・【アルバイト】によって【源忠勝】【宇佐美巨人】と交友を深めた
⇒【源忠勝】【宇佐美巨人】の信頼が深まった
・【マルギッテ・エーベルバッハ】に鍛錬を強要された。少し仲が深まった
⇒【マルギッテ・エーベルバッハ】の好感度が上がった
⇒体力その他諸々が上がった
・【大和田伊予】の【ストーカーを捕まえた】
⇒【大和田伊予】の好感度が上がった
・【学園】に【血生臭い噂】が流れた ▽
・現在の友達数:1人
+ 風間ファミリー(9人+1体)
大和田さんのストーカーを捕まえたので、職員室に突き出したのだが、その時ちょっとした騒ぎになってしまった。
職員室に入ってきた俺は頭から血が流れていて、その俺に引き摺られてきたストーカーの男子生徒はボロ雑巾のような状態で意識が飛んでいた。
……これはどう見ても暴力沙汰な事件があったとしか思えないだろう。
いくら川神学園には決闘という制度があるおかげで荒事に慣れているとはいえ、さすがに流血沙汰というのは珍しいことなのか、それとも決闘という制度があるがゆえにそれを通さない物理的な喧嘩が少ないせいなのか、多くの教師が血を流す俺を見て狼狽えていた。
あの場に血とか荒事とかに慣れているルー師範代やヒゲ先生がいなければもっと大きな騒ぎになっていただろう。
で、頭から出血してた俺はというと、保健室に押し込められ、応急処置をした後、川神院に搬送され、自宅療養するように厳命された。
頭から血が流れてるくらいでもう特に支障はないのに自宅療養……つまり合法的に引き篭もれるという事に、やったぜヒャッハー!とテンションを上げていたら、放課後に大和田さんがまゆっちと一緒にやってきて、怒られました。
何で怒ってるのかわからずにアタフタしていると、大和田さんが涙目でこう言った。
「だって私のせいで怪我したって聞いて、心配したんだから……!」
どうやらケガ云々の事を学校で聞いて心配して来たら俺の頭に包帯が巻かれていて思っていた以上に大ケガだったのに驚いてしまったのに、その当の本人であるのにその事に全く頓着していない能天気な様子の俺を見て、安心を通り越して怒りを抱いたとか何とか。
……大和田さんを心配させてしまったのが申し訳なかった。個人的にはそこまでひどいケガという感覚はなかったのだが、よく考えたら頭部からの出血って大ケガだということに思い至って、少し反省した。今度こういう事があったら、こちらは無傷で相手をボコボコにするよう心がけよう。
で、反省しながらも自宅療養を命じられているから学校には行けないので、仕方なく、仕方なーく、自室に引き篭もってゲームをしていたのだが……
「お前ら何でいんの?」
トイレから戻ってきたら部屋にキャップを除いた風間ファミリーの男連中が屯っていた。というか勝手に俺のしてたRPGゲームを消して、スマッシュな兄弟の乱闘ゲーム(一番古いタイプの)を起動してた。……ちゃんとセーブしたんだろうな……?
「何でって……見舞いに決まってんだろ?」
「授業サボってまですることじゃねーだろ」
「いやいやもう放課後だよ! 時間感覚どうなってるのさ!?」
え? ……さっき昼飯食って、ゲームしてトイレ行って……ああ、もうそんなに時間経ってたのか。
「てかお前らだけ? 女子連中は?」
来ているのが大和たちだけなのが気になり、4Pコントローラーを手に取り操作キャラを選びながら訪ねる。つか部屋の主が最後ってどういう事だよ。
「姉さんはデート、ワン子とクリスは一緒に修行というか勝負してる。まゆっちは確か友達とどこかに行ってるらしい」
まゆっちは多分大和田さんとかな。他に友達できたって聞いてないし、フォロー的な何かをしてくれる事を期待しよう。
「あれ、京は?」
「京ならワン子とクリスのお目付け役、というか審判やってたよ」
「なら一番来そうなキャップはどうしたんだ?」
「ああ、キャップなら急に『何か東京バナ菜が食べたくなった』っつって見舞いの品代わりに買いに行ったぜ」
それお見舞いの品メインじゃなくね? つか夜までに帰ってくるのか?
「つーか女子連中の薄情さに全俺がショックなんだが」
「まあ姉さんとワン子はお前の様子は知ってるわけだし」
まあ姉貴やワン子にとってもここ実家だしなぁ。
「というか昨日の時点で皆お見舞い来てたから十夜が元気な事も十分知ってるわけだしね」
ファミリーの面々は昨日の昼休みに学校抜け出して来てたし…………さすがに真面目なクリスとか一年組のまゆっちは放課後に来たけど。
ちなみにゲン先輩も昨日の内にお見舞いに来てくれた。来たタイミングがちょうど大和田さんに怒られてる所だったのは申し訳なかったけど……
なおゲン先輩からもらったお見舞いの品の久寿餅はみんなで美味しくいただきました。
「てか見舞いに男しか来ねーって、十夜どんだけ女っ気ねーんだよ」
ガクトがどこか嬉しそうに、というか笑いながら言ってくる。普段の俺ならば「ガクトに言われたくない」とか言い返す所だが、今回は一味違う。
「おいおい、何言ってんだガクト? 昨日女友達が見舞いに来たっての」
「なん……だと……!?」
表情が驚愕に染まるガクト。自身と同類だと思っていた相手が実はそうではなかった。それを知った時の絶望に落ちるその表情。ついでにその隙をついてガクトのキャラをブッ飛ばし一機減らして追い打ち。
ああ、何という優越感ッ! これぞまさに愉悦ッ! ああ愉悦ッ!
