無個性と呼ばれた提督   作:HYDRATION

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なんか捗ったので投稿します。不定期な定期更新。
クボイチサンさん、ニコにコさん、感想ありがとうございます。
本当に励みになります。

日間ランキング31位に目を疑いました。
ヒロアカと艦これのクロスオーバーが読みてぇ!でも全然ねぇ!じゃあ書いたろ!という適当なノリで書き始めた拙作ですが、想像以上の反響があって震えています。
みんなこれを求めていたのか…。


第二十一話

「……2位、か。上々の滑り出しと言えるな」

 

 リビング。卓袱台を囲みながら、長門が僕の結果を聞いて、そう評した。

 僕と吹雪が雄英高校での激動の初日を終えて帰還すると、すぐに作戦会議という名の報告会が始まっていた。

 

「でも、各種目の記録は、そのほとんどを吹雪に依存した結果だ。僕自身の基礎能力も、まだまだ上げていかないと」

 

 僕がそう自己分析すると、加賀さんが静かに頷く。

 

「ええ。そこは、今後の訓練で補っていくべき課題ね」

「とにかく、初日は乗り切ったね。それにしても……相澤先生の合理的主義はすごかったな。まさか、学生にとって当たり前だけど重大なイベントの入学式にいかないとは思わなかったよ。けど、すごく面白い先生だった」

「『理不尽を覆すのがヒーローの仕事』、か。……ふむ。面白いことを言う男だな」

 

 長門が、どこか楽しそうに口の端を上げた。

 

「戦争もそうだった。理不尽に晒されるのが日常茶飯事だ。そう考えると、私たちとヒーローはどこか通ずるものがあるのかも知れないな」

「うん。学べることは多そうだ」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 翌日。

 教室の扉を開けると、前日とは打って変わって、穏やかな空気が流れていた。除籍という最大の脅威が去ったことで、クラスメイトたちの表情も、どこか明るい。

 

 午前中の授業は、普通の高校と同じ、一般教養科目だった。

 プレゼント・マイクによる、やたらとテンションの高い英語の授業。セメントス先生による、淡々としているけれど分かりやすい現代文。プロヒーローが教えてくれる割にかなり普通の授業で、少し可笑しくなった。

 僕の隣では、吹雪が真新しいノートに一生懸命に板書を写している。彼女は生徒ではないが、授業にも参加できるよう学校側が取り計らってくれたのだ。その横顔は、真面目な一人の生徒にしか見えなかった。

 

 昼休み。僕たちは、巨大なカフェテリアへと向かった。

 

「うわあ……! 美味しそうです!」

 

 栄養バランスの完璧なA定食を前に、吹雪が目を輝かせている。最近彼女は料理にハマったらしく、参考にするためか食材や栄養などを楽しそうにメモしている。

 僕は、そんな吹雪を微笑ましく眺めながら温かいご飯を口に入れる。こんなに楽しい気持ちで過ごす学生生活は、初めてかも知れない。

 

 そして、午後の授業。

 

「私がァ!!!」

 

 けたたましい声と共に、教室のドアが勢いよく開かれる。

 

「普通にドアから来た!!」

 

 そこに立っていたのは、No.1ヒーロー、オールマイトだった。

 彼の登場に、教室は一気に興奮の坩堝(るつぼ)と化す。

 

「ヒーロー基礎学! 私が担当する! 早速だが、今日はコレだ!」

 

 オールマイトが、高らかに掲げたカードには、『BATTLE』の文字が書かれていた。

 

「戦闘訓練!」

 

 彼の言葉と共に、壁から、僕たちの出席番号が書かれたアタッシュケースがせり出してくる。

 

「君たちのリクエストと個性届に合わせてあつらえた、戦闘服(コスチューム)だ! 着替えたらグラウンド・βに集合してくれ!」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 僕の戦闘服(コスチューム)は、派手な装飾のない、実用性だけを追求したものだった。

 動きやすさを重視した、濃紺のタクティカルスーツ。衝撃を吸収するプロテクターが、胸や肩、膝に内蔵されている。そして、頭部には艦娘達と通信するためのインカム付きのヘルメット。

 基本は後方で艦娘たちに指示を飛ばし、万が一のときに戦えるようにあしらえたものだ。

 

「うおー、碧海! お前のコスチューム、なんかカッケーな!」

 

 更衣室で、切島くんが声をかけてくる。

 

「そうかな? シンプルすぎると思ったけど」

「いやいや、それがいいんじゃん!」

「切島くんも格好いいね。漢って感じだ」

「お? 分かるか!?」

 

 生徒たちが、それぞれの戦闘服に身を包み、グラウンド・βに集結する。

 

「あ、デクくん! そのスーツ、かっこいいね! 地に足ついてる感じで!」

 

 麗日さんが、緑谷くんに話しかけている。緑谷くんのコスチュームは、どこかオールマイトを彷彿とさせた。

 吹雪は、いつものセーラー服のまま、僕の隣に立っていた。彼女の戦闘服は、いつだってこの姿だからだ。

 

