転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする   作:popoponpon

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スーパーマリオブラザーズ回はこちら
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七稜アヤメとスーパーマリオブラザーズ3

 

夢の中。以前はセイアと共に過ごしていた空間も様変わりし、アヤメの夢の中に入るようになっていたモルフォ。アヤメがゲームをやっている姿を胡坐をかいて寛ぎながら見ていたモルフォだったが、画面内のマリオがタイムアップで倒れてしまい、ゲームオーバーになったのを見てアヤメは溜息を吐くと、少し離れて後ろに座ってたモルフォを見る。

 

「……このゲームくっそむずくない?クリアできる気がしないんだけど」

「ああ……後スーパーマリオブラザーズ2は初代をクリアした人向けだから滅茶苦茶難しいよ。次回作の方に行く?難易度は2と比べてかなり下がっているからやりやすいと思うけど」

「……本当に下がってる?いやまぁそうならそっちの方がいいんだけどさ……うん、じゃあそっちをやろうかな」

 

会話もそこそこにアヤメはスーパーマリオブラザーズ2の次回作であるスーパーマリオブラザーズ3をやることにする。今作ではクッパはこれまで襲っていたキノコ王国ではなく、キノコワールドに存在する七つの国をターゲットとしている。子供達であるコクッパ七兄弟に襲わせ、各国に存在する古くから伝わる魔法の杖を盗み出し、その国の王様を動物の姿に変えてしまったのだ。マリオとルイージは七つの国を巡り、魔法の杖を取り返していくことになる。一気に話のスケールが広がったこともそうだが、この世界ってキノコ王国以外の国なんてあったのか……と全く舞台設定のこと知らないなとアヤメはぼんやり考えながらゲームを起動していく。

 

「……これは……」

 

ゲームを起動してすぐにアヤメが気付いたのはこれまでとは明らかに違う、滑らかなドットのグラフィックだ。色合いも綺麗になっており、いきなり今自分がやろうとしている面の情報だけ出されてステージが始まる過去二作とは異なり、最初に今自分がいるワールドのマップ画面が表示。そこからプレイするステージをプレイヤーが選択してプレイするようになっている。

 

「凄い変わってる……」

「変化凄いよね、これでハード同じなんだから凄いや。ファミコンを限界まで酷使している……」

 

アクション面は基本的にこれまでと変わらない。しかし、ステージは左にもスクロールできるようになり、一度通り過ぎて画面から消えた部分にも戻れるようになっている。また、ステージによっては上下にもスクロールしたり、強制スクロールステージも登場するようになっている。他にも、パワーメーターと呼ばれるシステムによってダッシュの速度を上げるなどの追加要素が存在していたり、甲羅を持てるようにもなっている。

 

「これは……タヌキ?」

「しっぽマリオだね」

「タヌキじゃないの?」

「それは別であるんだよね」

「別であるの!?」

 

そんな新要素にもそれとなく触りながら最初のステージを攻略していると、アヤメは葉っぱを発見する。それを取ると、マリオにタヌキの耳と尻尾が生えてしっぽマリオとなる。しっぽマリオは尻尾で横向きに攻撃したり、落下中に尻尾を振ることで一時的にホバリングしたり、またパワーメーターが満タンの状態でジャンプすることで空を飛ぶことができるようになる。

 

「……あれ?ポールがない?」

 

そして、ステージのゴールもこれまでのようにポールに飛びついてという形ではなく、絵柄がランダムで変わるルーレットのようなブロックに触れるようになっている。触れた時の絵柄が記録され、三回ゴールした時に残機が一つ増えるだけでなく、その絵柄が一致していればさらに追加でボーナスが入るのだ。

 

「結構独特だよね」

「他にも色々ある……アイテムを所持できるようになってるんだ」

 

そしてマップには他にも施設がある。宝箱を開けることでそこに入っているアイテムをストックできるキノピオの家。また、スペードのアイコンのマスではミニゲームをすることになり、絵合わせのルーレットをすることになる。

 

「砦は普通にあるんだね……あっ、ファイアマリオもちゃんとある」

「やっぱりファイアマリオは安心感が違う」

 

砦ステージではブンブンと呼ばれる中ボスが奥におり、ブンブンを倒すことでクリアとなる。道中でシリーズおなじみのファイアマリオに変身し、ファイアボールでブンブンを倒すと、マップの中にあった鍵がかかっていた扉が開錠され、最初の方に戻りやすくなる。そんな感じでステージをクリアしていくと、

