NTR同人誌の世界で竿役を始末しながら人理を救う カーマルート+二週目特典 作:一般マスター
「帰ってください」
どうも。すっごく慈悲深くて賢くて強い愛の女神、カーマです。
現在、私には頭を悩ませている案件が一つあります。
以前カルデアに所属していたと主張するサーヴァント、通称『二周目勢』への対処です。
人理修復に失敗し、剪定された世界からの来訪者。人理と共に消滅したはずの彼らが何故ここにいるのか、どうやってこの世界に渡ってきたのか、それら全てが不明。これでフォーリナーじゃないって、ほんとにこの世界の召喚システムはバグってますね。
正体不明のままやってきた彼ら『二周目勢』は、一応カルデア所属のサーヴァントとして認められることになりました。奇貨居くべし。危険性も有用性も不明のため、しばらく隔離。それがマスターの下した判断です。
私としては、彼らなんて全員令呪切って自害させるべきだと思うんですがね。一度裏切った奴は何度でも裏切りますよ。
一度人理滅亡を経験した彼女たちは、精神的に非常に不安定。彼らにどう対処するかというのが、今の私が頭を悩ませている案件というわけです。
「……聞いていますか!? 」
「ああ、まだいたんですか? 私、帰れって言いましたけどね。頭と耳、どっちが悪いんですか?」
「そんなの、納得できるわけ無いでしょう……! どうにか、彼ともう一度話がしたいんです……!」
そうそう。一事が万事こんな調子ですよ。
『マスターに謝りたい』と、どのサーヴァントも騒がしくて仕方ありません。謝るくらいなら好きにすりゃ良いんですが、その後もずっとうるさいんですよね。
「謝りたいって……もう謝ったでしょう? マスターに、あなた達全員まとめて「申し訳ありませんでした」って言ったじゃないですか。これ以上何がしたいんです?」
「―――っ、それは……! だって、その後、何も出来ていない……!マスターと、一度だって話せてない! マスターがシミュレーションルームに行くときも、ずっと自室で待機してるだけ!」
「はあ。そうですか。で、それの何が問題なんですか?」
「何って……! どうにか、彼の支えになりたいのよ! 素材収集でも特異点偵察でも何でもいい! 彼が言ってくれたら、囮でも生贄でも何でもやるのに! なのに、マスターは何も言ってくれない! だったら私は、いったいどうやって償えばいいの……!?」
「…………」
そう言い募るサーヴァントへ、呆れを込めた沈黙を返す。『マスターに会いたい』と私に相談を持ち掛けて来てから、こいつはずっとこの調子だ。ただ無視されるばかりで、償いの機会も与えられないのが余程辛いのだろう。
お前が、彼をマスターと呼ぶな。お前ごときが。
「……はあ。役目が与えられないのが不満という事ですか? 」
「そ、そうです! 私は、今度こそ彼と一緒に人理を救いたいんです! 今度こそ、マスターの力になりたいのに! このままじゃずっと、私は……!」
「裏切り者のまま、ですか? ――当たり前でしょう。謝って終わりなのは幼稚園までですよ、たんぽぽ組の年長さん。早いとこ、おむつ卒業してくださいね」
必死になって詰め寄るサーヴァントへ、冷ややかにそう返す。一度反省して、謝って、だから何だというのか。心を入れ替えたと言われて、信用できる訳もないだろうに。
前科のある『二周目勢』は信用できない。それがマスターと私が話し合った結論です。忠誠心の出どころ、強度、召喚の経緯もすべて不明。慎重に経過観察し、異常を検査してからではないと、どこに地雷が埋まっているか分かった物じゃない。
それを、果たして分かっているのかいないのか。功を上げようと焦るのは勝手ですが、それに私たちを巻き込まないで欲しいですね。
「はぁ……。そもそも、このカルデアに籍を置けているだけ有り難いと思ってくださいよ。私としては、あなた達全員令呪で自害させたいんですよ? マスターに止められてなければ、直接殺しても良いくらいなのに」
「……っ! それは、でも……!」
「『彼の力になりたい』? なら、大人しくしていてください。あなた達が、魔術王の仕掛けた罠で無い可能性は何処にあるんです? あなた達をカルデアに置く事で、マスターに不利益が発生しない保証はありますか?」
「それは…………」
「ああ、やっと静かになりましたね。やれば出来るじゃないですか。そのまま一生黙って、このカルデアで岩のように動かないでください。それで十分ですよ、裏切り者さん」
押し黙ったサーヴァントへ、軽蔑の視線とともにそう言い捨てる。
