女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

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6月末、名前呼び認定した櫛田さんだけど、「みんなのアイドルで他男子に配慮いるのでは…」との水面下での話し合いの末、みんなの前では櫛田さん呼びで継続することとしました。
桔梗呼びだけで戦争が起きると九条が懸念した結果らしいです。



36話 聞き込み調査!

 

 

放課後になる。

 

俺は清隆から聞き込みのお願いをされたので、一緒にAクラスとBクラスに向かっていた。

 

 

清隆、俺が顔が広そう…、とのことだが実はBクラスには知り合いはいないんだ…。(教師くらい…)

ただ5月以降ある程度は各クラス調査をしたり有栖らの話で顔と名前はある程度覚えている。

聞き込み自体は茶番でしかないのだが、新しい人脈づくりと思って参加しよう。

 

 

 

 

 

 

「帆波ちゃん!」

 

 

 

「あっ、桔梗ちゃん!」

 

 

 

うちのクラスのアイドルの櫛田桔梗とBクラスのリーダー・アイドルの一之瀬帆波が会合する。

 

一之瀬帆波は学年一の聖人と名高い。まだ3ヶ月だが、既にBクラスのリーダーとしては有名だ。さらにアイドル顔負けの容姿に面倒見もよく頭もよく運動もそこそこはできるらしい。誰だ、天は二物を与えずって言ったやつ。

そんな生徒が今、目の前にいる。

 

 

 

「実は、Cクラスとうちのクラスの事件の目撃者とか情報を探してて………。」

 

 

 

櫛田が一之瀬に対して、話を切り出す。

 

 

 

「今朝、先生から話は聞いているよ…。Cクラス…かあ………、うちのクラスにも何人かちょっかいを受ける被害が先月からあったんだよね……。私から見てもCクラスが何かしたように感じるよ。」

 

 

 

一之瀬は櫛田の表情を察してこちらに同調する。

 

 

 

「みんな、何か朝先生が言ってた事件で知ってることはないかな?」

 

 

 

そして、一之瀬は振り返りクラスに残っているクラスメイトに声をかける。

 

 

ただ、有力な情報は無いようでクラスでは「ごめんね〜。何も知らないや…。」と言った声が聞こえてくる。

 

 

 

噂には聞いてたが……、このクラスは本当に雰囲気が良いな…。これも一之瀬さんの人望ありきなんだろうけど、クラス争いがあるこの学校でこの平和な感じは違和感が強い…。

 

 

 

俺は、クラス中を見渡しその雰囲気を直に感じる。

 

 

 

「ところで、後ろの彼らは…………。」

 

 

 

一之瀬は櫛田の両サイドを固める俺たちに視線が向く。

 

 

 

「あっ、ごめんね。私と一緒に聞き込みしてくれてる、綾小路君と九条君。」

 

 

「…どうも。」

 

「九条です。よろしくね。」

 

 

 

櫛田が俺たちを紹介する。

 

 

 

「綾小路君ね!よろしくね!」

 

「それから………、君が九条君かあ…。」

 

 

 

一之瀬はこちらを意味深に眺める。

 

 

 

俺は彼女とは初対面のはずだが……?

 

 

 

「星之宮先生がよく話題にあげるから名前はよく聞いてたんだよね〜。」

 

 

 

………あの女…。変なこと吹き込んでないだろうな…。

得意げにいらんことを風潮する彼女の姿は容易に想像できる……。

 

 

 

「先生、よく私達に有望株は早めに唾つけときなよ〜、って言うんだけど…。」

 

 

 

何、女子高生に言ってんだよ……。

 

 

 

「ある日、クラスの子がこの学年の男子で言うと誰か、って質問しちゃって…、その子からしたらどうせいつも見たいに高校生はまだ子どもにしか見えないからね〜、ってかわされる体だったのに…、先生は「えっと………、九条君かなあ?」って取り繕ってるつもりだけど明らかに意識した返答だったから、どんな子か気になってて。」

 

 

 

一之瀬の回答に俺は頭を抱える。

 

 

せめて、生徒の前でくらい教師として取り繕ってくれ…。

 

 

 

「………、そうか…。」

 

 

 

「先生って面食いだからめちゃくちゃ顔が良いとかなのかな?とも思ってたけどイケメンランキングの1位はAクラスの子だし、先生はそれ以上何が要因だとかは教えてくれないし…。あっ九条君がイケメンじゃないってことじゃないからね!」

