新・聖龍伝説 現政奉還記 序章   作:セイントドラゴン・レジェンド

4 / 5
 今回は聖龍隊の最高幹部HEADらと赤塚組の幹部集が談合する話から始まります。
 ただ視点が、ある一人の猿から始まりますが。



現政奉還記 闇の忍務 第一章:潜法,陽忍疾駆

[忍ぶ影]

 

 前回、聖龍隊の最高幹部HEAD率いるルーキーズと挨拶代わりに一戦し合った赤塚組。

 そして赤塚組の頭領、赤塚大作は自分らが乗り込む義賊要塞(ぎぞくようさい)百鬼命義(ひゃっきめいぎ)の奥の一室にて、聖龍隊総長バーンズ率いる最高幹部HEADの面々と、己の配下に当たる幹部衆を携えて会談を始めるのだった。

 

 そんなアニメタウン沖合いに滞在する百鬼命義の周辺には、聖龍隊が携える幾つもの戦艦や大型船などが万一の状況に備えて待機してる現状であった。

 

 戦艦や大型船の上では、聖龍隊の隊士達が各々と話していた。

「赤塚組の連中、HEADの人達と何の話をしているんだが……」

「さあ……でも幹部だけによる談話なら大丈夫と思うわよ。重要な話なら総長や参謀長も聞き逃さないだろうし、何よりHEADメンバー全員が付いているんだし平気よ平気」

 談話を気にするシルバー・クロウに総部隊長のミラールが話を掛ける。

 

 だが、そんな聖龍隊の隊士や赤塚組の子分達が各々と船上で各自の持ち場に着いている最中、聖龍隊と赤塚組の船団から少しばかり離れた海域に滞在する小船の上に四人の人影が在った。

 

 その小船の先端で腕を組み憮然とした様子で赤塚組と聖龍HEADが乗船している百鬼命義を無言で見詰めている男が居た。

「先に動いた連中は、もう全員潜り込めたな」

「はい、五色米の伝えによれば……」

 後ろ手に控える三人の忍から伝え聞いた男は、自らが用いる眼力で百鬼命義の奥にて談話し合うHEADと赤塚組の幹部らの様子を窺った。

「侵入を気付かれている様子は無し、か……」

 男は腕を組みながら深刻そうな面立ちで語る。

「奴らはタネだ、モンゴル軍の命綱ともなる情報源……例え戦が終わっても、タネは各々の軍に留まり続ける。そしてモンゴルに伝えるんだ、肝とも言える秘密をな……!」

 そして男は後方に控える配下の忍達に言い伝える。

「その為に……解ってるな」『ハッ』

 三人の忍たちが返事をすると、男は険しい面持ちで命じた。

「よし、散れッ……こっちはこっちで情報を集める」

『ハッ!』

 命じられた三人の忍達は一斉に姿を消す勢いで散らばって行った。

 

 それを見届け小船に残った男も、しばらく黙然と考え込むと自身も行動に移るのであった。

 

「さて、俺様も行くとしますか。天の唾……嘘にだけは気をつけないとな……」

 偽りの情報には気を付ける様にと自分に言い聞かせる男は、誰にも気付かれないまま船に忍び込む。

 そして男は心の中で強く決断していた。

(あんたの決断をふいにはしない……成果は必ず持ち帰るさ、大将)

 男は自身の主に対しての決意を静かに人知れず胸に刻む。

 

 こうして男は、聖龍隊と赤塚組の情報を探り始めた。

 

 一方、船内の奥にて談話し合う聖龍HEADと赤塚組の幹部らは、真剣な面持ちでそれぞれ長いテーブルを挟んで向かい合っていた。

「まずは線を引こうじゃねえか……俺らとおめえらの得する処をな」

「義に分かち難き海原よ……やれ、笑え」

 後方に幹部衆の海野夫婦、水原花林、山崎夫妻、市川夫妻、秋夏子、尾崎夫婦、アケミとアツシの夫婦らを従え、厳つい面立ちで互いの損得を話し合おうと話題を振る赤塚大作こと大将に対し、同じく後方に聖龍HEADの面々を従えた聖龍隊総長バーンズは不敵な笑みを浮かべながら話し返す。

 

 その頃、船団の船上では

「そっちはどうだ?」「いや、特には……」

 聖龍隊の隊士らが辺りを警備しながら持ち場に待機していたのだが、その時。

「うわッ!」「な、なんだ今のは……!?」

 突然の突風が彼らの合間を通過したのだった。

「何だったの、今のは……?」「スゲェ風だった、ような……」

 謎の疾風を目の当たりにした隊士たちは騒然と化した。

「あれ……今なんか、風が……ううん、人影の様なのが通ったような……」

「おいおい、どうしちまったんだ? 寝不足じゃねえのかあ?」

 横走る風の中に人影を目撃した様な気がした【とある科学の超電磁砲】の御坂美琴(おさかみこと)の発言に、寝不足による見間違いじゃないのかと言う【BLEACH】の黒崎一護(くろさき いちご)

 一方、聖龍隊や赤塚組から身を潜ませながら忍んでいた男に、聖龍隊の隊士の格好をした男が伝えた。

「`蔵´より伝令……我らの他にも変姿(へんし)している者達がいる様子……」

 隊士に変装して潜り込んでいた配下から、自分達以外にも潜入している者達が居る事を知らされた男は驚いた様子で話し返した。

「かすが達か? ……解った、報告ご苦労」

 男は潜入している配下にそう言うと、再び物陰に隠れながら船内を突き進む。

 此処で男は、ある一つの手段を用いる事にした。

「ここは一つ、言之葉選(ことのはすぐ)りと洒落込むか」

 それは潜入し合っている自軍の者同士だけに解る言葉を掛け、相手がそれに見合った言葉を返せば互いが同じ軍の者であると解る、一種の合言葉による人選である。

「……風!」「……林」

 言之葉選りにて声を掛けた相手が同胞だと解ると、男はその同胞に命じた。

「そのまま続けろ、赤塚組と聖龍隊の談合が済んだ後もな」

 男は引き続き同胞に潜入し続けろと命じると、再び船内を潜みながら進む。

 

 聖龍隊と赤塚組、両勢力の組織統治について男は思わず言葉を述べる。

「統制が取れている軍は潜り込みやすいね……第一に、間違いが起こりにくいのがいい」

 組織の統制が安定している分、潜入などがしやすい事実に男は感心した。

 船内を只すら身を潜めつつ突き進みながら、男は思った。

「かつての鬼神が秘めていた黒い腹……その鬼神が不在の聖龍隊は、如何なほどか」

 時に船から船へと移りながら潜み進む男の耳には、聖龍隊の隊士達からの言葉が届いた。

「今、アニメタウンで専ら噂になっているんだが……やっぱり新世代型の二次元人って危険なのかね?」

「例の反乱の事もあるしな……あいつ等の所為で俺たち他の二次元人までも危険視されちまうし、嫌になるぜ」

 この隊士らの会話を耳にした男は険しい面持ちで思う。

「ここでも新世代型への不満か……例のルミネ一派の反乱以降、同じ二次元人達からも危惧されているって聞いてはいたけど本当らしいな」

 と、そんな男に潜んでいた配下の忍が伝える。

「`霧´より報告……この先で、大物同士らが談話中の模様……」

 これを聞いた男は言葉を返す。

「了解、後は俺様の目で確かめる」

 

 その時である、男と同じく潜入していた忍が男と同じく言之葉選りで同じ軍の忍を模索していると、明らかに異なる忍の存在に気付いた。

「符丁が違う……貴様、何者だッ!」

「…………ッ!」

 自分ら以外の忍を見つけた配下に、男は取り押さえるように言うのだが

「そのまま抑えとけっ……もう逃げ出したか」

 自分ら以外の忍は瞬く間に姿を消してその場から居なくなってしまう。

 その忍の素振りや口調を見た男は、不思議に思った。

「さっきの奴は、ロシアの軒猿じゃなかった」

 自分が思っていた別軍の忍では無かった事に考え込む男は、颯爽と別の船へと移動する。

「……他に潜り込めそうな忍と言えば……」

 

 

 

 

[対峙する五人のくノ一と猿]

 

 すると、そんな男の前に五人の人影が姿を現した。

「!」その五人を前に、男は驚いた。「何故、あんたらが……!」

 五人は男に黙然と静かに歩み寄りながら迫るのであった。

 その五人とは、日向ひまわり・あざみ・しきみ・ひめじ・ゆすらから連なる女性達だった。

「何故あんた達が……同じ聖龍隊だというのに忍び込んでいるんだ……?」

 迫り来る【ひまわり!】の五人を目の当たりに、男は先程から知り得ていた自分ら以外の忍が彼女達の配下であった事を悟る。だが同時に、なぜ同じ聖龍隊にあるにも係わらず、その聖龍隊に忍び込んでいるのか深く疑問に思った。

「……お久しぶり、モンゴルの忍さん」

忍頭(しのびがしら)自らお出向きになるとは……余程モンゴル軍が圧迫されてる状況だって事ね」

「…………」

 静かに歩み寄りながら迫ってくる彼女達の言葉に耳を傾けながら、男は自身の武器であるワイヤー付きの手裏剣を手に構えながら彼女らと対峙する。

「まさか、此処であんた等と出くわしちまうとはね……先の乱世以来だな」

 二年前の亜細亜大戦以来の再会に表情を強張らせる男は、五人の女性からなるくノ一達と一戦し始めた。

「なぜ自軍である聖龍隊に忍んでいる……将軍様からのご指示か、或いは……」

 忍び込んでいる理由を問い掛ける男に、くノ一達は何も答えようとはしなかった。

「まあいいさ、どの道うち等と対峙するなら……あんたらも所詮はモンゴルの毒だ」

 男と五人は熾烈を極める激戦を繰り広げながら衝突し合う。

「相変わらず、あんたらの風は清すぎる……お宅らの大将とおんなじだ」

「私達の主を愚劣する発言はやめてほしいわ……!」

 男の発言に強く言い返すあざみだが、男はそれでも手と口を止めはしない。

「将軍の、日本国将軍からの命で忍んでいるのか……或いは自らの意思で……」

『……………………』

 黙り込んでしまう五人に、男は険しい睨みを利かせながら彼女達に告げた。

「村田順一に伝えときな……もし今後、モンゴル軍と対峙するような事になったら容赦はしないと」

「……分かったわ」

 主である将に自分達と敵対した際には手を緩めないと伝える男に、ひまわりが険しい面持ちで答え返す。

 

 五人と激烈に衝突しながら、男は神妙な面差しで彼女達に語った。

「忍に勝敗なんて無い……あるのは任務を遂行出来るか出来ないかだ」

 

 そして男と五人の戦いは激しさを増して行き、遂に彼らの戦いの場は周辺の海上へと移っていった。

 水柱を激しく立たせ、海の上を颯爽と駈ける男とそれを追う五人。

 双方とも、海上を走り続けていると、此処で五人が行動を起こした。それは五人が同時に海上から跳躍し、一斉に男に襲い掛かるものであった。

 だが五人の攻撃を悟った男は、五人が飛び掛かる前に自分も海上から空高く跳躍すると、空中で自身の得物であるお盆ほどの大きさの手裏剣を五人目掛けて放った。

 五人は飛び上がる中、自分らに向けて放たれた手裏剣に対して海上に降り立ちながら同時に複数の通常の大きさである小さな手裏剣を投げ付けた。

 空中でぶつかり小さな火花が複数生じると、五人が投げた手裏剣は落ちて行き、男が放った手裏剣は弾き返された。

 男は弾かれた手裏剣を手に持ち直すと、そのまま海上に停泊していた小船に降り立って、再び海上を駆け出した。

 駆け出した男を追撃しようと五人も海上を突き進み、そして装備していた刀を抜刀しながら男共々上方へと飛び上がる。そして双方とも上空で激しくぶつかり合いながら強烈な火花を散らし続ける。

