転生したので前世の知識で生徒達と遊ぶことにする 作:popoponpon
蒼き雷霆《アームドブルー》ガンヴォルト
「この子は……この子が前作で言うオウカなのかな?」
ゲームをスタートすると、その少女が施設のようなものを遠くから観察するスチルから話が始まる。未来技術研究所。そう呼ばれる施設は、皇神グループが持つ最先端技術の全てが集う英知の園であり、そこには何かが隠されていた。そこに少女の所属する組織、裏八雲が正面からの接触を行ったものの皇神は知らぬ存ぜぬの一点張りであり、業を煮やした裏八雲は戦巫女きりんを潜入させる。
『いえ……普通に操作キャラですね』
『あれ……アキュラ編とは違うって事ですか?』
休日を利用して先生がプレイしているのは
「近接攻撃……」
きりんは錫杖の仕込み刀を用いた戦い方を取っており、そこに護符を組み合わせる。護符を相手に投げつけるとダメージが蓄積していき、それを仕込み刀で切りつけることで一気にダメージを与えることができるのだ。それだけではなく護符は斜め上下にも投げることが可能であり、この点は前作で真横にしかダートを撃てなかったGVよりも扱いやすくなっている。
それだけでなくクードス周りの仕様も変わっており、難易度に変わらず被弾してもクードスが0にならない。その代わり、ダメージを受けるとクードスロックが発生し、一定のスコアを稼いでこのロックを解除しなければ本来のスコアであるクードスを再度上昇させることができなくなってしまうのだ。
それだけでなく、リトライマーカーを通過してもクードスがリセットされなくなっているため、これまでは高スコアを得ようとしたら事実上の即死障害物と化していたのだが、今回からはそれを気にすることもなくなり、良心的となっている。なので歌もちゃんと聞ける。
「……これは!?」
操作方法を覚えながらのチュートリアルステージを進めていく。研究所の最下層まで辿り着くと、そこは巨大な荒地の地下空間となっており、そこには無数の宝剣が突き刺さっていた。
『宝剣……過去作では能力者の能力を強化していましたが……それが、こんなに……』
その宝剣の数々を見て、絶句する先生達。過去作では皇神の能力者と戦ったGVはこの力に苦しめられていた。爪では、テンジアンが一回使っただけでその後は宝剣よりもより強化性能の高い宝書に取って変わられていたものの、それ自体は電子の謡精の力ありきでのパワーアップだ。依然として、純粋な技術力という意味では皇神が作り出した宝剣を越えるものはないのだろう。なお、その宝剣を作っている製造元が裏八雲である。
『青い、ドラゴン……ですか?』
そこにいたのは、第七波動を超越し覚醒したバケモノ。能力者が行きつく先、暴龍。宝剣では抑えきれない巨大な雷鳴を轟かせるその龍からは、龍ではなく蝶のような羽が生えており、嫌でもこれの正体を示唆してしまう。
『雷……蝶の羽……まさか、蒼き雷霆……?』
「……!?」
暴龍の放つ雷鳴を掻い潜りながら、護符を投げつけ、切りつけるきりん。それを繰り返していき、なんとかきりんの第七波動である封印の能力、
「これはGV……?」
イマージュパルスはGVの記憶の欠片。それを鎖環の力で封じたことで生み出されるアイテムのようなものであり、モルフォだけが意志を持って固有のキャラとして登場する。それ以外はきりんに装備することでHPを上昇させるなどの恩恵をもたらすアイテムとなる。
『!?あの暴龍の正体が、GV……!?』
そして本編に戻ると、きりんが暴龍に近づくと暴龍が本当の姿であるGVに戻る。その頬にきりんが口づけをするとその暴走が収まっていく。
『蒼き雷霆ガンヴォルト 暴龍へ至った、最強の第七波動能力者…ガンヴォルト、アンタはこれから起きる事態の責任をとらなきゃいけない』