 

 

 

一之瀬は慌てて訂正する。

 

 

まて、イケメンランキングってなんだよ。………そんなランキングつけられてんのこの学校………コワイ。

 

 

 

「えっと……、そのイケメンランキングなるものとは?」

 

 

 

思わず俺は聞いてしまう。

 

 

 

彼女が言うには、学校の掲示板などで各学年色々なランキングがあるらしい…。

その中の一つがイケメンランキングなるものみたいだ。ちなみに俺はありがたいことに4位らしい。

そんなに自認したことはなかったが客観的に言われるとありがたい。

 

こういうランキングつけたがる年頃だとは思うが……、中々残酷なランキングだな…。俺は入ってたから良かったが…。

 

 

 

「ちなみに櫛田さんは知ってた?」

 

 

 

「えっ…………、まあ……。」

 

 

 

少し言いにくそうに肯定する。顔が広い櫛田なのでそりゃ知っているだろう…。

 

清隆は6位にランキングインしてたそうだ。陰のオーラさえ無かったらもう少し上にもいけそうだが……、心なしか清隆はホッとしているように見えた。案外気にするタイプなのか?

 

 

 

話はそれたが、Cクラスについては情報集めの協力してくれることとなった。善意100%の一之瀬に「彼女の腹の中はどうなのか?」とも思ったが、多分この子は善意の塊っぽい。勘だけど。

 

 

 

それからAクラスにも顔を出したがすでに放課後になってからそれなりに時間も経っていたため、人はかなりまばらになっていて、有力な情報は集まらなかった。

 

 

 

 

 

そのまま聞き込みは解散となり、俺は今清隆の部屋に上がりこんでいる。

清隆に証拠のことを伝えるためだ。

 

 

 

「なんだ。カラオケの日程か?」

 

 

 

開口一番、カラオケのことを口にする清隆。

 

そんなに楽しみにしてるのか……清隆。

 

 

 

心の中で申し訳ないと思いつつ俺は本題に入る。

 

 

 

「テストもあるしな…。テスト終わってからになるだろう。それと本題だが………、俺は須藤の件の証拠を持っている。」

 

 

 

その言葉に表情を切り替える清隆。

 

 

 

「………………、そうか。それでなぜそれを俺に?」

 

 

 

「いや、清隆には伝えておこうと思ってな。」

 

 

 

そうして、俺はあの証拠映像を清隆に見せた。

 

 

 

「…………、これほど決定的な証拠だが…、提出もせずに九条はどうするつもりだ?」

 

 

 

 

当たり前の疑問に行き着く清隆に俺は答える。

 

 

 

「………、いくつか考えているんだが…。」

 

 

 

 

………

 

 

 

………………

 

 

 

………………………………

 

 

 

「清隆はどう思う?」

 

 

 

「俺もそれほどクラスポイントもプライベートポイントも今は固執してないからな…。それで良いんじゃないか?」

 

 

 

清隆は俺の意見に同調する。というよりどうでも良いといった感じだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

場面は自室に戻り、俺は愛里に電話を入れている。

流石に愛里にもある程度今回のことは伝えておいた方が良いとの判断である。

 

 

 

『もしもし愛里?』

 

 

 

『将君。………須藤君のことだよね?』

 

 

 

『今回は愛里がいなかったらクラスの危機だった。未然に防いでくれてありがとう。』

 

 

 

『……、それより何で証拠を提出しないんですか?』

 

 

 

愛里は何よりもそのことが気になっていたようだ。そりゃクラスの危機でその証拠を持っているのに提出しないとなると俺への疑念になるだろう。

 

 

 

『まず不信感を持たしてしまってごめんね。全部説明するから、聞いて?』

 

 

 

俺はふぅーーっと息を一回履き落ち着かせると説明を始める。

 

 

 

『まず、愛里。もしすぐに証拠を提出したとしよう。どうなると思う?』

 

 

 

『…………えっと…、それはCクラスが嘘をついてることが分かってすぐに事件は解決するんじゃあ…?』

 

 

 

『そうだろうね。あれほど決定的な証拠だ。須藤も手は出してるが恐らくCクラスの方に処罰の比重は大きくなるだろうね。………ただ、それで終わるんだ。』

 

 

 

『…………どういうことですか?』

 

 

 

『そもそも何で、須藤が狙われたか分かる?』

 

