前の話だけだと中途半端な気がしたので、ちょっと頑張って2話制作して連続投稿出来るようにしました。
今回の話は原作第3話の後半パート1です。
正直な話、内容がほぼ原作通りなので別に描写する必要性は無いんですが、原作の流れを描かないとイマイチ物語に入り難い所だってありますし、原作の内容の流れを思い出しながら読むのもまた1つの楽しみ方だと思います。
そのせいで文章は長いし、作成に時間が掛かるやり方なのは私自身も理解しているんですが……。
古代怪獣 ゴモラ
原始怪鳥 リトラ(S)
透明怪獣 ネロンガ
変形怪獣 ガゾート
登場
ペンドラゴンの消失した電力を補給する為に、テラフォーミング用の発電エリア施設からバッテリーを持ち出す為に副長のハルナと、護衛に怪獣使いのレイの2人はドラゴンスピーダーβに乗り込み空を飛んでいた。
磁気嵐の影響が今だに続いているせいか、空は昼間にも関わらずオーロラが不気味に光り輝いており、より異質さを引き立たせる。
「……………」
「何を企んでるの?」
「…?」
オーロラが浮かぶ空の下、高速で飛ぶスピーダーの後部座席に座って静かにしていたレイだが、不意に操縦席からスピーダーを操縦しているハルナから声を掛けられる。
「大体、貴方達は何者?本当は記憶喪失なんて嘘なんじゃないの?」
怪獣を操れる人間2人が揃って記憶喪失なんてあまりに話が出来過ぎるし、何か良くない事を企んでいるのではと思って、改めてこの場で聞き出そうとする。
ところが、ハルナも予想にしてなかった言葉が、後ろに座るレイの口から出てきた。
「…そうやって、何時もアンタは誰も信んじないのか?」
「えっ…?」
「…なるほど、やっぱりそうか」
「勝手に納得しないで!船の安全とクルーの命を守るのが、副長である私の役目よ。簡単に貴方達を信用する訳にはいかないの」
色々と難癖付けて他人を信用しない人間と思われたのか、ハルナはレイが抱いた自身への印象を訂正させる。
確かに他人との接し方に難が有るキツい性格だって事はハルナ自身が一番良く知っているが、だからといってこの接し方を止める気は無い。
船の安全とクルーの命を守る――それが副長として課せられた自分の仕事であり、宇宙を跨ぐ輸送船のパイロットに限らず汎ゆる面で最も優先するべき重要な事。
そんな大事な事を疎かにして、もし万が一の事態が起きてしまうなんて事は、絶対にあってはならない。
それから約数分後、ハルナとレイはようやく「テラフォーミング用の発電エリア施設」へと到着し、基地の近辺にスピーダーが着陸した。
発電施設は第27採掘基地と同様に破壊され酷く荒らされていたが、幸いにも現時点で怪獣が居る様子は無く、辺りは物静かで風の音しか聞こえなかった。
磁気嵐のせいで相変わらずレーダー類はほとんど使い物にならないとも、取り敢えず目視でも怪獣が居ないと分かり一安心したハルナだったが、ここで1つ変な事に気付く。
「おかしい……電気の量が極端に少ない!?まさかこれも磁気嵐の影響って事…!?」
スピーダーのセンサーの中でも唯一使える「電力測定機」で発電エリア施設をスキャンすると、施設の電力が極端に少ない状態だった。
単純に基地の機能が停止しただけならば、多少バッテリーが上がったとしても電力が完全に無くなるのは時間が掛かる。
現に同じく破壊された第27採掘基地では電力がある程度残っていた状態だったので、これも磁気嵐の影響で正常に表示されないと思われたが、それは後部座席に座るレイが否定する。
「…違うな。何かが食った後かもしれない」
「電気を?まさか…」
電気を食べる存在なんて居る訳無いと、常識的に考えてそうハルナが言う中、レイは強張った表情をしながら神経を尖らせて辺りを警戒する。
その時だった。
グロロロロ……!
