白衣の戦士   作:海野ミウ

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エピローグ

 轟音と振動が海水を震わせている。

 

 ハートの海賊団は激戦地の直下に潜航したまま、頭上の戦場を映す映像電伝虫に群がっていた。人だかりからは戦況に応じて緊張とも声援とも、はたまた感嘆とも取れる声が上がる。

 ポーラータング号の現在地はマリンフォード。彼らの上方では海軍と白ひげ海賊団、及びその他の海賊がそれぞれの思惑を持って好き放題に暴れている。

 もちろん、彼らも独自の思惑を持った勢力のひとつだ。

 

 やがてポートガス・エースが死に、瀕死の麦わら帽を戦場から離脱させる動きが出始めたところで、電伝虫の正面で状況を睨み続けていた船長が腰を上げた。

 

「──よし。あの死にかけのバカを引き受ける! 野郎ども、浮上準備!」

 

 アイアイキャプテン、と応答があちこちから上がる。

 

「麦わら屋を回収したらすぐ潜る、準備もしとけ! 手術(オペ)室のほうは──」

 

 ローは同時に立ち上がった金髪の女を見下ろした。

 

「任せるぞ、フローレンス」

「任されたわ、船長(キャプテン)

 

 女はにやりと笑った。

 

「あんた実は正義の味方ムーブ好きでしょ?」

「言ってろ」

 

 おぉん……とエンジンの回転音が響く。海上の騒ぎに比べればごく些細な振動と共に、ポーラータング号は浮上する。

 にわかに船内は慌ただしくなった。

 

「ジャンバール、ベポ、シャチとペンギン! おれについてこい! 何発か撃たれる覚悟はいいな!」

「嫌ですけどー⁉」

「治してやるから文句言うな!」

「弾丸取って傷縫うだけじゃん治るまで行ってないじゃん!!」

「どうせ三日で塞がるだろうが!」

「三人こっちに手貸して、抗生物質と生理食塩水(せいしょく)ありったけ出してきて! 在庫が豊富って素晴らしいわね!」

「先生輸血パック要るー⁉」

「麦わらの血液型って公表されてたっけ!? とりあえず血液型検査キット出しといて! あとS型一パック急いでゆっくり溶かして! 今週の献血当番は各自水飲んで待機!」

「先生危ないそれ持つ持つ持つ、持つからよこして」

「キャプテン、シャンブる用のゴミパス!」

「こんなバケモノどものいる戦場で迂闊に能力出せるかバカ‼ 捨てろ‼ 他の奴に運ばせる!」

「麻酔器よし、昇圧剤よし、輸液よし! 今から手術(オペ)器具再滅菌するから近寄ったら死ぬわよ散って散って!」 

「直上障害物なし、全速浮上! このまま出るよ‼」

 

「そいつをここから逃がす! 一旦おれに預けろ‼」

 

 かくて〝死の外科医〟の宣言はマリンフォード中に響き渡った。

 

「おれたちは医者だ‼」

 




乗船直後のやつとか他のSSとか趣味のやつとか、追加していけたらなと思っています。
ひとまず本編完結です。お付き合いありがとうございました!

ここすきまってます!!!
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