「どうやってこのカルデアに来たのか。そちらのカルデアが終わる時に、何が起こったのか。それを説明して貰わない限り、一生そのままですよ」
「……本当に、覚えてないんです……。カルデアからマスターが去って、絶望して……。そこから、記憶がなくて……」
「そして、気がついたら再び召喚されていた。なぜ記憶を引き継いでいるのかも分からずに。こんな恐ろしいサーヴァント、普通に考えて使えると思いますか?」
こちらを恨めしげに見るサーヴァントへ、そう冷たく告げる。
ああ、本当に、愚かで愛らしいですね。性に溺れて主君を裏切り、その不名誉に苦しむ。これが『愛』ですよ。愛の神として、私がうんざりするほど見てきた物です。
「良いじゃないですか、どうでも。別に、貴方なんて特別でも何でもないんです。古今東西ありふれてますよ、あなたのように一時の熱に浮かされた女なんて」
そんなあなたも、私は愛してあげますよ。それが仕事ですから。
「好きにしてください。一生黙って居てくれれば有り難いと言いましたが、別に守らなくたって良いんです。前の世界と同じように、好き勝手にカルデア職員とヤりまくったって構いませんよ」
あなたが何をしようが、私が愛してあげます。それが私なので。誰にも褒められなくて、誰にも認められなくて。疲れ切った私の、辞めたくても辞められない責務なので。
「愚かに、醜く、堕落すればいいじゃないですか」
ただ、それでも。
「私が貴方に要求することは、ただ一つだけです」
一つだけ、どうしても譲れない事があるだけだ。
「―――マスターに、二度と関わらないでください」
人類最後のマスター。誰にも褒められず、誰にも認められず、無償の奉仕を続けるあの人。
「貴女の勝手な欲望に、彼を巻き込むな。特異点修復に誰を連れて行って、誰を待機させるか。それを割り振るのは、カルデア所長代行であるマスターの仕事です。全て、彼が判断する事です。貴女が口を挟む事ではない。あなたのゴミみたいな私情で、彼を煩わせるな」
きっと、彼は報われないでしょう。彼は限界ギリギリまで頑張って、何かの拍子にあっけなく、無常に死ぬでしょう。別の世界でも、彼は失敗したそうですし。そりゃそうでしょうね。
私は良く知っています。誰もやりたがらない汚れ仕事を頑張ったって、誰にも感謝されやしないんですよ。
可哀想で、ちっぽけで、一人ぼっちで。誰にも愛されず、貶められるあの人。
「あの人は―――私だけが、愛しますから」
彼の旅路は、愛の神である私が看取ります。
彼が何事もなく人理修復を終えられるなんて、私は思っていません。甘ったるくて素晴らしいハッピーエンドが、私にあるなんて。そんな都合のいいこと、恥ずかしくてとても考えられません。それがカーマという女神ですから。きっと、私たちは惨めに死ぬでしょう。
だから、せめて私がマスターの傍にいます。
彼と私が、無様に死ぬ時。最後の時に、『よく頑張りましたね』と言って。頭を撫でて、眼を閉じてあげます。誰にも褒められなかった彼を、私が褒めてあげます。汚れを清めて、傷だらけの身体を繕って、埋葬まで取り計らいましょう。それが、愛の神としての私の務めです。誰にも譲れない、彼にしてあげるべき事です。
「だから、邪魔しないでください。彼に関わらない限り、何をしたって構いません。愛が欲しいなら、私が愛してあげます。性欲を満たしたいなら、そこらのカルデア職員相手に腰を振ってればいでしょう」
「……彼に、会わせてください」
「無理ですね。あなたにどんな汚染が潜んでいるのか分からないので。完全に潔白が証明されるか、一か八かに賭けなければならない程追い詰められるまで、この判断が覆る事は無いでしょう」
もうこれ以上、彼の物語に関わるな。その本音を押し殺して、あくまで事務的に告げます。
段々と相手にするのも面倒になって来ましたね。向こうは『それでもマスターに会いたい』の一点張りですし、もう話を切り上げさせてもらいましょうか。
「……大体、彼に会いたいなら直接言えば良いですよね。なのに、どうして私に言いに来たんでしょう? 当ててあげます。既に、マスターにはこっぴどく拒絶されたんでしょう?」
「――――っ!」
「もっと当ててあげましょうか。『へー……そっか。頑張ってね』『え? 別に、裏切ったとかまあ……良いよ。うん。これからだってこれから』『別に、期待もしてなかったし……っていうと角が立つか! ごめんほんとごめん、まあとにかく、全然気にしなくていいよ!』 大体、うちのマスターはこんな事を言ったんじゃないです? あの人はあの人で、だいぶ人間的にカスな所がありますからねぇ。申し訳ないです、気の利かないマスターで」
