新・聖龍伝説 現政奉還記 序章 作:セイントドラゴン・レジェンド
国連総長にして新世代型二次元人の足正義輝が引き起こした現政奉還。
それにより混乱を極める各国・各異世界。そして混乱の波は聖龍隊の本拠地であるアニメタウンにまで!
それを受け、聖龍隊総長のバーンズは各異世界や己の地元、更には己が治める国に居る聖龍隊最高幹部 通称HEADを召集するのであった。
[乱れし世界 無垢と化す情勢]
2013年9月8日 15:00
国際連合総長 新世代型二次元人 足正義輝
己の全ての地位と権限を無に還し、一部の権威者達を蒸発させる。
世にこれを【現政奉還】と自称し、足正義輝は平和に至った世を再び数多の乱世に引き戻した。
そして現政奉還を世に促した本人 足正義輝は、己が起こした現政奉還によって各地・各異世界で行動を起こしていく者達の高まる熱気を感じつつ、白紙の巻物を手に世の全ての人々の芽生える意思に深く浸っていた。
「永に続く大平成る世、もはや熱は失われた……」
凛々しき顔立ち、そして全ての物事と時代を見据えるか如き力強い瞳を放つ将軍 義輝。
「
白紙の巻物を見据えていた義輝は、ふいに顔を上げ まるで世界中の猛者達に問い掛けるかの如く強く言い放った。
「熱き息吹たちよ! 己が欲する侭に時代を創れ!」
世はまさに 全ての国々と、全ての異世界が絡み合う
戦界時代の幕開けであった。
現政奉還、そして戦界時代の幕開けと同時に無秩序となり荒れていく世の中。
そんな中、聖龍隊本部では休まる事無くアラーム音が鳴り響いていた。
全てが聖龍隊本部に掛けられる緊急の電話や通信などのアラームであった。
「状況はどうだ!」「あ、総長!」
聖龍隊本部に戻ってきた総長バーンズが、鳴りっきりの電話の対応に必死になる隊士に声を掛ける。
隊士は途方にくれた様子でバーンズに伝える。
「どうもこうも……! さっきから電話が鳴りっ放しですよッ!」
バーンズが隊士から言伝されると、彼の後ろの戸から続々とバーンズと共に本部へと駈け付けたジュニアにアプリコット、そして副長のアッコが入ってくる。
「バーンズ!」「どうなってるんですか?」
「本部中、電話が鳴りっ放しで大騒ぎよッ」
騒然となる状況に慌てふためくジュニア、アプリ、アッコからの言葉にバーンズは目を大きく見開いて言い返した。
「オレだって今来たところだッ。何より状況も未だ把握し切れてないし……」
と、バーンズが話している最中にも鳴り出す電話に思わずバーンズ自身が出てしまう。
「あっ、はい、こちら聖龍隊本部……あ、バニラか? 何々、そっちの魔界で現政奉還による混乱が……!? わ、解った。こっちの隊の連中を借り出して対処させるから……あ、ちょっと待ってくれッ」
【シュガシュガルーン】の魔界新女王バニラ・ミューからの電話に対応しているバーンズだが、その最中に掛かってきた別に電話に急ぎ手を伸ばし受話器を反対の耳に押し当てる。
「はい、もしもしッ、こちら聖龍隊本部……って、ガッシュか!? なにッ、そっちの魔界で暴動!? ブラゴ達だけじゃ抑え切るのが難しい……解った、スグに増援を手配する。待っててくれ」
と【金色のガッシュ!!】の魔王ガッシュ・ベルとの通話を切ったバーンズは慌てて別の受話器を取る。
「はい此方……なにッ、
更に【マギ】の煌帝国からの電話に口元を歪ませるバーンズ。そんな彼に他の電話の対応をしていた女性隊員が涙目で話し掛けた。
「総長ッ! もう私達だけじゃ手に負えませんッ」
「ッ……」
鳴り響き続ける電話のコールに、もはや現場に居る者だけでは追い付けなくなっていた。
この状況に冷や汗を流し困惑するバーンズに、参謀長のジュニアが声を掛けた。
「バーンズ、どうする……ッ!」
訊ねられたバーンズはしばし考えると、睨み付けるようにジュニアに言い返した。
「…………ジュニア! 緊急だ、スグにHEADメンバーを招集しろ! 大至急ッ!!」
「わ、解った!」
ジュニアはそのまま駆け出し、急ぎ同士であり自分等と同じ聖龍隊最高幹部のHEADの面々に招集指令をしに行く。
その様子を目の当たりにしたアッコとアプリは、事態の重さと深刻さに圧迫される心境であった。
そして参謀長ジュニアの指令が、電信や隊員直接の伝令によって 各地・各異世界に点在している聖龍HEADの面々に伝えられていった。
[招集される聖龍隊最高幹部]
とある眩いほどの煌びやかな宮殿で。
「伝令、伝令ですッ!」
一人の聖龍隊男性隊士が宮殿の入り口まで走ってきた。
「何事ですの?」
隊士の大声に気づき、宮殿の中から対応するために一人の青い衣装を纏う青いショートヘアーの女性が出てきた。
駈け付けた隊士は急な様子でその女性に伝えた。
「緊急です! 聖龍隊総長より至急、HEADメンバーは本部に馳せ参じよとの指令ッ!」
「何ですって?」
隊士からの言伝に青い衣の女性が対応していると
「どうしたのです? マーキュリー」「え……あ、セレニティ」
宮殿から一人の輝く純白のドレスに身を纏った金髪ツインテールの女性が現れた。
「じ、実は……」
青い女性は純白の女性に事の全てを伝えた。
「……なるほど。バーンズが招集を……確かに、世界的大規模な混乱ですもの。私たちも即急に本部に向かわなければ」
すると純白の女性が青の女性に受け答えしていると、宮殿の奥から黒い紳士服の男性が歩いてきては女性らに声を掛ける。
「どうしたのだマーキュリー、それにうさぎ」
「あっ、まもちゃん」「エンディミオン……」
声を掛けてきた男性に青の女性と純白の女性は、聖龍隊からの伝令について話した。
それを聞いた男性は、厳しい表情で眼前の二人に伝えた。
「うむ、事情は解った。確かに先ほどの国連総長の公言で世界情勢が著しく乱れ始めたのは事実だしな……マーキュリー、今すぐ他のセーラー戦士を全員呼び集めてくれッ。皆が揃ったところで聖龍隊本部に出向くぞ」
「はいっ」
「あ~~あ、また聖龍隊の招集か……せっかく世の中、平和になったから ゆっくりできると思ったんだけどなぁ」
黒の男性の呼び掛けに対し、青の女性は力強く返事し、純白の女性はやや呆れたような表情でポツリと呟いた。
一方、此方はアニメタウンよりやや離れた郊外に位置する一軒家。
その家の縁側で黒い眼鏡を掛けた一人の中年男性が腰を下ろし、落ち着いた様子で朗らかな情状に浸っていた。
するとその時、室内から一人の金髪のロングヘアーの女性が男性に静かに声を掛ける。
「貴方、ちょっと……」「ん……なんだ、ハニー」
男は女性の声に反応し、ゆっくり顔を女性に向ける。
女性は静かに男性に話し始めた。
「実はね、貴方……聖龍隊の本部から、招集が……」
女性はそのまま男性に、何処か悲しげに全てを話し続けた。
「……そうか、バーンズから」「ええ……」
男性は事の全てを受け入れるかのように返事をし、女性の方は悲しげに呟いた。
そして男はゆっくりと立ち上がると、近くに立て掛けていた杖を右手に持ち、それを頼りに室内を歩き出した。
此方はアニメタウン内に在る友枝町という町。
この町内に在る一戸建ての家にも、聖龍隊本部からの伝令が伝えられていた。
「はぐはぐ……どうしたさくら? 何やらけったいな顔して」
熱々のたこ焼きを頬張りながら話す小さなヌイグルミのような生き物に対し、話し掛けられた女性は素で話し返した。
「うん、それがね……聖龍隊本部から、HEADとして呼び出されたの」
