た…確かにウルトラマンや仮面ライダー、そしてゴジラやガメラは今まで一旦終了する事はあったけど、50年続いたシリーズに幕を閉じるなんて、アニポケでサトシが主人公のシリーズが終わったのと同じくらい信じられない……(その代わり宇宙刑事ギャバンの新作がやるとの噂も…?)。
しかもその次には、ゴジュウジャーの
まだ1クールほど話数が残っているのにこんな事が……今後のシナリオの件も含めて、ホントに戦隊シリーズを終わらせるような騒動を起こしてどうするんだよ……(一応、
せっかくゴジラ映画の新作で盛り上がった矢先に、こんな事が続いたら世間の特撮に対する印象がどんどん悪くなって、「そりゃあ終わっても仕方ない」とか思われたくないです。
その他にも、仮面ライダーゼッツの撮影中にスーツアクターが怪我して入院したニュースとかも有るし、2025年は特撮(特に東映)にとってとことん厄年になりそう……。
さて今回は、原作第2話の後半パート1です。
正直ほとんど原作通りの展開故にグダグダした内容で申し訳ないですが、それでもちょくちょく色んな怪獣を出していこうと思います。
最後の希望 ガメラ(G1)
だだっ子怪獣 ザンドリアス
ちびっ子怪獣 ミニラ
原始怪鳥 リトラ(S)
超古代怪獣 ゴルザ
地底怪獣 テレスドン
宇宙超魔獣 デスギドラ
登場
破壊されて廃墟と化した第27採掘基地にて、青年プラトは内部を探索していた。
「……これだけ有れば充分かな」
現在プラトはその基地で使えそうな物や食料を目当てに、色々と物色して探索していると、其処には長期保存出来る食料と水が幾分か残っており、それ等を見つけた段ボールに全て詰めて持ち出そうとしている所である。
段ボールを持って外に出ると、まだ子供であるザンドリアスとミニラが、ドタバタとじゃれて遊んでいた。
キャオォーン!!
プアァァ!
彼等はまだ子供なので、敵怪獣が襲い掛かってきた時は戦力にならないし、こうやって偶に外に出して遊ばせないと拗ねてしまうので、どうしても扱いづらい。
しかし、ザンドリアスは空を飛べるので移動には便利で、ミニラは敵意のある怪獣の探知能力が高く、周りを警戒するには非常に役立っている。
「ザンドリアス、ミニラ、そろそろ戻れ!」
段ボールを一度下ろしたプラトはバトルナイザーを取り出すと、ザンドリアスとミニラに戻るように伝える。
しかしその前に、ミニラが此方に迫って来る1つの気配を探知した。
プアァ…?プアァァ!ブアァァ!!
「どうした、ミニラ?何が―――っ!」
驚いてザンドリアスの後ろに隠れるも、興味深そうに空を見上げるミニラに続いて、プラト自身もこっちに近づいて来る気配を感じ取る。
そして、やがて聞こえてくる飛行音。
「戻れザンドリアス!ミニラ!」
敵意こそ感じないが念の為2体の子供怪獣を回収して、近づいてくる気配に警戒する。
そして、徐々に何かが飛ぶ時に発する飛行音と共に、小さな飛空物体――ドラゴンスピーダーβが第27採掘基地へと飛行してきた。
ドラゴンスピーダーβは採掘基地のすぐ近くで、比較的平らな地面へと着陸すると、ハッチが開いて中からハルナとクマノが出てきた。
「怪獣は…近くには居ないわね。なら今の内に冷却コイルを探して、なるべく急いで船に戻らないと」
「あるとしたら…おそらく作業車を収納するガレージか、倉庫の方が見つかり易いと思います」
「それじゃあ、すぐに中を探しましょう」
「了解」
周囲を警戒して怪獣が居ない事を確認したハルナは、反応之炉の過熱によってペンドラゴンが爆発するのを防ぐ為に、クマノと共に冷却装置の代用品を探し出す。
2人がスピーダーから現れたのを見て、この時プラトは驚きの表情をする。
「っ…!」
あの時の人間が目にし、また銃を向けられるのではと思ったプラトは、面倒事を避けるべく倒壊した建物の物陰に隠れる。
(まだ気づいていない……?なら今の内に此処から離れた方が良いな……)
幸いにも彼等はまだプラトの事を見つけておらず、2人が気づかない今の内に食料を詰めた段ボールを持って、見つからないようにそっとその場から立ち去ろうとする。
しかしそれは、本当に怪獣が居ないか確認の為に、リサーチシーバーを取り出したハルナによって無駄になった。
「えっ?人間の生命反応が……まさか――!!」
センサーに人の反応を探知したので、もしやと思ってハルナは反応した方向へと駆け寄る。
そして瓦礫の裏側へと目をやると、段ボールを持って立ち去ろうとするプラトと、ばったり鉢合わせしてしまった。
「っ!!ヤバ――!!!」
「――!!止まりなさい!!!」
ハルナはトライガンナーを手にして銃口を向け、プラトに動かないように叫ぶが、プラトは持っている段ボールを捨てると回れ右して、一目散に逃げる。
そして走ったままプラトは赤いバトルナイザーを取り出し、飛行出来る怪獣を召喚。
「出てこい!!ガメラ!!!」
バトルナイザーを掲げたプラトが怪獣の名を叫び、それに呼応する形で光が放たれると、光から徐々に肉体が実体化されて目の前にガメラ(G1)が姿を現す。
ガオオオォォォォーーーッ!!!