「さて、始めようか有精卵共!! 戦闘訓練のお時間だ!!」

 

 オールマイトが、戦闘訓練の内容を説明する。

 

「屋内での対人戦闘訓練をする!! 実は、 (ヴィラン)の凶悪犯罪率は統計で見れば屋外より屋内の方が高いんだ。監禁・軟禁・裏商売……このヒーロー飽和社会、真に賢しい(ヴィラン)屋内(やみ)に潜む! 君たちにはこれから二人一組で(ヴィラン)組とヒーロー組に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

 なるほど、確かに目立つのは屋外での敵退治だけれど、日の目を浴びない屋内のほうが悪事を働きやすい。しかし、基礎訓練もなしに屋内戦を行ってもいいのだろうか? 同じことを疑問に思ったのか、蛙吹さんが質問する。

 

「基礎訓練もなしに実践をするの?」

「その基礎を知るための実践さ!!」

 

 ヒーロー側、敵側。実践で両視点を知ることでより訓練が捗る、ということらしい。

 

「状況設定はこうだ。(ヴィラン)がアジトに『核兵器』を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは制限時間内に(ヴィラン)を捕まえるか、『核兵器』を回収すれば勝ち。(ヴィラン)は『核兵器』を守り切るか、ヒーローを捕まえれば勝ち!」

 

 設定が随分とアメリカンだな、と僕は一人ごちた。

 

「コンビ及び対戦相手はクジ引きで決める!」

 オールマイトが、Lotsと書かれた箱を高々と掲げる。

 

 次々と、チームが発表されていく。

 Aチーム、緑谷出久と麗日お茶子。

 Bチーム、轟焦凍と障子目蔵。

 Cチーム、八百万百と常闇踏陰。

 Dチーム、爆豪勝己と飯田天哉。

 ……そして、僕の名前が呼ばれた。

 Fチーム、碧海鎮と瀬呂範太。

 

「そして、最初の対戦カードは……こいつらだ!!」

 オールマイトが、HEROとVILLAINと書かれた箱から、ボールを同時に引き抜く。

 

 そして取り出されたボールは、ヒーロー側がA、敵側がDとなった。

 

 オールマイトに促され、訓練を行う2チーム以外は巨大なモニターが壁一面に設置されたモニタールームへと移動した。これから行われる戦闘訓練の様子が建物の内外に設置された複数のカメラを通してここに映し出されるらしい。

 

「さて、みんな! ヒーローも(ヴィラン)も、この初戦から何を学び取るかしっかり見ておくんだぞ!」

 

 第一戦、ヒーローチームA VS ヴィランチームD

 

 なにやら因縁を感じる緑谷くんと爆豪くんが戦うことになった。爆豪くんはビルの一角を吹き飛ばすほどの強力な火力で徐々に緑谷くんを追い詰めていったが、ヒーローチームの見事な機転によって勝利はヒーローチームとなった。敗因は、爆豪くんの視野狭窄だろう。私怨に囚われたせいで、ヴィランチームは二人で正面戦闘を行うという明確な勝ち筋を逃してしまったのだ。

 ……しかし、緑谷くんの胆力には驚いた。個性を発動すると激しく自傷するからか、彼は最後以外個性を使わずに爆豪くんと渡り合ってみせた。一発でも貰えばかなりの怪我を負いそうなその個性に怯まず、果敢に懐に潜り込む事もあった。最後の爆豪くんの猛攻を受けながらあの作戦を咄嗟に考えたのであれば、頭もかなり切れるだろう。

 

 第二戦、ヒーローチームB VS ヴィランチームI

 

 障子くんの索敵と、轟くんの圧倒的な個性の力ですぐに決着がついてしまった。ビルを丸ごと凍らせるほどの範囲と温度、か。艦娘でも相手をするのは難しいかも知れない。もしも戦うことがあったなら、遠距離から様子見をしつつ砲撃なり奇襲を仕掛けるのが良さそうだ。しかし、長門なら凍らされても無理やり動き出しそうな気がする。さすが戦艦と言うべきか、彼女の力は凄いから……。

 

 そして、第三戦のくじ引きの結果は──

 

「Fコンビがヒーロー! Cコンビが敵だ!!」

 

 オールマイトがくじを引き、高らかに宣言する。呼ばれたのは、僕たちのチームだった。




ここまで読んでいただきありがとうございます。
拙作はクロスオーバー作品となりますが、ヒロアカと艦これ、皆さんどちらから入ってくるんでしょうね…?

次に出演させる艦娘を誰にしようか迷っています。
皆さんの推しを活動報告の方にドシドシ送ってください。参考にします。
誰からも来なければあの子かな…。

どちらの作品に興味があってこの小説を読んでいますか?

  • ヒロアカ
  • 艦これ
  • 両方知らない
  • 両方知っている
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