「なんや、またさくら達HEADにしか出来へん重要な任務でも聖龍隊に来たんか?」
女性からの返しに、ヌイグルミはたこ焼きを食べながら喋るのだった。
そして此処は同じアニメタウン内に在している【宇崎医院】という病院内で。
「はい、お疲れ様。ふぅ、やれやれ……やっと今日の診察が終わったよ」
院内で通院患者達の診察をしていた医師が一日の業務を終えて休もうとしたその時
「星夜ちょっと!」
「うわッ、なんだりりかか……どうしたんだ? まさか急患とか……」
突然駆け込んできた看護師に驚きつつも訊き返す医師。すると看護師は切羽詰った様子で医師に伝えた。
「それが……今、聖龍隊本部から招集が掛かって、HEADメンバー全員来いって」
「なんだ? それじゃりりか、お前もスグ本部に行かねえと……」
「で、でも……まだカルテの整理とかが……」
「そんなモン、俺が代わりにやって置くから早く行け。もしかしたら緊急の任務とか用件かも知れねえんだし」
「わ、解った……それじゃ、私はお先に」
「おうッ、行って来い! ナースエンジェル!」
話し終わると駆け出していく看護師に、医師は威勢よく後押しするかの如く言葉を掛けるのだった。
此処は聖龍隊の施設の一つ、サイバーテロやコンピューター関係の事件や任務を主に行っている、聖龍隊が所持する施設でも随一のハイテク施設。
その施設の内部、とある一室には人一人が寝そべられる型のカプセルが複数あるのだが、そのカプセルが開いて中から少年少女達がそれぞれカプセルの中から出てくる。
そして最後の三つのカプセルから、ウェーブの掛かった茶髪の女性、赤みが掛かった桃色のロングヘアーの女性、そして黒髪に左目の下に泣きぼくろのある女性達が出てきては、先にカプセルから出てきた少年少女たちに言った。
「さぁ、今日の訓練は此処までよ」
「みんな、今日の訓練で学んだ事をしっかり頭に叩き込んでおく事。良いわね」
『はい!』
茶髪の女性と黒髪の女性からの発言に威勢よく返事する少年少女ら。
すると其処に、一人の聖龍隊の隊士が駆け込んできた。
「失礼しますッ」「あら、どうしましたの?」
駆け込んできた隊士に訊ねるロングヘアーの女性。そして隊士は跪いた姿勢で三人の女性らに述べた。
「お忙しい中、失礼します。新人のSAO組とAW組への訓練の最中でしたので御声を掛けられず……緊急の指令です。すぐさまHEADメンバーである聖龍隊最高幹部は、至急本部に集合せよとの事!」
「えっ!?」
隊士からの言伝に驚く茶髪の女性。彼女とは対照的に黒髪の女性は落ち着いた様子で隊士とその場に居た少年少女たちに言い付けた。
「解ったわ、私達もスグ本部に向かいます。貴方は指令等がない場合は、いつも通りこの施設内での職務に当たる様に。あなた達も同じ、何か緊急の事態が起きない限りいつも通りの行動を取る事。但し、もし緊急の事態が起こったとしても慌てず冷静に対処する事、良いわねっ」
「い、委細承知しましたッ」『は、はいッ!』
女性からの言い付けに敬礼の姿勢で承諾する隊士。
聖龍隊の新人である【ソードアート・オンライン】のキリトこと
最後に隊士は女性達に敬礼をしながら申し上げる。
「お気を付けてッ、コレクターズの春日殿、如月殿、そして篠崎殿!」
そして三人の女性達は、スグに部屋から退室し本部へと足を進ませた。
此処はとある異世界
日差しが照らす庭園、その中央に在りし憩場に三人の女性の姿が在った。
と、其処に隊士が一人駈け付けてきた。
「おっ、御寛ぎの所、失礼します!」
駈け付けてきた隊士に何事かと顔を向ける三人の女性陣。
隊士は眼前の女性達に跪いて申し上げた。
「申し上げますッ、先ほど本部より緊急の招集……HEADメンバーは直ちに集合せよとの指令」
女性達は各々纏っている煌びやかな赤・青・緑のドレスを靡かせながら隊士に言葉を返す。
「解ったわ、直ちに私達も本部に向かいます」
一人の女性がそう言った次の瞬間、女性達の姿が一瞬でそれぞれが両手に白い手袋をはめ、輝かしい赤と青と緑の鎧を纏った姿に変貌した。
そして三人の鎧を纏った女性らは力強く歩みだし、聖龍隊本部へと向かうのだった。
広大な大地が白銀の雪景色に覆われる北海道。
その北海道に在る聖龍隊北海道支部、その十階辺りに備え付けられているヘリポートに一人の女性が降り立った。
ヘリポートに降り立った女性の背中、その銀の翼に大地を覆う雪で太陽光が乱反射し、女性の銀の翼がより一層眩く輝く。
と、そんな所に一人の隊士が女性の許に駈け付ける。
「しょ、将軍! ちせしょ……う、うわッ」
だが隊士は女性に向かって走っている最中、冷え切ったヘリポートに張り付いている氷に足を滑らせ派手に転倒してしまう。
「ちょ、ちょっと大丈夫?」
激しく転倒してしまう隊士に思わず声を掛ける女性に、隊士は強打した顔面を押さえつつ女性に話し返した。
「し、失礼しました……御見苦しい所を申し訳ありません、将軍」
「い、良いわよ謝らなくて……それと前から言っているでしょ、恥かしいから余り将軍って呼ばないでって……」
女性は謙遜しながらも隊士に話し続ける。
「前々から、せめて此処では支部長って呼んでって言ってるでしょ」
「は、はい……どうも申し訳ありません、はい」
「ふぅ……ところで、私になんか用でも有ったんじゃなくて?」
「は、はいッ。先ほどアニメタウンの聖龍隊本部から通達が! 至急、聖龍HEADは本部に集合せよとの事!」
「そう、解ったわ……では、私は自力で本部に向かいますので後の事は……」
「えッ? し、支部長自ら……! し、しかし態々……此方の施設内にあるヘリで直接本部の方に送れますが……」
「私は自力で行った方が早いのよ。それでは、後を宜しくね」
女性は一通り兵士と会話すると、再び背中に銀色の鋼の翼を生やしては、その翼で澄み切った北海道の青空に飛び上がり、自力で聖龍隊本部へと飛行していくのであった。
場所はガラリと変わり、此処は都内のとある喫茶店。
カフェであるが故に店内には心を落ち着かせてくれる調の曲が流れ、穏やかで和やかな雰囲気に満ち溢れていた。
そんな店内でウェイトレス達が床を清掃したり窓拭きをしたり、はたまた花が添えられた花瓶の水を取り替えたりと日常の業務に各々取り組んでいた。
と、そんな穏やかな空気が流れる店内に突然、電話の着信音が鳴り響いた。
「はい、もしもし。此方、カフェミュウミュウですが……」
店に居た白シャツで黒いエプロンを羽織った若い男性が電話を取り対応する。
そして一時電話を受けた男性が表情を険しくさせると、男は受話器を置いた。
「どうした? 赤坂」
店内に居た金髪の男が訊ねると、エプロン姿の男は険しい面差しを店の中に居た金髪の男性やウェイトレス達に向けた。
「?」そして顔を見つめてくるウェイトレス達に、エプロンの男は言った。
「聖龍隊本部から指令だ……聖龍HEAD至急集合との事だ。無論、ミュウミュウズも駈け付けよとの事だ」
『!』店内に居たウェイトレス達は、その言葉に愕然とした。
アニメタウン、その海域の深い海底でも
其処には見事なまでに立派な宮殿が聳え立っていたのだが、その宮殿内でも言伝が知らされていた。
「……というわけです。聖龍隊総長バーンズ殿から、御呼びが掛かりまして」
海底宮殿内で、一人の女性の人魚が玉座に座る金髪ツインテールのピンクの半漁姿の人魚に跪いて申していた。
人魚からの言伝を聞いたピンクの人魚、その隣には赤い煌びやかな剣士姿の男性の姿も見られた。
