転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
「……終わったね……」
『先生、大丈夫ですか……?』
『ぷ、プラナちゃんも大丈夫ですか?なんか凄い悲しそうな顔してますけど……』
この日、先生は休日を使って
先日、そのモルフォが歌いだしたという現象もあって、ユメやシロコ*テラーに聞いてみたところ、シロコ*テラーからこのゲームの話を聞いて借り受けたのだが、シロコ*テラーが「ストーリーには気を付けて」と割と強めの警告をしていた通り、容赦がなかった。ゲームなのはわかってはいるが、確かにこれはシロコ*テラーがやって気を病みかけたらしいのも無理もない。
『……モルフォはこれを普通にプレイしていたんですか?なんでできるんでしょうか……』
「そこはまぁ……割り切ってるからじゃないかな?ゲームやアニメに登場するキャラと同じ名前、ってのもたまによくあることだし……」
とはいえ、先生も重いなぁとは思いつつもシロコ*テラーがプレイしてしまった時よりは大分マシな様子であった。名前被りを気にしていたらゲームやアニメなんてまともにできないのだから。
「さて、これの次だね」
『……モルフォは似てはいるってだけで多分別物、と言っていましたが。本当にわかるんでしょうか?』
「うーん……でも、詳しくはわからなくてもこういうゲームに触れてきっかけを探してみるっていう行動が大事なんだよ。今回は単純に続きが気になるってのもあるんだけど……まあ、プレイするなら覚悟はしてほしいとは言われたけど……大丈夫!」
『はい!さすがにあのままではGVが救われませんし、ちゃんと救われる終わりになってほしいですね……』
次にプレイするゲームこそ、続編の
(えーと、既にセーブデータがあるけど、これは最終ステージをやる時はこのデータを使ってほしい、っていう話だったな……確か真EDの条件が少し手間がかかるから、とかで……)
今回先生がプレイするのは続きが気になるGV編だ。早速ゲームを始めると、皇神の会議から始まる。プロジェクトディーヴァが失敗したことによる損失を嘆いたりフェザーへの恨みつらみをぶつけている中、懸念は海外からの侵略にも向けられていた。と、早速警報と共に前作中盤でアキュラに倒されたはずのパンテーラが皇神の用意していた最終国防結界を解除してしまう。
『ディーヴァプロジェクトはまだ終わっちゃいない。さあ!われら"エデン"の大いなる愛ッ!この国にあまねく広めようじゃないか!』
その言葉と共に画面が暗転し、最初のミッション、
『パンテーラって前作でやられていたような……』
『復活したんですか?』
「どうだろ……」
ミッション開始と共に大型自立飛行艇、飛天内部に潜入したGVと彼を取り囲む皇神の兵士たちという場面から始まる。と、その背後にモルフォ、いやモルフォの姿をしたシアンが姿を現し、力を貸そうかと問いかける。GVはこのくらいなら必要ないと言うのだが、二人の会話は周りには聞こえない。そのままGVは兵士たちを蹴散らすと、飛天の内部を進もうとする。
「アクションは変化なさそうだね……ん?」
『GV、聴こえる?平気?』
『シャオ。ああ、問題ないよ』
すると、GVに通信を入れてくる少年がいた。彼の名はシャオウー。GVをサポートするオペレーターであり、故郷でフェザーとして活動していたが、突如現れたエデンなる組織に国を乗っ取られてしまったため、その侵攻を伝えるために海を越えてGVの下にやってきたのだ。
それ以外にも深緑の髪の少女、オウカという協力者もおり、彼女がGVやシャオの現在の住処を提供してくれている。今作ではGVはシアン、シャオ、オウカの三人と共に様々なミッションをこなすことになる。
「……プラグ?」
『前作はダートの種類でロックも変わってましたが、ダートはあくまで弾の特性、プラグはロック数に関わるようですね』
今作ではプラグという新たな装備も存在する。このプラグはロックオンの数を通常の三から増減させることができ、ロックオンの数を減らすプラグを装備すればそれだけ雷撃鱗の威力が上がり、逆もまた然りとなる。
