女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

4 / 44
4話 接触

入学式も無事に終わり、一日目のカリキュラムが終わった。それぞれどこに行こうか、と話す声がする中で俺は早速、綾小路に声をかけに行った。

 

 

「綾小路君だっけ?これから日用品を買おうかと思ってるんだけど一緒にどうかな?」

 

 

流石にいきなりホワイトルーム生です!とカミングアウトするのには勇気が出なかった俺は無難に綾小路に声を掛けた。こっちのことを覚えているか表情で確認もしたかったのもある。

 

そんな思惑とは裏腹に綾小路はというと

 

 

「ほ…本当か。俺でいいなら一緒にいかせてくれ!」

 

 

表情はあまり変わらない綾小路だが、目の奥は、迷子の子どもが親を見つけた時のような喜びに溢れた目をしていた。

 

 

あれっ?綾小路ってこんなんだっけ?

 

 

俺は困惑していた。

 

 

 

 

 

そして、俺たち二人は会話をしながら学校を出る。道中では互いに呼び捨てで呼び合うくらいには心を開いた。

そして綾小路がコンビニへ寄りたいと言ったので一緒にコンビニへ入った。

 

 

「…………嫌な偶然ね。」

 

 

その声のする方へ顔を向けると黒髪ロングの美少女が立っていた。よく見れば自己紹介の時に退席した生徒のうちの一人だった。

 

 

「綾小路。知り合いか?」

 

 

俺は綾小路に問いかける。がその問いに黒髪ロングの美少女は少し目を見開く。

 

 

「あなたが一緒に買い物に行く生徒がいるとは驚いたわ…。モノ好きな人も居るものね…。」

 

 

「堀北…。俺だって一緒に話すクラスメイトくらいいるぞ。九条。こいつは同じDクラスで俺と席が横で堀北鈴音という。」

 

 

いかにも自分でクラスメイトを確保しましたと言いたげな態度に俺は吹き出しそうになる。

 

 

綾小路…。自己紹介失敗して落ち込んで、こっちから声かけて喜んでたよな…。にしてもお前、ほんとにあの綾小路か?(2回目)困惑するわ。

 

 

「あなた何勝手に紹介してるの?私は馴れ合いでここに来たんじゃないの。」

 

 

堀北は少し不機嫌そうに答える。

 

 

「あぁ、堀北さんって言うんだね。俺は九条将っていいます。よろしく。それにしても綾小路にこんな美人な知り合いがいたなんてな。びっくりだよ。」

 

 

「……。あなた仮にも初対面相手にそれはどうなのかしら?いきなり容姿に触れるなんてセクハラもいいところよ。」

 

 

堀北は否定的な言葉を口にするが、表情は案外満更でもなさそうだ。

 

 

「あんまりそういうの苦手だった?それならごめんね。でも堀北さんが美人だと思ったのは本心だから。」

 

 

「お前…。凄いな…。」

 

 

綾小路はスラスラと異性を褒める九条に対して畏敬の念を抱いていた。

 

 

「………。はあ、まあいいわ。それにしても九条君は今日、質問していたわよね?あれはどういう意図だったのかしら?」

 

 

鋭い目つきで堀北はそう尋ねる。

 

 

「うーん。平田くんにも聞かれたけど、そこまで深い意図があったわけではないよ。ただ茶柱先生が『学校内においてこのポイントで買えないものはない。』なんて含み持たせた言い方するからね。これだと本当に何でも買える言い方だったから確認しただけだよ。」

 

 

「……!!…そこに引っかかるなら何か具体的に買う候補とか浮かんだのかしら…?」

 

 

堀北は少し何かに気づいたかと思うと、そう俺に尋ねた。

 

 

この子はまだ荒削りだけどきっかけさえあればそこそこ頭は回りそうだな…。俺の言葉に何か引っかかるところがあった顔をしてたし。

 

 

「うーん。そうだね…。例えば、学校の備品だったり…、…いや堀北さんはそういう答えを求めてる訳じゃなさそうだね。そう、それこそ100点のテストとか授業を休んでも出席したことにする権利を買えたりだとか、飛び級する権利とかも買えるんじゃないかと思ったんだよね。」

 

 

俺の言葉に堀北は目を見開く。

 

 

「あなた、あのガイダンスだけでそこまで考えていたの?普通じゃないわ…。」

 

 

「まあ普通じゃない自覚はあるけど、いきなり10万ポイントもポンと出すところだよ。普通じゃあ、やっていけないよ。」

 

 

「…………。それもそうね。じゃあ私は帰るわ。」

 

 

俺の言葉を聞き終えると堀北は背を向け、歩き出した。

そんな堀北に俺は、思わず肩に手を置いた。

 

 

「ちょっと待ってよ、堀北さん。またこういう情報あれば伝えたいし連絡先頂戴よ。」

 

 

「九条君…。言動と言いすぐに連絡先を求めたり、よく軽い男と言われないかしら?」

 

 

「ん?特にないよ。てかそもそも連絡先も堀北さんが初めてだし。」

 

 

「……。はあ…、まあ良いわ。」

 

 

そう言うと、堀北は携帯を取り出し連絡先を交換する。そこにここぞとばかりに綾小路も名乗りを上げる。

 

 

「なぁ…、堀北、九条。俺も交換しても良いか?」

 

 

「良い「嫌よ。」…ぞ。」

 

 

俺と堀北の声が重なる。堀北は俺との連絡先を交換するとさっさとその場から帰っていった。堀北の背中に視線を向ける綾小路は哀愁を漂わせながら俺に呟いた。

 

 

「なぁ…九条。俺、泣いていいか?」

 

 

あまりの落ち込み様に俺はあわててフォローを入れる。

 

 

「大丈夫だ。綾小路!俺と連絡先交換しような!?あと堀北もあれだ!あれはツンデレと言うやつだ。本気で嫌がってる訳じゃない。そのうちデレ期が来るから!そう落ち込むな!」

 

 

ほんとに綾小路といると調子が狂う。これまじで綾小路なのか?(3回目)

 

 

そして、綾小路と連絡先を交換した。

それからは上級生と揉め事を起こす不良生徒と遭遇したり、その不良生徒が須藤と言うやつだと知ったり、無料製品を発見したりした。

 

 

「とりあえず一通りは買えたな。」

 

 

「あぁ、そうだな。」

 

 

一通り買い物を終えたタイミングで俺は当初の綾小路との接触理由を思い出しながら、綾小路にアプローチする機会を伺っていた。

 

…よし。今が綾小路に打ち明けるチャンスだ。落ち着け…。過去の綾小路と今の綾小路は違う。大丈夫だ。そうだ俺、大丈夫だ!

 

 

俺は、決心すると綾小路に声を掛けた。

 

 

「なぁ…綾小路?」

 

 

「ああ、どうした?」

 

 

 

「少し話したいことがあるから、この荷物置いたらお前の部屋行ってもいいか?」

 

 

「…あぁ、別にいいぞ。」

 

 

こうして、綾小路との約束をこぎつけた俺は心臓をバクバクさせながら部屋に荷物を置きに行くのだった。

 

 




だいぶ綾小路がマイルドになってる気もしますが、機械的な人格の中にもこういう部分もあるんじゃないかなと思っております。(希望的観測)

とりあえず堀北と接触はクリアしましたが、まだまだヒロインはたくさん!もっと絡ませないと…。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。