そしてピンクの人魚は口を開いた。
「承知しました。他の海域のマーメイド達には私から招集の事を伝えておきますので、あなた方この宮殿内のマーメイドらは念のため、この周辺海域の警戒を懸念しておいてください」
「はいっ、アクア・レジーナ様!」
人魚は玉座のピンクの人魚の言伝に対し、頭を下げたまま力強く返事をするとその場を後に去っていく。
玉座に座り静かに聖龍隊からの指令を聴いたピンクの人魚、そして玉座の隣で仁王立ちしている赤い剣士の男は、無言で互いの顔を見合わせ想い耽る。
此処はとある住宅街、その中の【桜田】という家の玄関に軍服姿の男が駆け込んできては、玄関の戸を叩いていた。
「すいません、すいません、すいません!」
何度も戸を叩きながら連呼する男の声に、玄関から一人の青年が出てきた。
「はいはい、聞こえてますからそう何度も叩かないで下さいよ」
しつこい連呼にうんざりしながら出てきた青年に、軍服の男は咄嗟に敬礼の構えで申し上げた。
「た、大変失礼しましたッ、桜田ジュン殿! そ、その……至急、ローゼンメイデンの皆々様に御報告したい言伝があるのです! し、失礼しますッ」
「ああ、ちょっと!」
男は青年に申すだけ申し上げると、青年の制止を振り切り家の中に上がり込んでは家屋の一室その戸を勢いよく開いた。
「失礼しますッ!」
男が部屋に飛び込んでは同時に言葉を告げると、部屋の中に居た者が男に言った。
「……何事なの? 今、私達は見ての通りティー・タイムの真っ最中なのよ」
椅子に座りティーカップを口に運びながら紅い服で金髪の少女が男に告げる。
「も、申し訳ありません……し、しかし何度も此方に通話したのですが、一向に回線が繋がらなく、それで……」
男が述べていると、紅い服の少女と共に紅茶を啜っていた先端がカールしている茶髪で緑の服、そして左目がエメラルドで右目がルビー色のオッド・アイの少女が男に答えた。
「それもその筈ですわ。優雅なティー・タイムは誰にも邪魔されず過ごすのが道理、通信機の電源は切っておりました」
「そ、そんなッ」
緑のオッド・アイの少女の言葉に衝撃を受ける男は愕然となった。
すると続いてシルクハットを被った赤に近い焦げ茶色の、前下がりのボブのショートカットのボーイッシュ系の少女が男に訊ねる。
「ところでさ。僕達のお茶会を濁してまで駆け込んできたのには、余程の事情があっての事だよね?」
訊ねられた男は慌てて答え返した。
「そ、そうです! 至急、聖龍隊本部に来てください! 総長からの緊急招集でありますッ!」
更に男はその場に土下座しては、お茶会を開いていた少女達に目線を合わせて申し上げた。
「速急に御出で下さいませ!
男は土下座しながら、部屋で茶会を開いていた五人の。正確には五体の人形達に申し上げるのだった。
[集結する聖龍隊の頭首 HEAD]
そして場は聖龍隊本部、その基地施設が内部に建造されているアニメタウン郊外の岩肌が剥き出しの山。
その山の頂上には、岩肌に直接設置されたヘリポートに背中に銀翼が見える女性が降り立った。
「御待ちしておりましたッ、ちせ殿!」
本部のヘリポートに降り立った女性に、待機していた隊士が敬礼をする。
女性は厳しい面持ちで、無言のまま聖龍隊の基地施設に入っていった。
そして聖龍隊本部、その施設内でも一際眩いほどの白い壁で囲まれているフロア、そして防音までも施された密閉した空間には、既に四人の人物達が待ち続けていた。
その白の空間に、先ほどへリポートに降り立った女性が入室してきた。
「よッ、久しぶりだな。ちせ」
既にフロアで待っていた四人の内の一人、バーンズ総長が声を掛ける。
「此方こそ。みんなも元気そうで何よりだわ」
愛らしい笑みで受け返す女性、彼女は聖龍隊北海道支部の支部長であれば同時に北海道の県将軍をも任せられている、かの最終兵器のちせであった。
「ちせさん、お久しぶり。支部長と県将軍の両方を任せられて、大変でしょう」
「アッコちゃん、久しぶり。そうね、中々気の休まる事がないわ」
微笑みながらちせに話し掛けるアッコに対し、ちせも彼女に微笑みで話し返す。
「……ところで。他のみんなはまだ来てないのね」
「ああ……と、言うが、お前がただ単に早いだけさ。まぁ、ちせは相変わらず自力でジェット機並みの速さで駈け付けられるからな」
フロアを見渡し、まだ自分以外が来てない事を指摘するちせに対し、バーンズは平然と答え返す。
と、バーンズとちせが話をしているその時
「た、只今来ました……っ」と挙動不審な態度でフロアに女性が入ってきた。
女性に参謀長のジュニアは穏やかな笑みで言付けた。
「はは、未だに聖龍隊の最高幹部としては慣れないんだね。木之本桜」
最高幹部という重責ある職務に未だ慣れない女性。魔力を秘めたカードを自在に扱える木之本桜、通称カードキャプター。
「お、遅れましたっ」
更に木之本桜に続いて、一人の白衣で金髪の緩やかな髪型の女性が駆け込んできた。
「おいおい……今も昔も変わらず遅刻が多いぜ、ナースエンジェル」
駆け込んできた白衣の女性ナースエンジェルに呆れ返すバーンズに、ナースエンジェルは息を切らしながら答えた。
「ご、ごめんなさい……車を飛ばして此処まで来たんだけど、現政奉還の混乱で道路が渋滞してて」
「……其処まで事態が深刻化しているって事だ」
ナースエンジェルの言葉に、現状が深刻なほど問題に成っている事を感じ表情を険しくさせる参謀長のジュニア。
と、更にその時、フロアに隊士が駈け付けてはその場に居たバーンズ達に敬礼の構えで申した。
「申し上げます! 只今、ネオ・トーキョーより統治者で有らせられるセーラームーンことネオ・クイーン・セレニティ陛下とエンディミオン殿下を筆頭にしたセーラー戦士御一行が本部に到着いたしましたッ!」
「よし、此処に通せ」
「はいッ」
隊士の言伝に答え返すバーンズ、それに対し隊士は威勢よく返事を交わした。
そして隊士達が刀を真上に向けて身構えた状態で通路の両端に並んでいる中、麗しい美女達が通路を堂々たる様子で突き進み、そしてフロアに入室する。
「良く来てくれたな。セーラームーン、タキシード……いや、今は双方ともネオ・トーキョーの輝かしき統治者で有らせられるネオ・クイーン・セレニティにエンディミオン殿下かな?」
「フ、いや……どうせ、この面子ではそんな肩書など無意味な間柄だろ、バーンズ」
「ふふふ、まもちゃんの言う通りよ。バーンズ」
バーンズからの発言に双方とも穏やかな微笑で話し返すエンディミオンとネオ・セレニティへと立場を変えた聖龍隊結成初期からの付き合いである元タキシード仮面とセーラームーン。
そんな優しい微笑みを浮かべる二人の背後には、同じく聖龍隊初期より付き合いを長くしているセーラー戦士達。マーキュリー、マーズ、ジュピター、ヴィーナスの内部戦士達。更に外部系の星を守護星とするウラヌス、ネプチューン、プルート、サターンの面々もネオ・セレニティやエンディミオンと同じく微笑を浮かべていた。
「お、遅れましたニャンっ」
と、そんな場の空気が穏やかに成っていた所に五人の女性と一人の騎士の姿をした男性が駆け込んできた。
「あら、ミュウミュウの皆さんもようやく来ましたね」
その場に駈け付けた面々を見て、アプリコットが口を開く。