 五人に追い込まれた男は、一旦先程の小船に降り立っては五人に向かって再び手裏剣を投げ付ける。

 だが五人は華麗に颯爽と空で方向転換しながら翔け回っては男からの攻撃を回避してみせた。

「なッ……!」

 男が動揺していると、五人は空中で自在に動き回りながら最終的には海上の男目掛けて一直線に急降下してきた。

「この……ッ」

 自分目掛けて降下してくる五人に、男は手に携えている手裏剣を二つとも五人組目掛けて投げ付けるのだった。

 手裏剣を投げ付けられ放たれた五人は、それに臆する事無く自分らに向かってくる手裏剣を二つとも空中で弾いた。

 上空に火花が散った瞬間、海上では高々と水柱が上がる。

 そして男が見上げる中、五人は何時の間にか姿を消し、空中に残ったのは男が放った自分の手裏剣二つだけだった。

 落下する手裏剣を船上で掴み取る男は、愕然とした戦況の中で姿を消した五人のくノ一達に対して唖然とするばかりであった。

 

 と、その時。

「あれ? 今、なんか大きな水柱が上がったような……」

「それに、なんだか激しい金属音みたいなのも聞こえてきましたわ」

 と、聖龍隊の船上で待機していた【スマイルプリキュア】の黄瀬やよいことキュアピースと青木れいかことキュアビューティを始めとする聖龍隊の隊士達が海上に立ち上がる水柱と得物同士が激突する際の物音に気付き始めた。

「……!」

 船上で先程までの戦いに気付き始めた隊士達を察した男は、一瞬で小船の上から大型船の船内それも物陰に移動しては、隊士達から自身の姿を隠す。

 姿を隠しながら男は一息入れつつ、先程まで戦闘した五人のくノ一達について深刻な心境で思い耽る。

「もう消えたか……流れる星あとを残さず、だな」

 そして再び男は身を潜めながら船内を進む。

 そんな男に、再び隊士に身を変えた忍が言い伝えた。

「`海´より伝達……我らの偽装が気取られている兆しなし……」

「そのまま続けろ、奴らのお喋りが過ぎた後もな」

 男が忍に告げると、続け様に別の忍が報せを伝える。

「`根´より報告……聖龍隊の現在の陣容は、全てこの密書の中に……」

「どれどれ……こりゃまた随分力を蓄えたもんだ」

 密書の中を拝見した男は、聖龍隊の勢力が以前に増して増大していた事に呆気に取られながらも懸念を抱く。

 

 そして同じ頃、聖龍隊の最高幹部HEADの面々と赤塚組の幹部衆は一時の会談も終盤を迎えようとしていた。

「それじゃ……これで一つ、頼もうかいな」

 話も終盤に差し掛かった頃合を見計らい、バーンズは眼前の大将に一枚の紙を投げ出した。

 大将は紙切れを手に取ると、それを背後の幹部衆らと共に目を通してみる。

「こいつは……かなり奮発してくれるんだな」

 紙切れに目を通した大将は厳つい面立ちでバーンズ達HEADに顔を向ける。

 その紙には、現政奉還による乱世の混乱化の中で聖龍隊と協力してくれれば高い報酬などを与えるという契約内容が記載されていた。

「赤塚組も何かと物入りだろう……俺達も今後、亜細亜を中心に世界各地の戦地に出向いては争いを治めて行かなきゃならねえんだ。少しでも協力関係を築いてくれる組織と連携していかなきゃならねえしな」

 険しい面持ちで大将たち赤塚組の幹部衆を見据えるバーンズに、同じ表情で彼の背後からHEADの面々も赤塚組に視線を向ける。

 と、バーンズの話を聞いた大将は徐に傍らの尾崎哲に手の平を差し出して言った。

「テツ」

 名指しされたテツは懐から私用のライターを取り出して大将に手渡した。

 そして有ろう事か大将は手渡されたライターで聖龍隊からの契約書に火をつけて燃やしてしまった。

『ッ!』『!』

 契約の書を目の前で燃やしてしまった大将の行為に聖龍HEADは、各々が激しく動揺し愕然としてしまった。

「お、お前……!」

 大将の突然とった行動に驚愕したバーンズが声を掛けようとすると、当の大将本人はふっと立ち上がりながら窓際まで歩み寄りつつバーンズ達に語り始めた。

「バーンズ、それにアッコ。俺が何故、組織力はもちろん武力ですら勝っている聖龍隊相手なんかにケンカ吹っ掛けたか分かるか?」

『…………』

 前触れもなく大将に問い掛けられたバーンズ達は返す言葉が見つからず唖然としてしまう。

 そして大将は窓際に寄り掛かりながら再度バーンズらに神妙な面持ちで話し出す。

「バーンズ、アッコ……俺たちは今まで一度ならず二度までも、お前ら聖龍隊と衝突しちまった。いくら昔の事とはいえ、それは変えられない事実だ」

『……………………』

 大将の話しに黙って耳を向けるHEAD、そして大将はその神妙な顔をHEADに振り向けると彼は力強く話した。

「だからこそっ、俺は……いや、俺たちはお前達に少しでも前に向かって進んで行ってほしいんだ! お前達には、俺達はもちろん誰よりも人望や実力がある。俺は、そんなお前達なら世界を変えてつつ素晴らしい未来を築けると踏んでいるんだッ!」

「大将……」

 ミラーガールやHEADが唖然とする中、大将は語り続ける。

「だからこそ……俺はお前らの力量を計り、挑んだって訳だ」

 そして大将は最後にバーンズ達HEADにハッきりと言い切った。

「……何より、俺らとお前らの関係に銭なんか挟み込むなんて野暮な事はすんじゃねえよ」

 そう言いながら大将は実に晴れ晴れとした笑顔をバーンズ達に見せ付けた。

 そんな大将の真情にバーンズ達は心の底から感銘を受け、そして席についていたバーンズは徐に立ち上がる。

 立ち上がったバーンズが大将の側まで歩み寄ると、彼に腕ごと手を差し向けた。

「腐れ縁で結ばれた繋がりに……!」

「未知への旅路に……幸あれ」

 対して大将もそれに応える様に差し向けられたバーンズの手を取り、互いに強く手を組み合った。

 

 こうして互いの友情を確かめ合った上で、聖龍隊と赤塚組は共に戦界創世による乱世を乗り切る為の同盟を結んだのであった。

 

 

 

 

[義賊との宴]

 

 聖龍隊と赤塚組、双方が同盟を結んだ記念に赤塚組の大型戦艦百鬼命義の上で両軍による祝賀会が開かれる事となった。

「よぉしてめえら、準備は良いかッ」

『おうっ、大将!』

 赤塚組の頭領である大将が幹部衆と共に高々と呼び上げると子分達も声を荒げて活気付く。

「聖龍隊! 俺らもパーーッとやるぞッ、そりゃ!」

 大将に続いてバーンズも聖龍隊の皆に威勢よく呼び掛けた。

 

 そして

『かんぱーーっい!』

 聖龍隊と赤塚組の一同は杯を片手に一斉に乾杯をし合った。

『そりゃーーッ!!』

 更に赤塚組が予め所持していた酒樽を、聖龍隊と赤塚組の男達で一斉に叩き割っては中の日本酒を飲み煽っていく。

『はははは……』『わはは……っ』

 聖龍隊の隊士に赤塚組の面子は全員酒や飲み物片手に騒ぎ始めていく。

「はーーい、オツマミ此処に置いておきますね」

「おうっ、小松の坊主あんがとなッ」

 酒宴を始め出し騒ぎ始める面々の前に【トリコ】の小松が一戦の最中に大将と交わした通り、自ら拵えた酒のツマミの盛り合わせを大いに振舞っていた。

「おお、お前さん実に良い飲みっぷりだねえ。どうだい、この酒も中々いいぜ」

「おう、そんじゃ一杯頂くとしますか」

「ああ、飲め飲め……よっしょ」

「おおっと……ウグウグ、ぷはーー旨いッ」

 更に各所で聖龍隊と赤塚組の面々が自由に酒を振舞ったり振舞われたりと、次々に酒を交わしていった。

 

「さぁバーンズ、お前も一口……」「おう、有難く頂くとするぜ大将」

 一方、聖龍HEADと赤塚組の幹部衆も久々の旧知の間柄同士による宴会に盛り上がり、大将がバーンズに酒を注いでやるなど話にも花が咲いている状態であった。

「へへ、俺達も……」「おっと、お前らはジュースだぜ」

 調子よくHEADや赤塚組の面々と飲み明かしていくルーキーズの若者達が大将やバーンズ達に話し掛けると、大将は未成年である彼等に微笑を浮かべながら飲み物を突き出した。

「いやぁ、久々に気持ちの良い連中と酒を飲み交わすのは実に気分がいいぜ。ウグ……プハッ」

 杯を片手にしながらバーンズ達と語り合う大将は、一気に杯の酒を飲み干す。

「俺達だって久しぶり……あ、違うな。この前、そう9月6日の晩に聖龍隊や親しい連中と遅くまで飲み騒いでいたな……ハハッ」

 酒を片手に上機嫌で語らうバーンズの発言に、大将がすかさず言葉を返した。

「おっ、確かその日って……アッコの誕生日だったんじゃ」

 大将が言うと彼の問い掛けに傍らで旧友で赤塚組の幹部衆の一人であるなると語り合っていたセーラームーンが答え掛ける。

「うん、そうだよっ。その日はアッコちゃんの誕生日で、聖龍隊のみんなでお祝いして上げてたのっ!」

 セーラームーンに続き、彼女と同じHEADのメンバーである二人、旧友の秋夏子と語らっていたキューティーハニーと同じく旧友の水原花林と語り合うナースエンジェルが大将たち赤塚組の面々に話し出した。

「ええ、あの日でちょうどアッコちゃんは26歳に成ったのよ」

「聖龍隊の副長として新しい聖龍隊を切り盛りしているアッコさんの誕生日を、聖龍隊はもちろん世界各地の人達が祝ってくれたわ」

 更に続いて他のHEADメンバー、山崎夫婦と喋り合う木之元桜に市川夫妻と話し合うコレクターズもアッコの誕生日について語り始めた。

「うん、バーンズさんや聖龍隊に関係ある人達が総力を挙げて豪勢な誕生パーティーを開いてくれてさ」

「アッコちゃんもその日は一段と煌びやかなドレスで周りの人達と優雅に過ごしていたわね」

「ええ、凄く印象に残っていますわ」

「まあ、主役とはいえかなり目立っていたわね……それもこれも、あの人の婚約者って事で一段と世間の目を浴びている真っ只中ってのもあるけどね」

 と、語り継ぐコレクターズのユイ・ハルナ・アイの最後の発言に、大将が人知れず失然と衝撃を受ける。

〔ズーーーーーーッン……〕

 いきなり落ち込む大将に唖然となるルーキーズの面々が困惑していると、そんな彼等にHEADで唯一の未成年者である星羅が話し掛ける。

「気にしない、気にしない。ささっ、君達も飲んで飲んで」

 そう言いながら星羅は気軽に、ルーキーズの新人達にジュースを注いで上げた。

 と、そんな落ち込んでしまう大将が放つ暗い空気に圧迫されつつも、現状の空気を変えようと秋夏子が聖龍隊の皆に話を振った。

「そ、そう言えばさ……あの修司君、まさかの自伝を出版したわよね。アレには驚いたわ」

 夏子の言葉を聞いて彼女と飲んでいた旧友のキューティーハニーが話し返した。

「あれ夏子、あなた彼の本の事知ってるの? てっきり赤塚組は放浪の旅路に出ていたから聖龍隊の伝記なんて知らないと思っていたわ」

 するとハニーの話に対して赤塚組の面々が話し始めた。

「いやいや、彼の出版した自伝本なら我々の耳にも入っているよ」

「何でも聖龍隊の結成した時から、その聖龍隊が始めて国際的に名乗りを上げた大戦までを克明に執筆しているみたいだな」

 飲み明かす尾崎哲とアツシの二人に続いて、二人の本妻であるふゆみとアケミも話し出す。

「そうね……初めて聖龍隊の結成について知ったけど、まさかシュウジとちせがあんな形で聖龍隊と接触してたなんて初耳だったわ」

「そうですね。しかも二人との接触に限らず、当時の聖龍隊メンバーについてまでも赤裸々に現状や背景を明かしているから驚きだわ」

 二人の話を聞いて、和やかな雰囲気の中でも険しい顔色を変えずに飲み明かしているミズキも口を開く。

「聖龍隊結成の真相、そして当時の二次元界を襲っていた脅威が小田原修司の分身と負の感情を司る絶夢鳥であり……オマケにそれらが出現した発端がまさかの小田原修司という三次元人が二次元界に来た事による次元の歪みが原因だなんて、複雑よね」