ひと吠えしたガメラは、二足歩行から四つん這いになって身を低くする。
そこへプラトが大ジャンプして、ガメラの甲羅の上に着地して乗っかり、しっかり掴まるとガメラは両後ろ足だけを引っ込めてジェット噴射を開始。
怪獣の出現にハルナは銃の引き金を引きかけたが、ガメラのジェット噴射に怯んで発生した爆風の風圧に耐える。
そして噴射した炎はどんどん勢いを増していくとガメラの体が浮かび上がり、プラトを乗せたまま上空へと飛び上がって基地から去って行った。
第27採掘基地には、ハルナとクマノが残る。
「彼…まさか私達を待ち伏せていたんじゃ……」
「いえ、どうやら食べ物を漁っていたようです。彼の持っていた段ボールの中身はどれも、水と、長期保存出来る食料だけ……ですが副長!今回は彼の事は後回しにして、今は冷却コイルの回収を急ぎましょう!」
「…そうね」
この基地で彼が何をしていたのか知らないハルナは、自分達を襲う為に待ち伏せていたのではないかと疑うが、持ち出そうとした段ボールの中身を見てクマノは食料が目当てだと推測する。
どちらにせよ現在2人は彼に構う余裕は無く、改めて冷却コイルを探し始める。
クマノは早速基地のガレージへと向かっていき、ハルナもそれに続いていく。
ガレージの中は荒れており、天井には大きな穴が空いていて、幾つもの瓦礫や機械の部品が散乱していたりと散らかってるが、手分けして目当ての部品を探す。
約10分経って、部品等が閉まってありそうな所を中心に探したが見つからず、更に10分が経って、探索範囲を広げて細部も隈無く目を通すが、目的の冷却装置の代用品は見つからない。
それでも諦めずに探し続けていると、遂に目当ての物をクマノが見つけ出した。
「あった!副長、冷却コイルを発見!」
「本当!?見つかったの!?」
「はい!しかも状態が良く、ほとんど無傷です!!」
「…よし、すぐスピーダーまで運びましょう!」
「了解!!」
中古ではあるが非常に状態の良いのを無事発見し、早速ペンドラゴンへと持ち帰るべくハルナとクマノは冷却コイルを運び出す。
部品自体の重量は非常に重たく、男性の大人1人で持ち上げるのはかなりキツいが、2人がかりでなら充分に運べるだろう。
ズシン…ズシン…ズシン…ズシン…ズシン…!!
だがその時、何か巨大なものが近づいてくるような振動と地響きが聞こえてくる。
「副長!今のはまさか――!」
「怪獣よ!早く此処から離れないと!!」
すぐにこの揺れと音が、怪獣が近づいてくるものだと分かった2人は、冷却コイルを持ったまま急いで採掘基地のガレージから出る。
ガレージから出て、後は乗ってきたドラゴンスピーダーβまで運ぶだけとなるが、既に外には鋼鉄の如き体をした怪獣が居た。
ゴルゥパアアァァァァッ!!!
