ウルトラマンオメガもゴジュウジャーもいよいよクライマックスになってきたので、最後まで彼等の物語を見守りたいですね(ゾメラ完全に人類の自暴自得過ぎてやべぇ……)。
それにゴジラ-0.0の公開日も発表されたし、今年も怪獣達が思う存分に超アバレマックスしてほしい。
さて今回の話は原作第3話の前半です。
ようやく原作キャラ達と合流したので、此処から少しずつ物語が動き易くなっていきますが、そもそも私の作成スタイルが鈍足なので、更新頻度に関しては期待しない方が良いです。
その上、現時点でオリ主プラトが(記憶喪失な事を差し引いても)感情の起伏や主体性が薄めな人間として描いてるのもあって、怪獣との対決以外見応えが無いですが、この辺はレイと同じく話を進めていく中で少しずつ変化していくつもりです。
用心棒怪獣 ブラックキング
双頭怪獣 キングパンドン
怪鳥 大コンドル
透明怪獣 ネロンガ
地底怪獣 グドン
登場
時刻は夕方――惑星をボリスを巡廻する人工太陽が地平線の彼方に消えかけて、青い空が赤く染まっていく中、再び第27採掘基地から戻って来たスペースペンドラゴンのクルー達と、怪獣使いの2人。
戻って早々クマノは、採掘基地から回収した冷却コイルを急いで機関部へと運び、反応炉の爆発を回避すべく早速交換の作業へと入る。
その間、他のクルー達はブリッジへと上がって、船長のヒュウガはそこで怪獣を操る青年――レイとプラトに話を伺っていた。
とは言っても主に話ているのはプラトの方で、プラトは一体何者なのか、何故怪獣を操れるのか、この星で何が起きたのか、そして怪獣を使って基地を破壊した事は有るのか等、ヒュウガの質問に1つずつ素直に答える。
その会話を、同席しているオキとハルナの他に、ブリッジの壁に背を預けて腕組みするレイも聞いていた。
「そうか……ではお前が来た時には、既に第27採掘基地に人は居なかったんだな?」
「…ああ。それは間違いない」
結局の所、プラトは基地を破壊するような真似はしておらず、彼もまたレイと同じく記憶を無くし、何故怪獣を操れるのか、どうして惑星ボリスに怪獣が現れたのか彼にも分からず、そして自分の記憶を探す為に謎の
まだ嘘を付いている可能性は無きにしも非ずだが、プラトはレイのように気難しい性格ではなかったので話がスムーズに進み、その言葉に嘘を付いている雰囲気はなかったので、一先ず採掘基地を破壊したのは彼ではないと知れただけでもヒュウガは安心した。
これには話を聞いていたオキも一安心したが、副長のハルナは今だ納得出来ておらず疑いの視線を向けており、レイに対しても含め警戒心を解いていない。
その時、ブリッジに通信が入ったのでヒュウガが出てみると、機関部で作業をしているクマノが報告をしてきた。
『此方クマノ。ボス、冷却コイルの交換終了。エネルギー反応炉の具合いはどうです?』
どうやら無事に交換作業を終了したようで、ブリッジのシステムから反応炉の具合いを確かめてほしく艦内通信を入れてきた。
それを聞いて、オキとハルナが代わりにブリッジ内のモニターから、炉心内が正常になっているかどうかを確認する。
「モニタリングポイントブルー、感圧90…」
「炉心内の温度安定…正常値です」
「うむ。ご苦労だクマノ、ブリッジへ上がってくれ」
『了解、ボス』
船の炉心が正常に働いている事をチェックして、クマノに戻ってくるように伝えた後、船長のヒュウガは艦内通信を切る。
一先ず目下の問題であったペンドラゴン爆発の危機を解決して、クルー達はようやく一時の休息が訪れて安堵の表情となる。
「大爆発の危機は去ったか……君達のおかげだね!」
「そうだな。レイに、そして……プラトと言ったな?お前達が居なければ、我々は第27採掘基地から無事に戻れなかっただろう」
ヒュウガは改めてレイとプラトの2人に、こうして全員が怪我なく生還出来た事、そのおかげで船の冷却装置の修理が間に合った事に対して礼を言った。
例え助ける意図は無かったとしても、彼等が怪獣を倒してくれたおかげで自分達が助かった事は事実だ。
「…いや、僕は特に何も……」
「別に礼を言われる覚えはない。俺はただ自分のするべき事……怪獣を倒したまでだ」
礼を言われた事に、プラトはどうゆう表情をすれば良いのか分からず若干戸惑って目を逸らし、レイは素っ気なく「ただ怪獣を戦っただけ」だと返答する。
「確かにそのようね。どうやら貴方達は…怪獣を倒す事が仕事のようだし」
「ちょ、ちょっと副長――!!」
そんな2人に対して、得体のしれない彼等をハルナは厳しい態度で言う。
慌ててオキが止めるが、彼女の目は怪獣使いの2人に疑惑を抱きながら、隠す気もない警戒心を剥き出しにしていた。
どうやら自分は歓迎されていないようだと――ハルナの様子から見て厄介者だと理解したプラトは、先ほど基地から回収した食料や水を詰めた段ボールを抱えると、足早に立ち去ろうとする。
「話せる事は全部話した……僕はこれで出ていくよ」
「待ちたまえ」
しかし、船の出口に向かおうとした所でヒュウガが彼を呼び止める。
プラトは歩みを止めて彼の方に振り返ると、ヒュウガは視線を合わせて、レイにも話した契約の話を持ち出す。
「…君は自分の記憶を探す為に、唯一の手掛かりであるそのバトルナイザーというメカを使って、怪獣と戦っているんだろ?それならば、我々と契約しないか?」