 と幹部衆が語っていると先程まで落ち込んでいた大将が日本酒の酒瓶片手に熱く語り始めた。

「ウウッ、でもよ……自伝に書かれていたけど、お前らも修司も色々と辛い事がいっぱい有ったんだな……グスッ」

「大将……」

 涙ながらに語る大将の言葉に感銘を受けるバーンズやアッコを始めとする聖龍HEADの古参達。一方、赤塚組の幹部衆は目を細めて冷ややかな面で大将を見詰めていた。何故なら彼の流している涙が、聖龍隊の古参メンバーの実情に対してなのか、はたまた失恋による悲しみでの涙なのか不明であったからだ。

「グスッ……それにしたって、おめえら。あの昔っから苦労が絶えなかった修司や聖龍隊に拾われたとはいえ良かったな……修司が可哀想だけんど、だからこそお前らみたいな気苦労が耐えない輩でも、ちゃんと接してくれるんだぜ……」

 大将は涙ぐみながら一緒に杯を酌み交わしているルーキーズの面々に話し掛ける。

 すると、そんな大将の泣きじゃくる様子に困惑しながらも面々は答え返していった。

「ま、まぁ……修司さん、前の総長には確かに色々お世話になりましたけど」

「まさか、あんな過去が総長に有ったなんて……少し驚いちゃったわ」

 宴で飲み交わすお茶を手にしながら口々に語らうルーキーズの面々。

 と、そんなルーキーズの一人でありお茶を啜いながら出された小松の手料理を食べている門脇将人に大将が酒で赤くした笑みで話し掛けてきた。

「ははっ、にしても将人のあんちゃん。お前さんも昔はヤンチャしていたが、それを修司に止めてもらって良かったよなぁ……でなきゃ、お前今頃は国連軍の連中に処分されていたかもしれねえしよぉ」

 上機嫌で話し掛けてくる大将とは違い、話し掛けられた将人は仏頂面で大将に顔を向けると彼に話し始めた。

「ええ、お蔭様で処分の名目で政府やらに殺されずに済んだかもしれませんけどね……けどね」

「けど?」

 大将が訊き返すと将人は、徐に自分の口の中に手を突っ込んでは弄り出した。

 そして将人は、大将やルーキーズの新人達が見てる最中で自分の口から何かを取り出しては皆の前に置いた。

 それを見た大将や新人達は目を丸くして驚いた、それは何と差し歯であったのだ。

 しかも驚いている皆を前に、将人は次々に自身の口内から差し歯を出して行き、最終的に将人の口から前歯や奥歯など種類が豊富な差し歯が八本も出て来たのであった。

 驚く大将や新人達に、将人は隙間だらけの歯を見せ付けながら彼等に語り明かした。

「どうだ、この歯は」

「ど、どうしたんです、か……?」

 動揺しながら訊ねるアスナの問い掛けに将人は抜け歯だらけの歯を見せたまま答え返した。

「これはな……前の総長、小田原修司と最初に敵として対峙した時のさ。もう顔面に何十発っていうほど殴られてボロボロにされたよ」

『………………』

 将人の告発に愕然と言葉を失くす大将と新人らに、将人は更に衝撃的な発言を自分の鼻を指しながら語り明かした。

「それにな、大将さんに新人のお前ら……その際、殴られ過ぎて顔面の骨が悲惨なほど骨折しまくってよ、今この鼻には歪んだ骨を正す為の細い金属の板が三本もネジで埋め込まれているんだよ」

『…………………………………………』

 無表情の将人から告げられた衝撃の事実に、口をあけたまま呆然とし尽くしてしまう大将に新人達、そんな彼等にスグ側でお茶を堪能していた【ローゼンメイデン】の面々が驚き返る皆々に言う。

「そんな驚く事じゃないわ」

「むしろ将人が生きていること事態、奇跡なんだから」

『………………』

 更に愕然としてしまう面々、そんな彼等にローゼン組に続いてバーンズも言う。

「まあな、あの頃の将人に対しよく修司がセーブしてくれたもんだぜ。修司だったら原形留めないほどボッコボコにしたあげく、そのまま殺していたって不思議じゃなかったもんな」

 バーンズの口から飛び出た言葉に、大将も同じ聖龍隊の新人達も口を大きく開けて愕然と蒼白な顔をするのだった。

 

 

 そんな賑やかさが増していく聖龍隊と赤塚組の宴会を、一人の男が物陰からジッと眺めていた。

「さてさて、一つ拝んでくるとしますか。風神様と義賊の頭の有難ーーい企みをな」

 男は何気に騒ぎ立てながら己の実情を語り合っているであろう、バーンズと大将を中心とした酒宴を更に近くで観察しようと身を潜めながら近づいて行くのであった。

 

 

 

 

[更に盛り上がる酒宴]

 

 

 宴は更に盛り上がっていき、酒を浴びるほど飲んだ者の中には既にグッデグデに酔っ払ってしまう者も出てきては、そんな者等を酔ってない者達で介抱してやったりと、宴会は騒がしくなっていく一方であった。

 

「ウィ~~ヒッく……いやそれにしても、久々に飲んだなぁ、こんな量の酒は」

「ヒック……まだまだ飲もうぜ、大将。ウック」

「やめなよ二人とも」

 次第に酒で出来上がっていく大将とバーンズに、これ以上の飲酒を静止しようと促すジュニア。

 

「ねえねえアッコちゃん。それが例のアレなワサ」

「ふふ……ええ、そうよ」

 チカ子に訊ねられながらアッコは微笑んで答える。

「うわぁ、それが修司君が差し出したサファイアの指輪か」

「結構大きいわね……やっぱり聖龍隊の総長として長年務めているだけあって高価なんでしょうね」

 アッコが指に嵌めている指輪の宝石を見て思わず輝きに目を奪われるレイコと千春。

 すると其処にミズキが指輪を嵌めているアッコに向かって言い出した。

「それにしてもアッコちゃん、良かったわね……彼もようやく貴女に打ち明けてくれたのだから」

 ミズキがアッコに話し掛けると、アッコは呆れた素振りで話し返す。

「そうよ、まったく……そりゃ、修司が自分の気持ちを素直に打ち明けられないキャラだってのは知ってるけど、いくらなんでも待たせられたわ」

 アッコが呆れながら語ると、他の聖龍HEADの面々も続けて語り始めた。

「そうだなぁ……なんせHEADの中では、あいつが一番遅かったもんな、プロポーズ」

「そうそう、古参のHEAD内では兄さんが一番遅いプロポーズだったもんね……ハニーさんにセーラームーンなんかは当の昔に結婚しているし、それ以外の恋人持ちのメンバーじゃ僕も含めてとっくの昔に婚約ぐらいはしているのに」

 エンディミオンとジュニアが話すと、続け様にバーンズが真っ赤に火照った顔で話し始めた。

「たッくよ~~、修司の奴ったら……聖龍隊に関する事なら真っ先に決められる決断力がありながら、自分の恋愛に関しては全くの無知というか何というか。ようやくアッコに婚約言った時は、思わずHEAD全員で「おっそッ!」って口から出ちまったよ。はっは」

 するとバーンズの話を聞いた途端、大将が暗い雰囲気を醸し出しながら突然語り始めた。

「そうだよな~~修司の奴ったら、ようやくアッコに想いを伝えて見せたんだよなぁ……ハハ」

 暗く生気の無い顔で語り始める大将の放つ空気に圧迫されていく周囲の面々。

 と、そんな暗い大将にアッコが火照った表情で上機嫌に話し掛ける。

「はっは! 大将ったら、私や修司がようやく婚約できたんだから大将にだって良い人が現れるわよっ。結婚できるってばっ! はっはっは」

 上機嫌で励ましの言葉を掛けるアッコであったが、周囲のHEADや幹部衆は彼女からの言葉そのものが大将自身を更に落ち込ませる事を悟っていた。

 そんな中、アッコは手にしていた一升瓶を片手で軽々と持ち上げては、一気に酒を飲んでいく。

「うっ、うっ……ぷはっ、いやぁ~~この日本酒いい味ね。こんな上物の日本酒、久々に飲んだわぁ」

「え、ええ……以前、日本に来たとき購入していたのを取っといてたのよ、はは……」

 日本酒を豪快に飲んでみせるアッコに苦笑しながらも、なるは答え返す。

「あ……あぁ……」

 そんな粋で豪快な飲みっぷりを披露するアッコを目の当たりにして、宴会の参加者では彼女達と付き合いが短い新人達が唖然としながら話し出した。

「あ、アッコさんが……アッコさんが、まさかの日本酒を……」

「お、男の人顔負けの一気飲みするだなんて……」

 アッコの飲みっぷりに唖然としてしまうキリトにアスナ。

「い、イメージが……僕等が想っていたアッコさんのイメージとは余りにも懸け離れている……」

「こ、こんなにもお酒を飲む人だったわけ……アッコさん、いえミラー・ガールは……聖女は……」

 開いた口が閉まらなくなるほど衝撃を受ける有田春雪と黒雪姫。

 そんな酒を豪快に飲み続けるアッコを目の当たりにして愕然としてしまう新人の隊士達に、バーンズが呆れながらも話し掛けた。

「はぁ、アッコはもちろん大将も……二人とも親に似て、かなり酒がイケル口だからな」

「へ? 親って……」

 シリカが思わず口に出すと、そんな彼女を始めとする面々に参謀長でもあるジュニアが耳打ちする。

「いやいや、親は親でもこの場合は原作者の事だよ。ほら、二人の原作者って」

『…………ああ、そういや』

 ジュニアから耳打ちされて新人達は心底納得するのであった。【ひみつのアッコちゃん】の原作者、赤塚不二夫は大の酒豪で有名だった。

 

 と、そんな驚く新人の内で【アクセル・ワールド】や【ソードアード・オンライン】組の面々に、赤塚組の幹部である市川一太郎とその妻であるレイコが声を掛けてきた。

「ところでさ君達……気になったんだけど、もしかして君達も電脳空間で活躍している聖龍隊士なのかい?」

「え、なんでまた……」

 一太郎からの問い掛けに軽く驚くキリトに、続いて彼の妻であるレイコが訊ねて来た。

「君達のそのスーツについている装置……何だか結ちゃん達のスーツに付いているのと似ているのよね」

 レイコが言い切った瞬間、黒雪姫が彼女の問いに答え返した。

「あ、分かりますか? はい、これは聖龍隊の技術力で作られたスーツで、実際私たちがサイバー空間などで着用しているのと同じスーツが現実空間でも着用できるシステムが仕込まれているんですよ」

「それにしても良く分かりましたね、僕たちが電脳空間で主に活躍している隊士だって」

 意表を衝かれた様な顔を浮かべて春雪が述べると、レイコは丁寧に語り返した。

「そりゃ、結ちゃん達だって元々は電脳空間で活躍していたヒロインだもの。彼女達が昔から聖龍隊で作られた特別なスーツを着用する事で現実世界でも電脳空間と同じ様に戦えるまで出来るって事は知ってるわ」