「っ!!」
聞いた事のある唸り声と共に、レイの第六感が昨夜にも感じた怪獣の気配を感じ取る。
レイは不意に空を見上げると、あれだけ不気味に輝いていたオーロラが瞬く間に消えたのを目撃して、何か危機を察知したレイは叫んだ。
「逃げろ!」
「えっ!?」
「早く離陸しろ!奴がすぐ近くに居る!」
「奴って一体何よ!」
「ペンドラゴンの電気を食った怪獣だ!そいつが俺達を狙ってるぞ!」
「いい加減事を言わないで!」
すぐに離陸して逃げろとレイに催促されたハルナだが、何処にも怪獣の姿が見えない彼女は信じられず、あろう事かスピーダーのハッチを開けて外へと出てしまった。
地に足付けて外へと出たハルナは銃を所持しつつ発電施設一帯を見回して目視で確認するが、目に映るのは半壊された建物と積み上がった瓦礫、そして雲1つ無い晴天の空のみ。
聞こえてくるのも自分が歩く足音と、半壊した建物を吹き抜ける風の音だけで、ハルナからは怪獣の姿も見えなければ気配も感じられなかった。
「何も居ないじゃない!一体何処に怪獣が……?」
グゥルルロロロロオオォォ……!
「えっ!?」
デタラメを言って揶揄っているのではと思い始めたその時、今度はハルナにも聞こえるほどの唸り声が聞こえてきて、緊張が走る。
ハルナが声が聞こえた方向に視線を向けたその直後、何も無い場所からいきなり電流光線が飛んできた。
「危ない!!!」
突然の事ですぐに動けないハルナだったが、其処へスピーダーから出たレイが駆け寄ると即座にハルナを伏せさせる。
そのおかげで、飛んできた電流光線はハルナとレイの頭上を過ぎ去り、近くの地面に着弾した事で難を逃れる。
いきなりの事で一時困惑するハルナに、レイはこの近くに居るであろう敵の事を伝える。
「い、一体何なの!?」
「…奴は透明怪獣だ!人間の目には見えない!恐らく此処は、その怪獣の餌場……ぐっ!!?」
「っ!!貴方、怪我をしたの!?」
透明怪獣の事を伝える途中、急に動いたせいで昨夜痛めた箇所に響いたのか、それとも今伏せた際にまた打ち付けたのか、右腕の二の腕部分に強い痛みが走ったので、レイはあまりの痛さに左手で右腕を抑える。
流石のハルナもレイを心配するが、怪我の具合いを見る余裕も無く施設の景色に溶け込んだ怪獣が、テリトリーを荒らされたと思い込んで怒りの咆哮を上げた。
ガアアアオオオォォォォンッ!!!!
「――っ!!俺が奴を引き付ける!アンタは先に逃げろ!!」
「そんな!無茶よ!!」
ハルナの制止を振り切ってレイは、いつの間にか護身用の銃の「トライガンナー」を持って、なるべく遠くへと走る。
どうやら先ほどハルナの腰のホルダーから抜き取ったようで、ある程度の距離まで離れると、見えない敵の注意を引き付けるべく周りに向かって乱射し始めた。
本来ならすぐにゴモラを召喚して戦いたい所だが、肝心のバトルナイザーはハルナに預けられ、彼女はそれをスピーダーの座席に閉まったので手元に無い。
ガアアアオオオゥンッ!!!!
そして何十発も発射されたエネルギー弾の幾つかが姿の見えない怪獣に命中して、一瞬だけその姿が露わになるが怪獣は怒り狂い、撃ってきたレイに向かって角から「暴君電撃」を発射した。
「くっ……!!」
レイはすかさず回避行動を取って直撃を避けるが、姿の見えない怪獣は更に続けて電流光線を連射し、執拗にレイを狙う。
それでも負けじと2撃、3撃と来る電撃から必死に逃げつつ、トライガンナーで電撃が放たれた場所を撃ちまくって応戦するレイだったが、直後に放たれた4撃目の回避に間に合わず、近くの地面に着弾した時の爆発に巻き込まれてしまった。
「うわああっ!!!?」
吹っ飛ばされたレイは受け身を取るも硬い地面に体を打ち付けられ、何回か転がった後に倒れてしまう。
体中に痛みが走るが、レイはすぐさま体を起こして凄まじい電撃が飛んできた方へと振り向くと、目の前に襲撃してきた怪獣が遂にその姿を現した。
グロロロロ……ガアアアオオオゥンッ!!!
