異世界から持ち帰ってきた相棒をオタク沼に落とそうと思う(いせぬま) 作:ニキ/バハちゃん
1-1-O: アニメって大体オープニング前の掴みとして『これはほんの少しだけ少しだけ未来の話』 しがち
「ねぇアラン?」
少しずつ暖かくなってきた五月の某日。
何の変哲もないアパートの一室で、魔法で作った濡れない
視界の端の水槽では、
マイナスイオンを感じながら作業をする最中、ふと水の上に沈む少女から
「五条悟と両面宿儺と今のあんたなら誰が一番強いと思う?」
「いいかエミ、別作品キャラを持ち出しての強さ比較議論はこの世界じゃ禁忌とされているんだ」
「え!? 私達あんだけ向こうでされてたのに!?」
夜空の星を集めて編んだかのような銀髪、澄んだ青空のように晴れやかな碧眼──そして、日本語。
綺麗な声でつっこむ彼女の横には、今日一日で読んだコミックスが何十冊も積み上がっている。
……本当にハマったよなぁコイツ。読むのに夢中でお昼ご飯も食べないし、もうそろ十一時だぞ? 午後の。
「晩御飯は?」
「じゃあカップ麺!」
「サラダは作ったら?」
「食べる」
「まだ読む?」
「読み切る」
「あいよー」
──山のように重なる本、そのページの至る所からは付箋がはみ出している。
そこにメモされているのは『伏線』では無く、彼女が分からないだろう日本の『地名』や『常識』についてのみ。
全て、彼女が読む前に俺がメモして貼っておいた物だ。
今もこうして次の巻に分からなそうな語句が無いか、先に単行本の続きを読みながら潰してるけど、今日中に最終巻まで終わるんだろうかこれ?
「……明日から学校かぁ」
「ゴールデンウィークも終わりねー」
……しみじみと呟いてから、ふと気付く。
いや、エミも明日から学校じゃん。ゴールデンウィークが終わりなんだから。
休み中は別に夜更かししても見逃したけど、流石に今日はダメじゃね?
「電気消した後に布団の中でゲームするなよ?」
「…………」
「エミー?」
「心配なら一緒に寝れば?」
「自室で寝るわ」
「で、イヤホンどこだっけ?」
「エミー???」
──前略、異世界転送から現地の
鍛えた力で何かと戦うでも、魔法で荒稼ぎするでもなく。帰還してからそれなりに時間が経った今、
「あ、収益化通ってる」
「マジで!?」
お持ち帰りした相棒のアニメ初見反応動画を、顔出しで動画配信サイトに投稿していた。
用語:五条悟/両面宿儺
週刊少年ジャンプで連載していた『呪術廻戦』に登場する、戦闘力の天井となるキャラクター達
他作品を持ち出しての強さ比較はマジでやめようね!!!
この作品のあとがきはこのように、本文で説明していない"内容を知らなければ出た意味や因果の分からないインターネットミーム共"の翻訳に使われます。
インターネットの煮こごりのような小説ですね。