 

「……あれ?なにこれ……トランプ?」

「ああ、神経衰弱か」

 

突然マップ内にトランプのアイコンが出現する。気になってアヤメがそれに触れると、突然神経衰弱が始まる。この神経衰弱は二回外すと強制終了になるが、その間に揃えた柄のアイテムをストックできるというステージの攻略に役立つ要素となっている。ステージを攻略する時に敵を倒したりゴールをするなどしてスコアを8万点取るごとにこの神経衰弱ゲームは発生する。

 

「……あっ、失敗しちゃった」

「まあ次があるから……」

 

柄は五種類あるので、一回では揃えるのは中々難しい。パターンも固定されてはいるがそれに最初から気付くのも難しいだろう。その後、マップを徘徊していて触れると強制戦闘になるハンマーブロスを倒しながら、遂にアヤメは城ステージへと歩みを進める。だが、城に入るとそこには犬に変えられた王様がおり、王様を元に戻すため飛行船に入ることになる。

 

「あれ?城じゃなくて飛行船なの?」

「城は別にクッパ軍団のものじゃないからね」

「あ、そういえばそっか」

 

飛行船ステージは強制スクロールで進行し、キラーや砲台が襲い掛かる。それを掻い潜ってステージの最奥に進むと、そこでコクッパ軍団の一人、ラリーと戦うことになる。ラリーは魔法の杖を使った攻撃を使ってくるが、さすがに最初のワールドということもあり、そこまで苦戦せずに勝利する。その後、魔法の杖を取り返したマリオは王様を元に戻し、ピーチからPと生えた謎の羽のアイテムを受け取る。

 

「これは?」

「それはパタパタの羽根で、しっぽマリオになるんだけど、使って次に入ったステージでは常にパワーメーターが満タンの状態になるアイテムだね。だから飛び放題になるんだ」

「ここぞって時に使えってことね……成程」

 

ワールド2は砂漠のステージ。ここでは小さなクリボーが入ったブロックがジャンプしたりといったユニークな敵も増え始める。ステージ自体もマリオを沈めようとする流砂が出てきたり、砦にも背中を向けていると追いかけてくるテレサや上から落ちてくるドッスンなどの新たな敵が出てくる。それらをクリアしていった先で、

 

「うわっ!」

「出たわね」

 

蟻地獄のようなマップで画面の左上に表示されていたイカつい顔をした太陽に追いかけられ、アヤメは声を上げる。怪しいなとはずっと思っていたが、実際に追いかけられると変な声が思わず出てしまったようだ。そして迷路みたいになっているピラミッドステージも攻略し、ブーメランを投げてくるブーメランブロスを倒すと、見慣れないアイテムを入手する。

 

「これは……?」

「オルゴール。二回ステージを攻略するまでフィールドのシンボルエンカウントする敵が眠って接触しても戦闘にならなくなる便利なアイテムだね」

「へえー、じゃあこっちのハンマーは?」

「それはフィールド上の岩を破壊してショートカットとかができるようになるね」

 

そして飛行船ステージ。順調に難しくなっていく道中を突破し、ボスのモートンを撃破して王様を元の姿に戻すと、雲のようなアイテムを入手する。

 

「雲?」

「それはジュゲムの雲。ステージを一つだけクリアせずに通過できるんだけど、通過した先でミスしちゃうと前回クリアしたステージまで戻されるんだよね。だから使ったら一回でクリアする必要が出るかな」

「それはそれで使いづらいな……」

 

次なるステージはワールド3。そこは海のワールドとなっており、水中ステージも増えてくる。水中では陸上とは操作感が異なるのだが、過去作と違い水中でもブロックを叩いて壊したりアイテムを出すこともできるようになっている。さらにこれまでも多少あったが、地上にも水中が登場し、部分的に水中を通るようなステージもここからより増えることになる。そんな中、キノピオの家でカエルのようなアイテムを入手する。

 

「これも初めて見るね」

「それはカエルスーツで、取るとカエルマリオに変身して水中では沈まずに高速で移動できるようになるね。それに水流にも逆らって動けるんだけど地上だとダッシュできなくなってカエルのように跳ねて移動することになっちゃうんだよね……甲羅とか持ってるときは普通に動けるんだけど」

「基本的に水中専用かぁ」

 

