いわゆる夢小説のような作品ですので、主人公は一律「トレーナー」呼び、一人称は「俺」で固定しています。
不定期更新、かつ作者の趣味思考が全開になっていますので、そのところはご容赦ください。
誰だって、旅をしていれば運命の出会いがある。
その出会いは、いつだって突然だ。草むらを走っている時、洞窟をさ迷っている時、海を渡っている時、他の人を通じて出会う時だってある。
俺たちが初めて出会ったのも、そんな突然な出来事で──
◆◇◆
「おーい、リンネ?おーい」
「……すぅ」
「……はぁ、また昼寝か……おーい、起きろー。またセラさんに怒られたいのかー?」
「ふぇっ!?母さん!?どこ!?どこに居るの!?」
「おわっ!?」
日のよく当たる草原で、気持ちよく昼寝をしていたリンネが、勢いよく起き上がる。
その勢いのよさに、思わず倒れそうになったが、なんとか持ちこたえた。
「え、あっ!?トレーナーさん!?ごめんなさい!飛び起きちゃって……大丈夫?」
「だ、大丈夫だ……あと、セラさんは居ないぞ。リンネを起こすために名前を出しただけだからな」
「良かったぁ……って、トレーナーさん!いくらなんでも母さんの名前を出すのは反則じゃない!?」
「ははっ、悪い悪い」
「もぅ……」
リンネが少しだけ膨れっ面を見せるが、すぐに呆れた表情へと変わり、やがていつも通りの顔になる。
そして、すぐ側に置いてあった一振の剣を手に取ると、軽く伸びをしながら立ち上がった。
「それで?私に何か用?」
「あぁ、この間の旅で出会った子が居るんだが、まだここに上手く馴染めてないみたいでな。リンネに是非とも仲を取り持ってほしいんだが……」
「OK。それじゃあ、案内してくれる?」
「あぁ、こっちだ」
リンネは俺の隣に立つと、俺と共に歩き始める。
リンネは、何処へだって自由に行ける。空だって飛べる。本来なら、歩く必要だってないのだ。
それでも、リンネは俺と一緒に歩く時間を大切にしてくれる。そんな些細なことが、何よりも嬉しく思えた。
◆◇◆
「ふぅ……リンネに感謝しないとな」
あの後、リンネは新しい子と顔合わせを果たすと、あっという間に仲良くなった。さらに、その子と相性の良さそうな子を紹介したり、自身の能力を使ってこの場所を案内したりしていた。
まだ、完全には馴染めていだろうが、あの子の表情を見る限り、馴染むのにそう長くはかからなさそうで安心した。
「……」
そんな時だった。眠るために入っていた布団の中に、別の誰かが入り込んで来たのを感じたのは。
「……リンネか」
「うん……今日も、いい?」
「あぁ」
リンネが、布団の中から顔を覗かせる。
リンネは、普段は昼寝を好むくらいにのんびり屋だが、俺たちが住むこの場所において、リーダー的な存在になっている。
俺と長い年月を共にしている、というのもあるが、それ以上に、とても性格が良いし、多くの仲間たちに好かれている。だからこそ、リーダー的な存在として見られている。
だが、リンネは、本当はとても寂しがり屋なのだ。一人で居ると、寂しさに苦しんでいた日々を思い出すから。誰も知らない土地に無理矢理呼び出された、あの日を思い出すから。
だからこうして、時々俺の布団に空間を越えて潜り込んでくる。俺の存在を感じていれば、寂しさを感じなくて済むから。
「……おやすみ、リンネ」
「おやすみ、トレーナーさん」
俺たちは、共に眠りにつく。
明日もまた、一緒に居られるように。寂しさを感じなくて済むように。
リンネ(パルキア)
出会った場所:パール
トレーナーが初めて出会った伝説のポケモン。
長い時を共に過ごしたこともあり、言葉を交わさずともお互いの真意を読み取れるほどの絆がある。
のんびりと過ごしている時が多いが、しっかりとしている場面が多く、皆から慕われている。
だが、実は極度のさみしがりやであり、空間を超えてトレーナーの布団の中に勝手に潜り込んでいたりする。
最近、母親が自身の反抗期時代の服を持ってきたため、その黒歴史に頭を悩ませている。
作者的裏話
初めてポケモンを遊んだ時からずっと側に居るポケモン。
当時はまだボールの性能もあまり分かっておらず、いくつものボールを無駄にした後、最後に残ったスーパーボールで捕まえた時、それはもう喜んでいた。
レジェンズアルセウスでオリジンフォルムが解禁された際も、真っ先に連れていって、オリジンフォルムになった姿を眺めていた。
マジ大好き。
なお、マイチェンのプラチナやそれ以降の作品でもパルキアを捕まえているのだが、謎の力がかかっているのか、高確率で個体値の何処かが「ダメかも」になっている。