『責任…?』
そして、GVの暴走していた能力は封印され、なんとかGVは救われることになる。
「……爪の後にこんなことが……」
『GVは能力者として新たな領域に辿り着いた結果暴龍となり……抑えきれない力を皇神グループに制御してもらっていた……でも、皇神の封印は仮初でしかなく、それを封じたのがきりんだった』
『きりんさんがいてくれて助かりましたね……本当に』
(能力者が辿り着くのが暴龍……GVの場合は、本人の資質や戦いの経験も当然あるだろうけど、電子の謡精の力で強化され続けていたから……)
『…………』
『プラナちゃん?』
『いえ……なんでもありません』
GVを封印する傍ら、皇神はGVを研究しつつもGVから漏れ出る膨大な電気エネルギーを用いたガンヴォルト発電を用いることでエネルギー問題を解決……したが、その電気からは龍放射と呼ばれる他の能力者を暴龍に変えてしまう波動が出てしまっていたのだ。そしてGVが封印されてから何十年後の現在、その龍波動によって新たな暴龍が生まれようとしていた。
それを対処するため、封印の影響で犬のような姿となったGVはきりんと共に皇神グループに作られた新たな部署、治龍局に配属して国中に発生する暴龍化現象に立ち向かうことになる。
「これまで、敵だった皇神が味方に……でも、GVが犬に……」
『可愛いですね!』
『ええ、これはこれで……でも、元は人なんですよね……』
そしてきりんとGVは暴龍となった能力者を倒しに行く。今作ではおなじみのカゲロウもイマージュパルスとして装備する形となり、さらにステージ中に存在するイマージュシップというアイテムを入手することでクリア後に入手できるイマージュパルスの数を増やすことが可能となる。
「市街地に現れた暴龍か……」
そして次のステージは聖夜の市街地。ここもまだチュートリアルステージであり、GVが加入したことできりんのアクションはさらに進化することになる。護符でロックオンした相手の下に瞬間移動して切り裂く雷霆連鎖。今作ではこの雷霆連鎖を連続で使い相手を倒していくスタイリッシュなアクションが大事になっていくのだ。
「あ、楽しい……」
『なんか凄いビュンビュン動き回ってる感じがします!』
『なんとなくでも凄く動けている感じがします』
護符を相手に貼り付けて切り裂いて、落下する前に次の敵に護符を当てて切り裂く。それを繰り返していくだけなのだが、基本的に一体を斬るとその近くや行き先に敵がいることも多く、意外とそれが護符を当てるガイドラインになることも多い。時折着地してチェインが途切れることも多いが、初見にしてはそれらしい動きで先生はきりんを動かしていく。そんな中、今作のある機能、きりんからGVに切り替えて動かすチュートリアルエリアを進むことになる。
「ちゃんとGVも動かせるんだね」
今作ではGVは鎖環ゲージを溜めることで雷霆解放し、きりんからGVへと操作キャラを一時的に変更することが可能となる。GVはゲージがある限り使用でき、空中ジャンプと空中ダッシュを無限に行える上に雷霆連鎖ならぬライトニングアサルト、ロックした後にダッシュで接触することでダメージを与えるスパークダッシュも可能。さらに相手を地面や壁にぶつける必殺級の技、ヴォルティックバスターまで使えると何でもござれだ。
「……あ、被弾しちゃった……」
『前作までだと雷撃鱗を出しながら攻撃していたのが今作だと攻撃していない時にだけ出るようになってるんですね……』
『攻撃しながらミサイルなどの攻撃を防いで、というのが前作までのやり方でしたから逆なんですね』
「ここは慣れないと駄目だね……あ、また相殺できてない……」