発光する鼻先の角、クワガタのような触角、バラゴンに似た胴体をした怪獣――透明怪獣「ネロンガ」が、銃で攻撃してきたレイを睨むように見下ろしていた。
縄張りに侵入され、その上に攻撃された事にネロンガは怒り狂い、己のテリトリーから排除しようと鼻先の角と2本の触角に電気エネルギーを発生させて、再び「暴君電撃」を放とうとする。
最早これまでかと思われたその瞬間、後ろから高速で何かが飛ぶ飛行音と共に、無数の小型エネルギー弾がネロンガに着弾した。
ギャアアアアオオオッ!!!?
威力は低くとも、突然後ろから撃たれた事にネロンガは怯んでしまい、レイに撃とうとした電撃が中断される。
その直後、ネロンガの前をドラゴンスピーダーβが高速で通り過ぎつつ、中から艦外放送で声が発せられた。
『今のうちに逃げて!!』
その声の正体はハルナで、彼女は一旦スピーダーβに戻って離陸させると、レイを助ける為にビーム砲でネロンガを攻撃したのだ。
レイはハルナの言葉に従って立ち上がると、全速力でネロンガから離れる。
これによりスピーダーに乗るハルナは攻撃しやすくなり、機体先端のレーザービーム砲から更にエネルギー光弾を連射してネロンガの注意を引く。
ガアアアオオオゥッ!!!
エネルギー弾が当たって火花が散り、ネロンガは怒りの矛先をドラゴンスピーダーβへと変える。
高速で動き回るスピーダーを撃ち落とすべく、2本の触角と鼻先の1本角の計3点から電気を発生させて中心部分に集めると、強烈な電流光線「暴君電撃」を発射。
それをハルナは巧みな操縦技術で紙一重に避けつつ、間髪入れずにエネルギー弾を連射してネロンガを攻撃していく。
グルルルル……ガアアアオオオゥッ!!!!
これを何度も繰り返して、微々たるものでも少しずつ確実にダメージを与えていったハルナだが、一方的にやられて怒ったネロンガは角と触角に電気エネルギーを溜めると、狙いを定めずに辺り一帯に激しく放電させてきた。
「うああああっ!!!!」
いきなり攻撃方法を変えてきたネロンガに対しハルナは対応し切れず、バラバラに撃ってきた電撃が彼女の乗るスピーダーを掠めるとバランスを崩し、地上に落下し始める。
電撃を掠めた際の衝撃にハルナは一瞬狼狽えたものの、急いで最低限の動作を行って緊急着陸の体勢に入ると、凄まじい轟音と共に地面を削りながら滑るようにスピーダーを胴体着陸させる。
着陸の衝撃に耐え、ようやくスピーダーが止まった事で少し気が緩んだハルナだが、目を開けると次の脅威が危機迫ってきた。
ガアアアオオゥンッ!!!ガアアアオオオォォォォンッ!!!!
気が付けばネロンガがハルナの乗るスピーダーに向かって、怒りの咆哮を上げながら近付いてきた。
ネロンガは散々スピーダーで撃たれた事に対して怒り心頭であり、その仕返しをすべくスピーダーごとハルナを踏んづけようと突撃してくる。
しかも彼女に迫りくる危機はネロンガだけではなく、上空からも巨大な影が1つ舞い降りてきた。
キュリリリッ!!クキュウアアァァァオン!!!