駈け付けてきたピンクの猫耳姿の女性ミュウイチゴ、その隣の蒼い騎士の格好をしている蒼の騎士こと青山雅也、更に傍らの普段の髪形はシニヨン付きツインテールの青い髪で小顔で上品さを漂わせる端正な女性のミュウミント、緑の髪に緑の衣装を纏ったミュウレタス、パンクさせたセミロングを4つ三つ編みにしているレモンイエローの髪に黄色いつなぎ風の衣装のミュウプリン、ウエストまで伸びた長い明るい紫の後ろ髪に大胆な紫の衣装のミュウザクロ達東京ミュウミュウの面々。
そして五人のミュウミュウズと蒼の騎士がフロアに用意されている幹部用の椅子に腰を下ろすと、其処に赤い髪を靡かせながらレオタードに近い赤い衣装の女性がフロアに入ってきた。
「まだ、みんな揃ってないようね」
「ああ、まだ全員来てないぜ。ハニー」
フロアに来た赤い女性にバーンズは厳つい強面で返した。
女性の名は早見ハニー、旧姓如月の名を持つキューティーハニーに副長の加賀美あつこは声を掛ける。
「ハニーさん、青児さんの調子は如何ですか?」
「アッコちゃん……ええ、相変わらず目が見えなくてもウチの人は元気よ」
加賀美あつこからの問い掛けにハニーは微笑みながら返した。
すると再び隊士がフロアに駈け付けては、その場に居た面々に申し上げた。
「申し上げます! マーメイド・キングダムよりアクア・レジーナ御一行が本部に御到着いたしました!」
更に立て続けにもう一人の隊士が駈け付けては、続けて申し上げた。
「申し上げます。只今、異世界セフィーロより魔法騎士の方々が御着きに成りました!」
これに対しバーンズは「おお、なんだ。二組同時に着いたか」と平然と口に出した。
そして通路脇に並列する隊士達の中を、威風堂々と進みフロアに姿を見せる二組の一行。
マーメイド・キングダムより全ての海を統治する海の女神でアクア・レジーナことピンク真珠の人魚、
そのマーメイド・キングダムに続いてフロアに姿を見せたのは、異世界セフィーロでその世界の魔法を授けられたバーンズやアッコ達と同じく聖龍隊の古参でもある魔法騎士たち。赤い紅蓮の如き煌びやかな鎧に身を包む
「るちあ、海斗。それに波音、リナ。更にかれん、ノエル、ココ、星羅。全員よく来てくれたな」
「アクア・レジーナに成っても聖龍隊の一員として扱われるんだもん……参っちゃうわよね」
「全くだな」
バーンズから話し掛けられたマーメイド隊、その筆頭であり海の女神アクア・レジーナである七海るちあと堂本海斗は呆れながらもバーンズに答え返した。
「駈け付けてきてくれてありがとう。光、海、風」
「あはっ、ジュニア君もすっかり参謀長として板が着いてきたねッ」
「当然よ光。あれからもう十年以上は経っているんだもの……もう、かつての子供らしいジュニア君は昔の事ね」
「ふふ、それを言うなら此処にいる皆さんがそうじゃないですか」
招集によって駈け付けてきてくれた事に例を述べる参謀長のジュニアに光、海、風の三人は爽やかな笑顔で言葉を返した。
そしてHEADメンバーである最終兵器のちせ、カードキャプターの木之本桜、ナースエンジェル、セーラー隊、ミュウミュウ隊、キューティーハニー、マーメイド隊に三人の魔法騎士らが集まった所に、また三人の女性組がやって来た。
「遅れてごめんなさいっ」
「サイバー基地から此処までの道路が、豪く渋滞してまして……!」
「ひぃ~~っ、すっごく時間掛かっちゃったぁ」
遅れてきた事を謝罪する左目に泣きボクロのある黒髪の
「全く……まぁ、道路が渋滞して遅れたのはお前らが二組目だし、仕方ねえな」
更に参謀長のジュニアがコレクターズの三人に話し掛けた。
「お疲れ様コレクターズ。ところで新人のソードアード・オンライン組とアクセル・ワールド組の調子はどうだい?」
ジュニアからの質問に、コレクターズのコレクターユイにハルナそしてアイが答える。
「私から見たら、まぁまぁってところかしら」
「皆さん、まだお若いのに良く頑張っていますわ」
「これからの時代を担う新人らの特別監督官も楽じゃないわ」
と、ようやくコレクターズの三人が遅れてやって来たスグ後
「……今来たわ」と、何事もなく平然と最後の一行がフロアに来たのだ。
「おいおい、この面子の中じゃ一番最後だぜ。ローゼンメイデン」
最後尾で出向いて来た面々にバーンズが呆然と言葉を告げると、赤いドレスに長いツインテールの人形 真紅が無表情で答え返した。
「仕方ないでしょ。私達はティー・タイムの最中に突然呼び出しを食らわされたんだし、それに此方に出向く為の身支度やら何やらで時間取ったんだから」
悪気のない素振りで語る真紅に続き、シルクハットを被りニッカーボッカー風の半ズボンを着用している蒼星石がバーンズに言った。
「まったく、僕らの都合も考えてよね、バーンズ」
「緊急なんだからシャぁねえだろ」
蒼星石の発言に草臥れた様子で言い返すバーンズ。すると今度は、その蒼星石の姉妹である翠星石がバーンズに言った。
「まぁ、バーンズが総長に就任してから色んな意味でトラブルばっか起こっていましたし、翠星石はもう慣れましたですぅ」
「…………」
翠星石の発言に顔を渋らせて黙り込むバーンズ。
「まぁ、カナにとってはバーンズが総長でなくても、全然余裕ですし、何よりバーンズですもの。仕方ないかしら」
微笑みながら淡々と自身有り気に語る
「み、皆さん……バーンズさんが、総長が泣きそうですよぉ……もうこれ以上バーンズをイジメるのはやめようよ~~。せっかく、修司さんから期待を背負わされて新総長に任命されたばっかり何ですしぃ~~」
「ひ、雛苺……お前だけだよ。ローゼンで俺に優しく言ってくれるのは……グス……ッ」
ピンクで金髪カールの雛苺からの温かい言葉に、総長であるバーンズは思わず涙ぐんだ。
そして、遂に聖龍隊の最高幹部たち。
全聖龍隊の部隊に隊士達を従える総長のバーンズ・ウィングダムズ・キングズ。
聖龍隊№2の立場である副長の加賀美あつこ。
聖龍隊の全機密事項や個人情報の管理、そして諜報活動を賄う参謀長のジュニア・J・プラント。
そして上記の三人と同じく、聖龍隊に古くから在籍している古参達。
ネオ・トーキョーの統治者であるネオ・クイーン・セレニティことセーラームーン月野うさぎ。
そのセーラームーンの夫であるエンディミオンこと地場衛。
そして配下であれば同時に古くからの付き合いであるセーラーマーキュリー、セーラーマーズ、セーラージュピター、セーラーヴィーナスの内部系戦士に、セーラーウラヌス、セーラーネプチューン、セーラープルート、セーラーサターンのセーラー戦士達。
長き聖龍隊での戦いの中、両目とも今では失明してしまった夫の早見青児を支えながら一緒に暮らしている家内のハニー、旧姓如月の愛の戦士キューティーハニー。
現在は幼馴染の宇崎星夜が医院長を務める小さな病院で看護師として勤める白衣の天女ナースエンジェル。
多種多様な魔法のカードを自在に扱える通称カードキャプター木之本桜。
電脳世界つまりコンピューター等のバーチャルワールドで起きる様々な事件や問題を解決する三人組。コレクターユイこと春日結、コレクターハルナこと如月春菜、コレクターアイこと篠崎愛の三人から成るコレクターズ。
異世界セフィーロで魔法を授かって以降、聖龍隊と共に様々な試練を乗り越え、セフィーロにも滞在を許可されている獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の魔法騎士たち。
現在は北海道の聖龍隊支部の支部長を勤めながら、同時に北海道全域を守衛する役目を負う県将軍を遣わされている最終兵器ちせ。
