【完結】電波系幼馴染と終末世界   作:鯨油

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彼、彼女らの事情

調査報告書

 

対象者名:小森 光(こもりひかり)

年齢:19

識別番号:8329828

国民等級:特級国民 

担当者:(閲覧制限)

 

1.概況

 

本報告書は、対象者との交渉プロトコル確立を目的とし、行動解析および心理状態の査定に基づき作成されたものである。

 

2.基礎情報

 

対象者名:小森 光(こもりひかり)

生年月日:2119年10月27日(19歳)

身体的特徴:身長157cm 体重:49kg 識別番号:8329828

 

3.生育歴

 

第二百三十培養管にて生成。培養過程においてメラニン色素産生の顕著な低下が確認された個体であるが、培養統括責任者〔閲覧制限〕の判断により、規定の適性基準外個体であるにも関わらず、選別対象より除外された経緯を有する。

 

学術面において、特に理系分野での優越的な学習スコアを示し、ギムナジウム第二学年在籍時(十七歳)に特例で中央技術・開発省第四十七研究棟第八ラボへ研修生として配属。その後、クレイドル計画の立案者として台頭し、第八ラボ主任研究官の職位を獲得。

 

4.性格特性、また対人関係

 

対象者は幼少期より卓越した認知能力を示す一方、自己中心性が顕著に認められ、他者の知見や見識に対する軽視傾向が観察される。この特性により、所属組織内における社会的孤立を惹起する要因となっており、特に中等学校在籍時において組織内軋轢を生起させる事態が発生。監視機構の早期介入により事態の重篤化は回避され、以後漸進的な改善傾向が確認されている。

 

状況に応じて事実とは異なる発言を行う傾向が高く、自身に不利益となる場面において特にその特徴が顕著である。

 

また、状況依存的な虚偽発言の傾向が認められ、特に自己の不利益が想定される場面において、その頻度の上昇が観察される。

過去には特定対象への顕著な依存傾向が観察されていたが、当該対象との接触断絶後、対象者より約一年間に渡り面談申請が提出されるも、当該他者より全件拒否の措置が取られている。この事態以降依存的傾向は減衰し、適応状態の改善が認められていた。

 

 

 

 

 

 

調査報告書

 

対象者名:周防海(すおう うみ)

年齢:19

識別番号:8329859

国民等級:二等国民 

担当者:(閲覧制限)

 

1.概況

 

本報告書は、対象者との対話プロトコルの策定、並びに小森光の行動変容予測に資することを目的として作成されたものである。

 

2.基礎情報

 

対象者名:周防 海(すおう うみ)

生年月日:2119年10月29日(19歳)

身体的特徴:身長179cm 体重72kg 識別番号:8329859

 

3.生育歴

 

第二百三十培養管より摘出。

幼年、初等学校共に、平均的な学習スコアを示す。中等学校進学後、学習スコアの上昇の認められるものの、ギムナジウムに進学後、学習スコアの顕著な低下が見られ、第二年においてスコア規定値を下回ったため、本科学校への転学措置が執られた。

本科学校を平均的な学習スコアで修了後、農耕区第十八バイオ燃料製造拠点の管理候補生として配属。

 

4.性格特性、また対人関係

 

対象者は本質的に誠実な性向を有し、諸活動において堅実な遂行特性が認められる。しかしながら、自己に対して過剰な要求水準を設定する傾向が観察され、特にギムナジウム在籍時においては、過度な学習行動による睡眠時間の著しい減少が確認され、身体機能の一時的な低下を招来している。

 

また、自己に対する評価が低い傾向が観察され、自身の能力および価値に対して持続的な否定的認知を示している。加えて、特定対象との関係性において軽度の依存的傾向が認められ、当該対象からの評価および言動に対して過敏な反応性を示す心理特性が確認されている。

 

これらの行動特性および心理的諸相から、基底的には安定した精神構造を保持しているものの、自己完全主義的傾向および自己同一性の確立において脆弱性を内包していることが示唆される。

 

 

 

 

捜査報告書

 

件名:小森光による電子計算機損壊等業務妨害罪及び不正アクセス禁止法違反事案

更新日: 2139年8月24日23:53

作成者:(閲覧制限)

 

1. 事件概要

 

2139年8月24日15:00、中央技術・開発省管轄の第四十七研究棟第八ラボにて、クレイドル計画最終調整実験が実施された。同計画責任者かつ第8ラボ主任研究官である小森光は先行してダイブを実行し、空間内観察および被験者生体モニタリングを遂行。しかしながら、実験終了予定時刻を超過後も対象のログアウトは確認されず。

 

同日20時34分、ダイブ中の小森光からと推定される犯行声明を受信。

当該声明において、自身の自死および計画妨害の意思が表明され、交渉役として周防海なる人物が指名された。同日20時58分、本事案は国家安全情報省へ移管され、捜査が開始。

 

2.容疑者プロフィール

 

(小森光の調査報告書が添付されている)

 

3.容疑者の分析

 

プロファイリング分析結果により、交渉役として指名された周防海を巻き込んだ心中の可能性が高いと判断される。

 

4.事案対応方針

 

現時点において、システムホスト権限は容疑者である小森光により掌握されており、外部からの観測は不可能な状態にある。

 

また、クレイドル計画の機能維持において小森光の専門能力は不可欠であり、容疑者の死亡は電脳空間の維持管理に重大な支障をきたすため、生存確保が最優先事項となる。

 

対応手順として、まず対話プロトコルを実装した交渉役、周防海の投入を実施する。ただし、交渉の成功確率は低いと予測される。

 

それを踏まえ、交渉不成立の場合に備え、国家安全情報局から選定する交渉エージェントの投入を第二段階として準備。

容疑者による侵入防御を考慮し、投入人員は必要最小限に制限することとする。

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