オーバーロードに野生のラスボスが現れたの竜王RPするプレイヤーが居る作品 作:野生の生蛇
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モモンガは攻撃力最高位の
三発の空間を切断する刃はザイトルクワエの太い六本の触手の内一つにあたり、半分程斬る事に成功する。
そしてそれだけHPも削れる。
反撃とばかりにザイトルクワエがモモンガに触手を振り落とすがそれはアルベドが弾く。
「HPはレイドボス級だが防御力は九十レベル程度か……」
これならばなんとかなりそうだ、とモモンガは一安心する。
百レベル級のレイドボスならば今の戦力では勝ちようがないが、九十レベルならばまだ勝ち目はある。
随所随所でモモンガが魔法を行使し、ザイトルクワエの攻撃を妨害する。
そういった戦闘が続く事五分。ザイトルクワエが再び腹の口を開け、種の攻撃をしようとした瞬間──暴風が吹き荒れる。
思わず身をよじる風だ。弱きモノならば吹き飛ばされてしまう風。
何処から風が、とモモンガは顔を向け──そこに居た者にあごの骨を外した。
「りゅ、竜王ラードゥン?!」
其処に居たのは黒竜の王だ。
全長百七十メートルという圧倒的な巨体。
首は十に別れ、それぞれが独立して動いている。
鋭いかぎ爪を持ち、巨体を支える翼ははためく。
圧倒的強者として君臨する竜の王が現れた。
「ふん。前倒したと思ったが、しぶとく生き残っていたか」
竜王の首の一つ、一番右の首が呟く。
竜王は依然ザイトルクワエを討伐しに動いたことがある。
トブの大森林を制圧する為に来た際、ここにいたピニスンに存在を教えられ、討伐したのだ。
「煩わしい。我らの手をそう何度も使わせるな」
たまたまラードゥンはワールドアイテムであるワールド・アイでトブの大森林を見ていたから気づけた事態だ。
でなければこんなにも早く竜王は来ない。
ラードゥンは竜都ヤマタノオロチに居たが飛行能力を持ってすれば十分もかけずに到達できる。
モモンガはアルベドを呼び、ラードゥンの射程から逃れるために転移魔法を使ってラードゥンの背後に転移する。
「ラードゥン──殿! そのモンスターは炎を吸収する!」
モモンガは取り合えず敬称を付けてラードゥンを呼ぶ。
その言葉に反応し、一番右の首が振り返る。
「そうか。では別の属性の
右から九番目の首が口を大きく開け、
放たれるのは黒色の
だがザイトルクワエも
六百メートルの触手からすればラードゥンの巨体も小さい物だ。もはやデカいのが多すぎてサイズ感がバグってくる。
ラードゥンはその爪と牙を以てして襲い掛かる触手を斬り伏せる。百レベルの竜ならば容易に可能だ。
「煩わしい!」
今度は右から八番目と六番目の首が口を開く。
放たれるのは闇と負属性の
二つの
(
だが、対処はまだしやすい。
ザイトルクワエのように巨体だと回避できないが、モモンガ程度のサイズならば転移魔法で避けれるし、
アルベドならば一時属性体制を得る
「さて、そこの仮面をつけた奴」
ラードゥンがくるりと空中で振り返り、モモンガに顔を向ける。
「トブの大森林を調査しに来た冒険者だな。来てくれて感謝する。元凶らしきモノは我らが討伐してしまったが、既定の報酬は出すから安心するがよい」
「それは……どうもありがとうございます」
モモンガは考える。不意に訪れた竜王との対話のチャンスだ。これを逃す手はない。
だが、何を以てして会話するか。それが問題だ。
不意の遭遇過ぎてまだ何も対策を考えていない。
「ところで、その強さを見るにプレイヤーか?」
不意にラードゥンの一番右の首がそんな言葉を口走った。
そのことにモモンガは疑問を抱いた。
(俺の事が分かっていない?)
モモンガの姿は有名だ。
普段使いするゴッズ装備一式を纏った姿はウィキにも乗る程に有名だ。あの姿こそがモモンガだ、と知られている。
装備品を目印にPKしに来る者は多数いる。その為にわざと装備品を変えて冒険に出ることは日常茶飯事だ。
これはちょっとまずいな、とモモンガは危惧する。まずは己の事を知ってもらわないと困る。
「その通り。私はプレイヤーです。ユグドラシルから来た者です。私の名はモモンガと申します。隣の者はアルベドというNPCです」
モモンガは丁寧に自己紹介をする。
「モモンガ? ふむ。どこぞで聞いた名だ。その装備品もよく見れば何処かで見た気が……」
「私の事は有名でしょう。ギルド、アインズ・ウール・ゴウンのギルドマスターです」
その言葉にラードゥンは納得がいった、と顔を明るくする。
「そうか、あのDQNギルドの! ──失礼。DQNというのは不適切だったな」
「いえ。お気になさらず。そう言われてもしょうがない事をしているので……ところで、少々話したい事があるのですが」
「ふむ。いや、ちょっと待て」「NPCが居るという事は──」「支配者足りうるな」「うむ。こちらも話したいことが出来た」
ラードゥンの首が幾つも話、モモンガは少々混乱する。お前ら全部の首に人格あるんかい、と。
面倒だな、とモモンガは更に危惧する。相手は一人、懐柔できるかもしれないと思っていたがまさかの十人だ。これは手こずすかもしれないと。
「我らもまた話したいことがある。我らの拠点であるヤマタノオロチにいずれ招待しよう」
「いえ。出来れば私のギルド拠点であるナザリック地下大墳墓に来ていただきたい。そこで詳細な話を──」
「ふむ。そうか。であればそちらに赴くとしよう。何時が良い?」
「……出来れば三日後が良いかと」
「わかった。では三日後にこのグローリーホールに訪れるとしよう。我らはまだ仕事があるのでこれで失礼する」
「そうですか。では、また三日後に」
「うむ。では!」
ラードゥンはそう言うと翼を広げ、空の彼方へと飛んでいった。
「……いきなりのエンカウントとは。疲れた」
「お疲れ様です。モモンガ様」
はぁ、とモモンガは疲労無効のはずなのにため息を吐いた。
これまでニートだったのですが就職したので投稿頻度クソほど落ちてます