兼ねてより交際していた参謀長のジュニアと婚約した水の妖精ウォーター・フェアリーことアプリコット。
そして2011年、度重なる世界の激動に対抗するため聖龍隊最高幹部に任命され昇進したメンバー。
ミュウイチゴこと
二人と同じ隊のミュウミントこと
全ての海を護り統治する海の女神アクア・レジーナの七海るちあ、彼女と婚約を果たしている堂本海斗。
そして七海るちあがアクア・レジーナとなる前から彼女と親しい間柄の
名のある人形造形師ローゼン氏より造り出された魂を持つ
赤い衣の真紅、双子の蒼星石と彗星石、緑の髪に黄色い衣の
五体の人形から連なるローゼンメイデン。
総勢39名の通称 聖龍HEADが遂に揃ったのだった。
[議論するHEAD達]
そして総勢39名の聖龍隊最高幹部HEADが一堂に集結し互いに顔を合わせた。
「……では、みんな席に着いてくれ」
総長バーンズの一声に、HEAD全員は各々最高幹部用の席に着いて行く。
「それじゃ始めようか…………新世代型二次元人、足正義輝が起こした現政奉還について」
「戦界創生……再び始まってしまった乱世の幕開け、か……」
総長バーンズと参謀長のジュニアが重く険しい面立ちで語り合っていると、其処にアプリコットが先ほど送られてきた情報を皆に読み上げながら話し始めた。
「既に各地で戦火……いいえ、災禍が巻き起こりつつある現状です」
アプリの話しを聞いたアッコは、何処か悲しげな素振りで言った。
「……また、戦いの火蓋が切られてしまったのね」
『………………』
アッコの悲しげな言葉に、セレニティやアクア・レジーナを始めとする女性メンバーまでも悲しげで居た堪れない表情を浮かべる。
そんな時、バーンズを始めとするHEADメンバーに、古参でもあるエンディミオンが厳つい強面で皆に言った。
「畏れずに言うならば……乱心ここに極まれり、かと俺は思うのだが」
エンディミオンに続いて堂本海斗が険しい面差しで語り始めた。
「己が気まぐれ一つで、容易くこの世を塗り替えられる……そんな妄想や野望を抱き始めた輩が、続々と各異世界で猛威を振るっているだろう……」
「まぁ、オレ達も形は色々と違えど……頂ってのはさぞや堪らなかったからな。そうだろ、みんな」
海斗の発言に対し自分らも様々な経緯とは言え頂に上り詰めた者としての意見を述べるバーンズの指摘に、その場の皆は厳つい顔で黙然となる。
そんな無言と化してしまう皆の前で、バーンズは徐に目頭を二指で摘む様にその箇所のツボを刺激しつつ語り続ける。
「しかし……ホントに参っちまうぜ。まさか国連の新総長に納まった将軍様が自ら争いの世を始めてしまうとは……」
これに対しジュニアは懸念に満ちた面持ちで話し出した。
「ようやく治まっていた三次元人の二次元人への懸念も、これで解消できると思った皮切りに……まさか再び新世代の二次元人が、直接的では無いとは言え争いを起こしてしまうとは……」
「これで帝と同じ新世代の二次元人達が、どのような風評を受けるか……私はそれが心配で成りません」
悲痛な面持ちで祈るように語るセレニティに続いて、獅堂光も物申した。
「せっかく二次元人が三次元人に認められて……それで国連総長にも使命されたっていうのに、これじゃまた……」
光は再び三次元側と二次元側の確執が深まる事に憤りを感じてた。
そんな中、コレクターユイが思わず言葉に出してしまった。
「トラブルばっか……これも、やっぱり血筋なのかな?」
だが、そんなユイの発言にバーンズが厳しく反論した。
「ユイ、それは禁句だ。新世代の、あの事実については聖龍HEADでも硬く禁句だっての……忘れたわけじゃ有るまい」
「新世代型の二次元人……彼らについての、あの事実は機密事項なんだから口を謹んで」
「あっ、そっか……ごめんなさい」
バーンズとジュニアから注意され、ユイは謝罪を述べる。
そんなユイの謝罪に続いてミュウイチゴが悲愴な面持ちで言った。
「けれど……彼ら、新世代の二次元人達が可愛そう」
ミュウイチゴに続いて真紅も言葉を発した。
「そうね。例のあの事実だけでも酷なのに、今度は同じ新世代……それも国連総長に任命された新世代が世界に戦火を広げさせる戦界創生なんて引き起こしちゃうとはね……」
各々が新世代型二次元人にして国連総長足正義輝が引き起こした乱世、戦界創生について語っていると聖龍隊古参メンバーであるキューティーハニーが語り始めた。
「……どちらにしろ……私達が今やらなければいけないのは、その国連総長が引き起こした乱世その戦火を一刻も早く鎮めなければ成らない事よ」
「そうだな……このまま戦界創生が続けば、それだけ多くの人が無意味に傷つくだけだ」
「
ハニーの意見に賛同するエンディミオンと蒼の騎士の二人。
そんな二人に続いて
「また二年前同様、亜細亜各地に戦火が広がるだけではなく……今度は全ての国、そして異世界にまで乱世の戦火が迫ろうとしている……!」
セーラーマーズも立て続けに険しい表情で物議を述べる。
「二年前に起こった亜細亜大戦、しかもその時日本は震災の被害で多大な損傷を受けていた真っ只中で……少しでも日本に戦禍が広がっていけば、それだけで当時の日本にとっては致命傷になってしまってたわよね」
マーズの話にプルートが話を付け加える。
「そうですわ。私たち聖龍隊が日本に戦禍が来るのを一歩のところで止められたから良かったものの……今度は亜細亜のみに非ず、国家に異世界にと戦火の手が迫る状況ですし……」
「二年前に起こった乱世より、遥かに規模が拡大してしまっていますわ」
険しい表情でいつもは穏やかな鳳凰寺風も意見を述べる。
「それでも……私達の手で、少しでも大勢の人々を救済していかなければ成りませんわ……!」
力強い口調でナースエンジェルも皆に自分の意思を伝える。
「私達は私達で行動するべきです!」
自分達、聖龍隊も行動に移るべきだと主張する木之本桜に対し、総長のバーンズは先ほどから腕を組み黙り込んでしまってた。
「……………………」
「バーンズ、どうするの……?」
黙然と口を噤むバーンズにアッコが問い掛けると、バーンズはしばし考え込んでいたのを止めてHEADの同士達に告げた。
「みんな……!」『…………』
HEAD一同はバーンズに顔と意識を向けた。そして総長バーンズは皆に己が意思を言い伝えた。
「みんなも分かっていると思うが……オレたちはやっと自分が、己が望む世の中を築き出せてた」
『…………』
「だが、現実は簡単なモンじゃねえ。オレたち二次元人と、オレらを生み出した三次元人との溝は未だ埋まらない合点が多いのが実状……」
『……』
「オレも、お前らも……そして修司自身が望んでいた未来が、この現政奉還で遠ざかるか……はたまた近いモノへと成り得るか! 二つに一つだけの未来しか先にはねえ」
「バーンズ……!」『……!』
総長バーンズの力強い発言に、副長のアッコや一同は息を呑んだ。
そして 一人の武人は皆を眼前に言い放った。
「みんな! 国連総長にして全ての世の帝とも言われる将軍の御言葉だ……! オレは、いや……オレ達は自分自身の意思で未来を勝ち取る! そして築き上げて見せるのさ……オレが、いや修司や此処にいるみんなが願ってやまない世を創ってやるのよッ!」
『!!』
バーンズの発言にその場の皆が驚愕した。更に彼は力強く淡々と語り続けた。
