俺は上級生と接触ができて絶賛ホクホクしていた。そんな中…
「本日午後5時より、第一体育館にて、部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある1年生生徒は、第一体育館に集合してください。」
というアナウンスがされた。
部活動か。正直、時間を縛られるからするつもりはないが、清隆はどうするんだろうか…。
「なあ九条。お前は部活動に興味あるのか」
清隆から話しかけられる。
俺はそこまで興味はない旨を伝えると、清隆は「そうか…興味ないのか…」と少し寂しそうに答えた。
「堀北は…」
「嫌よ。」
無慈悲にも清隆は声ごと封殺された。
あまりに不憫な清隆に俺は助け舟を出す。
「清隆。そんなに気になるなら一緒についていこうか?」
「ぜひ、よろしく頼む。」
清隆は俺の言葉に被せるように答える。
「貴方興味があるなら一人で行動するくらいしなさいよ。見ていて凄く惨めよ。」
堀北は俺と清隆のやり取りに対して、清隆にツッこみを入れる。
「堀北。お前はどうしてそんなに当たりの強い言葉をそうスラスラ言えるんだ…。」
「思ったことを言っているだけよ。」
俺は堀北さんとは平和的に過ごそうと心に誓うのであった。
放課後、清隆と2人で体育館へとやってきた。
かなり多くの生徒が集まっているように見える。そんな中、俺らは目の前の生徒と目が合う。
「どうして、またあなた達なのかしら…。」
そう頭に手を当てた堀北と偶然にも合流してしまう。
「運命なのかもしれない。」
「気持ち悪いわ。」
ひぇ…、会心の一撃…。
そんなこんなありつつ説明会が始まった。
運動部や文化部、たくさんの部活動がそれぞれアピールして部員獲得のために壇上で奔走している。
パンフレットによると、この学校の部活動は多くで全国に通用するレベルらしい。
清隆はそんな熱心にアピールしまくる上級生の熱量に圧倒されており、「なんか違う…」と言い出すしまつ。
そんな中、最後になり、一人の男子生徒が壇上にあがった。
「っ……!」
その生徒を見るなり急に堀北の体が硬直して、顔を強張らせながら男子生徒のいる壇上の方を見始めた。
そんな堀北の状況を露知らず俺は、
「あっ、堀北さんのお兄ちゃんじゃん。」
と、声を漏らした。
「えっ、あなた兄さんと知り合いだったの…。」
堀北は、よほど驚いたのか大きく目を見開きながら問いかける。
「偶然、今日出会ってね、苗字が同じだし少し雰囲気が似てたから堀北さんとの関係をそれとなく聞いたんだ。色々あって連絡先も交換したメル友だよ。」
「なっ…!」
堀北はさらに目を見開く。
まあ、会長堅物そうだから、堀北さんにすれば初対面と連絡先交換なんてありえないことなんだろうな…。
「とりあえず、説明始まりそうだし、残りは後でね。」
しかし堀北会長は、何も話そうとはせず、ただ一年生をジッと見下ろしていた。
そんな堀北会長に対してやがてからかうような声があがった。
「がんばってくださ~い。」
「カンペ、持ってないんですか~?」
「あははははははは!」
しかし変わらずにジッと動かない。
堀北は俺と堀北会長の関係が気になるのかこちらをチラチラ見つつも、堀北会長の方に意識を傾ける。
やがて体育館全体が静けさに包まれると、
「私は、生徒会長を務めている堀北学といいます。」
そのどこか惹きつける声色は生徒会長を務めるだけはあるカリスマ性を感じさせる。
「生徒会もまた、上級生の卒業に伴って、新たに生徒から立候補者を募ることとなっています。立候補に特別な資格は必要ありませんが、もしも生徒会への立候補を考えている生徒が居るのなら、部活への所属は避けていただくようお願いします。生徒会は部活動との掛け持ちは、原則受け付けていません。」
「それから、私たち生徒会は、甘い考えによる立候補を望まない。そのような人間は当選することはおろか、学校に汚点を残すことになるだろう。我が校の生徒会には、規律を変えるだけの権利と使命が、学校側に認められている。そのことを理解できる者のみ、歓迎しよう。」
そう締めくくった頃には全ての生徒が壇上に注目していた。説明というより、もはや演説だった。
堀北会長は周りをぐるっと見渡すと壇上から降りて体育館を出ていった。
その後、堀北には根掘り葉掘りお兄さんとの関係を聞かれたが、それとなく答えると、一旦は納得してくれたようで体育館から出ていった。
質問攻めの中で、少し自信なさげに「私のことはなにか言ってなかったかしら?」と聞く堀北さんにはグッとくるものがあったね。強気な娘のしおらしい態度っていいよね。
その聞き加減から「お兄ちゃん大好きっ娘」なんだろうな…、と思った俺だったが、口に出さなかったのは偉かったと思う。もし口にしていたら何をされたことやら…。
その夜、昨日同様に俺たちは清隆の部屋に集合していた。
そこで、まず俺が今日あった出来事とそこからの見解を清隆に言う。
俺の見解に対して清隆は概ね同意する。
その上で清隆からも多くの情報が提供された。
・学校内における監視カメラの位置。
・学校内では契約によるやり取りが主流。
・部活動などにてポイントを使った賭け事が行われている。
……いや清隆、有能すぎないか?まだ、1日しかたってないよ?監視カメラはまだしも賭け事とかどっから仕入れてんだ?
改めて俺は清隆のチートぶりに脱帽するのだった。
そして、俺は清隆の情報も踏まえ、あることを考えていた。
「それにしても清隆。今日上級生と話して思ったんだが、明らかに緘口令敷かれてるよな。」
「おそらくな。」
「これを使って何かうまいこと利用出来ないか?」
緘口令が敷かれてる情報だ。これを使わない手はない。
俺の言葉に清隆は少し考え込む。
そして、何か思いついたのか、俺の方に目を向けると、
「緘口令があるなら、この情報を人質にして学校からポイントを分捕ればいい。」
そう清隆は答えた。
その答えに俺は口元を緩める。
「いいね清隆。そうしようそうしよう。こんなおかしな学校だ。捕れるだけ分捕ってやろう。」
俺も清隆の意見に同調し、どうやって分捕ってやろうか思考を巡らせる。
そこからは清隆と二人で具体的にどうやってポイントを獲得するか話し合った。
清隆は「目立ちたくない。」そうなので、俺一人で茶柱先生に交渉することになった。
話がまとまり、俺は自分の部屋に戻って、一息つく。
今日のことを思い返しながら、風呂やご飯を済ませると、明日の交渉に胸を昂ぶらせ、布団につくのであった。
なんか話が全然進んでなくてすみません。