しかし前作とはちょっとだけ操作感が違うところもあり、そのせいで被弾するところもあったため、そこは注意するように慎重に進めていく。そしてボスステージに入るところでGVからきりんに操作キャラが戻り、このステージのボスであるB.B.に出会う。B.B.は龍のような仮面や鎧に全身を包んでおり、死神のように鎌を操って襲ってくる。それをカゲロウを駆使しながらどうにか追い詰めていくのだが、
「あれ……EXスキルの時、キャラが動くようになってる?」
ここでB.B.がガンヴォルトシリーズボスおなじみのEXスキルを使用したときのカットインを見て先生は気付く。前作までではEXスキル使用の際、キャラはあくまで動かず一枚絵にエフェクトという形を取っていたのだが、今作からはカットインが動くようになっていたのだ。B.B.のスキル、DEATH PROCESSIONが発動され、エリア全体が暗闇となり、その中をキャラを追尾して攻撃したりバイクに乗って轢いてきたりする。それらを回避し、こちらも初めてとなるEXスキル、裏九十二式・雷霆夜叉砕きを発動。GVときりんが画面全体を連撃で切り裂いてB.B.を無事に撃破するのだが―――
「ふ、復活した!?」
『これは、電子の謡精……!?』
そこに現れた謎の少女がSONG OF JINNを発動。それによってB.B.は最大HPが少なくなるものの復活し更なる戦闘になってしまう。
「と、とりあえずHPは減ってるみたいだし……」
困惑しつつも復活したB.B.を撃破し暴龍を封印。それによってB.B.は本来の青年の姿を取り戻す。
(モルフォと同じ感応系能力者、SONG OF JINN……何者かが暴龍の力をコントロールしようとしている、か……)
謎の少女の介入も度々ありつつも、きりんとGVは暴龍となった他の能力者を鎮めていく。また、暴龍と戦うにつれて特殊なアクション、護符をチャージして投げたり、下から上へと切り上げる天昇刃、空中で発動して下へと斬り降ろす烈旋刃、カゲロウや変な所に投げて消費してしまった護符をチャージした際に発動し無敵のダッシュ斬りに繋げることのできる疾走一閃を習得する。さらにその中でシロン、レクサス、カミオムといった能力者達がB.B.と共に仲間になり、治龍局に所属することになる。そして前半である四ボスを倒したところで、事態がまた動き始める。
「ここは……」
場所が変わり、謎の宮殿のような場所。そこで王座に座る青年の隣には一人の少女がおり、目の前には一人の美女が立っていた。
『―――以上が、レイラの第七波動を通じて視たかの国での出来事です』
報告をしていた美女、システィナにお礼を言い、隣に立っていた少女、レイラを労わる青年。このレイラこそが、度々現れていたSONG OF JINNの正体なのだろう。そして、青年は暴龍の出現を受けて動き出し、皇神が展開している防衛用のバリアをAPF弾頭を使って突破し、そこに能力者を乗せて国内へと侵入させようと試みる。
それを知ったきりんたちはシロンの第七波動でミサイルの座標を割り出し、GVがワープを再現してきりんと共に乗り込むとミサイルを叩き落としていく。
「……わ、ワープって本当に何でもありになっちゃったねGV……」
『強すぎますよこれ……』
『まさしくチートです……』
ミサイルを雷霆連鎖を駆使して乗り継ぎ、落としていく。そしてボスの下に辿り着くと、そこには先程システィナやレイラと会話していた青年がレイラを伴って現れる。炎を操り、太陽かと見間違えるほどの光球を生み出したその青年の名はZEDΩ.。ATEMSのリーダーであり、レイラの第七波動、
「電子の踊精……電子の謡精と似た能力……」
