アークナイツ サイドストーリー ~源野落陽~ 作:丸・ぱそ男
いつも本作を読んで頂きありがとうございます。
本ページは解説ページとなります。解説内容によっては本編及びクロス作品のネタバレに繋がる場合もあり、ネタバレを避けたい方は本ページは読み飛ばして頂くようお願いします。
本作はアークナイツの大地にドル箱三部作の主人公『名無しの男』(作中ではガンマンと呼ばれています)を迷い込ませたクロスオーバー作品となりますが、
「そもそもドル箱三部作って何? どんな作品なの?」
という疑問で本作を読むにしても取っ付き辛さを感じている方がほとんどかと思われますので、こちらのページでクロス作品の簡単な説明と本作内でのドル箱三部作、ドル箱三部作作で主演を演じたクリント・イーストウッドの別作品に関する小ネタ・元ネタ、オマージュネタについて解説していきます。
クロス作新の登場人物である名無しの男については下記ウィキペディアの記載を参考をしてください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E7%84%A1%E3%81%97%E3%81%AE%E7%94%B7
また、本作を切っ掛けにクロス作品であるドル箱三部作と、名無しの男を演じるクリント・イーストウッド作品に手を出す手助けとなりましたら幸いです。
ドル箱三部作って?
本作でアークナイツとクロスオーバーしている作品『ドル箱三部作』とはクリント・イーストウッド演じる『名無しの男』が登場するイタリア製西部劇(いわゆるマカロニ・ウエスタン)の“荒野の用心棒”、“夕陽のガンマン”、“続・夕陽のガンマン”の三作品の総称である。
上記の三作品の共通事項として映画監督はセルジオ・レオーネ、音楽制作はエンニオ・モリコーネ、そして主演俳優はクリント・イーストウッドと共通しているが、各作品間の繋がりはなくそれぞれ独立した物語となっている。
ただし、クリント・イーストウッド演じる主人公『名無しの男』は全ての作品で同一人物であるとされている。
“荒野の用心棒” 英題:A Fistful of Dollars
公開年:1964年
記念すべき『ドル箱三部作』の第一作目。
メキシコの町に立ち寄った名無しの男(ジョー)が荒くれ者の一味と保安官一家の縄張り争いに首を突っ込み、両者の間で立ち回りながら町を救うというのが大筋の物語。
黒澤明の映画“用心棒”の筋書きを
マカロニ・ウエスタンというスタイルを確立した重要な一作となっている。
“夕陽のガンマン” 英題:For a Few Dollars More
公開年:1965年
『ドル箱三部作』の第二作目。
無法者の首に掛けられた懸賞金を糧に生きる賞金稼ぎの名無しの男(モンコ)。大悪党のインディオが監獄から脱獄したことを聞き付けその首を狙うのだが、時を同じく元南軍兵士の老練な賞金稼ぎモーティマー大佐とかち合うこととなる。互いの力量を理解したモンコとモーティマー大佐は協力関係を築き、銀行強盗を企むインディオとその一味の懸賞金を巡って物語が展開していく。
本作は一作目と三作目に挟まれていることで知名度はやや劣るものの、金と暴力と裏切り、そして復讐というその後のマカロニ・ウエスタンの特徴を決定付けた名作であり、音楽担当であるモリコーネの独自性も発揮され映画のシーンにカチッと嵌った劇伴も見どころならぬ聞きどころである。
“続・夕陽のガンマン” 英題:The Good, the Bad and the Ugly
公開年:1966年
『ドル箱三部作』の締めを飾る三作目にして最高傑作。
物語はアメリカ南北戦争時代。南軍の消失した二十万ドルもの金貨を巡って名無しの男(ブロンディ)が仕事仲間の悪党トゥーコ、冷酷な殺し屋エンジェルと時には対立し、時には手を組んで南北戦争真っ只中のアメリカで大金を追い求めるというもの。
マカロニ・ウエスタンの枠を超えて史上最高の西部劇映画の一つに挙げられることもある名作中の名作である。緩急のついたカットシーンにそれを盛り上げるBGM。そしてクライマックスでの三者による決闘シーンの緊張感と盛り上がりは筆舌に尽くし難い。
小汚いオッサンが三分間ただ走り回るシーンが名シーンと賞賛されるのはこの映画ではなかろうか。
↓下記より作中での小ネタ・元ネタ解説となります↓
元ネタ・小ネタ解説
第六話 『さすらいの口笛』
──「棺桶は要らなかった」
映画 “荒野の用心棒”(1964年)より
クリント・イーストウッド演じる主人公の名無しの男(ジョー)が立ち寄ったメキシコの町にて保安官のバクスター一家の手下と対峙する直前に棺桶屋へ言い放った「Get three coffins ready」が元ネタ。
保安官の手下たちとの短い会話の後、ジョーは目にも留まらぬ早撃ちで手下四人を射殺。伝えていた人数から一人増えたため棺桶屋へ「My mistake, four coffins」と訂正するシーンは必見。
作中ではナイジェラ一味がテラ人特有のタフネスで銃撃を耐えたことで本来必要になる棺が不要になった驚きも込めて皮肉っている。
第九話 運び屋
──「なるほど。椅子の背もたれをドアノブに噛ませていたのですか」
映画“荒野のストレンジャー”(1973年)より
アメリカ西部のとある鉱山町を訪れたイーストウッド演じる流れ者(ストレンジャー)がちょっとした勘違いから町民に用心棒として雇われ、ホテルの一部屋を充てがわれる。休息を取る前に部屋の調度品の椅子を入り口の扉のドアノブに噛ませるシーンが元ネタ。流れ者が慎重かつ用心深く、例え町中であっても油断しない荒事に長けた人物であることを行動で示すシーンであるといえる。
──「……なるほどねぇ。つまり
──「ピンカートン?」
史実“ピンカートン探偵社”より
一八五〇年頃にアラン・ピンカートンによって設立された私立探偵事務所のこと。探偵事務所と銘打ってはいるが実際の事業内容は多岐に渡り、リンカーン大統領の護衛に代表される要人警護、情報収集、物資護送、企業家に雇われてのスト破りなど現代における民間軍事会社、警備会社の先駆けとも呼べる存在であった。
また西部開拓時代のアメリカ西部に跋扈する無法者を追跡・確保する任も合衆国政府より委託されていたこともあり、作中ではリスカムたちが所属するBSWを悪名高いピンカートン探偵社と重ね合わせた名無しの男が嫌悪感を露わにしている。