「そうだ……オレや修司、そして聖龍隊の誰もが想い願った世を……どんな存在にも脅かされねえ、心ある全ての者が上を向いて生きていられる世を……唯一の世をオレが創り上げる! そう……あいつが叶えられなかった世を、あいつから強き意志を受け継いだオレ達が成し遂げてみせるのよッ!!」
そう言ってバーンズはフロアの一角その上方に眼を向けた。
バーンズに続いて一同もその方角に顔を向けて、バーンズと同じ視線を得る。
その視線の先にある物、それは前聖龍隊総長 小田原修司の写真を飾っている額縁であった。
皆誰もが思った。
かつて世間から弾かれた存在、小田原修司は己と同じく世間より弾かれてしまった者の多くも聖龍隊に加えていった事を。
そして聖龍隊を引き連れていくHEADと共に思い描いた一つの思想 それは全ての心あるものが種族を問わずに共存できる世を築く事であった。
その思想と鬼神の如き強い意思を受け継いだ聖龍隊と組織を束ねる最高幹部HEAD。
新総長のバーンズは、国連総長が引き起こした現政奉還。それによって巻き起こった戦界創生にて、自分たち聖龍隊の思想であった世の中をも築いていける可能性を皆に示した。
そんな熱く語るバーンズに、セーラーウラヌスとネプチューンが物申した。
「確かに、国連総長が自分の口から現政奉還を告げた訳だけど……その前に、戦界創生による乱世で巻き起こった戦禍から各地の人々を救済していく事が先決じゃないのかい?」
「ウラヌスの言う通りよバーンズ。世界は酷く混乱の状況下へと陥ってしまった訳なんだし、私達が先ずやるべき事は戦禍の魔の手から人々を護る事じゃ……」
二人の申し出にバーンズは力強く返答した。
「無論、戦禍から人々を救済していく活動も抜かりなく行っていく積もりだ! しかしだ諸君、戦界創生の発端である現政奉還……それを引き起こした張本人、足正義輝をそのままにしていたら、それこそ乱世は治まらない!」
「ま、まさかバーンズ……君は将軍に……!」
バーンズの言動に、ジュニアが彼の真意を悟り異議を申し立てようとする。だがそれに対しバーンズは強い口調で言い返した。
「もちろん、全ての国家そして全ての異世界を治める将軍相手に、このまま真正面からぶつかって行くほどオレは愚かじゃない。先ず聖龍隊の現状を整えていかねえと……」
『…………』
バーンズの思考に言葉を失くす一同、彼らを前にバーンズは態度を変える事無く己が考えを述べ続ける。
「……何れにしろ、この乱世の終着には自ずと将軍自身が登場するかも知れないんだ。相手は文武両道、別名剣帝将軍とも呼ばれる武人だかんな……気を引き締めていかねえと」
そしてバーンズは、自身の言動で静まり返っている一堂に激励の如き言葉を掛けた。
「……安心しろッ。オレにはオレの考えがある……確かにオレは、未だ世界の重鎮達から修司と見比べられて聖龍隊の質そのものが劣化していると言われてしまっている。……だがな、オレにはオレの考えがある意志がある。修司は修司、オレはオレ。オレは自分の意志で聖龍隊を、そして皆を引き連れながら共に激動の乱世を生き抜いていこうと硬く心に決めている!」
最後にバーンズは、聖龍隊最高幹部HEADの面々に威風堂々と言い切った。
「現政奉還、そして戦界創生によって生じた全ての国家と異世界の歪はオレ達が正す……! それこそ鬼神の名を持つ武人より受け継いだ……聖龍隊の意志そのものよッ!!」
HEAD一同が総長であるバーンズの力強く揮う熱弁に目を奪われていた、その時。
「た、大変でございますッ!」
一人の隊士が議論を醸し出しているHEADの場へと駆け込んできた。
「どうした? 何事だ!」
駆け込んできた隊士にバーンズが問うと、隊士は血相を変えて最高幹部であるHEAD達に申し上げた。
「はい……現在、アニメタウンの街中にて鎮まっていた
「何だとッ!?」『!』
隊士の伝えに総長のバーンズも他のHEAD達も只ならぬ形相に一変する。
「バーンズ……!」
副長のアッコは指示を促すかの様に、バーンズに鋭い目付きを向ける。
そして総長のバーンズは、その場の皆を始め聖龍隊全域に向けて命じた。
「聖龍隊! 先ずは総力を挙げてアニメタウン内で起こった悪役の暴動を止めるぞ!!」
『ハッ!』
総長バーンズの命に、HEAD一同が強く同意を返した。
かくして、最高幹部HEADを先頭にした聖龍隊は アニメタウン内で起こった暴動の抑制に移るのであった。
[暴動! 群集VS聖龍隊]
アニメタウン都内では無数の群集が暴徒と化し、オフィス街や住宅街が大騒動と成っていた。
暴徒達は、道路に点在している車のガラスを割り、店内や住宅から金品等を強奪したりとヤりたい放題であった。
HEADを先頭にした聖龍隊が現場に駈け付けると、その光景は悲惨なもので目を覆いたくなる程の暴挙だった。
「こ、こいつはヒデぇ……」
総長バーンズは街中の各所で暴れ回る暴徒達の横暴に愕然となった。
「聖龍隊! 暴徒共を制圧せよッ、時と場合によっては悪役として処分しても構わん!」
バーンズは全聖龍隊の隊士たちに指示を告げ、そして自分らHEADも暴動鎮圧に乗り出して行くのであった。
『ウワーーーーッ!』『ウオオーーーーッ!』
暴徒達は破壊に略奪と、手当たり次第に暴れ猛威を奮い続ける。
「やめんかッ」
そんな群集に総長バーンズが跳び蹴りを喰らわせる。
しかし暴徒達の暴動は治まる事無く、そのまま事態を鎮圧しに来た聖龍隊と激突した。
「掛かれーーッ!」
指揮官に当たる隊士が他の隊士に指揮すると、群集と軍勢が一斉に衝突した。
「グオーーーーッ!」「ギャアアーーーーッ!」
群集は奇声を上げながら鎮圧してくる聖龍隊と幾度となく激突を繰り返す。
「はいっ」「ウギャッ」
そんな混乱の状況下でも、聖龍隊の面々は必死に暴動達に抵抗していった。
次第に暴徒達はその激情の矛先を聖龍隊に向け始め、完全に暴徒による群集と聖龍隊による戦闘が始まってしまった。
内乱から内戦へと豹変する現状を前に戸惑い始める聖龍隊の新メンバーの姿も在った。
そんな最中、一人の暴徒がそんな立ち往生している新メンバーの一人であるしてしまうアスナこと
「きゃあっ!」「アスナ!」
悲鳴を上げるアスナ、そして彼女の危機に思わず声を上げる恋人のキリトこと
その時だった。一発の弾丸がアスナに鉄パイプを振り下ろそうとしていた暴徒の額に着弾し、暴徒はその一発で絶命した。
間一髪で難を逃れたアスナは目の前で倒れた暴徒の亡骸を前に呆然と座り込んでしまっていた。
「アスナ、大丈夫か?」
そんなアスナを心配し駆け寄るキリト、すると二人の目の前に一人のスタイルの良い女性が現れた。
頭部に黒と灰色の中間のような色合いのヘルメット、ボディには腕から脚全てを包み込んでいる機動性に優れたヘルメットと同色のアーマーを装着しており、特徴的なのはヘルメットの正面とアーマーの胸部の二箇所に青いガラスのような球体が嵌められている独特の戦闘アーマーに身を纏う、茶髪のはねっ毛のボーイッシュ系の女性だった。
女性は座り込むアスナと、彼女を心配し駆け寄ってきたキリトの二人に言い放つ。
「二人ともっ、街は今や完全に戦場と化してしまっているのよっ! ボヤッとしてないでしっかり戦わなさい! 自分の身を護れるのは自分自身なのよ!」
「は、はい……」
「わ、分かりました……ミラール総部隊長」
アスナとキリトは唖然としながらも自分らの直属の上官でもあるミラール総部隊長に返事した。
更にミラール総部隊長は、自身が任されている総合部隊スター・ルーキーズの面々に対し的確な指示を告げながら内戦の中を駆け回る。