「でもお前俺たち以外に友達その子しかいないだろ」
「ぐふっ!?」
予想外の方向からの指摘に胸を占めていた優越感が音を立てて崩れ去っていくのを感じた。ついでにこちらも一機減らされた。
「女が来ないとかじゃなくてそもそも人が来ないって、どういう事だよ」
「うるへー大和」
「それより唯一の友達が女ってどういうことだよ!? ちょっと羨ましいじゃねーか! てか普通にしてりゃ男友達なんて一人くらいできるだろうによ」
「それはお前の常識がおかしい」
「十夜の気持ちはわからなくもないけど、別にガクトがおかしいわけじゃないからね、それ」
何……だと……!? 普通にしてても男友達ができる気配が全くないんだが……
「てか女友達ぐらいガクトにも……あっ……」
「十夜テメェ、何勝手に納得してやがる、おい」
「でも事実ガクトに彼女以前に友達に女っ気がないのも事実だろ? そこから改善したらどうだ?」
俺がそれを言うと、ガクトは真面目な顔になって真面目に語りだした。
「実は俺様、なんで女が出来ないのか、真面目に考えてみたんだよ。で、俺様に足りない物があるって気付いたわけだ」
……さすがに語りだした内容までは真面目ではなかった。
「ガクトに女が出来ない理由は考えるまでもないけど……」
「で、何が足りないって気付いたんだ? 顔? 誠実さ? 魅力?」
「おいおい、どれも俺様には十分すぎるくらいあるだろ」
「ははっ、ぬかしおる」
――画面内で俺とガクトのキャラが無言で殴り合いを始めた。
「で、結局ガクトに足りないものってなんなのさ?」
モロが俺たちのキャラをまとめてブッ飛ばしながらガクトに話の続きを促したのでガクトが再び口を開いた。
「それはな…………危機感だ」
……………………
「……は?」
「むしろ危機感抱いて焦ってんじゃ……?」
「い、一応最後まで聞いてあげようよ」
俺たちが若干呆れながらもガクトの話の続きを聞く。
「俺様の周囲には彼女持ちのヤツがいねぇ。だからこそまだ大丈夫だって心のどこかで思ってんじゃないかってな」
心の中で大丈夫だって思っているのに、あのがっつき具合なのは色々とマズイ気がするんだが……
「で、その危機感はどう補充するのさ?」
「答えは単純だ。勝負事にすればいい」
……勝負事? つまり……どういう事だってばよ?
「つまりファミリー内で誰が一番最初に彼女が出来るか勝負しようってわけだ!」
……ガクトの発言に、思わず全員の操作キャラの動きが止まった。
「ひゃ、100%勝てない勝負を仕掛けてガクトに何のメリットが……?」
「勝てないって決め付けんじゃねーよ!」
言葉と共にガクトのキャラが突っ込んでくるが、それを軽く避けてダメージを与える。
「ていうかそんな勝負ヨンパチとでもしときなよ」
「いや、ヨンパチともしてるんだけどな。何というかヨンパチ相手じゃ危機感が出ねぇんだよ。さすがにアイツよりかは先にできんだろ」
「まあ……気持ちはわからなくもないが」
「正直五十歩百歩だと思うけどなぁ」
ガクトよりも彼女ができなさそうな男がいる、だと……!?
ガクトにそう思われてるだけならともかく、それを二人とも否定しないって……ヨンパチ、一体どんな人物なんだ……?