マリオが持って投げれるブロック、マリオを追尾して捕食しようとしてくる巨大なプクプクや水中面を潜り抜け、ワールド3の飛行船に辿り着く。ここらはボルトの足場を回すギミックやバーナーによる妨害も追加され、ボスのウェンディは壁を反射する消えない魔法弾を出して苦しめてくる。このワールドからミスも少しずつ増え始め、多少残機を減らしながらもアヤメはどうにかクリアする。

 

「うおっ……でっか……」

 

ワールド4はブロックやら敵やらがとにかくでかいステージとなっている。一部通常通りの大きさをしている所もあるが、こういった感じで通常よりも大きな敵やブロックが出てくるステージが多い。が、特筆すべきはそこぐらいで、後はブロスがひまんブロスと呼ばれる大きなブロスになっているくらい。難易度に関してはワールド3の方が難しかったなと感じながら、特に苦戦することなくアヤメはワールド4をクリアして折り返しに入る。

 

「……これがタヌキ?」

「これがタヌキマリオになるアイテムだね」

「しっぽと何が違うの?」

「地蔵に変身することができる」

「地蔵」

 

タヌキマリオはしっぽマリオとしての能力に加え、地蔵に変身する能力がある。地蔵に変身している間は敵の攻撃を受け付けないが、一定の時間で元のタヌキマリオに戻る。空中で変身しそのまま敵の上に落下すると、通常踏んで倒すことのできない敵を倒すことができるようになる。そのため、基本的にしっぽマリオの上位互換として使用することが可能となる。

 

「それにしても……結構ステージ数は多いけど一つ一つは大分短いんだね」

「まあその代わり中断セーブとかそういうところもないからねー」

 

後年の作品ではミスした際にステージの途中から再スタートできる中断セーブができるポイントがあるのだが、まだこの時代にそれはない。そのためなのか、ステージのボリュームも一つ一つは大分控えめになっているのだ。そしてワールド5では塔を使い大空へ上がることで後半は雲の上のステージを攻略していくことになる、

 

(最初見た時も思ったけど、こうして改めて見ると本当に過去二作と比べてわかるほどに大分ファミコンを酷使しているなこのゲーム……)

 

ワールド5で戦うコクッパ軍団はロイ。魔法弾が三点バーストで飛んでいき、さらにロイは体重が重いのか着地した瞬間に地響きで地面が揺れ、マリオが動けなくなってしまう。そのせいで被弾してしまうも、二回目以降は気を付けながら戦う。一回やられてしまい、逃げる飛行船を追いかけることもあったが、最終的に撃破に成功、ワールド6へと向かうことになる。

 

「氷の床、ね……やっぱり滑るんだ」

 

このワールドのステージに存在する氷の床はマリオが滑ってしまうため、気を付けて動く必要がある。カエルマリオなら滑らずに移動できるのだが、ストックしているカエルマリオのスーツは限りがあるため、あまり使えない。そんな中、人型の謎のアイテムをキノピオの家で手に入れることになる。

 

「?このアイテムは?」

「ハンマースーツでハンマーマリオに変身できるアイテムだね。それを使えばハンマーブロスみたいにハンマーを投げてドッスンとかテレサみたいな敵も倒せるんだよね……コクッパは倒せないんだけど。後しゃがむと甲羅に籠って守れるのも利点かな……しゃがみ滑りはできなくなるけど」

「こういうの、やっぱり数少ないとあまり使う気にならないんだよね……うわここむっず」

「ここは素直にパタパタの羽根使った方がいいんじゃない?」

 

アヤメが一際苦戦していたのは6-5だった。そこでは、しっぽマリオの力で飛んで上の方に行くのが必須なのだが、甲羅を持ったまま、うまい感じにパワーメーターを溜めて飛ぶのは少々コツがいる。あまりに苦戦してタイムアップになってしまったアヤメを見かねてここで溜めてきたパタパタの羽根を使うことを提案したモルフォのアドバイスを受け、どうにか攻略することに成功する。

 

「今って後半なの?」

「ワールドは八つあるから後半戦だね」

「ボスもシンプルに手強くなってるね」

 