「リクオ! 貴方達ぬらりひょん組は向こう側から回って悪役達を排除していって! ツナ、貴方たちのリボーン組は暴徒達の真正面から総攻撃を仕掛けて! 連係プレーで一気に暴徒と化した悪役達を処分するわよ!」
「ああ!」「うん、解った」
上官であるミラールからの指示に、スター・ルーキーズ配属の【ぬらりひょんの孫】の
「はあぁッ!」
同じ頃、最高幹部でもあるHEADのメンバー達も必死に暴徒と立ち向かっており、奮戦する最高幹部の一人でもあるセーラーヴィーナスに隊士の一人が声を掛ける。
「ヴィーナス殿……いくらセレニティ殿の影武者とは言え、御無理は為さらず……!」
「ふふ……ありがとう、心配してくれて」
気遣いの言葉を掛けた隊士に、ヴィーナスは返事をしつつ礼の意味合いでウィンクを放った。
そしてヴィーナスと同じ最高幹部の立場であるバーンズらも懸命に戦っていた。
「お前らッ、アッコ達に良い所見せてやんな」
「合点、承知のすけッ」
総長バーンズからの激励の言葉に、隊士たちは威勢よく返事を発する。
「いやお見事! いつ見ても鮮やかな手付きですなぁ」
「ふふ……褒めたって、給料は上げられないよ」
鮮やかで見事な戦い振りを賞賛する隊士に、賞賛された側のジュニアは微笑みながら言い返した。
「みんな! 無理しちゃいけないわっ、何かあったらスグに休んで!」
「わっかりましたッ」
副長のアッコからの御言葉に、隊士は心から嬉しく想うのであった。
「みんな行くわよ……! それっ」『はいっ!」
セーラーマーキュリーの掛け声を皮切りに、水系の能力が使えるHEADメンバーが巨大な水の波を発生させては暴徒達に向かって放った。
暴徒らは皆、巨大な波に呑まれ一気に鎮圧されてしまった。
だが暴徒達の内乱行為はまだ続く。
「そりゃそりゃそりゃッ」
総部隊長の一人でもあるミラールは持ち前の二丁拳銃で次々に暴徒である悪役達を倒していく。
「ストロング
聖龍隊二番目に結成された総合部隊ニュー・スターズの総部隊長でアメリカ出身の元バウンディハンター、フロートも自身の改造を施した肉体で次々に周囲の暴徒達を薙ぎ倒していく。
「きゃあっ」と、そんな混戦状態の中、スター・ルーキーズに配属された新人の
「なぎさ!」「なぎさちゃんっ」
同じ隊のメンバーである美樹さやかと巴マミが転倒したなぎさに声を掛ける。
そんな年少でもあるなぎさに、暴徒は武器を持って近寄ってきた。
「……っ!」
涙目で怯え始めてしまうなぎさ、まさに絶体絶命であった。
と、そんななぎさの前に颯爽と現れる
「なぎさちゃん、大丈夫か?」「じゅ、順一さん……」
声を掛けてくるその青年になぎさはか細い声で呟いた。
聖龍隊総合部隊スター・コマンドー総部隊長、村田順一であった。
順一は迫りくる暴徒達に向けて、己の拳を一気に突き出した。
「ふんッ」
荒い鼻息と共に繰り出された拳の一突きは、眼前の暴徒達を襲う衝撃波となり瞬く間に暴徒達は倒れていった。
「…………」
拳の一突きだけで暴徒の集団を一掃してしまった順一の実力に唖然と表情を固めてしまうなぎさに、当の順一は手を差し伸べた。
「大丈夫かい」「う、うん……ありがとなのです」
なぎさは順一の手を掴み、そして立ち上がらせてもらった。この時、順一の手から滲み出る言い様のない温もりをなぎさは心の底から感じ得ていた。
そして順一は、なぎさを立ち上がらせると甲冑の胸と背中に彫られた
更にマギカ隊の面子と同様に始めての実践に戸惑っている【アクセル・ワールド】組の前に、完全武装した一人の初老の男が戦前に立ちながらその場の面々に言い放った。
「オラオラお前ら! ビビッてんじゃねえぞオイッ! 突撃あるのみだーーッ!!」
そんな単身で攻め込んでいく男を目の当たりにした【アクセル・ワールド】の面々は唖然としながら言葉を零した。
「い、いつもながら無謀だよな……ウェルズ隊長……」
【アクセル・ワールド】の新人達が唖然とする中、聖龍突撃決死隊隊長のウェルズは猛然と戦い続けるのであった。
こうして、聖龍隊の奮闘によりアニメタウン内で暴挙に乗り出した悪役による暴動は次第に鎮火されていった。
[沖合いに現れた義賊]
アニメタウンの街中で突如暴れ周り、破壊や略奪といった暴挙に乗り出した暴徒達の鎮圧がようやく聖龍隊の各隊士の活躍により治まっていった。
「ふぅ~~、やっと暴動していた悪役達を全員処分できたわね」
「……そうだね」
暴徒と成り果てた悪役達を異常と見なし処分していった聖龍隊。そんな処分していった無数の悪役達の屍の山の前で一息を入れるミラールに対し、その隣で順一は悪役達の屍の山を見据えながら何処か虚しさが感じられる風貌を醸し出していた。
「アウッ、ま~~さか現政奉還で此処までの暴動が起きるとは……この先が思いやられるぜ」
激しい戦闘を終え、己の逞しくも改造された肉体を準備運動で解していくフロート。彼と同様、久々の戦闘だったのか【ソウルイーター】や【金剛番長】らのキャラクター達も一息入れていた。
「……ふぅ、やっと全部片付いたな」
「そうだね……はぁ」
同じく暴徒達との一戦を終えて一息入れるバーンズにジュニア。
「はい、もうすぐナースエンジェルの所に着きますから、それまでの辛抱ですよ」
「うぐ……か、かたじけない」
負傷した隊士を肩で担いで少しずつ移動させていくウォーター・フェアリー。
「い、イテテて……」
「ほら動かないで……もうすぐで終わりますからね」
内戦の最中、怪我を負った隊士の治療をナースエンジェルが処置をしていく。
「それにしても、酷い有様ね」
「そうね。車も町も破壊しつくされているわ……」
町の惨状を見渡して溜息を衝く様に話し合うマーズとマーキュリー。
「修復には、豪く時間が掛かるだろうな」
「そうね……それにしても、なんて惨い光景なんでしょう」
破壊しつくされた街並みを見渡すエンディミオンの横で、眼の前の惨状に悲愴な心境に駆られるセーラームーン。
「青児さん! 大丈夫だった?」
「ハニーか……ああ、なんとかな」
夫である青児に駆け寄るキューティーハニーに、盲人の青児は刀で斬り倒していった悪役達の血に塗れた状態で返事した。
「もう暴動は完全に治まったみたいだね」
「そうね……暴徒の全ては聖龍隊に攻撃の手を向けてきたから、全員が揃って私達に倒されたと見て相違無いわね」
空から暴徒の残党が居ない事を確認した、さくらとちせが地上に降り立つ。
「みんな、大事無かった?」
「は、はい……なんとか……」
「まぁ、現実世界での戦闘はサイバーワールドや電脳空間とは勝手が違うからね。最初は戸惑っても仕方ないわよ」
「ふふ……なんだか昔の私達を見ているみたいですわね」
新人であり全員スター・ルーキーズの配属隊士でもある【ソードアード・オンライン】組や【アクセル・ワールド】組の面々を気遣うコレクターズの三人。
「みんな良く頑張ったねっ」
「いつも通りとは言え、あなた達の活躍は凄まじい程よ」
「どちらにしろ、今回も皆さん無事で何よりでしたわ」
「い、いや……」
魔法騎士の光・海・風に賞賛の言葉を掛けられ、頬を赤くして照れ出すスター・コマンドーの隊士達である【おとぎ銃士赤ずきん】の赤ずきんに白雪、そしていばらの三人。
「みんな大丈夫ニャ?」「うわぁ~~、生傷だらけじゃないの」
「スグにナースエンジェルの下で治療してもらいなさい。女の子が傷だらけだなんて痛々しいわ」
『ハァ……』
