女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

37 / 44
37話 告白?

 

 

「九条君おはよう。昨日は何か分かった?」

 

 

「全くなかったね。」

 

 

 

翌朝、早速佐藤は聞き込みがどうだったのか俺に聞いてくる。

 

 

「そりゃそんな簡単にはいかないよね〜。」

 

 

みんなごめんな。Cクラスを騙すためにもっと頑張ってくれ………、

 

内心で平謝りしながらも、表情は平静を装う。

 

 

 

 

「あー、Aクラスだったらなあ。今頃ポイントなんか気にせず楽しい学校生活送れてたんだろうな…。」

 

 

「そうだよね…。スペシャル定食食べ放題だよ。」

 

 

 

教室内はいつの間にか情報交換の場からAクラスへの憧憬に変わっていた。

 

 

 

「一瞬でAクラスになれる裏技とかあったら最高なのにな。」

 

 

「喜べ池、一瞬でAクラスに行く方法はあるぞ。」

 

 

 

教室の入口ドアから茶柱先生の声が聞こえてくる。

 

 

なんだ。この先生、会話に入ってくる能力あったのか………。

 

 

 

「そんなのあるわけないじゃないっすか。からかわないでくださいよ〜。」

 

 

「本当の話だ。入学した時に説明しただろう。この学校で買えないものはない、と。」

 

 

 

茶柱先生にごく真面目に答える。

 

 

その様子に池らはヘラヘラと笑っていたが徐々に態度は変わっていく。

 

 

 

「つまり規定の個人ポイントを支払えばクラスを変えることも可能だ。」

 

 

「マジすか!? いくら貯めればクラスを変えられるんですか!?」

 

 

「2000万だ。頑張って貯めるんだな池。そうすれば好きなクラスに上がれるぞ。」

 

 

 

先生はニヤリと笑いながら答える。

 

 

 

「2000万ポイントって……………、無理に決まってるじゃないですか…。」

 

 

 

池が不満を言うと、周りど聞いていた生徒達からもブーイングが起こった。

 

 

 

…………、俺って今400万くらいはあったよな……。集めといて損はなさそうだな…。

 

 

 

「確かに普通に考えれば無理だな。しかし当然だろう。無条件で好きなクラスに上がれるのだから。」

 

 

「あの……、過去にクラス替えに成功した生徒はいるんですか?」

 

 

その制度があるのだ。当然そういった疑問はあがる。

 

 

 

「残念ながら過去にはいない。そりゃ入学時からのクラスポイントを維持しても3年の卒業時点で360万ポイントだ。それにまずお前らも理解してるだろうが、そのポイントの維持すら難しい。まず正攻法では集めれないだろうな。」

 

 

…、まあ俺は正攻法じゃないか…。当たり屋じみた行為と恐喝じみた行為……、やばい、俺って不良だった?

 

 

 

「私からも一つ質問させていただいてよろしいでしょうか」

 

 

 

そんなことを考えていた俺だが、いつの間にか話の中に入ってきていた鈴音が挙手をした。

 

 

 

「学校が始まって以来、過去に一番ポイントを貯めた生徒はいくら貯めたのでしょうか?」

 

 

「良い質問だ堀北。前に1200万ポイントを貯めていた生徒はいたぞ。確かBクラス所属だったな。」

 

 

「せ、1200万!? しかもBクラスの生徒が!?」

 

 

「だがその生徒はポイントを貯めるために詐欺行為を行ったことにより退学になっている。」

 

 

「詐欺?」

 

 

「入学したての1年生をターゲットにして、ポイントを騙しとっていたんだ。」

 

 

えっと……、俺は同類じゃないよね?