『うはwwだれうまwwwテセオさんテラ寒スwwwww』
「……ん?」
道中、ネットスラングを多用するどこかイラつかせる口調の男、テセオの声が聞こえてくる。GVには聞こえていないようだが、テセオの不安な影が見え隠れする中、GVが中ボスを倒すと、シアンが姿を現すと、彼女がSONG OF DIVAの力を発動させるために歌うと共にGVの身体をオーラが覆っていく。
「これは……」
『……成程。確かにそっくりですね』
シロコ*テラーを思い出すプラナ達だったが、そうしている間にもGVは空中ダッシュなどを駆使して奥へと進んでいき、立ちはだかるボスも順調に撃破し、飛天のコントロールを奪おうとする。しかし、GVの電子操作能力以上のハッキングで上から操作されているせいでコントロールを奪うことができないでいると、ここで次のミッション、
「あれ?」
『悪賊どもが…!』
アキュラのコスチュームは一新され、盾もなくなっている。ミチルはオレが救い出すと意気込み、地上を駆けるアキュラ。ミチルという名前に一瞬先生は反応するもすぐに気を取り直して動くのだが。
「……え、えっとこれどうやって動かせばいいんだ……?」
『撃ってるのはダートではないようですが』
『ダッシュはできそうですけど……左下の三発の弾丸は一体なんでしょうか?』
ある程度進み、上を見上げるとそこには飛天の姿があった。そこにはミチルと呼ぶ人物がおり、ノワと言うメイドのサポートを受け進んでいくと、謎の球体が突然アキュラに話し始める。それは
「えっと……このブリッツがGVのEPと似た役割になるんだね」
左下の弾丸がブリッツであり、
「……あれ?これって」
道中、パンテーラと遭遇。パンテーラはアキュラに以前倒されたのは
『ミッションが続きますね……プロローグということなんでしょうけど』
ここでシアンに異変が起こり、第七波動が解除されてしまうもロボットを破壊し、少女を救出。そしてGVは調子の良くないシアンから再び力を受け取ると、墜落する飛天を持ち上げてビルに衝突しないように押し出そうとする。その光景は外のアキュラからも見えており、アキュラもまたロロと共にビームを放ち飛天を攻撃、二人の力によって飛天は墜落コースを外れ難を逃れる。その後、ミチルを抱えて地上に降りたGVだったが、彼にアキュラは銃を向けてミチルを渡せと要求してくる。
『前作からそうでしたが、完全にバチバチですね……』
「能力者と非能力者の対立、か……」
そこに宝剣で変身したテンジアンという男性の放つ
『そん…な…!?』
『
GVが絶句する中、砕かれたシアンを手に入れたテンジアン。そしてパンテーラも真の姿である金髪の幼い少女の姿へと戻る。
「女の子……!?」
『これがわたしの偽りなき姿…わたしはパンテーラ。"エデン"の巫女にして象徴』
『エデン…?』
『遥かに優れた力を持ちながらこの瞬間にも、無能力者たちに迫害を受け続ける
エデン。その目的はフェザーと似通っている部分はある。が、エデンはそれ以上に過激な無能力者の完全根絶であった。パンテーラが消え、テンジアンはGVをエデンに勧誘するもGVは即座にそれを一蹴し、氷を雷撃で破壊。シアンを返せと怒気をぶつけ、戦闘が開始される。しかしこのテンジアンは体力が低く、弱いため戦闘はすぐに終わる。宝剣が砕け散ったテンジアンに向かい、機を窺っていたロロがミラーを一枚奪取すると、そのままアキュラとミチルと共に去ってしまう。
ミラーを一枚奪われたテンジアンも去り、残されたGVは悔しそうな声を漏らすが、その手にはなんと、力を奪われ続けたせいで掌サイズにまで小さくなってしまったシアンの姿があった。
『シアンが、こんなに小さく……!?』
『……また、狙われているんですね……』
シアンの意識は無事なことに安堵し、オウカとシャオの下に戻るGV。ここからGV編とアキュラ編のどちらをプレイするか選択することになり、GV編を選んで進めると、シアンのミラーピースを取り戻すために各地で活動するG7と戦う選択式のミッションを選ぶことになる。