暴龍となった能力者が倒れた時、それを復活させていたことについては調査だったのだと謝りながら、ZEDΩ.はきりんたちの実力を見極めるために襲い掛かる。きりん達と同じように瞬間移動をこなしまるで不死鳥のような羽を生やし、炎を操るZEDΩ.はその能力、
『どうしますか先生?カゲロウみたいな技を使ってくるせいで全くロックができませんが』
「GVに切り替えよう」
攻めすぎてカゲロウが使えなくなっている所を攻撃されてしまうことも多く、徐々に体力が減ってきてしまっている。このままではやられてしまうと考え、GVに切り替えてZEDΩ.との戦いに挑む。
「うまくダートが当たらないな……」
『……先生。きりんが上下に撃てたならGVも撃てるのでは?』
「……あ、本当だ……GVも撃てるんだ……」
ここでようやく、先生はGVも斜め上下にダートを撃てることに気付く。ここも前作のプレイヤーは中々気付くことのない点だろう。GVのダートをワープ終了後のZEDΩ.に打ち込んでロックオンして電撃を撃ち込み、最後はEXスキルであるライトニングスフィアを叩き込んで撃破するも、ZEDΩ.達の国内への侵入を許してしまう。その後、彼らの目的が封鍵と呼ばれる宝剣のオリジナルにあると判明し、今度は封鍵を奪おうとするATEMSを追いかけることになる。
「ここから後半戦のようだね」
ここから治龍局はATEMSと戦っていくことになる。きりん達がそれぞれの仲間と協力しつつ封鍵の下へ向かうと、そこにはそれぞれグラツィエ、システィナ、プラド、サーペンタインというZEDΩ.の仲間の女性たちが待ち受けており、封鍵の力でパワーアップした状態に変身して襲い掛かってくることになる。治龍局に負けず劣らずそれぞれキャラの濃い彼女達を撃退していき、彼女達を倒すごとに前半で入手したスキルも強化されていく。そして後半四ミッションも全部終わったところで、話がまたしても大きく動き始める。
「……アマテラス?あれ、アマテラスって一作目でミッションに出てきた……」
ZEDΩ.は四人と共に大電波塔アマテラスに集まっていた。全ての封鍵を集め、希望の子への道は開かれたとZEDΩ.は宣言すると、総仕上げに入る。砂を操る能力者であるグラツィエの力によってアマテラスが巨大な宮殿、太陽宮に変わり、アマテラスの設備を用いてレイラの電子の踊精が紡ぐ歌を響かせていく。治龍局の面々はモルフォの歌が相殺したことでその影響から脱するも、レイラの力によってそれ以外の場所にいた能力者が皆倒れてしまう。その異常事態を止めるためきりん達はアマテラスに乗り込むことになる。
『一作目ではシアンの歌をソナーとして使っていたのがこのアマテラスでしたね……』
『それと原理は一緒なのでしょう……今回ZEDΩ.がやったことは。被害規模は桁違いですが』
太陽宮の中には多数の敵と四人の能力者であり、それらを薙ぎ倒しながらも、一人、また一人と治龍局の面々も撤退していき、最後にはきりんとGVだけとなる。だが、ATEMSの方も残るはZEDΩ.だけとなり、最上層で再び二人は対峙することになる。通信も妨害される中、ZEDΩ.は未来技術研究所から持ってきたという一見赤ん坊のようにも見える緑色の幼い龍。それが入った謎の球体こそが、封鍵を引き抜くことで手に入れることができた存在、真の暴龍の王であった。
「暴龍になったのは、GVだけじゃなかったってこと……?」
宝剣に囲まれて眠る龍。その名をメビウスと呼ぶZEDΩ.。GVとは異なり、生まれながらの暴龍であり、今やそれすら越え
『GVが暴走し、世界を滅ぼした景色……ありえた可能性……』
GVの脳裏に過る数多の未来の可能性。その全てが滅びの未来を示唆していたのだ。それも、そのすべてがGV自身の手によって引き起こされたもの。