「何より、この小説にも載っているしね」

「そ、それは……!」

 突然、一太郎が皆の前に取り出した本に黛拓夢は目を奪われた。

 一太郎が皆に見せた本、それは全聖龍隊総長 小田原修司が書き記した伝記【聖龍伝説】その第三章であったからだ。

「これを読んで始めて知ったよ……結ちゃん達がどんな経緯で聖龍隊に入ったのか。そして聖龍隊で電脳空間と同じ様に現実世界でも戦う事が出来る特別なスーツを……そう、あの人の思想や思念をエネルギーとして増幅させることが出来る鉱物ルミノタイトを組み込んだスーツを着て、初めて聖龍隊の英雄達と同様に……あの電脳空間コムネットの中と変わる事無く戦えたんだって」

「その結ちゃん達が着ているスーツと同じ、いえ似た装置が組み込まれているスーツを着込んだあなた達も同じ電脳空間で主な活躍をしている隊士なんでしょ? 多分、その装置にルミノタイトを組み込んだ、またはそれを元に改良を加えられた装置なんじゃないの?」

 夫一太郎の語りに続いて問い掛けてくる女房のレイコからの訊ねに、エギルことアンドリュー・ギルバード・ミルズが唖然とした表情で一言返した。

「あ、ああ……まったく持って、その通りだ」

 豆鉄砲を食らった様な面構えで唖然となるエギルに続いて、再びレイコも溜息をつきながら語り出した。

「はぁ、でも結ちゃん達も最初は大変だったでしょうね……電脳空間だけでしか戦った事の無い結ちゃん達が、まさか現実の世界を救う為に聖龍隊に勧誘されて、オマケに最初はウラヌスを始めとする周囲の英雄から現実の世界では戦った事の無い三人に対して反感まで生まれてきちゃってさ……でも、そんな葛藤を乗り越えて、そして聖龍隊で作り出されたスーツを着て、ようやく現実の世界でもコムネット同様に自由自在に戦える様にまでなれて……ほんと、私達の知らない所で色々と大変な想いを結ちゃん達も聖龍隊のみんなもしてきたのね」

 淡々と語り続けていく一太郎とレイコ夫妻の二人に黙然と耳を傾け続ける二組。

 そんな夫妻にリーファこと桐ヶ谷直葉が言葉を掛ける。

「で、でも……良く、私達の着用しているスーツや装備品だけで私達が電脳空間で主に任務に就いているって事が分かりましたね。その通りです、今私達が着用したり装備しているのは聖龍隊の技術力で作られた特別なスーツで、これを着ているからこそ私達は現実の世界でも電脳空間と同じ様に戦う事が出来るんですよ。私達も実はまだ見習い中ですが、聖龍隊に入る前からもコレクターズを始めとする先輩達に助けてもらって、其処から今に至るまでの経緯を隔てて聖龍隊に加わって入ったんです。でもまさか、このスーツの原型となる物が既に十数年前の大戦、そう小説に執筆されていた大戦で、コレクターズの先輩達が最初に着用したスーツを改良している物だって事は、この自伝本が出版されてからしばらく経った日にコレクターズの人達から直接聞きました」

 するとリーファに続いてライム・ベルこと倉島千百合が申した。

「ええ、先輩達が私達直属の特別監督官として、私達を教育してくれている最中でして」

 更に続けてクラインこと壺井遼太郎も夫妻に話した。

「そうそう、最初はこんなスーツや装備を身に着けただけで本当に電脳空間で得た能力や技が現実世界でも使用できるのか半信半疑でしたけど、でも本当に使えるようになっちゃったから夢みたいで……!」

 目を輝かせて語るクラインの言葉に、静止を掛けるように一太郎が告げた。

「ああ、だけど君達これだけは胸に留めて置いてくれ。どんなに素晴らしい技術や道具が生み出されても、それは所詮人が生活して行く為の最低限のモノであり、同時に完全な物なんだ。いくら素晴らしい物だとしても所詮は物。それを扱う人によっては、その素晴らしい物が危険極まりない事態に発展しかねない事だって珍しくは無いんだ」

『……………………』

 思わず唖然としてしまう二組に、最後に一太郎は力強い言動で彼等に告げた。

「人が生み出す技術や道具……それらは正しく使われてこそ素晴らしい物となる。だが誤った使い方や乱用を繰り返したりしてしまえば、その技術や道具は人の身を滅ぼしてしまう事だって有り得る事を……君達に覚えて置いて欲しいんだ……!」

『…………』

 力強くも熱い想いが込められた一太郎の台詞に、【ソードアード・オンライン】と【アクセル・ワールド】の二組は言葉を失ってしまった。

 

 

 

 

 

[明らかにされた鬼神の実情]

 

「あ~~あ、それにしたってよ……なんで修司がアッコと一緒にくっ付いちまったのかねぇ……アイツもよ、俺とおんなじで顔が冴えない野郎だって言うのに……」

 酒宴の最中、酔っ払った影響なのか酒をチビチビと飲みながら愚痴を零していく大将。

「くれえ……暗すぎるぜ、大将」

 そんな大将の暗い雰囲気に圧迫されながら愚痴を零していく彼に声を掛けるバーンズ。

 だが、そんな大将に感化されたのか彼と向かい合って同じく暗い面持ちで悲痛な想いを吐き出していく者が。

「はは、大将さん……私もおんなじですよ。私も結局、色々と頑張ったんですけど最後にはフラれてしまいましたし……はは」

「そうか、そうか……ハハハ、初恋って実らないのが普通だって聞くけど、ほんとだな……」

 と、大将は更に暗くて重い空気を醸し出しながら共に語り合う美樹さやかも大将共々暗く重い空気を醸し出す。

「暗い、更に暗い……!」

 一層と場の空気が重く暗いものへと変貌する有様に愕然となるジュニア、だが其処に続けて別の者までもが

「はは……大将も、さやかちゃんも、まだまだマシな方よ。私なんてさ、私なんてさ……恋した相手を、みんなみんな……ッ! みんな、殺しちゃったんだからさぁ~~」

 と大将と美樹さやかに続いてHEADのセーラーヴィーナスが半ば半泣き状態で二人に語り明かしていくのだった。

「まぁ、皮肉だけど……お前が愛した相手は殆どが実は敵だったからなぁ」

 ヴィーナスが打ち明けた暗い実情を聞いて悲痛ながらに語り返す大将、そんな三人にバーンズが一言告げる。

「暗いぞ、お前等……本当に暗いぞ、失恋組が」

 と、この言葉に大将が反論する。

「ウッセェ! てめえに俺等の気持ちが解るかッ! 元とはいえチャイドルで名を馳せた彼女持ちのてめえによッ」

 するとこの大将の発言にバーンズは平然と返した。

「ああ、実はもうオレとおんぷは恋人じゃないぜ…………ジュニアや海斗、それに雅也らと同じで婚約してんだ」

「☆♯&f×ヴァQ※!!?」

 バーンズの台詞に大将は言葉に成らない悲鳴を上げた。

「マジかよオイッ! バーンズてめぇ、あの日本中を湧かせたチャイドル瀬川おんぷと付き合っているだけでも信じられねえのに婚約まで漕ぎ着けやがったのかよ!!」

 大将が物凄い剣幕で怒鳴り散らすと、バーンズは真顔で言い返した。

「はは、驚く事ないだろ。お前等だって知ってるだろ、おんぷの方がオレに惚れてからオレたちが付き合い始めて、もう何年も経過しているって事ぐらい」

「いやいやだからって! あの国民的チャイドルだった瀬川おんぷだぞ! 言っちゃなんだが良く向こうの親が認めてくれたな、おいッ!!」

 物凄い剣幕で興奮しながら問い掛ける大将に対し、バーンズは目を細めながらも話し返した。

「いやな、オレが聖龍隊の幹部である事はもちろん、愛娘のおんぷが気に入ったのならと両親共々認めてくれたんだよ」

「クソッたれ!」

 惚気た表情を浮かべながら語り明かすバーンズの言動に、大将は猛烈に怒りの感情を吐き散らす。

「ちくしょーー、修司だけでなくバーンズまでも……修司なんてアッコとまさかの婚約をしちまうとは。昔は同じ三枚目キャラ同士で女からは見向きもされなかった仲だと言うのによ……」

 目に薄らと涙を浮かべながら美樹さやかやヴィーナスと向き合って酒を飲み干そうとした瞬間、バーンズがそんな大将に告げた。

「大将、お前さっきから修司は女にモテなさそうな言い方だけど、あいつ意外と女にはモテるぞ」

「ブーーーーーーーーッ、マジかよッ!!」

『…………………………』

 バーンズの発言に思わず口に含んでいた酒を吹き出してしまう大将。そして大将が吹き出してしまった酒を、もろに顔面に浴びてしまう美樹さやかとヴィーナスは絶句する。

 そんな最中、大将は目の色を変えて半ば興奮しながらバーンズに訊き返した。

「ちょっと待て! 修司の野郎が女にモテるだなんて初耳だぞッ! アイツ誰に対しても無愛想な奴だってのに女から好かれるのかい!!」

 すると興奮状態の大将にバーンズが真顔で言った。

「ああ、あいつ結構モテるんだよな、ホント」

「マジかよオイッッ! と、言うよりもアイツに惚れる女って居るのか!? 一体どんな女に好かれたんだ修司は?」

 興奮しながら訊ねる大将を前に、バーンズは表情を変える事無く平然と大将に語り返していった。

「うん、まぁ先ずは魔界の新女王になった【シュガシュガルーン】のバニラ・ミュー」

「待て! まさかの王族!?」

「ああ……まあ今では彼女、新しい恋人が出来たみたいで、そっちと交際しているけどよ」

 驚く大将が言い返す中、バーンズは続けて語り明かす。

「それと【きらりん☆レボリューション】の小倉エリナ」

「おいッッ! お笑い系とはいえアイドルじゃねえか!!」

 驚き続ける大将にバーンズは更に語り続けた。

「それと、あいつの弟子の一人でもある【パワパフガールズZ】のパワード・バターカップこと松原かおる」

「弟子にまで惚れられたんかいアイツ!!」

「まぁその後かおるは修司から同期でもあるジュンに恋愛感情が移ったんだけどな」

「ジュンって村田の坊主かッ!? ってか色々と移り気味だなバターカップの(じょう)ちゃんはよッ!」

 バーンズの発言に驚かされっぱなしの大将が反論すると、バーンズは真顔で話し返し続ける。

「まあ、他には……」

 ニヤケながらとある方向に顔を向けるバーンズ。その視線を大将が追ってみると、其処にはバーンズの話を聞いていた皆の視線を一身に浴び、モジモジと顔を赤らめている【ぴちぴちピッチ】の元悪役エリルの姿が在った。

「お、おい……まさか……」

「うむ、エリルの奴も修司にホの字だったんだぜ。なぁエリル」

 エリルを指差しながら動揺する大将の言葉にバーンズが言うと、エリルは照れながら愛らしくも小さく頷いてみせる。

「なんで!? なんで修司が女にモテるんだよ! おいエリルそれにアッコ、修司の何処が良い訳なんだよッ。俺と修司の何が違う訳!?」

 涙目で悔しがりながら問い掛ける大将に、エリルとアッコは双方とも真顔で答え返した。

「うん、やっぱ志と……人望かな?」「私も同じ」

「ガッデム!!」

 二人の言葉に大将は悔しさに満ちた一言を放つのだった。

「そ、それにしてもエリル……お前さん良く、あのいっつも無愛想な修司を好いたな」

「え、ええ……修司さんに私達の命を救ってもらった時から。だ、だけど……」

 自分達、初期のダーク・ラヴァーズの面々を修司に救ってもらった際から世話してくれた修司に好意を持っていたエリルは顔に影を落としながら何とも気まずい面持ちで話し掛けてきた大将に話を返した。

「……まさか、修司さんが恋愛はもちろん他人からの愛情を全く感じられない人だったって知った時はちょっと……私や他の女子からの愛情表現には全くの無関心で、アッコさんからの愛情だけにしか反応してくれていなかった訳じゃなく、周りからの愛情や優しさに対して感じる事が出来なかったなんて、ちょっとショックで……」