多発している謎の行方不明事件を追い、辿り着いた謎の洋館で金属を操るメタリカの能力者、ジブリールと戦うことになるミッション、
地下水路にエデンの構成員たちが入り込んでいることがわかり、水道施設占拠によるライフライン断絶という大規模テロを未然に防ぐために潜入した先で戦う、液体を操るリキッドの能力者の青年、ニムロドと戦うことになるミッション、
エデンに襲撃され、電脳空間と化した皇神のデータ施設に突入し、ワールドハックの能力者、テセオのデータ奪取を阻止するミッション、
G7は宝剣のデータを元にシアンの力を取り込むことで完成された
「次は……ここか」
三人の能力者を倒した後、最初から選択できるミッションの一つである
『あ、アキュラ……!』
凍っているステージを滑り止めを使いながら進んでいくと、シャオが他にも誰か来ている事を指摘。ホテルの中に入ったGVはアキュラと遭遇し、戦闘になる。ミラーピースを返してくれればアキュラと戦う気はないと言うGVだったが、能力者を憎み、駆逐しようとするアキュラは襲い掛かる。能力者との共存などできるわけがないと吐き捨てるアキュラを撃退することに成功するも、ミラーピースは取り戻せないままであった。
「また彼とも戦うことになっちゃうのかな……」
『分かり合えないんですかね……』
そして遂にテンジアンの下に辿り着くと、彼は宝剣ではなく宝書を使った変身で迎え撃つ。今度は前回とは違い高いHPとスペシャルスキルも用いて強敵となって襲い掛かる。
「……」
戦闘中に語られたテンジアンの過去に先生は顔を顰める。無能力者達に迫害され、空腹に倒れた時には毒の入った食べ物を恵まれたと零し、その一件をきっかけに両者は相容れないことを悟ったと語るテンジアン。GVはオウカの存在を例に挙げて反論するも、それはほんの僅かな例外でしかないとテンジアンに一蹴。GVはテンジアンやアキュラのようにどうしてわからないのかと悔しそうに言葉を零しながらテンジアンを撃破することになる。
『ミッション完了…』
『GV…ボクは信じてるよ。第七波動を持たない人と、持つ人全てがいつか、キミとオウカみたいに手を取り合って笑いあえる日がくることを…』
そしてミッションが終わり、帰宅したGVはすぐに慌てた様子のシャオと不安そうな顔をしたオウカの姿を見る。
「これは……」
水晶のようなもので分断され、破壊されたハイウェイの中継を見せるシャオ。エデンの襲撃であることは明らかであり、GVはすぐに現場に向かい、
『彼女は
『ミチルをコマ…だと?クズが!』
アスロックがミチルを連れ撤退したのを見て、ガウリにGVを押し付けてアスロックの後を追いかけるアキュラ。なんとかガウリを撃破して戻り、エデンの本拠地ベラデンの場所を突き止めて向かうことになる。
ベラデンは落下の危険も多い地形が続き、G7以外の能力者も命を懸けてでもGVを止めようとする。それらを攻略してパンテーラの下へ向かう道中、アスロックや髪を変幻自在に操るタングルヘアの能力者の女性、ニケーと交戦し、全てのG7を撃破する。
「……っと、ここが最終ステージ、ベラデン3か……」
『最終ステージ、でしたね』
『真EDは通常EDの続きになる形、ということでしたからね。ここからはモルフォが別に用意していたデータを使いましょう』
ここでセーブデータを切り替える。真EDを見ようとした場合、GV編だけでなくアキュラ編でも通常EDを見た後、各ミッションに存在するクエストをクリアするために数回そのステージに潜って達成率を一定以上にする必要があるためだ。そちらの達成率についてはまた追々として、ひとまずはGV編の真の結末を見るため、モルフォの好意に甘えてこちらのデータを使わせてもらう。
「あ、やっぱりレベルはカンストしてる……装備もプラグとかも全部ある……のかな?えーと、ミカエルプラグ……とりあえずこのままにして駄目だったらその時に考えよう」
