■シリーズ
がんばれ悟心鬼

■キャプション
夜中に自販機に行く奈落家姉弟

1 / 1
----------------------------------------------------------------

■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回は自販機だったりコンビニだったり。)

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。

・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(今回、時期はだいたい春一番が吹く前の
3月中旬を想定して書きました。)

ストーリーのジャンル:いつも通り少しコミカルでほのぼの

では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。

----------------------------------------------------------------


第1話

人見城、深夜。

悟心鬼が熟睡していると

急に神楽が部屋に現れ、

いきなり布団をガバッとまくり取られて

たたき起こされた。

 

寝ている時は読心はできず、

神楽も突発的でかなりすばやいため

悟心鬼は避けることができなかった。

 

仕方なく悟心鬼は眠い目をこすりながら

神楽の思惑通り

一緒に近くの自販機に付いて行く。

 

人見城の城門を出る姉とすぐ下の弟。

 

 

静かだな。誰もいねえ。

 

3月中旬の夜道。

星空は冬の夜空のように綺麗には見えない。

音は一切しなかった。

車の音も、風の音も、虫の音も、エアコンの室外機の音もしていない。

各家の明かりはまばらに灯っていた。

 

「ぐぐぐ、ここで終わったりはしないぞ。俺もいるしな」

悟心鬼が神楽に気を遣って言った。

 

「わーってるよ! てか、心読むな」

 

「ぐぐ、すまん」

 

そうこうしている間にすぐに近くの自販機に着く。

 

悟心鬼に持って来させた500円玉を入れる。

わざわざ彼を連れて来た理由はおごってもらうためなのだった。

抜け目ない神楽。だが、会社だと確実にブラックだろう。

関係性によっては犯罪だし、人としてはろくでなしだ。

(彼女は人ではないが。)

 

だが、神楽はなぜか許されてしまう。

悟心鬼もなぜか悪くは思えないのだった。

 

それに彼がさらに神楽を内緒で読心すると

心の奥に寂しげなものを感じた。

 

気づかないフリをしつつ、

悟心鬼は500円玉を一つの自販機に入れるが、

すぐおつりの所からまるまんま

カラッと音を立てて出て来てしまう。

あっけに取られ顔を見合わせる二人。

そしてクスッと小さく鼻で笑う神楽。焦り始めた悟心鬼。

ふるえる手で悟心鬼がもう一度500円玉を自販機に入れる。

静かにだが押し込むように

 

しかし、何度入れ直してもダメだった。

 

他の自販機に変えてもダメだった。

 

そこにある自販機全台試したがダメだった。

 

神楽も他に小銭は持って来ていないし、

悟心鬼も自動販売機に行くのだからと

ワンコインしか持って来ていなかった。

 

「なんだよぉ~!」

せっかく飲む物まで決めたのにと

あきれてぶすくれる神楽。

 

仕方なく二人はそのまま少し歩いて近くのコンビニへ。

 

ここまで来たのならジュースを買うより

アイスを買いたい。

 

ふつうのスーパーの倍くらいの値段の

パピコを一つ買った。大きさはいつものと同じ。

 

夜中だからレジはよくいるヤル気の無さそうな店員かと思って

ちょっと嫌な感じを覚悟していたが、

接客に心のこもったさわやかな少年店員だったのが救いだった。

 

その後、神楽と悟心鬼は

歩きながら買ったパピコを半分こして食べた。

マスカットオブアレキサンドリア味が

甘酸っぱくてとてもおいしかった。

 

悟心鬼には小さいサイズかもしれないが、

姉と同等に半分こできたことが彼にはとてもうれしかった。

 

神楽も夜中だったが、

たまに悟心鬼と出歩くのもいいなと思いながら

パピコを口に含んでいた。

 

「夜桜咲いたらまた来る?」

神楽が半分本気な冗談を言う。

 

「ぐぐ!?」

神楽と二人も楽しいが

またおごらされるのかと悟心鬼は驚き、

ちょっとした嘆きの声をあげた。

 

「ぐぐぐ、またいつか」

おごらされるのはちょっと嫌だが、

神楽とまたこうして歩きたいと

悟心鬼は心から思っていた。

 

二人は仲良く静寂の夜道を帰って行く。

 

おわり

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。