「……契約って…?」
「ああ。既にレイにも話したが、怪獣相手に…我々の武器はほとんど無力だ。我々がこの星で活動するには、怪獣と戦える君達2人の力が必要となる。だからこそ、我々の仲間になって怪獣と戦ってもらう見返りに、君達2人の記憶探しを手伝う…という契約だ」
「………」
「それに…記憶を探すにしても、君1人だけではこの星で生きるだけでも色々と限界がある。我々と一緒に行動すれば、探せる範囲も格段に広がる筈だ。決して悪い話ではない!」
「……………」
船長のヒュウガが提示した契約に、プラトはその場で黙り込んで考える。
確かに今まで怪獣と戦いながら己の記憶を求め彼方此方を探して来たが、自分だけでは探し出すのに限界を感じていたのは事実で、ヒュウガの契約はプラトにとって得になる話だ。
しかしプラトの頭には懸念を抱いており、彼等ペンドラゴンのクルー達と行動して本当に良いのか、もう1人の怪獣使いのレイと一緒なのは大丈夫なのか、それが引っ掛かった。
故にすぐには判断出来ず、頭の中で悩みながら約20秒近くの沈黙をした後、プラトは口を開いた。
「……少しだけ、考える時間が欲しい」
「…良いだろう。一先ず空いてある部屋を貸してやるから、今はそこで休んでいってくれ。オキ、案内してやれ」
「はい」
結局プラトは今ここでその答えを出せず、契約の件は一旦保留する形となった。
それを聞いて、一先ず断られなかっただけでも良しと判断し、オキに空き部屋まで案内させて、2人はブリッジから出ていった。
その背中を、レイは自然と目で追っていた。
「…………」
「レイ、お前はどうする?お前も、記憶の中の巨人について知りたいんだろ?」
「…考えておこう。
「ほう…それはプラトが今の話に乗れば、お前も付いて行くという事か?」
「…さあな」
無愛想に言いながらブリッジから出るレイだが、実際はもう1人の怪獣使いであるプラトに少し興味が沸いていた。
同じように記憶を失っていて、色は違えど同じくバトルナイザーを持っていて怪獣を操り、そして同じように岩の中の巨人の光景が頭に浮かぶといった、幾つも自分と共通する点を彼は持っている。
強気で「記憶なんか必要無い」と発言したが、本音はヒュウガの言う通り巨人の事は知りたいと思っており、その事が知れるきっかけになれば彼等と共に付いて行くのも悪くないと、本人には気付かずとも心の何処かでそう思い始めていた。
同時刻、赤く染まった空の下で破壊されたとあるZAPの基地では、2つの巨大な影がお互いに睨み合って唸り声を上げていた。
グアオオオゥアアァァァンッ!!!!
グガギャアアアアオオオォォォォンッ!!!!
片方は以前「海洋調査基地」で大好物のツインテールを倒した、地底怪獣「グドン」と同一の個体。
もう片方は身長45mで、バラゴンによく似た体をしながらも背中の蛇腹は黄色いで小さい背びれを持っており、鼻先には発光する1本角、頭頂部の両側にはクワガタのような触角を2本生やした怪獣――透明怪獣「ネロンガ」だった。
獲物を求めて徘徊していたグドンだが、気付かぬ内に他の怪獣の縄張りに足を踏み入れてしまい、その主であるネロンガと遭遇すると闘争心を剥き出しにして、生き残るべく戦闘を開始。
グガギャアアオオオゥンッ!!!!
グアオオオゥアアァァァンッ!!!!
縄張りを侵すグドンを倒すべくネロンガは突進して突っ込むが、グドンは両腕の鞭を力一杯振り降ろす「こんしんのムチ攻撃」でしばくと、すぐに顎に蹴りを入れて後退させる。
よろけるネロンガだが負けじと体当たりをかましてグドンの懐に入ると、鞭の攻撃を受けながらも胴体を起こしてグドンを背負投げた。
グアオオオゥアアァァァンッ!!!!
起き上がって体勢を整えたグドンはすぐさま反撃、両腕の鞭をブンブン振り回して打ちつける「ムチ連撃」で、向かってくるネロンガを激しく痛めつける。
この怪獣無法惑星となったボリス――その厳しい環境下で生き残っている事からグドンの強さは本物で、この凄まじい猛攻によりネロンガはどんどんダメージが蓄積されていくと、夕日で赤く染まる大地に倒れる。
それを見て、最早勝利は確信したと思い込んだグドンは目を発光させて、目から「赤いイナズマ状の光線」を発射して止めを刺そうとした。
グガギャアアアオオオゥッ!!!!
しかし光線が当たる直前で起き上がったネロンガが「透明化」を使って、体表が保護色になって周囲に溶け込み姿を消した。
当然グドンの放った光線はネロンガに当たらず、何も居ない場所に着弾して爆発するのみ。
グアオオオゥアアァァオオオゥ……!!
周囲を見渡してみるが、何処にも消えたネロンガは見つからず、苛立ったグドンは両腕の鞭を大地に叩き付けて怒りを表す。
きっと恐れをなして逃げ出したと思い込んだグドンは、何も無いこの場から立ち去ろうとしたその時、何処からともなく場所から青い電流が飛んできた。
グドンが反応して振り返るが時既に遅く、強力な「暴君電撃」が直撃して感電して吹っ飛ばされる。
更に追い打ちを掛けるように電流はグドンを襲い、体の限界を超える量の電撃が蓄積される。
グオオ…オ…オゥ……
力無い最後の鳴き声を上げると、グドンは痙攣しながらその場に倒れて絶命し、間のなくして電流が放たれた場所から消えた筈のネロンガが、その姿を現す。
グガギャアアアオオオォォォォンッ!!!!