レベルは最大であり、装備はミカエルプラグと呼ばれるロックオン数が一つになる代わりにロックオン雷撃の威力が最大になるプラグに雷撃鱗の消費を抑える抑制のレンズ+が二つ、空中ジャンプとダッシュができるようになるセラフリング+、スーパーアーマーと受けるダメージを少し減少する神盾のペンダント+。スペシャルスキルは攻撃用のスパークカリバー、クードスの数値に応じて火力が上がるグロリアスストライザー、HPを最大まで回復するリヴァイヴヴォルト、一定時間攻撃力を上げるアンリミテッドヴォルトという、先生もまだ見たことないスキルもいくつか存在している。
「よし……いこう」
ラストミッション、
「妹!?」
『そんな関係だったなんて……』
兄妹の絆と共に立ちはだかるテンジアン。コピーになり果てても戦うテンジアンにGVも己の覚悟をぶつける。とはいえ、行動自体は別に変化しているわけではなく、そのまま倒すことに成功……したのだが。
『やられるわけには…いかない…!お前を連れていく…乾坤一擲…!砕け散れ!羅雪七星!!』
倒れた後にいきなり必殺技を使い、GVを氷で閉じ込めようとする。それを何とか回避しようとするが、似たような必殺技である氷華雪断もまだ避けれずに拘束されていた先生の腕前ではこれも避けれずに氷に閉じ込められてしまう。とはいえ、HPも満タンなら別に問題ないかと高を括っていると、
「えっ即死!?あっでも発動してよかった……」
この羅雪七星は、このゲームで唯一の即死攻撃なのだ。その代わり、これを喰らった場合は必ずSONG OF DIVAが発動するようになっており、クードスを犠牲にする代わりに強化状態でこのステージを突き進むことになる。
(……死亡、からの復活……能力者の能力の強化……部分要素の抜き出しで見れば、確かに……)
復活時に流れる
「そういえばパンテーラと戦うのは初めて……だったっけ」
『あそこではパンテーラではなくアキュラと戦っていましたからね』
鏡を用いた戦術でGVを追い詰めるも、ミカエルプラグが生み出す高火力とカゲロウの防御能力で焼き尽くす。しかしこれもコピーであり、奥で本物のパンテーラと相対するのだが、そこには宙に浮いたミチルの姿があり、パンテーラは彼女がいればシアンから電子の謡精を引き剥がせると言いだす。そして、シアンが消滅してしまい、ミラーピースとなってミチルを取り囲み、さらにそのミチルから奪った力をパンテーラは取り込み、巨大なハートの四枚の翼を生やした禍々しさすら感じる姿へ変貌。新たな第七波動、
『シアンが……!』
『しかもGVの姿も元に……』
「そんな……いやでも……」
パンテーラはハート以外にもトランプの四つのスートに応じた形態を操り、苛烈な攻撃をGVへ仕掛けてくる。エデンの能力者達の愛と思いを自らの第七波動を越え始めた第七波動と共に内に秘める彼女。だが、絶望はそれだけではない。絶望の歌、楽園幻奏によってGVの体力を次々と削っていく。
『GV…!躊躇わないで…!今のあなたなら、きっと一人で戦える…』
「一人で……」
『歌は…歌は、ボクの中にある!』
そんな時、シアンが消滅する間際に遺した言葉が思い出される。それと共に、突然マイクのアイコンが画面の端に出現し、効果音が鳴ると共に、輪廻新章の歌詞が画面に表示されていいく。
「えっ、これどうするの?まさか、歌を……」
『マイク機能を使うところあったんですね……』
今、先生がゲームをプレイするために付けているヘッドフォンにはマイクもついているため、楽園幻奏が発動される。ちなみに、マイクが使えない場合はレジデントオブエデンというスキルが発動され、、ボスたちのコピーが現れ、次々と攻撃を仕掛けてくる。
「……ど、どうだ?」
画面に表示された歌詞を先生が読んでいくと、輪廻新章のカラオケが流れ始めると共に楽園幻奏が解除され、パンテーラ戦が再開される。シアンが消えてもGVの中に残る歌の力、SONG OF DIVA。その力と歌と共に、遂にGVは雷撃の剣、スパークカリバーを撃ち込みパンテーラを撃破する。
