女たらしが往く実力至上主義の教室   作:俺は社畜

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短いです。ただ内容は色々と濃いと思う!


42話 一つの犠牲

 

 

 

「どういうことかしら?」

 

 

 

審議の後、俺は清隆より内容を電話で聞いていたのだが、鈴音が部屋に突入してきた。

 

恐らく、生徒会の証拠について、俺が一枚噛んでいると思ってるらしい………。

 

 

なぜ、すぐに俺だと思うんだ……。

 

 

 

俺がやった証拠は何一つ無いのだが、鈴音は確信を持っているかのように問い詰めてくる。

 

 

 

「待て待て鈴音。落ち着いて。」

 

 

 

どうどうと俺は鈴音を落ち着かせようとする。

 

 

 

「これは落ち着いてられないわ。これほどの証拠がありながら黙っていたなんて…。将君は………ほんとに…。」

 

 

 

本気で挑んだ鈴音の裏で何も知らされずに事が進んでいたのだ。

鈴音の怒りは全うだと思う。

 

 

なんとか、俺は話ができるように落ち着かせ、まず誠心誠意謝る。

流石に誤魔化すわけにもいかない。

それから、黙っていた理由を惜しみなく話した。須藤の自覚のため、クラスへ危機感を感じさせるため、学校側の対応を見るため、Cクラスの油断を誘うため、などこの作戦の意味を話しまくった。

 

 

 

「はあ…、まあ将君のことだもの…。意味があるのはわかる。…だけど、やっぱり私に何も言わなかったのは、信頼されてないみたいで……、悔しいの……………。」

 

 

 

その言葉に一定の納得はする鈴音だが、やはりというか黙られていた事実に引っかかっている。

 

こちらを信頼してくれているからこそ弊害。鈴音には悪いことをした。気を落とさせてしまった。ただクラスとしての結果としては間違いではなかったと思う。

非常に難しいところである。

 

 

 

俺は、「ごめん。」とただ謝る。説明はしたのでこれ以上無駄に言葉を紡いでも言い訳にしかならないと感じたからである。

 

 

 

「事情は分かったわ……。じゃあ帰るわね…。」

 

 

 

鈴音は寂しそうな顔を残し、玄関へと足を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………ガシッ

 

 

ここで帰すと何かを失う気がした俺は咄嗟に鈴音の手首を掴む。

 

 

 

「話は終わったわ…。帰りたいのだけれど。」

 

 

 

鈴音はこちらを突き放すような言葉を言う。

 

 

 

「俺の話はまだ終わってないよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか、留まってもらうことに成功した俺は鈴音をベッドに腰掛けさせる。

 

 

 

想像以上に鈴音はショックを受けているようで、俺としてはなんとか鈴音に信頼を回復させたい。

 

必要以上に言葉にしなかったのが裏目に出たのか……。俺は思考を巡らせる。

 

 

 

「鈴音。改めて聞いてほしい。俺は決して俺は君を信用していなかった訳じゃないんだ。」

 

 

まず、彼女にそのことを分かってもらうよう言葉にする。

 

 

 

「…………。」

 

 

 

「不安にさせたし、失望したかもしれないけど俺は君を心から信用してる。」

 

 

 

「…。ならどうして………。」

 

 

 

話さなかったこともだが、おそらく事前に相談まで行ったのにも関わらず、全く打ち明けなかったことが一番引っかかっているのだろう…。

鈴音としては本気で無罪を考えていたからこそそれに強い裏切りを感じているのかもしれない。

 

 

改めて考えると確かに俺は鈴音からしたら最低なことをしたな……。

ただ、彼女にはなんとか俺の鈴音への想いをわかってもらわなければいけない。

 

 

 

「信用してるからこそ言わなかったのもあるんだ。鈴音なら大丈夫。鈴音ならわかってくれる。……ただ、それは今となれば俺の甘えだったと気付かされた。鈴音の想いを踏みにじってしまった。本当に申し訳ない…。」

 

 

 

俺としての本心を鈴音にぶつける。

 

 

 

「納得してくれ、とは言わない。ただ……、君を信用していない、のけ者にしよう、なんて考えは一切ないことは理解して欲しいんだ。」

 

 

 

鈴音は少し俯きながら目を閉じ話を聞いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………、はあ……、そんなに言われたらへそを曲げ続けてる私が悪いみたいじゃない…。」

 

 

 

少しの静寂の後、鈴音はそう呟く。

 

俺もその言葉に少し表情を緩ませるが、鈴音はそれに気づいたらしい。

 

 

 

「…………ただ!」

 

 

鈴音は俺の方を正面から見る。

 

 

 

「本当に私のことを信用しているのか……。言葉だけじゃ本心から信用できないわ。」

 

 

 

話しながら、鈴音は少し目線を外し顔を赤くする。

 

 

 

 

 

俺は、その言葉に脊髄反射のごとく鈴音を押し倒す。

 

 

 

お前良いのか?

今は鈴音しか考えられない。

真澄らのことは?

そんなことより今は鈴音である。

鈴音に対しても不義理では?

後のことより「今」の行動が大切だ。

 

 

………なら致し方ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ…、鈴音。」

 

 

 

暗くなった部屋の中、一時の熱気もおさまり俺は鈴音に声をかける。

 

 

 

「…何かしら。」

 

 

 

耳元から鈴音が聞こえる。

 

先程までの上擦った声と変わり、普段の鈴音に戻っている。

俺も冷静さを取り戻し、打ち明けるべきことをここで話そうと覚悟を決める。

時と場合によれば、黙っておく方が良い事もあるが鈴音に関しては今打ち明けるのがベストだと考えた。

 

 

 

慎重に俺は言葉を選びながら、鈴音に真澄らのことを打ち明ける。

 

 

 

 

 

「イタタタタタ…。」

 

 

 

無言のまま、鈴音は俺の太ももをつねる。

かと、思えば俺に馬乗りになった。

 

 

やべぇ、このままタコ殴りにされるのか…、

そう悟る俺だが拳がとんでくることはなかった。

 

 

 

「………………、もう1回。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局彼女が満足するまで相手をしたのだが、もう優に日付は変わっている。

 

 

 

なんとか乗り切ったと思いたい…。

 

鈴音は「あなたのことだからまだまだこんなものじゃないのも分かってる。もしそうなればちゃんと報告はすること。それから………、私のことを蔑ろにしないでほしい。」そう告白された。

 

十分すぎる結果だろう…。鈴音の器に感謝したい。

 

 

そう思いながら、俺は横で寝てるであろう鈴音を横目に夢の中へ誘われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中彼女と言うと…、

 

 

 

 

「今はいいの…。ただ最後には私があなたの横にいればそれで…………。」

 

 

 

誰にも聞き取れない声で鈴音はそうつぶやいたのだった…。

 

 




審議の最終結果ではなく、ただの交わり回と言う………。

なんか予定には無かったはずが、気がつけばこういう内容に勝手に手が動いていた…。そういうこともあるよね……。
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