戦いに勝って勝利を雄叫びを上げたネロンガは邪魔者が居なくなった事で安心すると、グドンの死骸を背にして立ち去っていった。
その直後、グドンの亡骸には無数の鳥のような怪獣達が降り立った。
ギャアッ!!ギャアァッ!!
ギャアァッ!!!
数にして約9体ほど、体長10数mの大きさのコンドルに似た姿のこの怪獣は、その名も怪鳥「大コンドル」と言い、好戦的な性格をした猛禽類である。
小型の怪獣故に体格差では大型の怪獣に勝てないので、この星では群れを成して死んだ他の怪獣の死骸を啄んで生きているのだ。
地上に降り立った9体の大コンドル達は、鋭い嘴で啄み、爪を駆使して肉を削り、戦いに負けたグドンの死肉をどんどん食べていった。
グガギャアアオオオゥッ!!!
そして戦いに勝ったネロンガはというと、破壊されたZAPの基地の発電施設の前に立つと其処に鼻先の角を当てて、其処からエネルギーとなる電気を吸い取っていく。
この時、上空ではオーロラが煌びやかに輝いていた。
『バケモノ!!』
『悪魔め!!』
バンッ!!!!
「ハッ――!!!はぁ……はぁ……はぁ……!!」
提供されたペンドラゴンの個室の中で、プラトは息を荒くしながら起き上がった。
第27採掘基地で回収した食料を空腹の胃袋にぶち込んで、腹を満たした後に溜まった疲れを取るべく横になって寝ていたが、
よく見れば彼は酷く汗を掻いて、肌には大粒の水滴が流れている。
……嫌な夢を見たと―――汗を掻いた事も合って不快な気分になったプラトは体を起こし、袖で汗を拭った後、採掘基地で回収した水をガブ飲みして自身を落ち着かせた。
「バケモノ……悪魔………」
悪夢の中で聞こえてきた言葉が、突き刺さるようにプラトの頭の中に残る。
どうにかして気分転換しないと――そう思ったプラトは与えられたペンドラゴンの個室から出ようとドアを開けたところ、其処にはレイが腕組みしながら仁王立ちで立っていた。
「!」
「………」
もう1人の怪獣使いが目の前に居るのに驚いたプラトだが、レイからは特に殺気も敵対心も感じられず、彼の様子を伺う。
そんなプラトをレイは、若干仏頂面な表情で同じく様子を伺いながら尋ねた。
「…お前はどうする気だ?アイツ等の言っていた契約ってのに乗るのか?」
「…まだ、分からない……」
レイはヒュウガ達の契約の話に乗るのかと尋ねるが、プラトは今だにその決断を下す判断が出来ず、どうするか迷っている状態だった。
それを知ってか知らずかお構い無しに、レイは続ける。
「最初にこれだけはハッキリしておこう。俺は怪獣を倒して更に強くなる……もし獲物を横取りするような真似をすれば、その時は容赦なくお前も倒す」
怪獣と戦って倒し、強くなる―――それが今のレイの戦う理由である故に、もし横槍を入れるのであればヒュウガに言った時のように、例え同じ存在だとしても倒すとレイは宣言。
要はプラトに自分が怪獣と戦うのを邪魔されたくないのだろう――今のレイの表情と言葉からは、そのように感じられた。
一応レイの戦いを横取りしようとは思っていないが、プラトも自分の記憶を探す手段として怪獣と戦っているので、邪魔はせずとも戦わないという選択は無かった。
「僕はそっちの邪魔をする気は無い。でも…僕も自分自身の存在を知る為に怪獣と戦っている。それはこれからも同じだ」
「…好きにしろ。とにかく俺の邪魔だけはするな」
伝えたい事を言って気が済んだのか、レイはブリッジの方に向かって行った。
なんだか妙な関係性になってしまった――悪夢を見た直後で気分が優れない時だったのも合って、余計に変な気分になるプラト。
正直ブリッジへ向かうのが気が引けるが、勝手に他をウロチョロするのも良くないと思い、取り敢えずプラトも同じくブリッジへと歩いて行った。
「オーロラに通信障害……恐らく『デリンジャー現象』かと思われます」
「ああ。つまり『磁気嵐』が治まるまでは、レーダー類は一切使用不可能という訳だ」
「一難去ってまた一難か……とにかく今使えるシステムを一通りチェックします。オキ、何時までもオーロラを見てないで手伝ってくれ」
「えっ?あっはい、クマさん」
ペンドラゴンのブリッジへ行くと、先に居るレイ以外のクルー達は、何か話し合っていた。
何が起きたのか、それを知るべくプラトは一先ず船長のヒュウガに聞いてみた。
「何が起こったの…?」
「おっ、プラトか。実は『磁気嵐』が発生して、ペンドラゴンのレーダー類が使えなくなっている状況なんだ」
「磁気嵐」とは、太陽からの高エネルギー粒子が星の磁場に到達し、惑星規模で地磁気が一時的に乱れる現象の事である。
ヒュウガ達の故郷の「地球」では主に太陽フレア等によって引き起こされ、これにより今の空のようにオーロラを発生させたり、電波が吸収されて通信が途絶える等の影響を及ぼす「デリンジャー現象」を起こしたりする。
しかし、惑星ボリスを巡廻している「人工太陽」は汎ゆるトラブルを想定して、常に何十もの厳重なセキュリティによって守られており、磁気嵐を引き起こすような事は先ず無いのだが、現にペンドラゴンの外ではオーロラが発生していた。
原因は不明だが、とにかく現在ペンドラゴンは磁気嵐によって、レーダー類が使用不能の状態に陥っていた。
「外部監視モニターは辛うじて使える」
その時、オキと一緒に機能しているシステムを一通り調べていたクマノは、複数ある監視システムの中で「外部監視モニター」だけが唯一機能している事を知る。
オキとハルナも確認してみると、確かにペンドラゴンの外部を監視するモニターが6方向別々に映し出されているが、画像処理が若干荒くて、僅かにノイズも走っていた。