身長60m以上の典型的な怪獣型のフォルムで、赤い頭部と青い胴体には所々に、岩石状の鎧を纏っているかのような姿をしており、見るからに力強い姿をした怪獣――超古代怪獣「ゴルザ」だった。
「……う………」
一方その頃、マンモスソリチュラの毒花粉を吸ってしまい、一時的に気を失っていたヒュウガが目を覚ました。
吸った花粉の量が少なかった為これといった後遺症も無く、体を起こすと隣には、同じく花粉を吸って気を失ったオキが倒れていた。
「オキ……オキ!しっかりしろ!!」
「う、う〜ん………」
2回呼びかけるが、オキは苦しい表情をしながら目を覚まさず、まだ起きる気配はない。
自分は気を失った事と多少のだるさを覚えた程度で済んだので、オキも同じく無事だと信じたいところだったが、それでも油断は出来ないだろう。
クオォォォン……
ヒュウガがオキの心配をしていると。近くから苦しそうな鳥っぽい鳴き声が聞こえてきた。
起き上がって少しだけ辺りを探索してみると、高低差の低い崖下には2体のリトラ(S)が倒れていた。
最後の武器の「シトロネラアシッド」を使用したが故に、自身の呼吸器官までもが溶けて、カラフルな方の個体は既に息絶えており、近くにいるグレーの個体もその命は空前の灯火状態だった。
「最後の武器を、使ったのか……」
その時、背後から「カチャリ」という物音がしたので、ヒュウガは後ろへと向くと其処には、あのゴモラ使いの青年が立っており、トライガンナーの銃口をヒュウガに向けていた。
「――っ!!」
「…………」
ヒュウガは急いで銃を取り出そうとしたが、ホルダーの中には銃は入っておらず、気を失っている間に奪っていたらしい。
落ち着いて青年の目を見て様子を伺うヒュウガと、ヒュウガを警戒して銃口を向けながら少しずつ距離を縮める仏頂面の青年。
どちらも気の抜けない状況となる中、ヒュウガは1つ気づいた事があった。
銃の構え方からして、彼は素人だと―――それが分かったヒュウガは笑みを浮かべ、思いっ切って行動に出た。
「フッ…お前は怪獣は操れても、銃の扱いには慣れていないようだな」
「何ぃ…!!」
挑発に乗せられて不機嫌な表情になった青年は、銃口を向けたまま更に距離を縮めていく。
――だが2人の距離が約2mまで迫った次の瞬間、ヒュウガは青年が手に持つ銃を蹴り上げ高く飛ばし、青年を無力化させる。
更に青年が怯んだところを、ヒュウガは素早く青年と距離を詰めて掴み、柔道技の「大腰」の要領で彼を投げた。
「うわああっ――がはぁっ!?」
例え相手が人間離れした身体能力の持ち主でも、長年の経験や積み重ねでヒュウガが勝り、ほぼ一方的に青年は大地に倒れる。
その直後、蹴り上げた銃が重力に従って落ちてきたところを、今度はヒュウガが右手でキャッチして取り返した。
「…銃っていうのは、こう使うんだ」
「っ…!」
銃をキャッチしたヒュウガは、手本を見せるように青年に向けて構える。
先ほどの動きや目の前の銃の構え方からして、青年は目の前の男が只者ではないと理解し、一層警戒心を高めて睨むのだが、ヒュウガは銃をホルダーに閉まった。
「警戒しなくていい…我々はただ、知りたいだけだ。この星で…一体何が起きたのかをな…」
自分達の目的は、ただ情報が欲しいだけであり、傷つける意思は全く無いと、青年に伝える。
そしてヒュウガは一歩近づいて、立ち上がるのに手を貸そうと右手を差し伸べるが、青年はヒュウガの手を借りず、自分の力だけで立ち上がる。
「…俺には関係ない」
自分はそんな事知ったことじゃないと、青年はそう吐き捨てるように言うと、ヒュウガの横を通り過ぎるて立ち去ろうとする。
なかなか気難しい奴だと――ぶっきらぼうな彼との会話は難儀しそうだが、ヒュウガは振り返って青年と話を続ける。
「名前はなんて言うんだ?」
「…名前?」
「そうだ、俺の名はヒュウガ。あっちで気を失っているのはオキだ。……それで、お前の名前は…?」
「……………」
名前を問われて、青年は思わず黙り込んでしまう。
どう応えるか分からないような表情で、約数秒ほどその場で考えた後、彼は口を開く。
「………『レイ』……」
「…レイという名前なんだな」
「…いや、分からない……!」
「…?分からない…?」
「今頭の中で、その言葉がふっと浮かんだんだ。それが名前なのかどうかも、分からない……」
「お前…ひょっとして記憶が無いのか?そうなのか!?」
ゴモラ使いの青年は、自身の事を「レイ」と名乗ったが、彼はそれ以外の記憶を失っていた。
レイというのが自分の名前なのか、そもそも自分は誰なのか、自分は何処から来たのか、家族は存在するのか、そういった事は全く覚えていなかった。
何も分からないレイに、ヒュウガは彼が「記憶喪失」ではないかと疑うが、物理的に頭を打ってしまったのか、それとも何か精神的ショックを受けたのか、原因は分からない。