「っ!?怪獣がもう1体…!!」
新しく出現したのは、エイに似た胴体にヒレ状の手、更にはまるで悪魔の様な面構えを持つ小さな顔をした怪獣――変形怪獣「ガゾート」だった。
磁気嵐の影響を受けたのか、上空に住む「クリッター」が群れごと融合・変異して誕生したらしく、腹を空かせたガゾートは捕食する為にハルナを狙って迫ってくる。
2体の怪獣に挟まれ、退路を断たれて絶体絶命の危機に陥ったハルナ。
「おーーいっ!!!!」
しかしその時、2体の怪獣とは別方向から大声が聞こえてきたのでハルナはそっちに振り向くと、全速力でレイが駆け寄ってきた。
それを見たハルナは、今こそ彼の力が必要な時だと瞬時に判断して、スピーダーの座席に閉まっていたバトルナイザーを取り出す。
「レイ!!!受け取って!!!!」
2体の怪獣を対処する最善策として、ハルナはレイに向かってバトルナイザーを投げ飛ばし、彼の青いバトルナイザーは放物線を描きながら宙を舞う。
それをレイは走りながら、投げられたバトルナイザーをジャンプしてキャッチすると、すかさず天に掲げて叫んだ。
「いけぇ!!ゴモラ!!!リトラ!!!」
レイの声に呼応して、電子音声と共に2つの光の粒子がバトルナイザーから解き放たれると、光はそれぞれハルナに迫りくるネロンガとガゾートに向かって突撃。
ギャオォアアオオォォッ!!!?
カキュウアアァァァン!!!?
2体の怪獣はその光によって大きくのけ反りながら吹っ飛ばされ、悲鳴を上げて大地に倒れる。
ネロンガとガゾートが倒れたその直後、ぶつかってきた2つの光はデータから体が実体化されていくと、本来の姿となって怪獣が召喚された。
キシャアァァヴォオオオオォォォォォォンッ!!!!
ピキュウゥゥオオォォン!!!カァアアアオォンッ!!!
実体化されたレイの使役怪獣達であるゴモラとリトラ(S)が咆哮を上げて、発電エリアを根城にしてたネロンガとガゾートの2体と相対する。
召喚されたゴモラ達はどちらも戦う気満々で、既に戦闘体勢に入っていた。
ガアアアオオオォォォォンッ!!!!
キュリリリッ!!キュアアァァァオン!!!
対するネロンガとガゾートも、不意打ちを食らった事で怒りの矛先をゴモラとリトラに変え、起き上がると即座に突撃して戦闘を開始。
ゴモラはネロンガを相手にし、リトラはガゾートと対決し出す。
レイが2体の怪獣を操って戦闘している中、その戦いを離れた場所から見ていたハルナは、ある事に気付く。
「ゴモラと戦ってるあの怪獣、四足歩行に近い前傾姿勢…!確かアレは……」
此処に来る前にペンドラゴンで、オキは「犯人は四足歩行型か、それに近い前傾姿勢のタイプの怪獣」と推測してたが、ゴモラと戦っている怪獣はその特徴と一致している。
しかも透明になる点や、電気を食べるといった生態に何処か覚えてる気がしたので、ハルナは思い出す為に自身の記憶を辿る。
『出来たーーっ!!見て下さいよクマさん!また新しいのを作ったんです!』
『オキ…怪獣のフィギュアが完成したぐらいで、いちいち報告しなくても………ん?この怪獣、前にも作ってなかったか?』
『やだな〜、全然違いますって。以前作ったのは地底怪獣パゴスで、今回は
それは惑星ボリスに向かうと決まる以前、当初の予定通り惑星アヴァルへ物資輸送している最中、個室で騒いでいるオキとクマノの会話が部屋の外まで聞こえてきた時が有った。
あの時は惑星ボリスへ行く予定ではなかったので、自分には特に何の関係もない内容だと思って聞き流してたが、思い返せば電気を食べる事、そして透明になるという能力が、その時の話に出た怪獣の特徴と完全に同じだった。
「……ネロンガ。透明怪獣ネロンガだわ!」
これによってハルナは、ペンドラゴンを襲って電力を奪った真犯人がネロンガだと断定し、レイもプラトも最初から嘘を付いていなかった事が分かった。
キシャアァァグオオオオォォォォォォンッ!!!!
ガギャアアァァグオオオゥンッ!!!
ゴモラとネロンガの戦いは、終始レイが操るゴモラの方が優先であり、取っ組み合いからネロンガを捕まえると頭部を殴って怯ませた後、更に膝蹴りをおみまいして後退させる。
ダメージを受けたネロンガは一旦下がって体勢を立て直そうとするが、間髪入れずにゴモラは体を捻って尻尾攻撃を繰り出して追撃し、最後には追い打ちのヤクザキックで蹴っ飛ばした。
それでもネロンガは立ち上がって再度突撃するが、戦闘向きのゴモラ相手に正面から挑んでも敵わず、逆に投げ飛ばされて大地に倒れる。
ピキュウゥゥオオォォン!!!