「でも、画像処理が荒いな…」
「それでも無いよりマシよ。ボス、モニターの監視は私がやります」
「いや待て。磁気嵐がいつ治まるか分からない以上、1人でやらせる訳にはいかない。ここは全員で順番を決めて、時間ごとに交代でやるとしよう」
ハルナが監視を名乗り出たが、ヒュウガの提案により、磁気嵐が治まるまでは1人につき1時間半ごとの交代制で、モニターの監視をする事になったクルー達。
順番を決める為に、ヒュウガは1〜6までの数字が書かれた紙のクジを用意すると、数字の部分を指で隠して全員の前に出す。
「さぁ、誰からでもいい。引いてくれ」
「じゃあ僕から!ど・れ・に・S「待って!」ん?」
「2つ、多いわ」
「いや、これで良い。今この船に居るのは、レイとプラトを入れて6人だ」
「ボス、私はまだ彼等を――!」
頭数にレイとプラトが入っている事に不服のハルナは物申そうとしたが、話が進まないと思ったレイは真っ先に番号クジを引く。
そして番号を確認すると6と数字が書かれてあり、それを表に返して見せた。
「……6番だ」
「あっ!それ僕が狙ってた数字…!」
1番後ろの数字を取られて残念がるオキを気にも止めずに、順番が決まったレイは足早にブリッジから出ていく。
まだ仲間でもないのに勝手にクジを引かれて、物申そうとしたハルナは諦めて自分もクジを引いて番号を見せる。
「……5番よ」
「それも次に狙ってた数字なのに!」
またしても後ろの数字を取られたオキを尻目に、ハルナはブリッジから出ていったレイを睨みつけていた。
まだ疑いは晴れさそうだなと――なかなか2人を認められないハルナを説得するのは時間が必要と思われる。
その後も残った者達でクジ引きは続き、モニターの監視する順番を決めていった。
そして最終的に――、
1番 オキ
2番 プラト
3番 ヒュウガ
4番 クマノ
5番 ハルナ
6番 レイ
――という順番になった。
「あ〜あ、結局僕が1番だよ……。なんで僕ってこんなにクジ運が弱いんだろ………ん?」
クジ運の悪さに呆れるオキだが、ふと外部監視モニターの端に何か影のような物が映った。
それに気付いたオキは急いで確認するが、既に先ほどの影は映っておらず、他の角度のモニターに画面を切り替えるが、夜の空と地平線が有るだけで何も映らない。
「……気の所為か!」
連続で怪獣と遭遇したから、ペンドラゴンの機体の影を怪獣と間違えたんだろうと、先ほど見た影の事は気にせずオキはモニターの監視を続けた。
しかし、彼が見た影は気の所為ではなかった事を、そしてとある脅威が気配を殺して徐々に近付いていた事を、この時のオキはまだ知らない。
そして最初の1時間半が過ぎて、順番がプラトにきた。
(確か…そろそろ交代の時間だ……)
成り行きでモニターの監視をやる事になってしまったが、それでもやると決まった以上はきちんとやろうと思い、プラトは体を起こして立ち上がる。
改めて部屋に飾られたデジタル時計で、時間を確認したプラトは部屋から出るとブリッジへと入り、そこでオキと目が合う。
「あっ、交代の時間だね?ようやく終わった〜」
「えっと……具体的にどうやれば…?」
「そうか、先ずはやり方を説明しないとだね。でも、特に難しく考えなくて良いよ。此処に座って次の交代時間までモニターを監視して、もし怪獣が接近してきた時は警報を鳴らしてほしいんだ。モニターの切り替えボタンはコッチ。そして警報ボタンはコレね」
「……うん、何となくやり方は分かった」
「それじゃあ宜しく頼むよ。……あっ、それと――!」
「?」
「正式に仲間になったらさ、君が仲間にしている怪獣……ゴジラとモスラとガメラの事、是非教えてくれるかな?僕は大学で怪獣学を学んでるくらい怪獣が大好きだからさ、過去の出現記録に無い怪獣の事もっと知りたいんだ!」
「あ、ああ……仲間になったら……」
「やった!じゃあ次の時間まで、監視お願いね!」
簡単な操作説明を聞いてプラトは概ね理解すると、オキは退席してブリッジから出ていく。
何だかオキは既にプラトが仲間になる気な感じで喋っていたが、取り敢えずブリッジ内で1人になったプラトは席に座り、言われた通りモニターの映像の監視を開始する。
(…とは言われても、映るのは大地と夜空だけだな……)
しかしどの方向の画面に切り替えても、怪獣らしい影どころか、それ以外のものも特に映らない。
僅かにノイズが走る画面に映るのは、夜が深まる空と、暗闇で黒く染まった大地のみだが、一応言われた通り次の交代時間まで監視を続ける。
その後も何も無い磁気嵐での夜の監視が続き、ペンドラゴンは静かな時間だけが流れる。
30分経過、特に異常は起きない。
更に30分が経過、それでも何か起きるという事は無く、監視モニターに走る僅かなノイズ音だけが船内に鳴り響く。
「私は反対です!まだ正体の分からない者達を、仲間と認めるなんて!」
プラトがモニターの監視をしているその頃、ハルナはヒュウガの部屋を訪れて、レイとプラトの2人について改めるようヒュウガに上申していた。
副長という肩書きを背負った者故に、船とクルーの安全を守るべく、危険分子は問題が起きる前に対処しなくてはならないからこそ、彼等を仲間と認める気にはなれなかった。
「怪獣を操る彼等は危険な存在です!船の安全の為にも、もっと慎重に対処すべきです!」
「…俺が仲間を選ぶ基準はただ1つ。俺が其奴を必要と感じるかどうか、それだけだ」
「……その台詞、前にも聞きました。この航海に出る前、地球で……」
