱先生の説明にあった10万ポイントについて、ザワザワしていた。そんな中、一人の生徒が声を上げた。

 

 

「皆、少し話を聞いてもらってもいいかな?」

 

 

周りはその声を上げた男性生徒に目を向ける。

 

 

「僕らは今日から同じクラスで過ごすことになる。だから今から自発的に自己紹介を行って、一日でも早くみんなが友達になれればいいと思うんだ。どうかな?」

 

 

感じの良さそうな男子生徒の発言に対して、賛成との声が多数あがってくる。

 

 

「それじゃあ、まず僕から自己紹介させてもらうね。僕の名前は平田洋介です。中学では普通に洋介って呼ばれることが多かったから、みんなには気軽に下の名前で読んでほしいかな。趣味はスポーツ全般だけど、特にサッカーが好きで、この学校でもサッカーをするつもりなんだ。よろしくね。」

 

 

いかにも好青年って感じで顔もいいしモテるんだろうな…。率先してこういう自己紹介を始めたり気配り出来る姿勢は俺も見習わないと…。綾小路のことで頭がいっぱいでそれどころじゃなかったが切り替えていかないと。

 

※主人公は決して寝取り趣味はございません。あくまでも女性側がちゃんと満足していれば、交際であろうと好意を持っていようと横取りや略奪することはありません。ただ多くの女性を満足させる数が多いほど真に強いと思っている節はあるので数には対抗するかも…、あと略奪はしないが女たらしな立ち回りをしないとは言っていない。

 

 

パチパチパチパチパチパチ

 

 

「平田くん、よろしくねー」

 

 

平田の顔の良さ、行動力など一部の女子は既に平田に対しての好感度をかなり獲得していた。

 

 

「もし良ければ端から自己紹介をはじめて貰いたいんだけど……いいかな?」

 

 

続けて平田は窓側の端に座る女子生徒に声をかける。あくまで自然に、それとなく確認をとる平田。

指名された女子生徒は頷き、席を立った。

 

 

「えっと……………………うぅ……あっ、いの……」

 

 

その子は緊張のあまり上手く喋れなかった。

 

 

「ゆっくりでいいよ。慌てないで」

 

 

近くに座る女子生徒が助け舟を出す。

 

 

言い出した平田の次はそりゃハードル高いよな…。人前で話すのが苦手な女の子で実質一番手。フォロー入れた子は気遣って言ってくれたんだろうけど、逆にあの子焦っちゃってるよ…。

 

 

俺は早速出番とばかりに発言する。

 

 

「そりゃトップバッターだと中々緊張するよ。俺もそんなん任されたら緊張しちゃうわ。そんな時はまず深呼吸!はい!」

 

 

俺の言葉に緊張で固まってしまっている女子生徒はすぅー、はぁー、と呼吸を数回繰り返す。少し落ち着きを取り戻したタイミングで俺は声を掛けた。

 

 

「よし。じゃあ君の名前は?」

 

 

「…井の頭…心…です。」

 

 

井の頭は、控えめに答える。俺は続けて質問をする。

 

 

「何か趣味とか好きなことってあるの?」

 

 

「…裁縫とかが…好き…です。」

 

 

「へぇー、裁縫か。すごい手先器用なんだね。制服解れた時は任せようかな?じゃあみんなに対して何か一言!」

 

 

「よ…宜しくお願いします。」

 

 

 

「井の頭さん、トップバッターありがとうね。」

 

 

パチパチパチパチ

 

 

俺の拍手につられるように周りからも拍手が連なった。

 

そして、そこからはテンポよく自己紹介が続いた。

 

 

「俺は池寛治。好きなものは女の子で嫌いなものはイケメンだ。彼女は随時募集中なんでよろしくっ!」

 

 

うん…。その発言が女子の好感度を下げている自覚はあるのだろか…。

 

 

「俺の名前は山内春樹。小学生の時は卓球で全国に、中学時代は野球部でエースで背番号は四番だった。けどインターハイで怪我をして今はリハビリ中だ。よろしく!」

 

 

どこからツッこめばいいのか…。

多分、ほとんど全員が思っただろうな…。嘘付け!と…。

 

 

俺はレベルの低さに頭を抱えていた。

そんな中で先ほどの助け舟を出した女子生徒が自己紹介を始める。

 

「次は私だね。名前は櫛田桔梗です。中学からの友達は1人もこの学校には進学していないのではやく顔と名前を覚えてここにいるみんなと仲良くなることが今の目標です。この自己紹介が終わったらぜひ連絡先を交換してください!それから、放課後や休日は色んな人と沢山遊んで、沢山思い出を作りたいのでぜひ誘ってください!長くなりましたがこれで自己紹介を終わります」

 

 

そう締めた時には今日一番の拍手が沸いた。

 

 

さっきのフォローといい、この子はかなり周りの気配りができるタイプか。男子の人気は間違いなく出るだろうな。こういうタイプは周囲を気にしすぎるだろうし、それによる気疲れとか出る可能性が高いな。その辺りはしっかりフォローだな。

 

 

自己紹介ごとに評価・分析をして、今後のアプローチについて検討するのであった。

櫛田による自己紹介で雰囲気も良くなってきたその時、その空気を壊すように、机を乱雑に動かす音が教室に反響した。

 

音の方を見ると赤い髪のサイドに剃り込みを入れ、つり上がった目付きといかにも不良という表現がピッタリの男子生徒がいた。

 

 

「自己紹介なんてガキかよ。やりたいやつだけでやれよ。俺は仲良しごっこする為にここに来たんじゃねぇよ。」

 

 

不良生徒はそう不満を漏らした。

 