「ま、まぁ……俺も修司の自伝本の内容知った時、少しは驚いたけどよ。まさかアイツが他人からの愛って奴を感じる事が出来ない人間だったとは」

 エリルからの話を聞いた大将は目を丸くしながら語り返すと、彼に続いて他の赤塚組の幹部達も挙って話し始めた。

「……そうね、大将やエリルちゃんだけじゃないわ。私だって、まさかあの修司君が愛情や優しさを感じられない人だったって初めて知ったわ」

「確か一種の発達障害、だったっけ? 周囲からの他愛も無い優しさや愛情といった、それらの感情に対して苦痛に感じてしまう事があるんだよね」

 海野なると山崎貴史の二人に続いて、秋夏子と水原花林の二人も語り出す。

「ええ、今まで公にしていなかっただけに今回の自伝本による公表には世界中が騒然となったわよね」

「まあ、障害ですからね……公言しづらかったんじゃないですかね……」

 最後にミズキが重く切ない口調で語った。

「誰からの愛情も優しさも感じられない……考えてみると酷よね、彼は……」

 すると、そんな赤塚組の幹部である面々から語られた話に対してアッコが話を付け加えた。

「み、みんな。確かに小説では、修司は自分が障害者で他人からの愛情を全く感じられないって書いちゃっているけど、本当は愛情や優しさに対して上手く感じ取る事が難しかっただけなのよ。それを修司は小説で少しオーバーに書いちゃっているだけで、ちゃんと愛や優しさを感じる事はできるの。それだけは誤解しないで」

 アッコから話を聞いた赤塚組の幹部等や聖龍隊の新人達は彼女の口から語られた詳細について、加賀美あつこが真に小田原修司の事を思っての言動である事を心の底から感じ取っていた。

 

 他人からの愛情や優しさ、そんな心温まる感情を微塵も感じられないと己の性に憤りを抱いていた男 小田原修司

 

 そんな人間に対して、どんな時も変わらない愛情で接し続けていた女性からの話に誰もが関心を向けるのであった。

 

 

 

 

 

[姿を見せる猿]

 

 

 更に宴は続き、遂に辺りが暗く空には輝く月が次第に薄らと見えてきた頃。

 

 聖龍隊と赤塚組の酒宴は深みを増すばかりであった。

 

『月が~~出た出ぇた~~月がぁ出た~~~~あ、よいよい』

 酒を飲み交わし、互いに肩を組み合いながら上機嫌に唄うバーンズと大将。

 そんな二人同様に、周囲も互いの旧友や同じチームの面子で各々楽しく宴会をする皆々。

「ははは、はははは……」

 アッコもそんな皆と同じく上機嫌に笑顔を振りまく。

 だが、そんな彼女の周囲に点在する幾つもの日本酒などの空の酒瓶を目にしたルーキーズの新人達は言葉を失くしてしまう。

 そんな新人達に指揮官であるミラールが言葉を掛ける。

「アッコさんってね、意外と酒豪なのよ。あなた達も早く慣れないと先が持たないわよ」

『……………………』

 思っていた魔鏡聖女のイメージとは懸け離れたミラー・ガールこと加賀美あつこの酒癖に、新人等は完全に言葉を失ってしまった。

 

 と、その時。皆の気分が上々に成りつつある現状で、ふと一人の聖龍隊隊士の顔色が変わった。

「……う、ウッ」「? ガイト……?」

 顔色の変わった隊士でHEADメンバーである堂本海斗の双子の兄であるガイトの様子に沙羅が気付いた。

 そして次の瞬間「ウッ……もうダメ……!」と突然ガイトが口を押さえながら冴えない顔のまま立ち上がり、そのまま一人駆け出してしまう。

「ん? どうしたんだ? あの野郎……」

 突如駈けて行ってしまったガイトを見て不思議がる大将、すると駆け出すガイトを同じく目にしたバーンズが口を開いた。

「あぁ、おそらくガイトの奴……飲み過ぎて思わず戻しちまいそうに成ったんだろう。

下戸なんだから無理して飲まなくて良いのによ」

 このバーンズの発言に、大将は豪く驚かされた。

「おいッッ! ガイトって下戸だったの!? 確かアイツ、アニメや漫画では平気でワイン飲んでいたけど下戸だった訳!!?」

 驚愕しながら大将が訊き返すと、バーンズは真顔で大将に答えた。

「ああ、実を言うとガイトが昔から飲んでいたのは……ワインじゃなくファン○グレープだったんだよ」

「マジかよッ!?」

「うん、本人はカッコつけてワインを飲んでいるように振舞っていたが、実はただの演技でよ。酒が飲めなくても自分を良く見せる為にワザとワイン飲んでるように演じてただけなんだよ」

 若干呆れ顔で説明するバーンズの話を聞いて、大将は呆気に取られた顔で言った。

「要するに……中二病、って奴?」

 大将の一言にバーンズは目を細めながら軽く頷いて見せた。

 

 一方のガイトはと言うと、一人誰も居ない船上の端っこで海に向かって嘔吐しつつ酔いを醒ましていた。

「ウップ……うぅ、飲み過ぎた……」

 顔を蒼くしながら口を押さえつつ、皆の居る宴会の場まで戻ろうと歩き出すガイト。

 その時であった。

「あ~~あ、聖龍隊と赤塚組が何を話すのかと思ったら……単なる双方の同盟の決議とそれを祝した宴会によるドンチャン騒ぎか。このまま双方の酒宴を眺めていても何か収穫が有るのか解らないし、一旦出直すとするかな」

「んっ……」

 物陰から聞こえてきた声に気付いたガイトが生気のない冴えない顔色で弱々しい足取りで近寄ってみると其処には

「…………ん」「…………」

 一人の忍が単身考え込んでいる姿が在り、近寄ってきたガイトと目が合った。

「…………」「…………」

 暗闇の中、無言で顔を合わせる双方は一瞬だけ見詰め合った。

 

「ははははは」「わははははッ」

 そして宴会の場で皆が楽しげに笑い合い騒いでいる中

「た、大変だッ!」

 ガイトが血相を変えて皆の前に駆けつけて来た。

「ん、どうしたガイト。出すもん全部出してきたか、はは」

「ガイトの坊主、もう無理して酒なんて飲まなくても良いぜ。酒ってのは楽しく飲む為にあるモンなんだからよ、ははッ」

 先程まで酔い潰れ蒼褪めたいたガイトを、おちょくるバーンズと大将。

 しかしガイトはそんな面々を前にしても切羽詰った面差しを変える事無く皆に言い寄った。

「ち、違うんだ……! 今、其処にさ、猿……」

 蒼褪めた表情から一変、顔色を豹変させて完全に酔いが何処かに吹っ飛んでしまったガイトが指を指しながら言おうとした、その時。

「おい、勝手に喋ろうとしないでくれる? 困るんだよね」

 と、一瞬の間にガイトの背後に忍び寄った男が耳元で囁いた。

「あ、アンタ……!」

 驚愕するガイト、そして彼と同様にガイトの背後に姿を現した男に気付いたバーンズや大将らの聖龍隊に赤塚組の面々も表情を一変させて驚愕した。

 そして次の瞬間、背後に忍び寄った男は一瞬でガイトを脚力だけで真上に投げ飛ばして見せると同時に、投げ飛ばしたガイトの体にしがみ付いてそのまま錐揉みしながら真下にガイトを叩き付けた。

「なんで俺こんな役ばっk」

 とガイトが文句を叫ぼうとするのさえ侭成らない一瞬の間に、彼は真下に錐揉みしながら叩き付けられ、木造の床に上半身が丸ごと減り込んでしまうのだった。

「アニキーーーーッ!!」「ガイトーー!」

 ガイトが床に減り込む有様を目の当たりにした弟の海斗とガイトの恋人である沙羅が悲鳴を上げる。

「おいッッッ! 俺達の船を壊すんじゃな「ってナニ船の方を心配してやがるッ!」〔バンッ〕

 床に叩き付けられ上半身が埋まってしまったガイトの心配よりも船体を気にする大将の発言に、恋人である沙羅が怒りの張り手を大将の後頭部に喰らわせる。

 

 そんな騒々しい現状の中、ガイトを床に叩き付け彼の上半身を減り込ませた張本人が騒然と成る聖龍隊と赤塚組の大衆らの前に姿を現した。

 だがこの時、聖龍隊の新人達である【DOG DAYS】組、【ソードアード・オンライン】組、【アクセルワールド】組、【魔法少女まどか☆マギカ】組の面々はその者の出現する様を目の当たりにして絶句した。

 皆の眼前に現れたるは、地を這う様な黒い影。その影から何かが突起していくと思いきや、それが次第に人の形へと変形しながら黒い影から一人の男がその全貌を露わにする。

 影から全体像を現した男、茶髪で額から両端にかけて顔に銀色の鉢金を装着し、目元と鼻の三箇所に忍化粧を施した人相。両腕に装備された黒の鎖帷子(くさりかたびら)と腕の甲冑が怪しく光りを反射させる、迷彩柄の忍装束に身を包んだ男。

 男はワイヤー付きの大型手裏剣を軽く上下に動かしてみせると、その場で足組みをしては一本足だけで立ちながら周囲の皆々に言葉を投げた。

「いやいやいや……見付かってしまいましたか。はてさて、どうしたもんかね?」

 飄々とした風貌を醸し出しながら言葉を投げ掛け姿を現す男を目の当たりにし、聖龍隊のHEADと隊士そして赤塚組の面々は険しい面魂で男と向き合い睨み続けた。

 一方、突如姿を現した男を目の当たりにした新人組の方は、状況を飲み込めず只ただ困惑するばかりであった。

 そんな中、バーンズが最初に男に声を掛ける。

「よお、久しぶりだな」

 すると相手の男は口元を余裕染みた感じで緩ませては話し返した。

「お久しぶりですね。今では聖龍隊の新総長に出世しちゃってまあ……」

 そんな重苦しい切羽詰った空気が現場に流れる中、おそるおそる新人組の一人であるシンク・イズミが男に言葉を掛けてみた。

「あ、あの……」「ん、あんた等は確か……聖龍隊の新人達か」

 話し掛けてきたシンク達ルーキーズの新メンバーに顔を振り向く男。そしてシンクに続いて黛拓夢が男に対して警戒しながら訊ね掛けた。

「あ、あなたは……一体……!」

 すると迷彩柄の忍衣装に身を纏った男は、そのまま新人達に姿勢を向けては飄々と、そして平然と鋭い眼光を放ちながら名乗った。

 

「俺か、よく耳かっ穿って聞いとけよ。俺様の名は…………猿飛佐助(さるとびさすけ) 覚えておきな」

 

蒼天疾駆(そうてんしっく) 猿飛佐助 参上

 

 姿を現した忍の男、名を猿飛佐助と名乗るその忍に聖龍隊と赤塚組の面々は険しい面持ちで忍の周りを取り囲む。

 だが、佐助とは初見である聖龍隊の新人達は今の状況に理解できず困惑してしまうばかりだった。

 

 

 

 

[忍との戦闘]

 

 突如姿を現した忍、猿飛佐助に只ならぬ警戒の念を向ける聖龍隊に赤塚組の面々。

 だが、初めて猿飛佐助と対峙するスター・ルーキーズの新人達【DOG DAYS】組、【ソードアード・オンライン】組、【アクセルワールド】組、【魔法少女まどか☆マギカ】組の面々は佐助を見て戸惑ってしまってた。

 