 

 

俺は一人冷や汗をかいている。

 

 

 

「大人しくクラスポイントで上を目指すしかないということですね……。ありがとうございます。」

 

 

 

鈴音はまだ他のポイント取得方法については検討がついていないようだ。

 

 

 

「そうか。お前たちの中には部活でポイントを貰っている生徒がいなかったな。」

 

 

 

ふと思い出したように、茶柱先生が呟く。

 

 

 

「なんですか、それは。」

 

 

 

「部活の活躍や貢献度に応じて個別にポイントが支給されるケースがある。」

 

 

 

クラスメイトたちは、その言葉に驚愕する。

 

 

 

「部活で活躍したらポイントが貰えるんですか!?」

 

 

「そうだぞ。実力で評価する学校だ。少し考えれば分かったはずだが?」

 

 

「酷いっすよ!それも入学時に教えてくれれば……。」

 

 

「部活動に入っていたというのか? そんな気持ちで部活動を行って結果が残せると思うか?」

 

 

「それはそうかもしんないすけど……! 可能性はあったでしょ!」

 

 

 

池は不満げに言う。

 

やめとけ池…。お前じゃ無理だと思うぞ……。高校の部活動で結果を残すのはそう甘くはない。

 

 

 

 

 

朝はそんな情報が飛び込んできたりもしたがその日もクラスメイトは聞き込みや情報集めに勤しんでいた。また終礼で須藤らの審議が来週の水曜日放課後に決定したとの連絡も入る。

 

 

 

 

俺は俺で何もしないのも罪悪感があるので特別棟の現場へと足を運んだりしていた。

 

案の定、防犯カメラは無かったことは分かった。まあ4月時点で清隆のおかげでだいたい把握はしてたが………。

 

 

 

しかし計画犯すぎだろ………。

なんで呼び出し場所がピンポイントで防犯カメラのないところなんだよ…。

 

 

 

内心で悪態をつきながら俺はぶらぶらと校内をまわる。

 

 

 

 

 

 

夕方、愛里から『堀北さんに目撃者じゃないかって問い詰められて怖かった。』とのチャットがあった。

 

 

 

………、やっぱりバレてたか…。でももうしらを切るしかないしな…。

 

 

 

愛里には、ポーカーフェイスの練習だと

励まし、もし隠し通せたらご褒美を贈呈しよう、と話した。

 

愛里は頑張りますっ。と意気込んでいたが、よく考えたら愛里も250万ポイントもあるから特に何も必要ではないのでは…、と思ったり思わなかったり………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間に審議まであと2日になった。

 

やはりというか、目撃者は出ず証拠も集まらずにいた。

 

 

ただ進展が無かったわけではなく、Bクラスの情報収集により、Cクラスの被害者のうちの一人が中学生時代に不良生徒として有名だったらしい。それから鈴音が新たに参戦した。なんでも、須藤から謝罪があったらしい。というより今回の協力しているクラスメイトに謝罪を入れて回ったそうだ。

 

 

須藤…、少しは改心したのか…。

 

 

 

あと愛里はなんとかしらを切り続けていた。流石に数人に囲まれた時は俺はそれとなく愛里のフォローを入れたがクラスからしたら唯一の証拠の手掛かりになるかもしれないのだ。必死になるのも仕方ない。

影で涙目の愛里にはしっかりご褒美をあげないと……。

 

 

鈴音からも何か作戦や情報が無いか聞かれたが、今回は鈴音に任せること、協力はするが最低限の聞き込みなどしかしないことを伝える。

彼女にも騙す形になるが今回ばかりは仕方ない…。

 

 

 

その日の放課後、俺は何故か一之瀬から呼び出しを食らっている。

 

 

 

彼女とはこの事件以外特に接点は無いはずなので事件絡みなのだろう……。

中々頭がキレそうな子だ。少し引き締めて会わないとな。

 

 

 

 

 

 

 

「あのね…………、私……、今日告白されるみたいなの!!!!」

 

 

 

…………、俺の覚悟返して。

 

 

 

「一之瀬さん。ごめんだけど状況が全く理解できてないからさ…。説明してほしいな。」

 

 

 

流石に状況が理解できない俺は一之瀬に説明を求める。

 

 

 

「あっ…ごめんね。実は今日下足箱にいわゆるラブレターが入っててさ………。気持ちはすごい嬉しいんだけど………、断ろうと思って、なんとか傷つかないように断ろうと考えてたんだけど…、そこで星之宮先生が九条君のこと言ってたからもしかしたらそういう経験豊富なのかな…って思ったんだ。」

 

 

 

なんか勘違いされてるような気が……、でも相談なら乗るしかない。

 

 

 

「……、ちなみにどう断ろうと思ってるの?」

 