それは「ZAP SPACY宇宙局総合本部」で、ハルナをチームにスカウトした時の出来事だった。
ヒュウガのチームに入る前、ハルナは非常に優秀なパイロットとして高い評価を受けていたが、同時にその厳しい性格が故に今まで組んだチームと何度もトラブルを起こしていた。
航海に出れば必ずと言って良いほどその時の船長と衝突が有り、直近の出来事では、危うく相手が宇宙に放り出されるなんて事が有ったらしい。
流石に後者は噂の域を出ないが、それ故にハルナという人間は扱い難い存在として周りから認知されており、誰も彼女とはチームを組みたがらないのだが、それを知っている上でヒュウガはハルナをスカウトした。
『もし、興味本位で選んだのなら後悔しますよ?私は自分より能力の劣る人間には…従いませんので!』
『俺が仲間を選ぶ基準はただ1つ。俺が其奴を必要と感じるかどうか、それだけだ』
その時もヒュウガは、同じ事を言っていた。
「私もボスの言葉を信じ、この船に乗りました」
「その判断は正しかった、だろ?」
「はい…でも、今回ばかりは間違っています!」
「今は判断を急ぐ時ではない。もう少し様子を見て、2人の事をきちんと知った後でも遅くない筈だ。……さて、そろそろ交代の時間だ」
まだ2人を危険な存在と決めつけるのは早いと言い残すと、ヒュウガは先に部屋から退出して、2番目のプラトと交代すべくブリッジへと向かう。
ハルナも順番が来るまで自分の部屋へと戻るが、それでもまだ彼女の頭には2人の怪獣使いに対する疑いと警戒心は消えてなかった。
「ご苦労だプラト。交代の時間だ」
「ん、分かった。モニターには特に何も映っていない」
「そうか、分かった。後は部屋に戻っていて構わない」
交代時間がやってきて、ヒュウガと交代したプラトは席から立つと、特に何も映らなかった事を伝えて、そのままブリッジから出て部屋に戻る。
そしてヒュウガが代わりに席に座り、モニターの監視が続行される。
しかし、プラトとヒュウガが監視をしている目の前でも、気配を消した1体の存在が、獲物を見るような目でジッとペンドラゴンの様子を見ていたなんて、この時は気付く事は無かった。
こうしてモニターの監視をしつつ交代しながら、深夜の船の中で時間がどんどん過ぎていく中、レイは登録されているゴモラとリトラ(S)が表示されている自身のバトルナイザーを見つめながら、ハルナが言い放った言葉が脳裏をよぎる。
『どうやら貴方達は…怪獣を倒す事が仕事のようだし』
「…そうだ、俺は怪獣と戦う。強くなる為に……」
何故強くなりたいのか、その理由も分からず本能のままに戦ってきたレイ。
別に理由なんてどうでもいい、とにかくこれからも向かってくる怪獣は手当たり次第、ゴモラとリトラで戦って倒して強くなる事に変わりない。
グロロ…!
「っ!!」
しかしその時、僅かな唸り声と、徐々に強くなる殺気をレイは鋭い第六感が感じ取った。
怪獣だ――しかもこの船を狙っていると分かったレイは即座に立ち上がり、部屋から出てペンドラゴンの外へと向かった。
それは、もう1人の怪獣使いも同じだった。
「っ!!この気配は……怪獣…!?しかも近い……。でもさっきまでこんな気配は感じなかったし、なんで警報音も鳴ってないんだ……!?」
先ほどまで感じられなかった気配が近くで急に現れて、プラトは何故ペンドラゴンの警報が鳴らないのか疑問に思った。
ここまで近くに気配が感じられればペンドラゴンの監視モニターでも映る筈なのに、特に艦内放送も無く静かな状態だった。
とにかくこのままでは危険だと判断したプラトは急いで立ち上がり、自分のバトルナイザーを手にするとレイと同じくペンドラゴンの外に出る。
「今のところ、異常はありません」
「ご苦労様」
一方その頃、船のブリッジ内では4番目のクマノが監視を終えて、5番目のハルナに交代したところだった。
ハルナは席に座って、早速モニターの監視に入る。
モニターは相変わらず夜空と、夜で黒く染まる地平線が映るのみだが、ハルナは何時怪獣が襲ってきても発見出来るようにモニターを注視する。
ところが、ハルナが監視に入って約10分後、何か金属が切り裂かれる破壊音と共にペンドラゴンは激しく揺れると、船の電源が急に落ちて船内が暗くなった。
「な、何が起きたの!?」
突然の事に戸惑うハルナだが、すぐに予備電源が作動して一部のシステムが回復すると、状況を確認すべく外部監視モニターをチェックする。
そしてズームしたその画面には、辺りを注意深く見回しているレイとプラトの姿があった。
「あの2人……!!」
振り返った2人の顔が映されたのを最後に映像のノイズが激しくなっていくと、やがて唯一使えていた外部監視モニターシステムもダウンして、画面が完全に消える。
その直後、異変に気付いたヒュウガ、クマノ、オキの3人がブリッジへと上がって来て、ヒュウガがハルナに状況を確認してくる。
「何が起こったんだ!?」
「分かりません!!急に電源がアウトして――!!」
「恐らく船の電気供給システムに、何らかのトラブルがあったのかもしれない!!」
「なんでこんな次から次へと…!」
突然の揺れと破壊音、そして原因不明の電力の消失の原因が分からないと答えるハルナに対し、整備士のクマノはすぐに状況を把握して、ペンドラゴンの電気供給システムのトラブルだと推測。
度重なる怪獣の脅威に加えて、次々と発生する非常事態に落ち着かないオキも加えて、周りのシステムのチェックをしていたその時、突如として大きな地響きが船に伝わってきた。
ズズン…!!!