『メビウスの能力は数多の運命を見通し、選び取る。未来選択能力"
『……!』
『ま、どちらが原因にせよだ、世界は滅びの運命を辿るだろうな…そんな子ども、皇神なんかに任せられるワケがない。だから、覚醒する前にオレたちで回収し制御する。それがATEMSの目的。さっきの…レイラの電子の踊精なら、覚醒前のメビウスに干渉して無限の星詠の舵取りができる。メビウスを制御した所で、能力者たちが暴龍化する未来は避けられないが―――少しでも理想的な未来を得るために、オレたちがこの子の無限の星詠を正しく導いてやるのさ』
メビウスを前にして、自らの真意を明らかにするZEDΩ.。しかしそれは、かつての皇神と同じ。力ある者を縛り、都合よく利用しているだけだとGVは糾弾する。ZEDΩ.はメビウスと共に正しい未来を歩むだけであり、皇神とは違うと言うが、それは結局ZEDΩ.の主観でしかないときりんはばっさり切り捨てる。導くと都合のいい言葉を使っているけど結局一人のエゴで未来を決めているだけであると。仮にメビウスでZEDΩ.がより良い世界を作ったとしても、その世界が他人と相容れることなんてないといい、交渉は決裂。この国を、未来を懸けたZEDΩ.との最終決戦が始まる。
「ある程度は前回戦った時とパターンは一緒みたいだけど……」
『今回は本気ですからEXスキルも使ってくるでしょうね……』
より良い未来を得ようとするために戦うZEDΩ.。その方法を否定し、自分達のやり方で、皇神を変えると。しかし、ZEDΩ.は既に世界の終焉は間近に迫っていると断じ、なおも攻撃を苛烈に加えていく。
『理想だけで世界が回らないことも、今では解る。ジエドのやり方が絶対に間違っているとは言えないかもしれない…でも!』
GVも、過去に自分がしてきたことを思い出しながら、ZEDΩ.のやり方そのものが間違ってるとは口にしない。だからこそ、譲れないもののために戦い、そして遂に二人はZEDΩ.を撃破する。しかし、
「や、やっぱり復活するよね……!」
『電子の踊精……!』
レイラの力で復活してしまう。それを二人は今度こそ撃破することで遂にZEDΩ.を倒してみせる。膝をつくZEDΩ.に、きりんは皇神も悪い所ばかりではないと言う。この国を何百年も支えていないし、問題を前に協力して対応もできる。話し合えばちゃんと考えば手も打ってくれると。間違えることも多いし、ATEMSに暴かれるまで隠蔽していたのは相当マズいが、これからはメビウスもなんとかするから皆で話し合おうと。喧嘩するのは話し合った後でもいいんじゃないかときりんがZEDΩ.に言ったその直後。メビウスが膨大な力を放出し始める。
「これは……!?」
『蒼き雷霆と金色の黎明という強力な第七波動の衝突が……!』
この衝突によって目覚めてしまったメビウス。目覚めたメビウスは巨大な装甲によって守られており、アマテラスの力を使い自らの力が適用される空間を広げ続けている。このままでは世界中に暴龍が生まれてしまうだけにとどまらず、世界が
「これが、メビウス……」
かつて対峙した紫電やパンテーラ以上のプレッシャーを誇るメビウスはバリアで守られており、そのバリアを破るため、周囲に浮かぶ球体を破壊していく。そこから本体にダメージを与えていくという作業を与えていくと、メビウスはEXスキル
「今のは……」
幸い死なずには済んだので、再度反撃を開始する。そしてメビウスを倒すことに成功するのだが、メビウスを封じる前に異変が起こる。メビウスは鎖環の力を弾いてしまい、GVも人の姿に戻ってしまう。そしてきりんに襲い掛かろうとするメビウスの前にGVが立ち塞がりメビウスを受け止める。しかし、メビウスはGVに取り付いてGVを暴走させてしまう。