「…フンッ、俺には名前も記憶も必要ない!……俺には、
だが当人のレイは、記憶が無い事に関して自分に言い聞かせるように必要ないと言うと、ホルダーからバトルナイザーを取り出して見つめる。
怪獣と戦える力――どんな存在も捻じ伏せられるこの力さえあれば満足だと、何処か強がってるとも取れる顔をしながらも、闘争心に満ちた表情で言った。
それを見たヒュウガは、元より怪獣を操れる彼等に会った際に聞く予定だった本題を、今ここで切り出す。
「その怪獣を使って、お前は採掘基地を破壊したのか?」
「…?採掘基地…?」
「基地には…100名以上の人間が居た筈なんだ!」
「…知らないな。……もう1人の奴なら、何か知っているんじゃないのか?」
ヒュウガは単刀直入に「怪獣で第27採掘基地を破壊したのか?」とレイに聞いてみるが、彼自身は知らないと答え、もう1人の奴――プラトの事を口に出し、そいつなら知っているのではないかと言った。
もう片方の青年の事が出てきたので、ヒュウガは彼とはどうゆう関係なのかと更に質問を続ける。
「…お前の言うそのもう1人の奴というのは、同じく怪獣を操っていたもう1人の青年の事だな。お前と彼とは、知り合いなのか!?」
「いいや違うね。奴とはお前が言っている採掘基地って所で、初めて会っただけだ。知り合いでも何でもない」
ところがレイは、もう1人の怪獣使いであるプラトの事は知り合いでは無いと即答し、彼も第27採掘基地で初めて出会ったらしい。
もしそれが本当なら、採掘基地を破壊したのは少なくともレイではなく、もう1人の方が犯人になるが、まだ確証に至らない。
「…本当なんだな…?」
「どうだっていい…俺のターゲットは怪獣だけだ。これから更に強くなる為に、怪獣は…最後の一匹までこの俺が倒す!例えそれが、同じように怪獣を操れる奴が相手だとしてもな!」
念押ししたヒュウガだが、レイからしたらそんな事はどうでもよく、彼は怪獣を倒す事にしか頭にない。
それどころか怪獣を倒して強くなる為ならば、同じ存在が操る怪獣でも容赦なく戦おうとする姿勢のレイに、ヒュウガはそこまでして強い敵対心を持って戦うのか聞いてみる。
「…何故お前は怪獣と戦う?怪獣を倒して強くなる事に、何か理由があるのか?」
「怪獣と戦って強くなる事に理由が必要か?」
「何ぃ…!」
怪獣を倒して強くなる為ならば、他の事なんか関係ないというやや乱暴な考えをするレイに、ヒュウガは少々怒りを覚えて強めの視線を送る。
それに対してレイもまた、敵対心にもみえる近い鋭い目つきでヒュウガに睨み返して、一触即発の雰囲気が漂い始める。
だが、ヒュウガはその怒りを表に出す事は無く、深呼吸して冷静さを保ち、頭の中を整理して1つの提案を考えると、数秒の沈黙の後にレイに話しかけた。
「……レイ、我々と契約しないか?」
「契約?」
「怪獣を前に、我々の所有する武器はほとんど無力だ。この星で調査するにあたって、我々はお前や、もう1人の青年の力が必要なんだ…怪獣と戦える力がな」
「…………」
「その代わり交換条件として、我々はお前の記憶探しに手を貸すと約束しよう。どうだろうか?」
ヒュウガの提示した契約に、レイは睨むのをやめて少し考え始める。
彼等はこれから、調査の為に惑星ボリスの各地を移動するので、そこで怪獣と遭遇した際に対処すべく、怪獣を倒すのが目的としているレイと、同じく怪獣を操れるもう1人の青年の能力は必要不可欠。
またレイにも、彼等についていけば怪獣に遭遇する可能性は高くなり、更には失った自分の記憶を取り戻すきっかけになるかもしれない。
双方にとって決して悪くないので、ヒュウガとしてはいずれもう1人の怪獣使いも含めて、この話に乗ってくれると有り難いのだが、レイは違った。
「…言った筈だ、俺には名前も記憶も必要ないと。俺は今まで1人で戦ってきた、これからもな!」
レイは改めて名前も記憶も必要ないと、これからも自分1人で戦い続けるべく、自分の記憶探しは無用だと言い張った。
それは実質、ヒュウガが提示した契約を蹴ったと捉えてよいだろう。
「…そうか、交渉は決裂だな」
「……………」
話は断られたも同然の返事なのに、ヒュウガは落胆している様子は無い。
予想とは違った反応をしたからか、レイはどうゆう表情をすれば良いのか分からず、目を逸らす。
「ボス!」
すると其処に、毒が抜けてようやく目を覚ましたオキが、ヒュウガの所へと駆け寄ってきた。
まだお腹を押さえて少々ふらついてはいるが、意識自体ははっきりしていて、比較的大きな症状とかは見られない。
「オキ!もう大丈夫なんだな?」
「…はい。吸い込んだ花粉の量が少なかったので、軽症で済みました」
「そうか」
とにかく大事に至らなかったのは幸いで、ヒュウガは安堵すると今度は、ヒュウガが被るZAPメットに通信が入ってきた。
連絡相手は、副長のハルナだった。
『こちらハルナ!ボス、応答願います!』