ドズン…!!!
「うおっ!?今度は何だ!!」
地響きに耐えるヒュウガ達は何が起きたのかを確認すると、コックピットの窓からオキが2体の怪獣を目視で確認した。
「アレは…ブラックキングとキングパンドン!?」
「何処だ、何処に居る…!?」
レイとプラトが周りを見渡して何処に怪獣が居るのか必死で探すが、何処を振り向いても彼の目には暗闇しか映らず姿が見えない。
それでもペンドラゴンの船体の一部が壊された事から、間違いなくこの近くに船を襲った怪獣が居るのは確かなので、耳を澄まして敵の気配を探る。
グロロロロ…!
「っ!!そこか――!!!」
すると、またあの唸り声かけようなものが聞こえてきたので、怪獣だと勘づいたレイは振り向きながら自身の青いバトルナイザーを向けて、すぐさま戦闘体勢に入る。
しかし、その前に何も無い場所からいきなり強力な電流光線「暴君電撃」が飛んできて、レイの近くに着弾した事でレイが大きく吹っ飛ばされた。
「うわああっ!!!?」
吹っ飛ばされた事でレイは受け身を取る事も出来ず硬い岩と地面に打ち付けられる。
その際、右の二の腕を強くぶつけた故に痛めてしまい、レイは痛みに苦しみながら左手で右腕を抑える。
そして再び何も無い場所から連続で電流が放たれると、今度は少し遠くで周りを見渡していたプラトの方にも襲いかかってきた。
「っ!?うああああっ!!!!」
咄嗟に体勢を低くして回避行動を取ったプラトは多少体を打った程度で済み、飛んできた凄まじい電流の直撃から免れる。
プラトは即座に起き上がって電流が放たれた方向を振り向くと、暗闇に紛れて透明なシルエットが薄っすらと見え、これが目に見えない怪獣の攻撃だと知って周りを警戒心を高める。
「姿が見えない敵…!それなら……ブラックキング、キングパンドン、出てこい!!!」
電子音と共にバトルナイザーから光のデータが飛び出すと、レイやヒュウガ達に会う前に回収した用心棒怪獣「ブラックキング」と、双頭怪獣「キングパンドン」が姿を現す。
グルルオオォウ!!!!
ガァガァッ!!
グワァグワァッ!!!
「ブラックキング、キングパンドン、近くに見えない怪獣が居る!!火炎で辺り一帯を焼き払うんだ!!!」
グルルオオォウ!!!
グワァァッ!!!
ガァガァッ!!
プラトの指示を聞いたブラックキングとキングパンドンは返事をすると、電流が飛んできた方向に向かってブラックキングは口から溶岩熱線「ヘルマグマ」と、キングパンドンは2つの嘴から連続火炎弾「双頭撃炎弾」を発射した。
熱線と火炎弾が一斉に放たれると次々に着弾して、辺り一帯が火の海と化す。
グガギャアアアオオオォォォォンッ!!!!