 そんな折、ふと佐助は目の先で宴をしている聖龍隊の最高幹部HEADと赤塚組の幹部衆に向かって静かに歩み出した。

 と、次の瞬間。HEADと赤塚組幹部衆に歩み寄ろうとした佐助の右頬にレーザーポインタが照射され、それに気付いた佐助が立ち止まってはポインタの照準元に目を向ける。

 佐助の視線の先、其処にはHEADと幹部衆に歩み寄ろうとする佐助に銃口を向けるスター・ルーキーズの総部隊長ミラールの姿が入った。

「おや、なんだい突然」

 佐助が訊ねるとミラールは険しい面持ちを変えず、銃口を佐助に向けたまま睨み返した。

「そっちこそ何のつもり? 私達の酒宴に忍び込んでは総長達に歩み寄ろうとして……事と次第によっては、私の銃口が火を吹く事になるわよ」

 だが、ミラールの不適な発言に対し佐助は余裕を窺わせる表情で彼女に言い返した。

「なになに、何もとって食おうとしてる訳じゃないさ。いやね面白そうな宴だなって思ってね、俺様も混ぜてもらえたら嬉しいんだけど……」

「……私達がそれを拒絶したら、どうするの?」

 険しい面差しで銃を向けたまま問い返すミラールに、佐助は彼女や周囲の皆に問い詰める勢いで言った。

「……嫌だって言われても、無理やり吐かせるけどさ」

 不敵な面構えでミラールに言葉を返した佐助の言動に、ミラールはもちろん彼女の周囲に居た同胞のルーキーズ全員が佐助に只ならぬ危機感を察して瞬時に彼を取り囲む。

「おやおや、久々にこの俺と一戦やろうってのかい? まあ、冷酷鬼畜な鬼神様が不在の聖龍隊……その聖龍隊で新人を養成する総合部隊のアンタ等が、今どれだけ腕を揮えるのか見極めるのも良いかも知れないな」

 自分を取り囲むルーキーズの面々を見渡しながら佐助が語ると、彼は自身の得物である大型手裏剣を両手で上下に振るいながらルーキーズの面々と対峙するのだった。

 

 挑発染みた言動を口走る佐助の不敵な面構えに躍起に駆り立てられ、先ず新人組の面子が佐助に飛び掛かって行った。

「よっしょっと」

 だが佐助はその攻撃を難なく軽々と回避してみせると、ワイヤーで繋がっている大型手裏剣をレベッカ・アンダーソン目掛けて飛ばした。

「ッ!」

 レベッカはその攻撃を寸での所で避けると、すぐさま佐助に向かって攻撃に転じる。

 しかし佐助は彼女を始めとする幾多のルーキーズの攻撃を、身体を逸らしながら軽々と回避していく。

 そして佐助が体勢を構えようと立ち止まった瞬間「はぁッ!」シルバー・クロウが佐助に強烈な一撃を振り翳した。

 だが佐助に攻撃が直撃したと思った瞬間、佐助の身体が不定形な影へと変化してしまい、シルバー・クロウの攻撃を無効化してしまった。

 困惑するシルバー・クロウ、その背後から影と共に出現した佐助に、今度はキリトが凄まじい剣による一刀を喰らわせようとする。

 しかし佐助はキリトが振り下ろした剣に対しても同じく自身を影へと変化させて攻撃を回避してしまう。

 そして斬りかかったキリトの背後に再び現れては余裕を感じさせる表情を浮かべてルーキーズに挑発を掛ける佐助に苛立ちを覚え始める新人達。

 そんな新人達に総部隊長のミラールが注意を促す。

「気をつけなさいっ、そいつは一癖も二癖もある奴よっ!」

 その言葉の通り、佐助は縦横無尽にその場を動き回り、ルーキーズの新人達の攻撃を華麗に軽々と避けてみせる。

 巴マミ、暁美ほむら等の銃撃を意図も簡単にかわしてみれば、シンクやキリト等の斬撃を回避して行っては見事に自身の攻撃へと体勢を転じては反撃していく。

 

 そんな中、佐助はふと戦っている最中のルーキーズの一員であるアスナと目が合った。

「ッ」「っ」

 互いに目が合ったその瞬間、佐助は迷う事無くアスナに大型手裏剣を二つとも投げ飛ばしては彼女に攻撃を仕掛ける。

 だがアスナに大型手裏剣が直撃する寸前、すかさずキリトがアスナの前に駈けては飛来してきた手裏剣を二つとも弾き返す。

 キリトによって弾き返された手裏剣を掴むと同時に、佐助は見事に自分が放った手裏剣を弾き返したキリトに向かって言葉を投げ掛けた。

「きみ、中々やるねえ……ま、聖龍隊の一員なんだから当然と言えば当然か」

「ッ……!」

 この時、キリトは佐助の声を聞いた途端表情を一変させた。

 そしてキリト同様、彼を始めとする【ソードアード・オンライン】組は全員、佐助の声を聞いて微々ながらも顔色を豹変させた。

 次の瞬間、皆なにを思ったか一同にアスナの周りを取り囲んでは、まるで佐助からアスナを護るかの様な行動を取った。

「って何、何なの突然? 君達、なに急にその子を護るように俺様から避ける訳? 別に俺様その子に対して特別なにかしようとか、これっぽっちも思っちゃいないよ……まぁ、君らの戦力を量る為にこうして戦っている訳だけど、なに突然……?」

「い、いや……その、何となく……」

 突然の【ソードアード・オンライン】組の行動に意味不明で困惑する佐助の問いに、キリト達は戸惑いながら呟いた。

 そんな彼等の様子を見てミラールは、心の内で思った。

(中の人ネタ……)

 佐助に対し只ならぬ危機感を抱いてしまった【SAO】組の面々を見てミラールは言葉を発せず、人知れず心の内に留めて置いた。

 

※詳しい事柄はBASARAの猿飛佐助の声優さんとSAOで調べてみて下さい。

 

 そんなこんなで猿飛佐助は、忍術で生み出した己の影を巧みに使ってルーキーズの面々を手玉にしながら戦いを続ける。

 しかしルーキーズも一方的にやられっ放しでは不服な故に、果敢に佐助に攻撃を仕掛けていく。

 例えばトリコが自慢の豪腕[釘パンチ]で佐助に巨大な拳を振り下ろしてみるが、佐助は瞬時にそれをかわしては豪腕を振り下ろしたトリコ自身の頭に飛び乗っては悠々と言葉を掛けた。

「いや~~惜しい惜しい。後もうちょっとだったんだけどねえ」「ッ」

 寸での所で振り下ろされた拳を避けた佐助の挑発交じりの言動に、さすがのトリコも口を歪ませる。

 そしてトリコの頭から飛び降りた佐助が地に足を着いたその隙に、佐倉京子が自分の得物である槍で佐助の体を貫いた。

「おおっと……お嬢ちゃん、結構えげつない事してくれるじゃない」

 自分の体を躊躇なく槍で貫いてみせた京子の行動に微かな笑みを浮かべて言葉を掛ける佐助の言動に、彼が全く痛みを感じてない事を悟り戸惑う京子。

 すると次の瞬間、京子の槍で貫かれた佐助が一瞬で黒い影へと一変し姿を消してしまった。

 驚く京子、その背後から大型手裏剣を構えた佐助が怪しく地の影から出現し、それに気付いた京子は驚愕した。

 

 次の瞬間、佐助は一歩二歩と後ろに体を回転させながら後退すると地面に右手を着いては忍術を使ってルーキーズの新人達に逆襲をした。

眩影(げんえい)!」

 すると佐助の眼前に光の柱が発生し、その柱を中心に佐助の影から次々と影の分身が送り込まれては消滅し、それに巻き込まれる形でルーキーズのメンバーを続々と手玉にしながら攻め続ける。

「うわぁッ」「きゃあ!」

 眩影の術に巻き込まれ、空に高く舞い上げられる京子やさやか、それにシルバー・クロウにキリトらの面々は、佐助の繰り出す忍術に対し良い様に嵌ってしまう始末と相成った。

 更に猿飛佐助は苦戦八倒しまくるルーキーズの面々に、ここぞとばかりに必殺技を使った。

「晴れて回るは猿飛の舞!」

 そう言った瞬間、佐助の影分身が二体出現し、三位一体となって強烈な回転攻撃を放ちながら同時に周囲に複数の影を出現させて回転攻撃と影分身による二重の攻撃をルーキーズに浴びせ続ける。

 

 そして一通り、佐助の眩影の術で巻き上げられ手堅く痛め付けられてしまったルーキーズの面々に聖龍隊総長のバーンズが声を掛けた。

「お前達ッ、その辺でやめとけ」

 総長バーンズの一声に、佐助と仕合っていた面々は動きを止め、その場に立ち止まった。

 更にスター・ルーキーズの総部隊長であるミラールも、佐助と戦っていた自分の部下達に言葉を掛ける。

「あなた達、油断してんじゃない? あの忍、飄々とした見た目と違ってかなりの使い手なのよ」

「は、はぁ……」

 ミラールからの言葉に隊士たちは唖然とした様子で呟いた。

 

 

 

 

[対決 二人の頭と猿と言う名の忍]

 

 そんな中、ルーキーズの新人達と佐助の戦う様子を眺めていたバーンズと共に、同じく戦闘を傍観していた赤塚組の頭領である赤塚大作が二人揃って前に出る。

「招かれざる客人、か……海の粟でも呑ませてやるか」

 大将が眼前の佐助に対し言葉を吐くと、それに対しバーンズが不敵な面構えで大将に声を掛ける。

「まぁ待て、そう捥げにするな……オレとお前、二つの螺らで御茶の子さいさいよ」

「……ふっ、そうだな」

 不敵な笑みで言葉を返した大将は、こうして眼前の猿飛佐助を睨みながら対峙するのであった。

 

 聖龍隊の総長バーンズと赤塚組の頭領、そして宴の最中に乱入してきた忍の三名は2対1の戦闘を始めてしまう。

 

 旧友不縁 赤塚大作 バーンズ・ウィングダムズ・キングズ

 

 バーンズと大将、二人を相手にしながら佐助は彼等に話し掛ける。

「面白そうな話してるね、俺様も混ぜてくんない? ……嫌だって言っても無理やり吐かせるけどさ」

 先程と変わらず、二組の組織の思案を強引に聞き出そうと考えを改めない佐助の台詞に対し、大将が破槍を振り回しながら睨みを利かせつつ佐助に話し返した。

「接見を許した覚えは無いんだけどな、下がってくれないかい」

 バーンズと大将が激しくも果敢に佐助と戦いながらも、大将は再び佐助に話し掛ける。

「子虎の影か……水に落ちても尚、溺れ足りねえみてえだな」

 対峙している佐助の現状を言い表しながら大将は佐助の放った大型手裏剣を受け止める。

「客のつもりか? 許せ、ツマミは残っておらなんだ」

 一方バーンズも佐助に対し不敵な笑みを浮かべながら上手く立ち回りつつ、彼に言葉を掛ける。

 そんな疾風の如き戦法で仕掛けていくバーンズと、勇猛果敢に破槍を振り回して攻めてくる大将の二人を相手にしながら、佐助は厳つい真顔で平然と語り掛けるのであった。

「かつては敵対していた事もあった聖なる龍の軍勢と赤き御山の大将さん達が手を組み、今は鬼神すら不在……そんなややこしい間柄同士の御二方が仲良く酒宴を開いているとは驚きなんだけどね」

 これに対し、バーンズが佐助に答えた。

「隠すことも無い、オレらと赤塚組の手繋ぎよ」

 これを聞いて佐助は、自分と対峙している現状であるバーンズと大将の二人に問い掛けた。

「成るほどね、そんじゃ……その手繋ぎ、俺様が干渉しても文句はないよね?」

 佐助の放った発言に、戦いを傍観していたセーラーネプチューンが厳つい面持ちで言った。

「その交渉、私達とも無関係ではないでしょうね……」

 するとネプチューンに続き、彼女のパートナーであるセーラーウラヌスも佐助に言葉を投げ掛ける。

「初手の初手から勝手をする男だ、相も変わらず」

 更に、突然姿を現しては場を掻き乱す佐助の言動に意義の言葉を投げ付けるコレクターアイ。

「貴方、密約という言葉の意味を知らないの」

 すると此処で佐助と戦っているバーンズが、先から佐助に対し色々と言葉を掛ける女性らに申す。

「落ち着けお前ら、知られたからには取り込むに限る」

 バーンズは、自分等と赤塚組の同盟に対する動きを知った佐助をも、自分等の軍勢に上手く戦力として取り込もうと考えたのだった。

 