「俺だ。どうしたハルナ」
『代用出来る冷却コイルを探す為に現在、第27採掘基地へと出向いたところ、怪獣の襲撃を受けています!』
「分かった。今すぐそっちへ向かう!」
すぐに状況を理解したヒュウガは通信を切ると、早速第27採掘基地へと向かう為オキに指示を出す。
「オキ、スピーダーへ戻るぞ」
「えっ?でも彼が居た方が…」
「…いいから、発射準備を急げ!」
「は、はい!」
オキも通信は聞いていたので、怪獣が出たのならばレイも一緒に連れて行くべきだと言おうとしたが、ヒュウガは彼に構わず発進準備を急ぐように言う。
それを聞いたオキは指示に従ってスピーダーの方へと駆け出し、すぐに発進準備を整える。
ヒュウガも乗り込むべくスピーダーへ向かおうとするが、その前に改めてレイの方へと振り向くと声をかける。
「レイ」
「…?」
「…またな!」
「……………」
その言葉を送ってヒュウガはレイに別れを告げると、彼もまたスピーダーへと走って向かい、乗り込むとハッチを閉めて発進させる。
スピーダーは瞬く間に翼を展開すると飛び上がり、第27採掘基地の方角へと飛行していった。
…不思議な奴だなと――心の中でそう呟きながら、ヒュウガ達が乗ったスピーダーが小さく見えなくなるまで見ていたレイだが、気を取り直して怪獣の方へと歩き出す。
クオォォォン……クァオオオオォォォン……
生きているのは、今まさにその命が燃え尽きようとしているグレーの個体のリトラのみで、もう1体のカラフルな個体は死んでおり、2体を相手にしたマンモスソリチュラは既に根っこまで枯れている。
レイも死にかけの相手と戦う気は流石にないので、何もせずそっとしておくか、それともこれ以上苦しまない為にひと思いに止めを刺すかで迷っていると、自身のバトルナイザーが光り出す。
スロットが順番に光りって自動で開き、眩い閃光が光線となってグレー色のリトラに照射されると、光の粒子となってバトルナイザーへと回収される。
「何だ…これは……」
初めてゴモラ以外の他の怪獣が仲間として登録された事に、レイは若干戸惑う。
己の青いバトルナイザーを確認すると、そこにはゴモラの下のスロットにリトラが表示されていて、燃え尽きそうだった命が瞬く間に回復していく。
バトルナイザーに回収された怪獣は怪我の度合いにもよるが、生きている限りどんなに重傷を負っても時間が経てば完全回復して、部位の欠損とかも完治する事が出来る。
そして試しに新しく登録されたリトラを召喚すると、すっかり元気になったリトラが実体化された。
ピキュウゥゥオオォォン!!!カァアアアオォンッ!!
「シトロネラアシッド」の使用で溶けた呼吸器官は完全に治り、絶好調になったリトラは高く舞って空中で一回転する。
リトラは他の怪獣に比べて小柄ではあるが、飛行が出来る種族故に上空から奇襲する事が可能な上、乗って飛べば移動範囲が一気に広くなる等、レイは戦闘以外でも活躍が出来る丁度良い足が手に入った。
クオォォォン……
ところが、リトラは出てきて元気よく舞い上がったその直後、悲しそうな鳴き声を上げて、とある方向へと目を向ける。
其処には、レイやヒュウガ達に出会う前から、ずっと行動を共にしていた同族の亡骸。
カラフルな個体は既に息絶えている為に、バトルナイザーの力で生き返る事は不可能なので、助からなかった仲間を想って泣いているように悲しく鳴く。
「…………」
少しだけそれを眺めていたレイだが、このままだとリトラはずっとこの場に居座る気かもしれなかったので、人間離れした身体能力による大ジャンプでリトラの背中に乗り、怪獣が現れたらしいスピーダーの飛んだ方向へと向かうように指示する。
「……行くぞ」
クオォォォン……ピキュウゥゥオオォォン!!
彼のその言葉でようやく踏ん切りが付いたのか、先に他界した仲間の分までこれからしっかり生きようという決意を新たに、最後の別れを告げるとレイを乗せたリトラはマッハ2の速度で飛び立っていった。
レイを乗せたリトラが飛び立ったのと同時刻、もう1人の怪獣であるプラトは、現在遠くの空を両足のジェット噴射したガメラに乗って飛行している。
怪獣との連続バトルやもう1人の怪獣使い、そして他の人間との遭遇と短時間で色々あったからか、疲れた彼はお腹と背中がくっつきそうなくらい空腹状態だった。
「はぁ…せっかく手に入れた食料……」
体を休めて、空腹を凌ぐ為に食べ物を求めてわざわざ採掘基地まで戻ったというのに、その場に居合わせたハルナ達に驚いてしまったのが原因で、折角見つけた食料等はあの基地に置いてきてしまった。
今から取り戻しに行ったとしても、あの2人に銃口を向けられる未来が目に見えてるし、時間を開けて戻っても彼等に持っていかれるだろうと思い、もう諦めるしかないとプラトは考えた。
その時――、
クルルゥオオオオオォォォクエエエェェェェンッ!!!!