キュリリリッ!!キュアアァァァオン!!!
一方でリトラとガゾートとの戦いでは、若干リトラの方が劣勢を強いられていた。
体格差もそうだが、最大の武器である飛行能力までもガゾートの方が上回っており、まだレイの使役怪獣として日が浅いリトラでは少々分が悪かった。
リトラが高速で周りを飛び回って翻弄するが、ガゾートはヒレ状の腕を振り回してリトラを振り払い、更には口から吐く青色の電撃球「プラズマ光弾」を発射して牽制してくるので、なかなか攻撃に転じ難い。
しかし小柄故にガゾートからの攻撃も当たりづらく、小回りを効かせて機敏に飛びながら突撃する「エアリアル・スパイク」で攻撃していくリトラ。
キシャアァヴォオオオオォォォォンッ!!!!
ここで自分のペースに持ち込んだゴモラは一気に勝負を畳み掛けるべく、ネロンガに向けて勢い良く突進して攻撃を仕掛ける。
突撃しながら鼻先の角を前に突き出し、強烈な一撃を食わそうとゴモラは猛ダッシュしていく。
ガアアアオオオォォォォンッ!!!!
ところがネロンガは、接近してくるゴモラを回避すべく即座に体を透明化させて周りの景色に溶け込み、当たる直前にその姿と気配を消す。
姿が消えた事によりゴモラの攻撃は外れ、鼻先に有る自慢の角が空気を切る。
キシャアァヴォオオォォォ……グルルルル……
攻撃が空振りに終わったゴモラは辺り一帯を見回し、消えたネロンガを探すが、その瞳に映るのは半壊した発電施設と大地と空のみで、何処にもその姿が無い。
近くを徘徊しながら注意深く彼方此方をキョロキョロしていくゴモラだが、その時、突然後ろから電流光線「暴君電撃」が飛んできてゴモラに直撃した。
キシャアァオオオオッ!!!?
背後に強力な電撃を受けた事で、悲鳴を上げながらよろけるゴモラ。
ゴモラはすぐに振り向いて攻撃を仕掛けようとしたが、其処には電流光線を撃ったであろうネロンガの姿は無く、透明になったまま再び気配を消してしまう。
再度警戒して次の攻撃に身構えるゴモラだが、ゴモラから見て左後ろ側からまたしても電流光線が発射されて、成す術無く着弾した。
しかも今度は追い打ちを掛けるように、更に「暴君電撃」が連射してきて、連続で浴びてしまったゴモラは体が痺れて大地に倒れてしまった。
ヴォオオォォォ……!!
「敵が見えなければ、攻撃のしようがないわ…!」
一方的に攻撃を食らって倒れるゴモラを目にして、遠くから見ていたハルナがそう呟く。
ゴモラは地球怪獣の中でも指折りの強さを秘めた怪獣だが、ネロンガのような特殊な能力を有している訳ではなく、ほとんどが純粋なフィジカルによる強さのみ。
どんなに優れた戦闘力を持っていたとしても、敵の姿を捕らえなければ攻撃を与える事は出来ず、無駄に体力を削られていくだけである。
カァアアアオォンッ!!!ピキュウゥゥオオォォン!!!
クキュウアアァァァオン!!!キュリリリッ!!
――とその時、上空で空中戦を繰り広げているリトラとガゾートの戦いに、動きがあった。
マッハ7で飛ぶガゾートのスピードに対して、最速でマッハ2の飛行速度のリトラは小回りの良さで対抗していると、ガゾートが口から吐く青色の電撃球「プラズマ光弾」でリトラを狙い撃ちしようと発射したところ、それが外れて下に居るゴモラの近くに着弾した。
着弾した箇所は、爆発の影響で爆煙や砂埃が舞うとなんと、舞った砂埃が何も無い場所で停止して、姿を消したネロンガの輪郭が薄っすらと浮かんできた。
どうやら今の砂埃がネロンガに付着したようで、それを見たレイは咄嗟にリトラに指示を飛ばす。
「……そうだ!!リトラ、
ピキュウゥゥオオォォン!!!