 更にバーンズは互いに激しく火花を散らしながら戦い合う佐助に対し、続けて問い掛けるのだった。

「オレはこの戦界創世での乱世を渡り合いたい……お前達もそれは同じ筈だ」

 そしてバーンズは佐助が属するモンゴル軍の情勢についても厳しく問い質す。

「今のモンゴル軍には仲間が要り様ではないのか?」

 バーンズに問い掛けられ、佐助は険しい面持ちで睨みながらも答え返す。

「見透かしてくれるね……否定はしないけどさ」

 

 そしてしばし戦い合い激突し合った三名は、双方の意思を疎通したかのように戦いの手を止めた。

 バーンズは以前にも増して劣らない猿飛佐助の実力に敬意を称して不適で穏やかな微笑を浮かべた顔で申し上げた。

「オレら三勢、和気もあいあいの三つ巴……朗らかな応えを期待しているぞ、ヒヒッ」

 バーンズは佐助に、自分達の同盟に彼等モンゴル軍も加わってくれる結果を期待する素振りで笑い掛けるのだった。

 

 

 

 

[対面し合う二人の頭と猿]

 

 手合わせしたバーンズ/大将組と猿飛佐助は、一時ばかし無言で相手を見据えながら双方共に只ならぬ静寂の空気の中で目を光らせる。

 そんな張り詰めた眼前の状況に息を呑み只ただ愕然と言葉を失くしてばかりのルーキーズの新人組【DOG DAYS】組、【ソードアード・オンライン】組、【アクセルワールド】組、【魔法少女まどか☆マギカ】組の面々は自分達の総長であるバーンズとその彼と共闘した赤塚組の頭領 赤塚大作の二人、そしてその二人と厳つい面持ちで向き合う猿飛佐助、三名の姿を前に言葉を発する事さえ出来なくなっていた。

 

 すると此処で、場の空気を切るように佐助が眼前のバーンズと大将に問い掛ける。

「そんじゃ、一先ずはお互い……本当に共闘し合えるか、停戦協定って事で宜しいかな?」

 佐助の問い掛けに対しバーンズと大将は厳つい真顔で申し返す。

「ああ、そう言う事だ。此方としては、其方の新しい軍の将でもあるユキジからの返事を直に聞きたいのが真情だがな」

「俺もバーンズの意見に賛成だ。あのユキジが俺達と度等を組んで戦う気があるのか……あいつの口から直接聞きてえしな」

「最もな、ご意見で……ま、ウチの大将にはその辺の答えを出せる様には伝えて置くんで、宜しくっ」

 バーンズと大将からの受け答えに佐助は飄々とした素振りで話し返した。

 

 すると其処に初めて佐助を目にしたルーキーズの新人達が、バーンズと大将の二人と会話している佐助に声を掛けてきた。

「あ、あの……」「ん、何だいボク?」

 声を掛けてきたシンクに返事する佐助、すると佐助にミルヒオーレが挙動不審な素振りで訊ねて来た。

「貴方は確か……さるとび、さすけ、さん……という御方なんですよね?」

 名前を確認しに来たミルヒオーレに対し、佐助は改まって頭を下げながら彼女達に己の名を申し上げた。

「その通り……改めまして、俺様こそ先の乱世で大活躍した忍の中の忍。名を猿飛佐助と申します。以後、どうぞ宜しく」

「は、はぁ……」

 丁寧に頭を下げながら名乗る佐助に対し、ミルヒオーレは小さいながらも返事した。

 其処へ今度は総部隊長であるミラールに新人のキリトやシルバー・クロウ達が彼女に訊いた。

「なあミラール……あの佐助って忍者、前の乱世ではかなり名の知れた忍者って本当ですか?」

 訊ねられたミラールは真顔で答えた。

「そうよ、彼はアジアの小国モンゴルの軍に属する忍。影を使った忍術を交えた戦法で数多の敵を薙ぎ倒した実績を持つ……そう、色んな意味で実体の掴めない男なのよ」

『…………』

 ミラールの言葉に新人達は黙然とした。

 

 更にミラールや彼女同様に佐助を良く知るルーキーズの面々はもちろん、佐助自身も初対面であるルーキーズの新人達に詳細を教え伝えた。

 

 人里離れた修羅の如き獣道より疾駆したる一つの影、その影の名は猿飛佐助。

 新世代型二次元人、国連総長足正義輝が引き起こした戦界創世において、衰退の一途を辿るアジアの一国モンゴル軍、その忍頭である。

 佐助は、自身の主に対しこう言い残しては、各地を転々と駆け回って様々な情報を得ようとしていた。

「……俺様が必ず何かを掴んで帰る。だから大将も考えろ、そして行え……モンゴルの為に必要な事を……」

 佐助の主とは本来は国将軍であるモウ・コダイという武人なのだが、そのコダイが病身な為、彼に代わって国を纏めるのは若き武人シン・ユキジ。だが彼には未だ難局を打破する器量が備わっていない。

 迷走し続ける今のモンゴル軍に不可欠なものは、まず第一に情勢把握。

 これにより佐助が最初に向かったのが、言うまでも無い聖龍隊と赤塚組の合戦であった。

 目的地、アニメタウン沖合いにて開かれた聖龍隊と赤塚組の戦端は、まさに様々な情報が犇き泳ぐ海そのものと言えた。

 

 以上の件によって、佐助は聖龍隊と赤塚組の会談もとい酒宴を覗き見ていたのだった。

 

「調子良さそうじゃない猿飛。忍としての腕前は落ちてないわね」

「へっへ、そりゃ軍の忍頭として日々鍛錬は怠ってないからね。まあ、その分気苦労も変わらず耐えないのが本音だけんど」

 スター・ルーキーズの総部隊長ミラールに話し掛けられる佐助は、平然とミラールに話し掛ける。

「猿飛さん!」「お久しぶりですねッ」「お元気でしたか?」

「おうっ、三人とも久しぶりッ。相変わらず三人並ぶと見栄えが良いね、信号機トリオ♪」

 笑顔で挨拶を掛けて来た【マギ】のアラジン/アリババ/モルジアナの三名に佐助は飄々と笑顔で挨拶を返す。

「こんばんわ佐助さん」

「よぉ、相変わらずの容赦ない手際だったな。まぁ、それぐらいでねえと俺達に対して失礼ってモンだからな」

「ははっ、やあツナくん元気そうだね! ……そしてソッチは変わらず見た目と違って可愛げが無いな、リボーン」

 愛想よく挨拶を掛けて来るツナこと沢田綱吉に佐助も同じく愛想よく返事を交わすが、反して彼の相棒であるリボーンの変わらない態度と口振りに呆然と返す。

「よッ、忍。何時になく無駄のない戦いだったぜ」

「いつ見ても凄い術ですね」「ああ、マジで目が回っちまうぜ」

「ははっ、いやいや君達だって鮮やかな立ち回りだったよ、ホント」

 佐助の卓越した忍術と戦術に賞賛の言葉を掛ける奴良リクオに側近の氷麗(つらら)と青田坊の三人に、佐助自身も彼等を褒め返した。

「よお忍、相も変わらねえ身のこなしだな。動きを読むのがやっとだぜ」

「貴方の研ぎ澄まされた動きは、僕達でも応戦するのが必死ですよ」

「まッ、それでも()様の(つく)しい姿(がた)には負けるけどなッ」

「グハハハ、猿野郎……てめぇも変わらず、この混沌の時代と世界に適応してるな」

 トリコ/ココ/サニー/ゼブラの四名も、佐助の戦い振りに各々意見を語り掛ける。

「よぉ、元気そうで何よりだな忍者」

「まさか僕等と赤塚組の集会に潜り込むとは……抜け目がないですね」

「なに言ってんの。それが本来の忍なんですよ、お二人さん」

 溌剌と手を上げながら声を掛けるワイルドタイガーと眼鏡を掛け直しながら話し掛けるバーナビーの二人に、佐助も溌剌とした表情で話し返した。

「覗きなんて……いっくら忍の本職とはいえ趣味が悪いわね」

「はは大丈夫大丈夫、君の着替えなんかは覗いていないから。むしろ眼中にないから……って凍らせようとしないでッ!」

 無愛想な面差しで佐助に言うブルーローズに対し、佐助はからかいながら言葉を返すが危なく彼女の逆鱗に触れそうになる。

「お久しぶり、忍さん。相変わらず良い男っぷりねぇ、思わず抱き締めたくなるわ」

「はは、やぁ……(変わらねえな、このオカマ……まぁ、本当に抱き付いて来てもしたら殺しとくか)」

 色っぽく話し掛けてくるファイヤーエンブレムの言動に、佐助は冷めた目で返事しながら本音を殺していた。

「お、お久しぶりです! いつもいつも素晴らしい身のこなしでした! 実にブラボーな動きでした、Ninjya!!」

「は、ははは……ありがとう、君(相変わらず、この子は……未だに忍をヒーローとかと勘違いしているみたいだな、まったく)」

 目を輝かせながら日本文化をこよなく溺愛する折紙サイクロンの喝采に、佐助は苦笑しながら内心呆れ果てていた。

「やあリンちゃん、君も元気そうだね。相方のお人形も、ちゃんと手入れしているみたいだし何よりだ」

「……別に、貴方に気にされる筋合いとか無いんだけどね」

 悠々と親しげに話し掛けてくる佐助に鹿島リンは相方の使い人形アリス共々冷めた表情で呆れ返した。

「よっ、あんたらも相変わらず賑やかだね」

「それって褒めてるんですか?」

「ん、むろん褒めてるんだよ。いつ見ても飽きが来ないほど楽しそうで」

 常に騒々しいほどの賑やかな面子を見て笑みを零す佐助に、掛けられたルーシィは微笑しながら返した。

「久しぶりだな忍者!」

「相変わらずアンタの影の忍術は手を焼かせるぜ」

「モンゴルの人達は元気にしてるか?」

「よッ、君達も元気いっぱいだね! うん、ウチの軍のみんなも元気だよ」

 ルーシィ同様、気軽に明るく話し掛けてくるナツ/グレイ/エルザの三人からの問い掛けに対しても佐助は明るく振舞う。

「猿飛さーーん!」「お元気でしたか?」

「おうおう、此方さん達も相も変わらないねぇ」

 明るく元気に声を掛けてくるエンゲキブに内気な様子で話し掛けてくるハチカヅキ、そして笑顔を向ける月光の三名を目の当たりにして、佐助も彼等と同じく明るい笑顔を浮かべる。

「さ、猿飛さん……」「お久しぶりですっ」「元気にしてたか、忍者さんよ」

 ジョーイ/リナ/サイの三名もそれぞれ佐助に言葉を掛ける。

「よっ、いずなちゃん。君も変わらず聖龍隊に滞在してるんだねっ」

「ま、まぁ……ルーキーズに入隊させられてからは、迂闊に稼ぐ事すら出来なくなっちゃってね。仕方なくよ……」

 佐助に問い掛けられた葉月いずなは、聖龍隊入隊後は平然と自身の霊能力で儲け事が出来なくなった事を複雑な心境で語る。

「おう、元気だったかい電子生命体の連中っ」

「そ、その呼び方はいい加減やめてください……」

 【デジモンクロスウォーズ】の面々を見て気軽に声を掛ける佐助であるが、声を掛けられた方は佐助の呼称に思わず呆然となる。

「おうっ、確か君は…………二年前、ウチの旦那を思わず手に掛け様とした坊主じゃないか。なんだ、まだ生きてたのかい?」

「そ、その節は悪かったって……ホント」

 顔に薄らと怒りを浮かべる佐助に、将人は目を逸らしながらもそんな佐助に言葉を返す。

 