ワールド6のボスはレミー。バウンドするボールを何個も放ち、それにぶつかるとダメージを受けてしまうので避けながら戦う必要がある。ステージは勿論だが、ボスも前ワールドのロイからシンプルに強くなっているせいで残機を失う場面も増え始める。さらにこれまでも度々出てはいたのだがここからさらに謎解き要素が強いステージも出てくるのもまた苦戦するポイントであった。続くワールド7は土管だらけのワールドであり、砦では天井の方にある土管に入ってブンブンの所に行く必要があったため、ここでもパタパタの羽根を使ってある程度強引に突破する。

 

「あー、こういうので面倒なのすっ飛ばせるの楽……」

 

ワールド7のボスであるルドウィッグを倒し、遂に七つの国を救うことに成功したのも束の間。なんとクッパはピーチ姫を攫ってしまい、マリオはピーチを取り戻すために最終ステージであるクッパの本拠地へ向かうことになる。そこはキノピオの家は存在していない。

 

「おお、いかにも最終ワールドみたいな雰囲気」

「実際最終面だからね」

 

ここはこれまでとは趣が完全に変わっており、ステージ内には戦車が徘徊している。戦車に触れると飛行船ステージのような強制スクロールで戦車ステージが始まり、戦車ステージの奥にはコクッパやブンブンの代わりにブーメランブロスが中ボスとして現れる。通常通りブンブンが中ボスとして現れる場所もあり、そういったクッパ軍の兵器を攻略し、途中の罠ステージも突破しながら、アヤメはマリオの歩みを進めていく。

 

「難しい……でもまあ、2よりは……」

「あれはなんかこう……ベクトルが違うから。謎解きもだけど嫌らしさもだけど」

 

アイテムの補給はできないが、もう最後のダンジョンということもあり、保管していたアイテムを遠慮なくつぎ込んでいく。強制スクロールが多かったり建物内もあったりでパタパタの羽根は無限飛行というより予備のしっぽマリオといった使い方になるが、それでも十分だろう。ステージをミスする場面も増えていたが、それでも着実に進んでいき、遂にラストステージであるクッパ城へと入る。

 

「……よし、最後だしハンマースーツを使ってみようか。後はスターも入れて序盤は無敵になって……」

 

最後の最後ということで使おうにも使えなかったハンマースーツを着せて突撃する。だがバブルなどのこれまで倒せなかった相手が倒せるようになるのは爽快感がある。これならもっと前からちょくちょく使うべきだったと後悔しながら、被弾しないように慎重に進めていく。序盤、スターの無敵で回避したおかげでノーリスクで知ることができた、城の中に置かれているクッパの像がレーザーを放つという事実、そしてこれでラストだと一際集中力を発揮し、遂に最後のクッパ戦へと辿り着く。

 

「……そういえばハンマーってボスには通用しないんじゃ……まあ、いいか。投げるだけ投げておけば……あれ!?」

「あ、クッパは普通にハンマー効くせいで瞬殺できるんだよね」

「ラスボスなのに弱すぎる……!!」

「ファイアボールなら普通に面倒だから……」

 

いよいよラスボス戦、どうやって倒せばいいのか考えながら、半分無駄だと思いながら適当にハンマーを投げていたアヤメだったが、クッパが瞬殺されてしまったのだ。というのも、クッパはファイアボールを当てるならば35発必要であり、ハンマーも同様に35発当てる必要がある……のだが、ハンマーは連続ヒットしてしまうため、一回当たると一気にダメージを稼げてしまうのだ。そのため、実質数発程度で倒せるようになってしまう。

 

尤も、ハンマーマリオをここまで持ってくるのは難しく、アヤメの集中力や過去作で慣らしていた経験もあっての賜物でもあるので、ここまでハンマーマリオを持ってきたプレイヤーに対するご褒美とも言えるかもしれない。

 

「で、後はピーチ姫を助けてエンディングと……ふう、面白かった……」

「でしょ?」

「ステージも沢山あったし、アイテムも多いし、楽しかったよ。スーパーマリオブラザーズ4とかあったりするの?」

「3で終わりだね。次回作?とはちょっと違うけどまあ系譜としてはスーパーマリオワールドに行くのかな……まあ、それはまた今度になるかな」

 

ゲームをプレイし終えたアヤメと話していたモルフォだったが、そう言うと体が光に包まれて消えていく。そして、モルフォは現実へと戻ってしまう。

 

「……ありゃ、残念……ま、いいか。あの子がいる時ならいつでもできるだろうし……モルフォが戻ってくるまで寝てよ……ふぁ」

 

それを見ていたアヤメも、傍に落ちていた枕を手に取ると縁側に向かうのだった。

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