陽の光が差し込む協会の中庭には、柔らかな風と共に草木の香りが漂っていた。
あの壮絶な未界域の任務から数日後。4人の霊使いたちは、日常へと帰還していた。だがその日常は、以前よりも少しだけ、温かく、そして深くなっている。
陽の光が差し込む協会の中庭には、柔らかな風と共に草木の香りが漂っていた。
あの壮絶な未界域の任務から数日後。4人の霊使いたちは、日常へと帰還していた。だがその日常は、以前よりも少しだけ、温かく、そして深くなっている。
一方、訓練場ではヒータの炎が勢いよく弾けた。
「ふぅーっ! 今日のアタシ、ちょっとキレてるかも!」
ヒータは満足げに火球を収束させながら振り返る。そこには、真剣なまなざしで魔力の流れを確認するアウスの姿があった。
「…魔力の調和が良い感じね。以前より、火の流れが柔らかくなってる」
「そっか。アウスといっぱい訓練したおかげかもな!……あの未界域で、一緒に踏ん張ったし!」
アウスは小さく笑った。それはヒータだけに見せる、控えめで誠実な笑み。
「うん……ヒータの火、私はちゃんと受け止められる。これからも……たぶん、もっと強くなれると思う」
「じゃあ、これからもアタシの火、遠慮なくぶつけてくぞー?」
「……できれば、加減して」
二人の声が訓練場に弾け、笑いがこだまする。火と地――相容れぬように見えて、今では誰よりも近いリズムで心を通わせている。
そしてある日。4人は再び未界域の入り口へと足を運んでいた。
任務の報告と、もうひとつ――あのとき共に戦った、ツチノコやジャッカロープたちとの再会のために。
「いるかな……ツチノコ」
ヒータが声を漏らすと、まるでそれを聞いていたかのように、森の奥から「ぴょこっ」と顔を出す影があった。
「ツチノコーッ!!!」
「……やっぱり、来てくれたんだね」
ヒータとウィンが駆け寄り、ジャッカロープが小さく跳ねながら応える。ツチノコは、例のいつもの“あの間の抜けた”顔で、ヒータの炎にぬくもりを感じるように体を擦り寄せた。
「ねぇ、また会えて……ほんとに、よかった」
ウィンの声に、エリアもうなずく。静かに、でも確かな笑顔で。
「これで、本当の意味で……任務完了、だね」
アウスが呟き、4人は森に向かって、深く頭を下げた。彼らを支えてくれた精霊たちと、この未界域の静寂に。
帰りの馬車の中、4人はいつものように並んで座っていた。しかしその空気は、前よりも心地よく、柔らかだった。
「これからも、4人で任務行けるといいねー」
「……でも次こそは、はぐれないようにしないとね」
「だなー。アウス、今度は地面に印とかつけといてよ!」
「……あなたが突っ走らなければ、すむ話だけど」
「うぐっ」
自然な会話。くだらないやりとり。それが今、どこまでも愛おしく感じられる。
窓の外には広がる青空。その下で、彼女たちの旅は、また新たな章へと続いていく。
この絆があれば、どんな未界域にもきっと立ち向かえる。
それが、4人が得た、最も大きな“報酬”だった。