 と、そんな顔馴染みの間柄であるルーキーズのベテラン組と会話した佐助に、今度は初対面である新人の隊士達が佐助に話し掛けて来た。

「え、えっと、その……は、初めまして猿飛、さん。先程は手合わせ、本当にありがとうございました」

「いえいえ。それに、言っちゃ何だけど俺様マジで君達の事殺す勢いで戦っていたけど、それで礼を言われるとは。君、結構律儀だね」

 話し掛けて来たシンク達【DOG DAYS】の面々に佐助は穏やかな表情で話し返した。

「あ、貴方が先の乱世で活躍したという猿飛佐助なの……」

「意外にも手強い方なんですね。危うく戦闘不能にされる所でしたよ」

 初見の佐助に唖然とした表情で話し掛ける黒雪姫に、眼鏡を人差し指で掛け直しながら話し掛ける黛拓夢の両名に、佐助は爽やかな笑みで反応する。

「は、初めまして、猿飛佐助さん」

「やっ、初めましてお嬢ちゃん達……おや?」

 初見で戸惑いながらも挨拶を述べに来た鹿目まどか達【魔法少女まどか☆マギカ】の少女達を目の当たりにした佐助は何かに気を止めた。

「………………」

「……え、え。な、何ですか……?」

 突如、無言で見詰めだした佐助に、見詰められた巴マミが困惑していると佐助は彼女に答え返した。

「うむ、いやね…………きみ惜しいね、胸だけじゃなく顔と背丈も成長していたらバツグンなのに。やっぱ胸に栄養が全部持ってかれちゃったのかな?」

「……っ!〔バッ〕」

 全身隈なく見渡しながら語る佐助の発言に一瞬で顔を真っ赤にさせては思わず自身の胸を手で隠すマミ。

 と、其処に「おい、何ウチの新人に向かってセクハラ抜かしてんの」と総部隊長のミラールが躊躇なく佐助の背後から彼の後頭部に向けて銃口を突き付ける。

 だが、そんなミラールと佐助に総長のバーンズが物申した。

「ミラール、無理なこと言うもんじゃない! マミのおっぱいを見たら誰だって言いたくも成っちまうモンだぜ。エロス万歳!」

 この発言に暁美ほむらは何の迷いもなくバーンズに銃を向けて弾丸を乱射した。

 ほむらに弾丸を乱射され、バーンズは身体に開いた無数の穴から煙を上げて連射したほむらに言った。

「……ほむら、お前よく平気で上官のオレに、こんなマネが出来るなオイ」

 だが、隣に居たアッコがそんな穴だらけのバーンズに冷めた目で言った。

「撃たれても仕方ないわよ、バーンズ」

 バーンズの言動に半ば呆れながら言葉を掛けるアッコだった。

 

 と、そんな中。初対面で有名な忍である佐助と話そうとルーキーズの新人達が佐助に問い詰めようと取り囲み始めた時。

「……ま、お宅らも色々と聞きたい事は有るだろうけど、俺様も何分忙しいんでね。まだまだ足を運ばせなきゃならない地域や国に出向いて情報を掻き集めなきゃいけないんだよ……まっ、そう言う事で御対面は次回って事で♪」

 と、調子よくルーキーズの新人達に佐助は告げた。だが、この時佐助は自分の言動に対し周りの誰よりも警戒している集団に気付き、彼等に言葉を掛ける。

「お、お宅らさ……さっきもアレだけど一体なんな訳? 周りの連中以上に俺の事警戒してさ」

『………………』

 しかし気難しい顔を変えずに佐助に警戒の眼差しを送り続ける【SAO】組だった。

 

 

 

 

[去り行く猿]

 

 そしてルーキーズや聖龍隊、赤塚組の面々との対話を一段落させた佐助は、次にHEADの面々と話し始めた。

「そんじゃ、俺様は行くよ。さっきも言った通り、まだまだ足を運ばせて情報を掻き集めなくちゃいけないんでね」

「貴方も大変ね、色々駆けずり回って……」

「ん、いやいや。俺様逆にこう言う仕事のほうが慣れているから、むしろコッチが忍としての本分だからね。頑張らないとっ」

 苦労が絶えない佐助に哀れみの言葉を呟くセーラームーンに、佐助は笑顔で話し返す。

「それじゃ……私達は貴方達モンゴル軍からの伝達を待っているわ」

「いや……ハニー、それじゃダメだ。あの師の病身で気が滅入っているユキジの答えを俺達はスグに知らなきゃいけない訳だ。佐助、近いうちに此方から使者を其方に向かわせるから、お前はその事を現在の将であるユキジに伝えておいてくれ」

「ああ、解った」

 伝達を待っていると発言したキューティーハニーに総長のバーンズは即急に相手方の意思を知らなければならないと伝えると、スグに佐助に使者を送ると自身の主に伝えてくれと伝言する。これには佐助も同意した。

「佐助さん私達もなるべく、あなた方モンゴルの方々と手に手を取り合って協力していきたいと想い願ってます。それをシン・ユキジにお伝えして下さい」

「ああ、俺様としても成るべくあんた等とは敵対したくないのが本音だかんな。何せ、非情の正義を掲げる国連軍とほぼ同じ勢力であるあんた達聖龍隊とまともに衝突するって考えただけでも末恐ろしいからね」

 争い合い傷つけ合う事態を成るべく避けたいと思想するナースエンジェルの発言に、佐助も本音交じりの発言で返した。

「佐助さん、どうかユキジ君にも宜しく伝えといて下さい。彼、一度決めたら脇目も振らずに一人で突っ込んで行っちゃう真っ直ぐな人だから……」

「ご心配どうもありがとう……まぁ、旦那が一人で考えもせず猛進するのは今に始まった事じゃないけど、これからはそれを控えるよう俺様自身も目を光らせ置くさ」

 木之元桜からの心遣いに佐助は頭を掻きながら気難しい面持ちで彼女に伝え返した。

「良い返答、期待してるわねっ」

「貴方の様な素晴らしい忍が味方になってくだされば、私達も心強いですわ」

「此方としても、余り敵対関係の相手が増える事だけは避けたいしね」

「うんうん、そりゃご尤も! 何より「敵よりも味方を増やせ」ってのが、あんた等の前の総長さんの格言である訳ですしねッ」

 コレクターズのユイ/ハルナ/アイ三人からの問い掛けに佐助は凛々とした表情で話し返す。

「それじゃ佐助さんっ、ユキジ君に宜しくっ!」

「私達も折を見て様子を見に行くけど、彼には将としての采配を期待してるわ」

「それと病身のモウ・コダイ氏にも御大事にと御伝えしてください」

「へへ、ありがと三人とも」

 励ましと慰みの言葉を掛けてくれる魔法騎士の光/海/風の三名に礼を返す佐助。

「それでは、道中気をつけて……まぁ、貴方の事だから大丈夫でしょうけど」

「ははっ、解っていますね。さすが北海道の県将軍様だこと」

 ちせの発言に佐助は彼女に調子よく飄々と言葉を返す。

「そんじゃ、ユキジを始めモンゴル軍の方々に宜しく伝えて下さいニャっ!」

「後々、此方からも使者を送って其方の返答や様子を窺いに行きますから」

「おうっ、承知しました。ケモ耳の幹部方!」

 威勢よく声を掛けてきたミュウイチゴとミュウレタスらミュウミュウズの女性達に、佐助は明るい笑顔で返した。

「この激しい乱世の荒波の中、どうかお気をつけて」

「しっかり俺達からの伝言つたえてくれよ。聖龍隊とモンゴルの今後に関わる事なんだからよ」

「ほいほいっ、解っておりますって海斗の旦那。そもそも忍が情報を伝えられないんじゃ意味ないよ」

 健気に言葉を掛けるアクア・レジーナのるちあと海斗に、佐助は軽い口調で話し返した。

「私達も成るべく早くに使者を送るから、それよりも早く伝えてちょうだい」

「遅れたら承知しませんから」

「おいおい、さっきから注文多いなぁ。大丈夫だって、この佐助様の足を信じなさいって」

 伝言を急かす真紅と翠星石の発言に、佐助は顔を渋らせながらも答え返す。

 

 そしてその時、参謀長のジュニアとアプリコットの二人が佐助に歩み寄っては彼に声を掛ける。

「それじゃ、後は任せましたよ」「以後、よろしくお願いします」

「ああ、しっかりと伝えとくさ。聖龍隊と赤塚組、双方の巨大な勢力からの同盟の話……確実に本所に持ってくさ」

 其処に副長の加賀美あつこも歩み寄ってきては、話を本所であるモンゴルに持ち帰る佐助に言葉を掛けた。

「佐助さん、どうぞ私達との事、宜しく御伝え下さい。私達も成るべく多くの国々とは協力し合って、そして一緒にこの乱世を鎮めて行きたいのが真情なんです。其処をどうにかモンゴルの方々にも、ちゃんと……」

 心配そうに話し掛けてくるアッコに、佐助は穏やかな笑顔で答えた。

「ん、大丈夫でさ魔鏡聖女。逆に今、勢力が衰えているモンゴルに取っちゃ、強大な勢力図を手中に収めている聖龍隊が味方に成ってくれるってんなら、それこそ嬉々とした美味しい話だもの」

「……………………」

「……っ、大丈夫だって。俺様からも、ちょこちょこ話を付け足して御膳立てはしてやる積りさ。俺だってあんた等と戦うなんて正直ご免なんでね。だからそんな顔すんなって、なッ」

 答え返すも尚、心痛に満ちた表情を浮かべるアッコに佐助は自身からも何かしらの手は打つと話を付け加えながら気落ちする彼女を励ましてあげる。

 最後に聖龍隊総長のバーンズと赤塚組の頭領である赤塚大作こと大将の二名が佐助の前まで歩み寄っては話し掛ける。

「それじゃ任せたぜ。オレ等とお前等モンゴル軍の未来を決める大事な話し合い……」

「いづれ俺達から使者を送ってはアンタ等の考えや決断を聞きに行くから、忘れんじゃねえぞ」

「はいはい、心配しなさんな……とは言うものの、此方だって無意味な同盟は御免なんでね。あんた等二組の同盟が、如何に俺達の軍勢に影響するかどうか、じっくりゆっくり検討させてもらいますので、その積りで」

『…………』『……………………』

 佐助の返した言動に、バーンズと大将は厳つい面持ちで佐助を睨み付け、周りの者たちは皆心配な余り黙然となってしまった。

 

 

 そして聖龍隊の最高幹部HEADとの話が終わり、その場を去っていく佐助の両側に突如彼の分身が出現する。

 すると中央の佐助に左側の佐助が肩を叩いて愛想よく言った。

「お疲れさんっ」

 そう言った左側の分身は地面に呑み込まれる様に消えると、続けて反対側の分身が中央の佐助に声を掛ける。

「ご苦労さんっ」

 するとその分身も同じ様に消え、残った中央の佐助は厳つい表情で

「さぁて……次なるお仕事は、っと……」

 と言いながら地面に潜って行く様に前へと歩みながら姿を完全に消し去ってしまった。

 

 

 猿飛佐助の出現と去り際の様子に騒然となる現場ではあったが、こうして聖龍隊と赤塚組の会談および酒宴は幕を引いたのであった。

 

 

 

 

[chapter:今回のキャラクター紹介]

 

 猿飛佐助(さるとびさすけ)

 所属:モンゴル(本人は日本人)

 武器:大型手裏剣×2

 肩書:蒼天疾駆(そうてんしっく)

 年齢:不明

 出身次元:不明

 CV:子安武人

 イメージカラー:緑または迷彩柄

 

 シン・ユキジを支え、モンゴル軍の命を受けて働く優秀な忍。

 普段のひょうひょうとした態度とは裏腹に、その実力や主を想う心は揺るぎない。

 忍らしい非情な一面もあり、敵対する相手によっては冷酷さを垣間見せる。

 

※出身次元と言うのは今作より用いる言語で、そのキャラクターが二次元人が三次元人かを表しています。因みに猿飛佐助の素性は不明な点が多いので、彼が二次元人か三次元人かは謎である設定。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。