『この未来を、ボクはしっている――!』
GVの身体から雷鳴が迸り、青い蝶の光の羽を生やして浮かび上がるGVは、無限の星詠に従い全てを破壊させられようとしていた。GVはきりんに自らを斬らせることでこの凶行を止めさせようとする。きりんが困惑する中、GVはメビウスを抑えきれず、鎖環さえも解いてみせた今、残る手段はこれしかないと言う。きりんは必死にそれを制止しようとするも、戦う以外に方法はなく、まさかの暴走したGVを相手にしたラスボス第二形態との戦闘が始まる。
『GVが、敵……!?』
「どうすれば……」
必死にきりんはGVに呼びかける。しかしGVは止まらず、無限の星詠の力によって体力を削られ倒されてしまう。直後、電子の踊精が出現するときりんを復活。ここにきて世界を守るためZEDΩ.達も手を貸してくれることになる。
『ZEDΩ.とレイラも力を貸してくれるんですね……これなら!』
「うん……!」
暴走したGVの激しい攻撃を潜り抜け、イマージュパルスでHPを回復しながら必死に食らいついていく。GVの体力を削り、メビウスが露出した所に斬りつける。途中、GVのEXスキル、
『『「!?」』』
GVはきりんの刃に貫かれていた。
『G、V…ッ!』
『ぐっ…よくやった…きりん…!』
『ッ…!正気に、戻れたんだね…』
『ああ…これで第八波動は消滅する、無限の星詠による支配は、免れた…!』
『うん…ごめんね、GV…わたし、なんにもできなかった…!』
『…いいんだ、キミは…何も気にしなくていい』
『―――ここでボクが生き延びれば、結局あの"滅びの運命"は避けられなかったんだ。これで、良い』
『あとは…頼んだよ―――』
その言葉を最後に事切れたように消滅するGV。これによりGVはメビウス諸共消滅したことで世界は救われる。だがGVを失ったきりんはその場に座り込み、両手で顔を覆うシーンを最後にスタッフロールが流れ、蒼き雷霆ガンヴォルト鎖環は一つの終わりを迎えることになる。
「……こんなことって」
『え!?ZEDΩ.達も共闘してハッピーエンドにならないんですか!?』
『……まあ、このシリーズですからね、予想はしていました。でも、真エンディングはあるのでは?』
「そ、そうだよね……お?」
その後タイトル画面から再びゲームを起動すると、メビウスは悪い子なのかとモルフォが発言する。まるでメビウスを倒してはいけないかのような発言を見て、先生は気付く。
「……もしかして、護符だけで?」
真エンディングで今度こそと淡い期待を抱きながら再度のメビウス及び暴走GV戦に挑む。GVから飛び出してきたメビウスに護符を撃ち込み続けていき、その護符が全てのHPを削り切ったその時。
『―――きりん、本当にキミは最後まで…』
『これで…どうだぁッ!!』
きりんが最後の一枚を投げつける。それがGVに命中した瞬間、
『無限の星詠のチカラが…ボクに流れ込んでくる…!?』
GVはメビウスが見せる破滅の未来はすぐ間近に迫っていることを悟る。そして、メビウスはこの世界を守りたかっただけなのだと、GVもその心を理解すると、この力と共に死ねば破滅を回避できると考えていたGVはその考えを改める。人に生きることを訴えてきたGV自身が自分の命を諦めることなど許されるわけがないと。それに、ここで死んでしまえばそれはきりんの心に影を落とすことになる。彼女に希望を、世界を繋いでもらうためにしなければいけないことは。
『メビウスの視せた未来、"今の姿のボク"が引き起こす破滅であるならば…ボク自身をやり直してしまえば…!…それが、今のボクにできる限界…か』
そう結論付けると、GVはきりんに礼を言って今後の世界のことを託すと、メビウスと共に力を放つ。
『迸れ!