「うわっ!ちょっ…ガメラ!何で引き返してるんだ!?」
主人のプラトを乗せて飛行しているガメラが、突然吠えるとUターンして飛ぶ方向を変え、あの基地の方へと独断で戻り始めた。
プラトはすぐにやめるように指示するが、ガメラは言う事を聞かずに飛行を続ける。
バド星人ウォルドーとの戦いの時でもそうだったが、何故かゴジラとモスラ・レオを含めこの3体は、時折バトルナイザーの所有者であるプラトの指示無しに勝手に行動する事がある。
基本的にバトルナイザーに登録された怪獣は所持している者に従順で、例えブラックキングのような強力な怪獣でも逆らう事は無いのに、現在ガメラはプラトの意思とは関係なく行動して、あの基地へと引き返していく。
ズシン…ズシン…ズシン…ズシン…!!
ゴルゥパアアアァァァァァァッ!!!
第27採掘基地
現在その基地には、大いなる邪神の先兵にして大地を揺るがす怪獣「ゴルザ」が練り歩いており、その後方の岩陰には銃を手にしているハルナと、冷却コイルを抱えているクマノが身を潜めていた。
ゴルザが採掘基地を離れるまでどうにかやり過ごそうとしている2人だが、既に短くも長く感じる時間が流れているにも関わらず、一向に離れる様子はない。
「くそっ!冷却コイルは手に入ったのに――!!」
一刻も早くペンドラゴンに戻り、壊れた冷却コイルを交換して船の爆発を回避したいクマノだが、気づかれていなくても近くに居られるだけでスピーダーに近づけない。
何とかして突破口を開きたいところだが、今飛び出せば確実にゴルザに見つかるのは明白な上、持っているトライガンナーでは怪獣を傷つける事は出来ず、逆に怒らせるだけだろう。
こうしている間にもタイムリミットが迫り、どんどん焦り始めたそんな時、何処からか少しずつ飛行音が聞こえてくる。
「これは…スピーダーの飛行音…!」
「てことは……ボス!!」
ハルナとクマノは音が聞こえてきた方向へと視線を向けると、空の彼方からもう1機のドラゴンスピーダーのα機が飛んでくるのを目撃し、紛れもなくそれはヒュウガとオキ達だと分かった。
ドラゴンスピーダーαに乗って急行してきたヒュウガ達は、採掘基地に怪獣が徘徊している事を知る。
「あれは…超古代怪獣ゴルザです!!」
「ハルナ、クマノ、聞こえるか!」
オキはすぐに怪獣の正体がゴルザだと分かり、ヒュウガはこの基地に居るであろう部下2人の安否を確認すべく通信で呼びかける。
すると、彼等もまたすぐに応答があって、通信でヒュウガとオキに無事を伝えてきた。
『ボス、ハルナです!』
「ハルナ!クマノも一緒だな?」
『はい!今、怪獣の後方に居ます!奴が邪魔でスピーダーに近づけません!!』
「空から怪獣の気を逸らす!その隙にスピーダーに向かって走れ!!」
『『了解!!』』
スピーダーを使った誘導作戦でゴルザの注意を引きつけると伝え、ヒュウガはそれをハルナ達に指示した後、通信を切る。
そしてスピーダーの武器システムを起動し、標準を巨大な体をしたゴルザにロックオンする。
「よし、攻撃を開始する!発射!!」
その一言を合図に、ヒュウガは操縦桿の発射ボタンを押して、攻撃を開始。
スピーダーの機体先端に装備されている小型のレーザービーム砲からエネルギー光弾が連続して発射され、それがゴルザの頭部等に当たって火花が散る。
ゴルゥパアアァァァァッ!!グウウゥゥゥゥ……
しかし、光弾は全て命中したもののゴルザは特にダメージを受けている様子は無く、豆鉄砲か何か当たったかのように平気な顔をしていた。
寧ろゴルザは自分が攻撃されたという事に怒り、攻撃してきたヒュウガ達の乗るドラゴンスピーダーαを睨む。
「平気な顔をしてますよ!?」
「これで良いんだ。わざわざ倒す必要はない」
攻撃が全く効いていない事をオキが伝えるが、ヒュウガは気を引かせるだけで充分だと言い、更にビーム砲で攻撃を続ける。
エネルギーを連射しながら接近してゴルザの目の前を横切り、高速で通り過ぎる事でゴルザの視線に入れる。
ゴルゥパアアァァァァッ!!