 

「強制するつもりはないんだ。僕はただクラスメイトとはやく仲良くなりたいだけで、もし不快にさせたら謝りたい」

 

 

不良生徒に対して平田は不良に謝罪する。しかし、一部の女子生徒が不良生徒の態度に不満を持ったのか責め立て、周りもそれに同調する。

 

 

その雰囲気に居心地が悪くなったのか、不良生徒は軽く舌打ちすると教室を後にするのだった。

 

さらに、一人が退席したことで同じくこの同調圧力の雰囲気や自己紹介自体あまりしたくないと考えていたクラスの数人が不良生徒に続いて出ていった。

 

 

 

 

 

既にクラスの雰囲気は冷え切ってしまい、残った女子生徒中心に出て行った生徒に対しての愚痴が止まらない。

 

 

「せっかく平田くんが気遣ってくれてるのに何なの?」

 

 

「雰囲気サイアクなんだけど。」

 

 

「高校生にもなって自己紹介すらできないわけ?」

 

 

そんな空気を察してか平田はフォローを入れる。

 

 

「彼らは悪くないよ。自己紹介も急に僕が言い出したことだから僕が悪かった。ごめんね。」

 

 

平田の言葉に周りからは「そんなことないよ!」と声がかかる。

 

 

 

初日にいきなり殺伐とするのは頂けない。別にあの不良少年はどうでもいいが退席した中にも女子生徒が数人いたし、フォローしといたほうが良いよな…。女子同士の陰湿さと言ったら恐ろしいからな…。

 

 

俺は、同調する生徒に合わせて声を掛ける。

 

 

「そうそう。別に平田くんは悪くはないよ。でも退席しちゃった子たちもすごいシャイだとかトイレ我慢できなかった可能性もあるんじゃない?」

 

 

俺の冗談混じりの発言に思わずツッコミがはいる。

 

 

「あの容姿と剣幕でシャイだとかトイレは流石にないだろ!笑」

 

あの不良生徒がシャイな子と思い浮かべ、そのギャップに周りも吹き出す。

 

「ははは。でも分からないよ?ああいう子ほどシャイなこともあるんだから。まあ言いたかったのは人それぞれ事情もあるだろうしせっかく同じクラスになったんだから初日から険悪な雰囲気になるのは勿体ないってこと。クラス替えもないみたいだしね。それに結局明日から各授業で自己紹介するんじゃない?今分からなくてもそこで知れると思う。」

 

 

俺の言葉に、先ほどまで愚痴をこぼしていた女子生徒達も「それもそうだね。」「確かに雰囲気悪いのは嫌だしね。」と一定の支持を得た。

 

 

「ありがとう。じゃあこのまま俺の自己紹介しようかな。俺は九条将って言います。趣味は筋トレ。それから身体を動かすことが好きです。あとこのガタイですがピアノも得意です。実は繊細なんでそこのとこよろしく。」

 

 

勢いのままに自己紹介を済ます。雰囲気はだいぶ戻ってきており、俺の自己紹介に拍手が飛ぶ。

 

 

「よろしくねー。」

 

 

そんな中で平田から質問がかかる。

 

 

「そういえば九条君。さっきの先生に対しての質問ってどういうことだったんだい?」

 

 

平田の言葉に周囲も「確かにー。」と同調する声があがる。

 

 

「あぁ、あれね。茶柱先生の言い方って所々含みを持たせた言い方があったから確認の為に聞いただけだよ。だって『学校内においてこのポイントで買えないものはない。』なんて言われたら例えば、学校の備品だったりも買えることになるよね?考えてみればもっと広い定義で買えるかもしれない。だから確認したんだよ。」

 

 

「確かに!考えようによって凄い広く買えるかもしれないね。僕には思いつきもしなかったよ。」

 

 

平田は俺の言葉に感心したようだ。他の生徒も一定数は納得しているようで頷いている。

 

 

そして、引き続き自己紹介は続いた。

特に印象的だったのは高円寺だ。彼は高円寺コンツェルンの息子というのもあるが、それ以上に我が道を行くスタイルで他を寄せ付けない自信とオーラがあった。おそらく手綱を握ることは無理だろうし、そもそも無いだろう。

あと全体を通じて感じたのは、女子生徒の顔面偏差値の高さだ。明らかに顔も選考基準に入ってるんじゃない?、と感じるほどのレベルの高さであった。

 

 

そんなこんなで自己紹介も最後の一人になっていた。

 

 

「じゃあ、最後のそこの君。お願いできる?」

 

 

平田の言葉に一人の生徒が席を立つ。

 

 

「えー……えっと、綾小路清隆です。その、えー……得意な事は特にありません。みんなと仲良くなれるよう頑張りますので、よろしく…お願いします。」

 

 

そう言って自己紹介を終え、綾小路は席に座る。

 

 

……うわー失敗した!あの綾小路だから何を言い出すか、こっちはそれどころじゃあなかったのに!絶妙に微妙な空気になってるじゃん。てかそれに察してか綾小路ちょっと落ち込んでね?あれっ?、思ったより人間味ある?交渉の余地あり?

 

 

微妙な空気感に少し落ち込む綾小路をよそに、九条は少し希望を取り戻したのだった。




綾小路が無表情で落ち込んでるって何かグッとくるのは私だけでしょうか?
とりあえず、自己紹介でフォロー入れることで参加したメンバーには少なくとも悪くはない印象は残せたことでしょう。主人公には引き続き好感度をあげてもらいましょう。

ヒロイン達との絡みを期待している方々申し訳ありません。
軌道に乗るまでもうしばらく辛抱ください。
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