凄まじい高熱が広がって大地を赤く染めると、炎の中からブラックキングやキングパンドンとは違う別の怪獣の悲鳴が聞こえてきた。
やはり目に見えない怪獣が居ると分かって、声のした方向にブラックキングとキングパンドンは更に熱線と火炎弾を発射するが、手応えが無く当たった感じがしない。
結局その怪獣はこれ以上に暴れる事は無くその場から逃げ去ったようで、静かになった夜空ではオーロラが不気味に光り輝いていた。
翌日、夜が明けるとクルー達は一斉に昨夜に起きた事件を調査し、ペンドラゴンの破損した箇所を調べたが、被害は思った以上に深刻であった。
「クマノ、船の被害状況は――?」
「……見ての通り、最悪です。どうゆう訳か電力はほとんど消失して、今は予備電源で首の皮一枚で繋がってるのと同じ状態です」
ブリッジのモニターに映っているのは、船体の一部が何かに切り裂かれたような爪痕が発見され、露出した電気の供給のケーブルもズタズタにされており、メイン電源の電力はほとんど消失。
今は予備電源のおかげで辛うじて一部のシステムが作動しているが、それが無いと船の全システムは機能すらままならない状態だった。
何故このような事態が起きたのか、それは傷付けられた船体の損傷部分に残る爪痕が物語っている。
「僕の見立てでは〜…犯人は怪獣ですよ!この爪痕を見て分かります!!」
「問題は何の怪獣なの?それが分からないと対策のしようが無いわ」
「う〜ん…ここまでむちゃくちゃな壊し方だと、特定に時間が掛かりそうです……」
オキの見立てで犯人は怪獣の仕業という事は理解できるが、破壊された箇所はかなりめちゃくちゃになっているので、何の怪獣がペンドラゴンを襲ったのか残念ながら分からない。
しかしその中でハルナは、「昨夜外部から侵入する怪獣の姿は無かった」という事実から、疑いの視線をレイとプラトの2人に向けた。
「貴方達、事件が起きた時外で何をしていたの?しかも怪獣を2体も出して……正直に答えなさい!」
ハルナはペンドラゴンが破壊されたのはレイとプラトの仕業だと疑い、2人を問いただすべく詰め寄る。
彼女がそうなるのも無理は無く、この中で2人は事件が起きた時間帯に外へ出ていた事は確かだし、実際にプラトはブラックキングとキングパンドンを呼び出しているといった状況証拠だけでも、疑うには充分だった。
「そ、それは……」
詰め寄られたプラトは自分は犯人じゃないと言おうと思ったが、言葉を詰まらせる。
姿の見えない敵が居たとか、その敵に対処する為にブラックキングとキングパンドンを召喚したとか言っても、今のハルナの様子からして言っても信じないだろう。
それは一緒に詰め寄られているレイも同じで、「答えたって無駄」だと判断して特に何も言わず視線を逸らすのみ。
そんな2人の態度が気にくわなかったのか、ハルナは更に強い口調で詰める。
「貴方達の仕業なんでしょ!怪獣にペンドラゴンを襲うように指示して!どうして船を破壊したの!?」
「…やったのは俺じゃない」
「っ…僕だって違う!第1に、僕がこの船を破壊する理由が無い!」
「どうかしら?混乱した状況の隙に食料を狙ったとか、それだけでも充分に理由になるわ」
犯人は自分達ではないと否定するレイとプラトだが、ハルナは最初から2人を疑ってた故に信用する気が無く、聞く耳を持たない。
またプラトが「襲う理由が無い」と反論するも、第27採掘基地で彼が食料を漁っていた所を目撃しているので、「食料を狙った犯行」だとハルナは睨んでいた。
それぞれの主張がぶつかり合って、レイとハルナは睨み合い、プラトはどう言っても信じてもらえない事に拳を強く握りしめる。
――とその時、オキが会話に入ってきた。
「あの〜副長…少なくとも2人は、今回の事件の犯人である可能性は低いと思います」
「……根拠は?」
「先ずペンドラゴンの損傷箇所からして、ゴモラとかの直立二足歩行型の怪獣だと体をかなり屈まないと届かないですし、仮に犯人だとしてもその間に監視モニターに映らなかったのは不自然です。これはブラックキングとキングパンドンも同様で、モニターに映らない謎は分からないですが、犯人の怪獣は恐らく四足歩行型か、それに近い前傾姿勢のタイプかと思います」
怪獣に詳しいからこそ現時点で分かる事を述べ、2人が犯人である可能性が低い事をハルナに丁寧に伝えるオキ。
勿論今言った事は確証ではないが、怪獣の知識だけは非常に秀でているが故に、オキの言葉は信憑性が高い。
それに続けて、整備士のクマノも話に入ってくる。
「いずれにせよ、今は言い争ってる場合ではありません。予備電源は保って後10時間ほど。その間に電力を補充しなければ、ペンドラゴンはただの鉄の塊になってしまいます」
「うむ…オキ、マップを出してくれ」
「はい」
今は犯人の特定よりも電源の補充の解決が最優先だと、クマノの言葉を聞いたヒュウガはオキに惑星ボリスのマップを表示させるように指示。
オキはモニターに惑星ボリスのマップを出し、更に現在ペンドラゴンがある場所を中心に半径100km圏内を表示すると、北東50kmの場所に第27採掘基地とは違う別の基地が有った。
「確か…此処から東へ50kmの地点に、テラフォーミング用の『発電エリア施設』が有った筈だ。其処のバッテリーを使うとしよう」
「バッテリーを、ドラゴンスピーダーで運ぶ訳ですね?」
「でも誰が…?あっ、あのクジ引きはやめて下さいね!?」
「おいおいオキ、いくらクジ運が悪いからって…」
「…なら、俺が行こう」
発電エリアの基地から代用品としてバッテリーを持ってくる事になったが、オキがまたクジ引きで決めるのは拒否したその時、船長のヒュウガが自ら名乗り出た。
しかし、採掘基地が怪獣に破壊されたのを鑑みるにその発電エリアも危険である可能性を考えて、ヒュウガはレイとプラトの前に立つ。