 

 

『………………、日頃の態度でしょうか…?』

 

 

 

『そうだね。恐らくCクラスは須藤の日頃の態度や喧嘩っ早い性格を知ってたんだろう。そして今回、陥れるにはうってつけだとも……。今回は愛里のおかげで証拠はあるけど、このまま簡単に終わったら須藤は「ほら、正当防衛だったろ?」と恐らく反省無しで終わるだろう…。本当にそれでいいと思うか?』

 

 

 

『……、では今回は須藤君のため?』

 

 

 

『恐らく今回は意見の食い違いがあるから審議の場が設けられることとなる。それまで少し時間はあるだろう。その中で須藤に少しでも自分の行いについて考えてもらう時間を作る。一つ目の理由はそこにある。』

 

 

 

『………、分かりました。では、どのタイミングで証拠は出すのでしょうか…。クラスの子たちは証拠のために今日は聞きまわっていました……。』

 

 

 

愛里は優しい。恐らく自分が証拠を持っているのに黙ってることで必要ない聞き込みこさせてしまっていることが心苦しいのだろう。

 

 

 

『敵を欺くにはまず味方から。って諺あるんだ。今回の場合、Cクラスからしたら必死に聞き込みをするDクラスを見てきっとCクラスは「証拠ないんだな…。」と思うだろう。それが狙いではある。』

 

 

 

『でもそれってクラスメイトからしたら良くないことなんじゃあ…。』

 

 

 

愛里は騙すことになる事実が納得いかないのだろう…。

 

 

 

『…愛里。君のその真っ直ぐな考えは誇れることだ。ただ今回に関してはCクラスが陥れる、というやり方で仕掛けてきた。恐らくCクラスにはこういう搦手が得意な奴がいるんだろう…。それからDクラスに仕掛けるところを見ると下に見ているのも分かる。そんなやつには同じように搦手で対抗するに限る。』

 

 

 

『愛里。君が心を痛める必要は何にもない。これは全部俺が独断でやってることだ。それにこの証拠は元々は愛里のものだ。もし愛里がどうしても納得いかないなら明日でも先生に提出しよう…。』

 

 

 

俺は汚い手も使う。ただこの証拠はそもそも愛里の手柄だ。愛里が嫌ならそれに従おう…。

 

 

 

『……………、いえ。私は将君を信じています。それに私なんて頭が良い訳でもないし率先して何か決断することも出来ません。今回も結局はまず将君に頼りました。その時点で私が何か言う資格はありません。』

 

 

 

『ありがとう。でも愛里。そんなに自分を卑下することはないよ。君は今誰よりも努力してるのを知ってるし変わろうとしてるのも知ってる。とても魅力的な女性なんだよ。それは分かっててほしい。』

 

 

 

自分を蔑む愛里に俺はそんなことはないことを分かってもらうよう愛里の魅力を語る。

 

 

 

『っ//////。あの…、それで証拠はどう使うのでしょうか…?』

 

 

 

話を戻すように愛里はそう聞く。

 

 

 

『そうだね。実はまだ定まりきってないんだけど…………、』

 

 

………

 

 

 

………………

 

 

 

………………………………

 

 

 

『こんな感じかな?』

 

 

 

俺は自分の考えを愛里に伝える。

 

 

 

『分かりました。』

 

 

 

とりあえず愛里にも納得してもらえたようだ。

 

 

 

『あっ、あと愛里。今日の朝だけどあまりにも慌てすぎだったよ。あれだと私何か情報持ってます。って言ってるようなものだから、気をつけてね。』

 

 

 

そうだ。あまりにもポーカーフェイスが下手くそなのだ。このままだとどちらにせよクラスの誰かは気づく。

というかすでに気づかれてるかもしれない。

 

 

俺はとにかく今回は私は知りません、と言うように徹底してそして通話を終える。

 

 

 

ピーンポーン

 

 

 

タイミング良くチャイムが鳴る。

 

扉前には有栖と真澄である。

 

 

 

さて……、今日はゆっくり寝ることはできるのだろうか……。

 

 

 




筆が乗ったので2日で投稿。
正直、聞き込みに参加は茶番過ぎるなあ…、とも思いましたが一之瀬と出会うならやっぱここだしな…、と葛藤してました。

先に言っておきますが、全然壮大な事件の解決方法ではないのでハードルは低めにお願いします。笑
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