ズシン…ズシン…ズシン…!!
すると、狙い通りゴルザはスピーダーに目を移して、誘導作戦によって追いかけるように歩き始めた。
これをチャンスと見做し、スピーダーを操縦するヒュウガはすぐハルナ達にスピーダーに向かって走るよう通信を入れる。
『ハルナ、クマノ、今だ!!』
「「了解!!」」
すぐにハルナとクマノは行動に移り、冷却コイルを持って立ち上がると岩陰から出て、急いで自分達が乗ってきたもう1機のスピーダーへと向かう。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
だがその直後、大地が大きく揺れ出して、ハルナ達が姿勢を崩しそうになる。
揺れはどんどん激しさを増して、地面の下から巨大な物が這い上がって来るような感覚がした後、土を巻き上げてその正体が現れた。
グオオオォォォォォン!!!ガアアアァァァオオオォォォォンッ!!!!
「怪獣が2体!?」
「あれは、以前遭遇したテレスドンだ!!」
そこにはなんと、最初に採掘基地を訪れた際に遭遇した、あの地底怪獣「テレスドン」の同一個体だった。
どうやらテレスドンはこの基地を縄張りにしていたらしく、騒ぎを察知して縄張りを荒らされたと思い込んで地上に現れたようだ。
しかも、出現した怪獣はそれだけじゃない。
「えっ!?ボス、スピーダーの後方から、マッハ23で接近する巨大な飛行物体をレーダーが捕捉!!」
「マッハ23だと!?」
マッハ23という、飛行に優れた怪獣でも先ず出せない脅威の超スピードで接近してくる、謎の巨大飛行物体。
その後間もなくして、スピーダーの真上に現れる1つの巨大な影。
グオオオォォォウオオォォォォン!!!
ガアァオオォォォォウォン!!!
ガオオオォォォォォォォン!!!
見上げると其処に居たのは、四足歩行で全身が黒い体色しつつも、左右に大きく広がった翼は赤く、3つの首を持ったドラゴンのような怪獣――宇宙超魔獣「デスギドラ」だった。
デスギドラが舞い降りた事で採掘基地に怪獣が3体も増え、ペンドラゴンのクルー達は彼等に囲まれてしまう。
ガアアアァァァオオオォォォォンッ!!!!
地上に出たテレスドンは、冷却コイルを持って逃げるクマノとハルナを見つけると、排除の為に襲いかかっていく。
クマノは必死で重たい冷却コイルを持ち上げて運びつつ逃げ、ハルナはテレスドンに向けてトライガンナーのエネルギー弾を連射して応戦するが、テレスドンの表皮は硬くて傷1つ付かず、逆に口から溶岩熱線の「デプス火炎」を吐く。
「うああぁっ!!?」
「くっ…!!」
2人は間一髪で避けるが、テレスドンの吐く熱線の猛烈な熱に怯んでしまい、どんどん追い詰められていく。
部下の命が危ないと、スピーダーに乗るヒュウガは急いでテレスドンを攻撃するが、やはり通用している様子はない。
それでも攻撃を続けるのだが、次の瞬間、テレスドンとは別の方向から謎の光線が飛んできて、危うくスピーダーが掠りそうになる。
ゴルゥパアアアァァァァァァッ!!!
光線の正体は、先ほどまでスピーダーを追いかけていたゴルザの「超音波光線」だった。
ゴルザは頭頂部にエネルギーを溜めてると、狙いを定めて強力な紫色のビーム「超音波光線」を連続で撃ち出し、ヒュウガとオキが乗るドラゴンスピーダーαを撃ち落とうとする。
ヒュウガは継続して来るゴルザのビームを、巧みな操縦テクニックで上手く回避して、スピーダーへの被弾を紙一重で避ける。
ガアァオオォォォォウォン!!!
グオオオォォォウオオォォォォン!!!
ガオオオォォォォォォォン!!!
「っ!!?」
しかし、ゴルザの光線から避ける事に集中しすぎた為か、後ろから接近してきたデスギドラの存在に気づくのが遅れてしまい、体の一部がスピーダーと接触してしまった。
「うわあぁっ!!?」
「くっ!!不時着するぞ!!!掴まれぇ!!!」
デスギドラにぶつかった事で機体が不安定になり、飛行する力を失ったスピーダーαは一気に地面へと墜落してしまう。
そのまま地面に激突するかと思われたが、どうにかヒュウガが機体の姿勢を制御して保った事で不時着に成功し、激しい衝撃とにみまわれたが乗っているヒュウガ達は軽症で済んだ。
またスピーダーの損傷も、比較的少ないもののすぐに飛び立つ事は難しく、意識が朦朧とする中ヒュウガは一刻も早く飛び立てるように操作するが、そこへ大怪獣達の咆哮が轟く。
ガアアアァァァオオオォォォォンッ!!!!