生傷だらけの手足を見てミュウイチゴとミュウアクアらミュウミュウズに言われてしまう【魔法少女まどか☆マギカ】の面々に対しミュウザクロが治療を勧めると、マギカ隊の一同は揃って溜息で返事をした。
「戦界創生……戦う事で新たな世を創り出す、か。この先も乱闘ばかりが続いちまうのかな」
「そんな……!」
婚約者の海斗が思わず口に出した言葉に、悲痛な心境になる七海るちあ。
「現政奉還……この世全ての地位や権威ある立場が全く意味を為さなくなる政。いったい将軍は何を考えてこんな事を」
『…………』
真紅の言葉の重みを一心に感じるローゼンメイデンの面々は、返す言葉が無かった。
ふと、暴動鎮圧が完了し辺りが落ち着いて来たという現状で、ミラーガールの目にとある人物の姿が入った。
その者の何処か悲しげな雰囲気を察し、ミラーガールが静かにその者に歩み寄っては声を掛けてみる。
「順一君……?」「ッ……アッコさん」
声を掛けられた人物、村田順一は自分に声を掛けて来たミラーガールに気付く。
「どうしたの? 何処か怪我でもした」「いえ……」
ミラーガールが再び順一に声を掛けると、彼は思い詰めた険しい面持ちのままその場を去って行ってしまった。
只ならぬ順一の様子にミラーガールは彼が見詰めていた先に視線を向けてみた。すると其処には、先程の鎮圧で処分された夥しい程の
その悍ましい程の光景に、ミラーガールは胸が痛め付けられると同時に村田順一の辛い心情を察する。
一方の順一は一人、険しく何処か決意に満ちた表情で荒んだ暴動の跡地を突き進むのだった。
そんな時だった。
「伝令! 伝令でございますッ!」
「どうした! 何事だ!?」
突如叫びながら駆け寄ってくる隊士に訊ねるバーンズ。すると隊士はバーンズに跪いて言い伝えた。
「申し上げます、先ほど海岸を警備していた同士から緊急の通達……どうやら沖合いに所属不明の船影有りとの事」
「なにッ?」
隊士からの伝令を聞いたバーンズは、迷う事無く上空に飛び上がり、そのまま高所の空中に停止したまま命じた。
「チップバード。いつもの如く、アレに」
「ホイっ、王子」
バーンズに命じられた彼の直属の部下であり、同時にバーンズたち超獣族が遺した技術の粋を結集させて作り出した液体金属で体を構成させているコインの様に小さな鋼の板状の鳥チップバードは、瞬く間に自身を望遠鏡に変化させてバーンズの手元に渡らせる。
バーンズはチップバードが変化した望遠鏡で遠方のアニメタウン沖合いを遠視してみた。
「バーンズ! なにか見える?」
地上ではアッコが上空のバーンズに問い掛ける。
そしてバーンズは目を凝らして望遠鏡で見た沖合い、その海上で停泊している殆どを木造で造った大型船を遠視し続ける。
望遠鏡越しに目視した巨大な木造船、その中央に聳え立つマストの天辺に視線を移していく。
「…………んッ、あれは……!」
バーンズは自分の目に飛び込んできたソレに、目が飛び出るほど驚いた。
「どうしたのバーンズ?」
再度アッコが訊ねると、バーンズは地上に居るHEADや聖龍隊の隊士達に言い放った。
「あ……赤塚組だ!!」
「え……!?」
困惑する皆々に、バーンズは今一度言い放った。
「赤塚組が来たぞッ! いいや、帰ってきたと言った方が正しい! セブンズ・ガードの赤塚組が来やがったッ!!」
次回、聖龍隊のHEADと新メンバーを引き連れたスター・ルーキーズが赤塚組と激突する!
[今回の小説登場キャラ紹介]
聖龍隊最高幹部 通称HEAD
HEADつまり聖龍隊の頭とも呼ぶべき幹部集であり、総長のバーンズ 副長のアッコ、そして参謀長のジュニアを筆頭に機能している。
そのメンバーの中には王族や神として君臨している者までも居るが、基本的に聖龍隊内での彼等HEADとしての立場は同調されている。
前回紹介したアプリコットもHEADの一員である。
ネオ・クイーン・セレニティ 本名:月野うさぎ
夫であるエンディミオン(地場衛)と共にネオ・トーキョーを統治している。
そして配下であれば同時に古くからの付き合いであるセーラーマーキュリー、セーラーマーズ、セーラージュピター、セーラーヴィーナスの内部系戦士に、セーラーウラヌス、セーラーネプチューン、セーラープルート、セーラーサターンのセーラー戦士達を引き連れたセーラー隊という隊の隊長も聖龍隊では務めている。
【登場作品:美少女戦士セーラームーン】
キューティーハニー 本名:早見ハニー
長き聖龍隊での戦いの中、両目とも今では失明してしまった夫の早見青児を支えながら一緒に暮らしている。旧姓如月。
【登場作品:キューティーハニーF】
ナースエンジェル 本名:森谷りりか
現在は幼馴染の宇崎星夜が医院長を務める小さな病院に勤めている看護師でもあり、聖龍隊内では主に怪我をした隊士の治療を行っている。
【登場作品:ナースエンジェルりりかSOS】
カードキャプター 本名:木之本桜
多種多様な魔法のカードを自在に扱える通称カードキャプター。
現在、意中の関係であった香港出身の李・小狼とは婚約している。当の小狼本人は聖龍隊の香港支部に在籍中。
【登場作品:カードキャプターさくら】
コレクターズ
電脳世界つまりコンピューター等のバーチャルワールドで起きる様々な事件や問題を解決する三人組から成る隊。コレクターユイこと春日結、コレクターハルナこと如月春菜、コレクターアイこと篠崎愛である。
【登場作品:コレクターユイ】
魔法騎士
異世界セフィーロで魔法を授かって以降、聖龍隊と共に様々な試練を乗り越え、セフィーロにも滞在を許可されている獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の三人一組の隊。
【登場作品:魔法騎士レイアース】
ちせ
現在は北海道の聖龍隊支部の支部長を勤めながら、同時に北海道全域を守衛する役目を負う県将軍を遣わされている、元最終兵器。
【登場作品:最終兵器彼女】
上記のメンバーは主に古参と呼ばれ、聖龍隊初期から滞在している古株である。
下からは2011年に、度重なる世界の激動に対抗するため新たに聖龍隊最高幹部に任命され昇進したメンバーである。
ミュウミュウズ
ミュウイチゴこと桃宮いちご。そしてその婚約者である蒼の騎士、別名ディープ・ブルーとも呼ばれる青山雅也。
二人と同じ隊のミュウミントこと藍沢みんと、ミュウレタスこと碧川れたす、ミュウプリンこと黄歩鈴、ミュウザクロこと藤原ざくろで結成された隊。
【登場作品:東京ミュウミュウ】
マーメイドメロディズ
全ての海を護り統治する海の女神アクア・レジーナの七海るちあ、彼女と婚約を果たしている堂本海斗。
そしてるちあと海斗を筆頭にした面々で、七海るちあがアクア・レジーナとなる前から彼女と親しい間柄の宝生波音、洞院リナ、かれん、ノエル、ココ、そして新たにオレンジ真珠を司る人魚の後任となった星羅のマーメイド達から連なる隊。
【登場作品:マーメイドメロディーぴちぴちピッチ】
ローゼンメイデン
名のある人形造形師ローゼン氏より造り出された魂を持つ人形
赤い衣の真紅、双子の蒼星石と彗星石、緑の髪に黄色い衣の金糸雀、そしてピンクのロール髪の雛苺。
五体の人形から連なる隊である。
【登場作品:ローゼンメイデン】
総勢39名の通称 聖龍HEADの面々である。
※因みに、上記のメンバーは全員原作より年齢が進んでおり、基本的に全員が成人している状態である。
(星羅のみ未成年、ローゼンメイデンは人形なので省く)