そしてGV達は青白い光を放ち、どこかへと飛んで行ってしまう。その後、数週間が経過し、メビウスはGVと共に喪失、皇神と裏八雲は今回の一件の後処理に追われていた。そしてATEMSも皇神と折り合いをつけて自分の国に撤退する中、メビウスの余波で世界中で暴龍が現れ始めており、きりん達治龍局は今日も能力者の対処に追われる日々を送るところが映し出され、新たな日常を逞しく皆が生きていく様子が映し出される。そしてきりんは、この未来を必ず繋ぎ止めて見せると意気込み、GVが変化した光が地平の果て、どこかへと飛んでいく映像とスタッフロールが流れ始める。
『結局GVはいなくなってしまうんですか……?』
『……これだとGVは別の場所で生まれ変わるってことだと思いますが……まあ、未来があっていい終わり方だと思います!』
『そうでしょうか……?』
「き、きっとこれでGVにも未来が……」
スタッフロールが終わるも、三人の気分は落ち込んだままであった。確かにきりんに介錯された時と比べれば真エンディングはGVにも未来が見えてマシな終わり方ではあるが。
「……新しい世界に生まれ変わったら、か。きっと……幸せになれると、私は思いたいな。ずっと彼は苦しんできたんだから」
『……そうですね』
そして、シリーズで一番爽やかな終わりをできている作品なのは間違いなく、世界の方は問題こそまだ多発しているものの間違いなく明るい未来に向かって進んでいることを予感させる終わり方をしている。これも、きっとGVやきりん達が頑張ったおかげなのだと、その成果を噛み締めるように先生は深い溜め息を吐くのだった。
★
数日後。連邦生徒会の廊下を、カヤはどこか上機嫌で歩いていた。その理由は、彼女が昨日の間に抱えていた爆弾をやっと処理できたことにある。
(いやぁ、シャーレからFOX小隊に無断で持ち出させてしまったというあのスマートウォッチ……シャーケードの杖とか呼ぶそうですが、適当に理由を付けて怪しまれずにあの代行に押し付けることができてよかったです。いつまでも持っておいてシャーレから持ち出したことがばれたら面倒ですからね……今はもう不要ですし、さっさと押し付けておくに限ります……おそらくここまで先生から追及がないということは先生も知らなさそうですし)
「……あ!防衛室長!おはようございます!探してましたよ!」
「?おはようございます、どうしたんですか?そんな慌てて」
そんなカヤの姿を見つけた後輩が駆け寄ってくる。ここまで騒いでいるとは何かあったのだろうかとカヤが首を傾げながら質問してみると、
「会長が戻ってきたんですよ!!」
「そうですか会長が戻って……会長が!?」
「まだ知らない人たちがいると思うので私教えてきてうべっ」
「……はしゃぐ気持ちは分かりますが走らないようにお願いしますよ」
なんと連邦生徒会長が戻ってきたという驚きの報告を受ける。絶句するカヤを尻目に走り出して転んだ後輩に呆れつつもそう返したカヤは、気持ち早歩きで荷物を置きに部署に向かう。
(まさかあの人が戻ってくるなんて驚きましたが……でも、ふふ。これで―――)
「カヤ先輩!おはようございます!!」
「……?」
そして扉を開き防衛室の部署へ入ると、聞き覚えのない少女の声が聞こえてくる。カヤが一体誰なのかと視線を動かすとそこには、
「……?あなた、誰ですか?」
「ええ!?カヤ先輩、ちょっと冗談きついですよ!?」
黒縁の眼鏡をかけたオレンジ色の三つ編みの小柄な少女が、連邦生徒会の制服に身を包み、カヤを驚いたような目で見る。
「まあ私、そこまで防衛室で目立つ人じゃありませんけど……これでも連邦生徒会入ってから数ヶ月は経ってるのに……」
「あ、いえごめんなさい……ちょっと最近色々あってド忘れしてしまいまして……」
その様子を見て、思わずカヤも申し訳なさそうな表情を浮かべる。そうだ、本当に忘れている可能性はある。バタバタしていたのは事実だから。それを聞いた少女は溜息を吐くと、
「もう……私は夢咲ルナ、ですよ?今度は忘れないでくださいね?」
(……いや、やっぱり知らないですよ!?こんな後輩!?誰ですかこの人は!?)
そう自己紹介し、黄色いヘイローを浮かべる少女。彼女は、ニコニコと笑顔を浮かべながらも内心表情を引き攣らせるカヤを見つめていたのだった。
今回の話で第一部の話は終わりとなります。次回から第二部の話に入っていきますが、メインストーリーやイベントもちょこちょこやりながら色々遊んだりしていく流れはこれまで通りとなりますので、今後ともよろしくお願いします