ゴルゥパアアアァァァァァァッ!!!
ガオオオォォォォォォォン!!!
グオオオォォォウオオォォォォン!!!
ガアァオオォォォォウォン!!!
「くっ……!」
テレスドン、ゴルザ、そしてデスギドラの3体が、地響きを立てながらペンドラゴンのクルー達へ徐々に迫りくる。
やはり自分達の力だけでは、人類の常識を上回る存在たる怪獣の前には無力に等しい。
最早ここで全滅になるかと思われたその時、何処からともなく音速を超えた速度で飛ぶ1つの小さな影が、ゴルザを攻撃してきた。
ゴルゥパアアアァァァァァァッ!!?
ピキュウゥゥオオォォン!!!カァアアアオォンッ!!
攻撃されたゴルザは怯み、注意がその高速で飛ぶ小さな影の方へと移る。
風を切って飛行するその物体の正体は、よく見るとヒュウガも知っているものだった。
「リトラ…!?復活したのか――!!」
それは、先ほどまで死にかけていた筈の、グレー色の個体のリトラだった。
「シトロネラアシッド」の使用で、余命僅かだったあのリトラが完全に復活しており、とても死にかけだったとは思えないほどの軽やかな飛行でゴルザを翻弄する。
しかも、よく見るとリトラの背中には、誰か人らしき者が乗っていて、リトラは振り落とさないように注意しつつ飛んでいる。
「あれは――!!」
リトラの背中に乗る者は他でも無く、あの記憶喪失の怪獣使い――レイだった。
リトラ(S)
別名:原始怪鳥
学名:リトラリア
身長:15m
体重:1万t
出身地:惑星ボリス
飛行速度:マッハ2
武器&必殺技:シトロネラアシッド、エアリアル・スパイク、ファイヤーアタック、ファイヤーストライク
鳥に似た姿をした、鳥類と爬虫類の中間古代生物。
繭の中で成長・誕生するため、生まれた直後からある程度成熟しており、最初から飛翔し戦闘行動も行える。
最後の武器として口から強力な酸「シトロネラアシッド」を吐くが、使用するとリトラ自身の呼吸器系まで溶けて呼吸ができなくなり、やがて死に至ってしまう。
そしてこの個体は皆さん知っての通り後のレイの手持ち個体で、『総天然色ウルトラQ』の羽毛が緑や金色などで構成されていた初代の版とは違い、全身グレーで冠羽が赤いのが特徴。
今作では原作と違って単独ではなく、『総天然色ウルトラQ』のカラーの個体と共に行動していた。
ゴルザ
別名:超古代怪獣
身長:62m
体重:6万8000t
出身地:モンゴル平原地底
必殺技:渾身のパンチ、超音波光線、最大超音波光線
太古の昔から地中に生息していた、大いなる闇の邪神ガタノゾーアの尖兵である超古代怪獣の一種で、「大地を揺るがす怪獣」とも言われる。
筋骨隆々で非常に力強く、メルバと共に超古代の巨人の石像を破壊し、マルチタイプのティガを押し返すほどの強力なパワーと、頭頂部から放つ「超音波光線」を武器とする。
約3000万年前の地球では複数体確認されており、光の巨人達と激しい戦いを繰り広げたと思われ、壮絶な死闘の末に闇の勢力は撃退されたが、代償として超古代の文明は滅亡してしまったため、超古代文明を滅ぼした怪獣と伝えられている。
因みに投稿主は、『ウルトラマンティガ』に登場した初代ゴルザよりも、筋肉ムキムキ且つやや小顔で厳つい『大怪獣バトル』に登場したゴルザの造形が好み。
●言う事を聞かないプラトの怪獣
ドラマ版もゲーム版も漫画版も、使役する怪獣と心を通わす描写はあれど、基本的に怪獣側が主人の怪獣使いに反発して命令を無視する事は決して無い。
これはバトルナイザーの力のおかげで、この力が働く限り例えグリムドだろうがウルトラマンベリアルだろうが絶対に逆らう事は無く、どんなに強力な怪獣でも自在に操る事が出来ます。
――なんですが、ゴジラ、モスラ・レオ、ガメラの3体はバトルナイザーの強化付与効果は受けても、怪獣使いの力に完全に支配されておらず、時に自分の意思で活動する事が出来ます。
何でそれが出来るのかという理由は……いずれ明かされます(この小説が続いたとしたら…)。
因みに東映が色々と大変な中で、ウルトラマンオメガの第17話「風花」が個人的にかなり面白かった。
粘菌の怪獣という発想もそうなんですが、粘菌だからこその脅威が描かれたり、それぞれキャラ達が解決策を模索して行動したりと、なかなか見どころがあって凄い良かったです。