『そんな…何が起きたというの?わたしたちの理想…楽園が…電子の謡精の力は…完全にわたしに…適合していた…はず…』
『適合はしていたのかもしれないな…だけど、電子の謡精は――シアンは物じゃない。彼女と心を通わせていないお前に、扱える力じゃないんだ』
『見える…わたし達の…楽園が…お兄様…!』
パンテーラが倒れ、エデンとの戦いが終わる。しかし、パンテーラもまた、辛い背景を持って、同じ能力者のために立ち上がったのだ。エデンという存在は許されるものではないかもしれないが、世界的に続く能力者と非能力者の対立が当たり前のように起こっているこの世界では、これもまた一つの正義となり、そのために殉じて死んだパンテーラ達。その姿には、先生も色々思うところがあった。だが、問題はこれでは終わらない。
シアンは戻らず、そしてパンテーラに力を抜かれたミチルも倒れたまま。彼女が死亡してしまったことを確認し、シアンを守れず、死なせてしまったことを嘆いていたGVの下に、アキュラが現れる。
『ミチルから離れろ!バケモノ!!』
『アキュラ…生きていたのか』
アキュラもこのベラデンに突入していたものの、道中で能力者にやられていたと、そう思われていた。しかし生きていた彼はようやくここに辿り着いたものの、そこで目の当たりにしたのは、ミチルが死んでしまったという衝撃の事実。それを知り、アシュラは激昂する。
『貴様だ…!貴様ら能力者がいるから…!争いが起きる!!無関係なミチルまでも…なぜあいつが死ななければならなかったッ!?』
『……アキュラ』
GVに銃を向けるアキュラ。GVもまた、アキュラに銃を向ける。
『オレは許さん…貴様ら、バケモノどもをッ!!神へ祈る間も無く、ここで死ね!ガンヴォルト!!!』
『くッ!』
そして、銃を突きつけ合う二人の姿を最後に、エンディングに突入する。
「……え?」
『こ、これで終わりですか!?』
『いえ、おそらくこれが通常EDなのでしょうが……シアンも、ミチルも死んでしまって……遺されたアキュラも怒り、憎しみのまま能力者に襲い掛かる……GV……』
『GVさんがひたすらかわいそうですね……でも、まだ続きがあるんですよね……ほら!』
エンディングが終わり、画面に
『その人に手は出させない!』
『この声…シアン!?』
突如、ミチルからシアンの声が聞こえたかと思うと彼女の体が光に包まれて浮き上がり、青い蝶の右翼と、橙色の左翼を生やし、左右にシアンと、もう一人。浅葱色の髪の橙色の鳥の翼を生やした女、ロロが現れる。そして、
『私の歌がきっと守るから…!』
なんとSONG OF DIVAがアキュラに対して発動されてしまう。そして二人が歌う藍の運命のデュエットをBGMにアキュラが再度襲い掛かってくる。
『これは……!?うっ』
『プラナちゃん!?お、落ち着いてください!』
その覚えのありすぎる光景に目を見開き、唖然となるプラナ。モルフォはこれをやっていて知っていたからこそ、その既視感を前にあれほど警戒していたのだろう。
『これは…なんだ?ミチル…?生きているのか…?』
アキュラも戦いながらもミチルが蘇ったことを戸惑っている様子であった。一瞬、ロロに取り込んだ電子の謡精の力のおかげなのかとも思ったが、ミチルがこの力を使っているのだと気付く。GVも何が起こったのかわからない様子であったが、それよりもシアンが無事であったことを喜ぶ。しかし、シアンに話しかけてもまるで反応がない。そればかりか、何故アキュラに力を貸すのか。
『感じるぞ…これは、ミチルの力…オレに味方してくれている…ミチルはオレに貴様を倒せと言っている!』
『そんな…バカなことが…』
『現に謡精はオレに歌いかけている!』
『貴様は独り寂しく、ハミングでも口ずさんでいるんだな!』
『くッ…!』
「……これって……」
『あ……』
強化されたアキュラの攻撃は苛烈を極めていく。先生は表情を歪めながらもとにかくカゲロウを絶やさずにダメージを受けないように立ち回り、少しずつHPを削っていく。アキュラの必殺技もカゲロウの暴力で受けきってやっと倒すと、GVはアキュラに近づいていく。が、その目の前に起き上がったミチルが両手を広げて立ち塞がると、その背後にシアンの幻影が浮かび上がる。