 

 

「えっと……、言いづらいんだけど…、九条君に彼氏のふりしてもらおうかなって………。」

 

 

 

……、一之瀬さんすごいモテそうなのにこういう経験無いんだ…。意外だ。彼氏のふりって有効なときもあるけどこんな敷地が決まったところで流石に困難だろう…。案外ちょっと抜けてるのかもしれないな…。

 

 

 

「…彼氏がいるとか好きな人がいるってのも確かに一つの手だとも思うよ。ただその嘘で一之瀬さんがどう思って今後過ごすかだと思う。例えば今後関わり無い相手で思う所がない相手ならその嘘も有効だと思うよ。ただ……、一之瀬さんの感じからして多分クラスメイト?」

 

 

 

一之瀬は頷く。

 

 

 

「それなら、これからもかなり関係がある間柄だね。そんな中で嘘ついてもやっていける?」

 

 

 

「…………それは………………。」

 

 

 

一之瀬は言い淀む。

 

まあ、お人好しな一之瀬さんのことだ。多分クラスメイトじゃなくても引きずりそうだ。

 

 

 

「それに、クラスメイトっていう関係ならこんな即興の嘘でなおかつ、寮生活で生活範囲も限られてる。恐らくすぐにバレると思う。そうなると余計に相手を傷つけることになるよ。」

 

 

 

「ならどうすればいいのかな………。」

 

 

 

一之瀬は焦燥している。

 

 

 

「少なくとも相手は告白っていう行動を起こす決断をした。並大抵の覚悟じゃないと思う。それこそ今までの関係から一歩踏み込みたいと思ったんだろうし、もし振られたら今まで通りいれないかもしれない。そんなリスクを承知してまで告白という選択をしたんだ。それならちゃんと本心で話してあげるのが一番なんじゃないかな?それこそ今の一之瀬さんは今後の関係も気にしてた。その辺もちゃんと今後も仲良くしたいって伝えてさ。」

 

 

 

嘘や逃げることも時には大切だが、拗らせることも多い。それなら本心であとぐされない方が良い。本心を打ち明ける時は勇気はいるが……。

 

 

 

「そうだよね…………。ごめんね。私が間違ってた!ちゃんと話してみるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終的には一之瀬は本心で話してみることに同意した。間もなく約束時間だと言うことで俺はその場を離れる。

 

途中、一之瀬の約束の場所に向かう一人の女子生徒とすれ違った。

 

 

 

………あっち方向ってまず普段使わないよな……。えっ、一之瀬さんの告白相手って………………………………、そりゃ経験ないわ…。

 

 

 

色々と俺は察しながら場を離れていく。

 

 

 

その後図書室で本を探していたところ、一之瀬さんからチャットで、

 

『しっかり本心で話しました。相手の子を泣かせちゃったけど、嘘をつくより全然良かった。九条君ありがとう。』

 

との連絡があった。

 

 

……青春だなあ。

恋愛モノの本でも借りてみるか。

 

 

 

 

椎名が珍しく図書室にいなかったが、本探し終えた。

俺は自室へ帰っていたのだが、寮の入口から少し離れたベンチに一人の少女が座っていたのが見えた。

 

ライムグリーン系のショートカットに華の髪飾りをしている。顔は伏しているが肩を震わせているところを見ると泣いているように見える。

 

 

 

………………、一之瀬さんに告白した子じゃないか?

 

 

 

1人で泣いている女の子を無視するような教育は受けていない俺だが、流石に事情を知っているので気軽に声をかけることを躊躇う。

 

葛藤する俺だが、今は一人にしてあげたほうが良い!と自分自身を説得して部屋に戻ることにした。

 

 

 

 

……のだが、部屋に戻ってもやっぱり気になった俺は既に30分ほど経っていたがベンチのある場所に戻ることにした。

 

 

もう帰っていたら、それでいい。

居たらいたでその時考えよう。

 

 

 

 

 

 

…………あっ、まだ泣いてるやん。

 

 

 

 

 




一之瀬対象話だと思った?本命は千尋ちゃんでした。

告白イベの説得はよくある展開なので、ひとひねりしたかったのですが、そんな想像力は無かった…。力不足です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。