「レイ、プラト。2人ともまだ契約前だが、この緊急事態を回避すべく、協力してくれ。レイは俺と一緒にスピーダーへ行き、万が一発電エリアで怪獣に出くわした際に対処してほしい。そしてプラトはその間、ペンドラゴンの防衛を頼みたい。……こうゆう時、2人居るというのは幸運だな」
ヒュウガは今の状況を乗り越えるべく、レイには共に発電エリアまで一緒に行き、プラトにはその間ペンドラゴンの防衛を頼み込んだ。
「2人居るのは幸運」というのは、もしどちらか1人しか居ない場合、発電エリアに行く側か、ペンドラゴンに残った側のどっちかが無防備になってしまい、その間に怪獣と遭遇すれば命の保証が無いからだ。
だからこそまだ契約前にしろ、この現状には2人の力が絶対に必要になる、そう考えた上でレイとプラトに自分達の頼みを伝えた。
「ボス、私はまだ彼等を――!」
「今は一刻を争う時だ!もし行った先の基地と、今のペンドラゴンに怪獣が襲ってくれば、確実に対処出来るのは彼等だけだ!」
「………」
ハルナはまた抗議するが、前述の通りこの状況に怪獣が来れば頼れるのはレイとプラトのみであり、彼等の協力も無しに現状を乗り越える方が余程危険な行為になる。
船とクルー達の命を優先したその言葉に、流石のハルナも黙って呑み込むしか無かった。
「どうだ?2人とも」
このヒュウガの言葉が伝わったのか、周りの表情を見ながら少し考えたレイとプラトの2人は、どちらも同じ決断を示した。
「……良いだろう」
「……分かった。それぐらいなら協力するよ」
「…よし。ではプラト、俺達が戻るまでこのペンドラゴンを頼む。レイ、早速出発だ」
こうして2人の同意を得る事に成功し、ヒュウガはプラトにペンドラゴンの防衛を任せたと伝えた後、レイと一緒に早速テラフォーミング発電エリア施設へと向かう事にした。
「待って下さい!」
しかし、発電エリアへ向かう為に2人がドラゴンスピーダーへと乗り込むべくブリッジから出ようするが、そこでまたしてもハルナが止めに入った。
「何だ!」
「こういった時こそ、万が一の為にボスは船に残るべきです!……
こういう状況だからこそ、万が一にペンドラゴンの船長であるヒュウガの身に何かあってはならないと考えたハルナは、なんと自らレイと一緒に発電エリアへと向かうと進言してきた。
少々意外な返答が返ってきたので一瞬ヒュウガは面食らったが、ハルナの様子からしてこれが最大限の譲歩であり、これ以上は彼女も引き下がらないだろうと感じたヒュウガは渋々了承した。
「……分かった。レイ、異存はないか?」
「構わない。同じ事だ」
共に行動するのが変わるだけで目的は同じなので、レイは特に異存は無い。
強いて言えばハルナから向けられる視線が気に入らないが、そんな事はレイには些細な問題で、ヒュウガが言ったように行き先で怪獣と戦う機会が有るのならそれに対処するだけだとレイはそう考えるのみ。
「…それともう1つ。怪獣を操る機械……バトルナイザーは、私が預かっておくわ」
だがハルナは、レイと共に行動するにあたってもう1つ条件を提示してきた。
それは同行する間、「レイが所持するバトルナイザーはハルナが預かる」という条件だった。
今だにレイやプラトを信用していないハルナは、もしかしたら道中でゴモラを使って襲わせてくると疑っており、それを防ぐ為に彼のバトルナイザーは手元に置いておこうと考えたのだ。
これに対して「そんな条件を呑む訳ない」とオキが言おうとしたが、レイ本人は数秒の沈黙の後に腰のホルダーに閉まって有る自身の青いバトルナイザーをハルナの前に出した。
「これで良いんだろ?」
「っ…!」
自分はペンドラゴンを襲った犯人ではない事への証明なのか、割とあっさりバトルナイザーを差し出した事に、やや釈然としない感情を抱きながらもハルナはレイからバトルナイザーを預かる。
こうして今からすべき方針は決まったので、ややピリついた空気が漂いながらもハルナとレイはドラゴンスピーダーβへと乗り込み、テラフォーミング用の発電エリア施設へと向かっていった。
だが、彼等2人が向かっている場所には、其処を根城にしている真犯人が待ち受けているとは、この時点では気付かなかった。
大コンドル
別名:怪鳥
体長:15m(一部資料によっては10m、20m、35mと記述している)
翼長:25m(一部資料によっては35〜45mと記述している)
体重:2000t(一部資料によっては20t、600t、2万1000tと記述している)
飛行速度:マッハ1
出身地:レッチ島
現生のコンドルよりも10倍もの大きさを誇る巨大な猛禽類で、レッチ島の岩山に生息している好戦的な性格の怪獣。
鋭利な爪や嘴を武器にしているがゴジラには到底敵わず、放射熱線を浴びせられて翼を燃やされると煙を上げながら岩場に激突し、海へ墜落した。
元々は飛行用のラドンの1尺サイズミニチュアが、円谷プロに貸し出されて初代リトラへと改造され、返却後には「南海の大決闘」にて大コンドルとして再改造されたので、ラドンやリトラとは縁の深い怪獣でもある。
●9体の大コンドル
9体の鳥……9体……量産機……喰われる弐号機……うっ、頭が……。
なんかレイに平成ライダーの2号みたいな事を言わせてしまいましたが、この時のレイって他人を気に掛ける部分は僅かに有れど、まだ怪獣と戦う事に重きを置いている時期だったと思います。
彼が明確に仲間意識を持ち始めるのは原作第5〜6話頃(厳密には4話のラストぐらいから)だったと思うし、その前段階で怪獣使いがもう1人居たらこんな感じで会話するかな〜と妄想しています。
なので今のレイは、もう1人の怪獣使いであるオリ主プラトに興味は有るけれど、それはそれとして怪獣バトルでは自分の戦いの邪魔をされたくない、という感じです。
ただこれはホント序盤の時だけで、お互い割とすぐに軟化して対立とかは起こさせないつもりです(だって平成ライダーみたく一々衝突してたら切りが無いですし…)。
それと、もし磁気嵐やデリンジャー現象の事を更に分かりやすく説明出来る方は、コメント欄とかで説明キボンヌ。