『その人に近づかないで…!』
『シアン!?君は…どうして…』
『ダメだよGV…』
『……!』
『その人は…アキュラくんは…わたしの大切な…大切…な…?あれ…?わたし…は…』
『キミは、シアン…なのか?』
だが、その人物はシアンのようで、シアンではなかった。アキュラを大切な人と呼ぶ、その姿はむしろ、シアンではなく―――
『ミチル…!目が覚めたのか…?』
『…シアン?ミチル…?…わたしは…誰?あなたたちはいったい…?』
『…!』
『お前…記憶が…?』
『……』
記憶を失った、ミチルであった。それを見て、GVは悟ってしまう。もうシアンはいないのだということを。であれば、自分がするべきことは。
『…アキュラ…彼女を…ミチルを病院へ運んであげてくれ…』
『ガン…ヴォルト…?』
『早く…するんだ…』
堪えるような声音でシアン、いやミチルをアキュラに託すと、GVはその場を去る。そして数週間の時が経過した街中。オウカと共に日常に戻っていた、私服姿のGVは偶然、ミチルと再会する。
『え…?』
『あなたは…天使?あの、ごめんなさい。変なこと訊くんですけどもしかして…あなたたちは、わたしの知り合いじゃありませんか?あ!…えっと、実はわたし、事故で昔の記憶がなくって…でも、あなたのことどこかで…』
『…キミの名前は?』
それは、期待だったのか、それともただの受け答えをするためか。GVの問いかけにミチルは、
『わたしは…ミチルです。神園ミチル』
『…ごめん、覚えが無いな。気のせいだと思うよ』
『そう…ですか…ごめんなさい。変なこと訊いてしまって…』
『行こう…オウカ』
『GV…あなたは…』
『いいんだ。行こう』
『……はい』
そう答えると、GVとオウカは何か違和感を抱いたままの様子のミチルの前から去っていく。空を見上げながら、彼女の人生に幸福が待っていますように。そう祈るGVの姿と共に、スタッフロールが流れだすのだった。
「『『……』』」
アロナとプラナは完全に絶句していた。ここからあるとだけ聞いていた三作目でGVはどうすれば挽回できるのかどうかすら全く思い浮かばない。とにかくハッピーエンドとは程遠いし、かといってエデン自体は壊滅しているのでバッドエンドというわけでもない、まさしくメリーバッドとしか言いようのないやりきれない終わり方に先生も言葉を失っていた。
(これは……凄いな……)
アクション性はとにかく楽しいしストーリーも良いストーリーなのは確かだが、これは確かに覚悟がいるゲームだ……とモルフォの言葉通りのゲームだったと先生は改めて認識しながら、まだあるという続編は一体どんな惨状になるのかと考え始めている中、スタッフロールが終わりその後の映像が流れ始める。
『最近、あの人の夢を見なくなった。何度も何度も、繰り返し見たあの人の夢――わたしのために、身を賭して戦った名前も知らないあの人――夢を見なくなったのはきっと…今のわたしが、過ぎゆく日々に"幸せ"を感じているからだと思う。だから、私は伝えたい。名前も知らないあの人に――"ありがとう"。わたしは今、幸せだよ』
『……うっ』
『ああ!?プラナちゃんが倒れました!!』
「ええ!?あわわ、とりあえずプラナを休ませてあげて!?」
『ミチル……モルフォは、今……』
『どっちかっていうと前作エンディングのGVの方です!安心してください!!』
『あぅ……』
『プラナちゃーん!!』
ショックのあまり、倒れてしまったプラナに先生もアロナも我を取り戻し、慌てて彼女の介抱を始める。どうか、あの人の行く先に幸せがありますように。そう呟くミチルのモノローグと共に、本当の意味で
お知らせ
次回からデカグラマトン編に入るのですが、話数が多すぎてこれまでのペースだと終わるまでかなりの日数がかかってしまうため、デカグラマトン編の間は明日から毎日投稿という形を取ります。