「てかこの面子だったら一番は間違いなく大和だろ。京いるし」
「京は友達だ」
頑なに認めようとしないとは……まあ考え方自体は正しいとは思うけど、京の身になって考えると、やっぱり京を応援したくなるよな……
「俺の事は置いておこう。で、ガクトは誰を狙ってるんだ?」
「とりあえず年上、最低でも同学年の女子だな。モモ先輩相手じゃ厳しいが……やっぱクリスとか矢場先輩辺りが……いや生徒会長も……」
とりあえず候補が複数人、それも節操なくいる時点でダメな気がする。
「それクリス以外はもう振られてなかった?」
てか既に玉砕済みだった。
「アカン……」
「まだクリスがいんだろーが!」
「お前ドイツ軍敵に回すつもりか?」
「万が一にもないだろうけど、上手くいったらいったで第三次世界大戦が起こりかねないしね」
「ガクトの筋肉でも銃弾は防げないだろうしな」
「うるせーな! つーかそういうお前らはどうなんだよ? 誰狙いだ? モロから言ってみ?」
「そこでこっち振るの!? ぼ、僕はいいよ。ていうか恋愛とかってさ、そうやって狙ってとかじゃなくて自然にそうなってるものだと思うし……」
「ふむ、モロの性格と性癖から考えると、おそらく仲の良い、髪が綺麗な女子だろうから……」
「か、勝手に人の性癖決め付けないでよ!」
だがモロの嗜好が髪の毛っていうのはファミリー内では知れ渡っていると思うんだが……
「じゃあ十夜は誰かいんのか?」
ガクトはモロへの追及をやめて、話題の矛先が俺に向けてきた。まあガクトとしては形式的に聞いてきただけだろうけど、一応きっちり答えておこう。
「いるよ。好きな人」
「え……えええぇぇ!?」
「なん……だと……!?」
驚きの声を上げるモロとガクトの二人。……あれ? 大和は驚いてない? つまり驚かなかった大和には気付かれてたって事……いや、やめよう。これは俺の勝手な考えにすぎない。動揺なんかする必要はない。
「……って十夜お前どうした? すげぇ汗だぞ」
「大丈夫だ。問題ない」
ど、動揺なんかまったくしていないぞ。うん。
「ま、まあ特に何かをするつもりはないけどな。これが本当に恋愛感情なのかも正直わからないし」
「つか誰なんだよ? てか俺様達の知ってるヤツか?」
「黙秘する。まあ少なくとも大和は知ってるだろうな」
「大和が知ってるヤツ……って範囲広すぎだろ! それじゃヒントにならねー!」
まあそういう意図で言ったし。そもそも俺がヒントを出す必要も理由もないわけだし。
「ていうか大和はあんまり驚いてないよね?」
「いや、まあ……予想できるし」
「ぶっ!?」
や、やはり気付かれて!? いや待て。もしかしたら大和は勘違いをしている可能性もまだ無きにしも非ずだ。
「そ、その予想が合ってるとは、か、限らないだろ?」
「いやいや動揺が隠しきれてないよ」
俺の反論を聞いて、大和が他の二人に聞こえないように俺に耳打ちをしてきた。
「……ワン子だろ?」
「ブフッ!?」
……コマンド入力ミスによって俺の操作キャラがステージから落ちていった。
「あ、やっぱそうか」
「ちちち違うね! 見当違いも甚だしいね!」
「吹き出しといてその言い訳はねーだろ」
「い、今のは吹き出したんじゃない! 氷の魔法を唱えただけだ!」
「言い訳無理ありすぎでしょ!」
……そう、俺の好きな人とは風間ファミリーのマスコットでもあるワン子こと川神一子である。
好きになったきっかけは……まあ、あれだ。引き篭もってた俺を外に連れ出してくれた事だ。どうしようもなく落ち込んで引き篭もっていた俺を、ワン子は外に連れ出そうとし、それを俺が拒絶しても諦めずに何度も何度も誘ってくれて、ついにはその明るい笑顔で外に連れ出してくれたのだ。まあ、惚れてもおかしくはないだろ?
その後は、まあ、夢に向かって一直線に向かっていけるその素直さや行動力にも惹かれた。外見もスタイルとかを除けば上位に入るし、というかあれはあれで魅力があるわけだから文句の付けようがない。
…………ま、告白とかする気は全くないんだけどな。
しかしこれ以上追及されて二人に知られるわけにはいかないので、話題の先を大和にずらす。
「そ、そういう大和はどうなんだ?」
「んー……そりゃ気になってる女子は何人かいるけどな」
「お? 大和もガクトみたくそういう方針とは意外な……」
「ほら見ろ! 大和もそうなんだから別に俺様がおかしいわけじゃねーだろ!」
「だからってガクトみたいに自分の気持ちが定まらないままアタックかけるっていうのもしたくないしな」
「ぐはっ!」
「ガクトも口だけでもこう言っとけば多少はマシに…………ならないか」
「言葉を繕っても行動を抑えなかったら意味ないしね」
「まあ、俺様は口だけの軟弱ボーイとは違うからな」
だからといってガッツキ過ぎなのは……まあその辺りもまたガクトらしさなのだろう。そう納得しておくことにした。どっちにしてもガクトに彼女はできるとか想像できん。
「あ、一応言っとくが、大和が京とくっ付いた場合、賭けは無効な」
「何を当たり前の事を」
「だから京は友達だって……」
「隙あり!」
「あ、おまっ!」
……まあ今はこうして仲間と一緒にバカやってるのも楽しいんだから、無理に彼女作ろうとか思わなくてもいいか。
<今回での十夜の戦果>
・【知り合い】や【友達】が見舞いに来た
⇒彼らの好感度が上がった ▽
・現在の友達数:1人
+ 風間ファミリー(9人+1体)
という事で仲間内での恋愛話で十夜の好きな女子がワン子であることが発覚しました。落ち込んでる時に可愛い女の子が自分の事を気にして明るく何度も来てくれればそりゃ落ちますよね……ね?
今回は展開が無理やりすぎた気もしますが、今後として早めに明示しておきたかったことなので無理を通させていただきました。
それにしても今回は戦果が……戦果が少ない……!w