厭味を大いに込めた笑みと共に、サーヴァントの顔を覗き込みながら言う。
あの人は、今も人理修復だけを目指して走り続けているんです。ブレーキの壊れた機関車の様に、ただただ全力で己の身を捧げているんです。そんな彼に、『二周目』だとか何だとか―――そんな
「"どうでも良い”んだって、痛い程分かったでしょう? あなたが何をしようが、彼はどうでも良いんだって。人理救済の邪魔になるなら除けて、役に立つなら使う。彼が考えてるのはそれだけです。それ以外の事なんて考える余裕が無いんです」
頑張ってるんですよ、彼は。貴方よりも、そしてきっと私よりも。今を生きる人類を代表して、無我夢中で走っているんです。
たった一人で、人類を救おうとしてるんです。まともに使えるサーヴァントは私だけ。周囲のカルデア職員は潜在的な敵で、足を引っ張ろうとする味方ばかり。人類すべてを背負っている重責は一体どれ程でしょう。一手のミスが死に繋がる特異点修復を、それでも必死に成し遂げてるんです。
「認めて欲しいとか、償いたいとか、あまつさえ―――愛して欲しいとか。貴方の身勝手な願いなんて、構ってられないんです」
「ぅうっ…………!」
「私に仲介を頼んで、なんとか仲を取り持って欲しかったんですよね。マスターに会いたいとか、勝手な事ばかり言って。残念でしたね、都合良くいかなくて」
ああ、だけど、それも愛だろう。人は愛の為に盲目になって、他人の都合なんてどうでも良くなる。
「大人しく、カルデア職員とセックスでもしておいてください。人理なんてどうでも良くなるほど気持ちよかったんでしょう? 良かったじゃないですか、ぜひ好きなだけどうぞ。どんな爆弾があるかも分からない『二周目』の貴方にできることなんて、せいぜいそれくらいです」
「違う……! 違うんです、私は、そうじゃなくて……!」
このカルデアだって同じだ。性がどうだ、
「―――ああ、もう一つありました。あなたと同霊基の、『一周目』のサーヴァント。彼女がバカなことしないよう、どうか祈ってあげてください。彼女なら、マスターも安心して使えるでしょうから。もちろん、隔離されているあなたはかつての自分とも接触禁止ですが」
「ぅううううう……! ううううううううう……っ!」
馬鹿馬鹿しい。下らない。
お前たちの身勝手な愛で、これ以上彼を傷つけるな。
「……シミュレーションルームに行きますね。私のマスターに、呼ばれているので」
「うぅうううううう……! ごめんなさい、ごめんなさい、マスター……っ!」
泣きじゃくるサーヴァントに背を向け、マスターの元へ歩く。追いかけてくる気力もないのだろう。背後ですすり泣く彼女は、顔を俯かせたまま謝るだけだった。
はーあ。
愛って、本当にくだらないですね。
「お疲れ様カーマちゃん!!!!!!!!!!! 今日も楽しい素材収集の時間だよ!!!!!!!! お仕事たのちい!!!! お仕事たのちいね!!!!」
「あーあ。ほんと、ハズレのマスターに召喚されちゃいましたね」
「いきなりなんだテメエ!!!! 喧嘩け!?!? 俺が100%負けるんだからまずは要求を言えよ!! 暴力で勝てないから絶対通るぞ!!」
「違いますよー。もっとちゃんとしたカルデアに召喚されるか、逆にもっと駄目なマスターに召喚されたかったって事です」
「??? 訳わかんねえこと言ってんじゃねえぞ……! なんか言われても、俺にできることは謝罪しかねえんだからな……! 不満があるなら鋭意努力改善するのでぜひ仰ってください! お願いいたします!」
「別にー……。あなたみたいなマスターじゃなかったら、仕事なんてしなくてよかったのにってだけです。別に、分からなくても良いですよ」
「へー(分かってない)。まあ分かんなくていいなら良いか! 分かってほしかったらまたその時、もっと微に入り細を穿っていってくれよな!! じゃあ仕事行くぞ!!!!!」
「はいはい。ちゃんとお仕事しますよ。今までもずっと、私はそうしてきたんですから」
愛の女神として、仕事はちゃんとこなします。
人類最後の救世主。私のマスター。惨めで愚かで、鏡を見ているように可哀想な、愛しいあなた。
貴方の終わりは、せめて私が愛しますから。
カーマ攻略イベント
・決して報われない仕事を一人で頑張る(クリア!)
・?????
・?????
・?????
〜別世界線〜
一周目マスター「うおおおおお新人類創生! 皆頑張るぞ! 挨拶が出来る奴は創生も出来る!」
魔神柱「こいつ、躊躇いとか無いのか……?」