それを聞いたリトラはすぐに行動を開始して、空中をグルリと一回転すると今度は翼を折り畳みながら地面に向かって急降下し始めた。
キュリリリッ!!キュアアァァァオン!!!
当然リトラを追ってガゾートもスピードを上げながら真っ逆さまに急降下しつつ、口から連続で「プラズマ光弾」を撃ち出す。
後ろから危機を察知して、ガゾートが発射した青い光弾を当たる直前のところでリトラは避けると、光弾は再び大地に着弾して爆発した。
幾つもの光弾がどんどん地面で爆発を起こすと砂塵と砂埃が勢い良く舞い上がって、それが再び落下していくとネロンガの体に付着して、埃まみれになってネロンガの姿が見えるようになった。
グガギャアアアアアァァァン!!!!
姿が消えなくなってしまった事に腹を立てたネロンガは、その原因を作ったガゾートとリトラに向けて「暴君電撃」を発射する。
すかさずリトラは電撃に当たる寸前のところで避けて回避したが、リトラを追っていたガゾートは反応するのが遅くなって対処に間に合わず、見事に電撃が直撃した。
ギュアアアアァァァンッ!?!?
不意で電撃を受けたガゾートは大ダメージを負い、推進力を失うとそのまま真っ逆さまに落ちていく。
真下にはゴモラが立っており、このままでは落ちてくるガゾートに巻き込まれて下敷きにされてしまうだろう。
キシャアァァヴォオオオオォォォォォォンッ!!!!
しかしゴモラは下敷きになりそうな直前で一歩引いて下がると体をグルっと回転して、撓る鞭のような長い尻尾をガゾートを叩き込んだ。
その凄まじい一撃にガゾートは吹っ飛ばされてると、なんと砂埃まみれになって姿が消えなくなったネロンガの方へとぶつかった。
グガギャアアアアアァァァン……!!!?
ギュアアアアァァァン……!!?
体重が4万tのネロンガと、5万tのガゾートが激突した衝撃はかなり凄まじく、発生した空気の震えがレイやハルナに伝わってくる。
この一撃でネロンガとガゾートはグロッキー状態になり、まともに動けなくなった事でチャンスが生まれる。
「今だゴモラ!!超振動波だ!!!」
キシャアァァグオオオオォォォォォォンッ!!!!
この隙を逃すまいとレイを飛ばして、それを聞いたゴモラは三日月の角にありったけのパワーを充填させると、鼻先の角に伝達して「超振動波」をビーム状に撃ち出した。
赤い炎のような振動波は、一直線に飛んでガゾートとネロンガを2体とも巻き込んで直撃。
強力な振動が何度も全身に伝わり、やがて肉体が耐え切れなくなるとネロンガとガゾートは2体とも大爆発を起こして、粉々に粉砕される。
すると、ネロンガが爆散した所からオーロラの光が溢れて、上空に飛んでいく。
天高く昇ったオーロラはやがて空に溶け込み、あっという間に消えていった。
「…あのオーロラは、ネロンガが放った光……」
それを見てハルナは、オーロラの発生原がネロンガだった事を知る。
そうなれば昨日の夕方からネロンガは、事件が起きるその時までずっとペンドラゴンの電気を狙おうと近くに潜んでいたのだろう。
「………」
その次にハルナは、レイの方へと視線を向ける。
丁度ゴモラとリトラを回収している彼は、散々疑われた上にバトルナイザーを持っていない状況でも危険を知らせ、助けようと行動した。
今まで怪獣を操れるという事実が先行して、本当の事を見ていなかった。
ボスの言う通り今は彼や、もう1人の怪獣使いのプラトの事を信じても良いかもしれない――そう思ったハルナはレイと合流すると、当初の目的通りバッテリーを探すのだった。
ネロンガ
別名:透明怪獣
身長:45m
体重:4万t
出身地:伊豆・伊和見山
能力:電気吸引、透明化
必殺技:インビンシブルアタック、インビンシブルテールアタック、暴君電撃
電気を餌にする透明怪獣で、「ウルトラマン」に登場した初代の個体は嘗て江戸時代にも出現した記録があり、その時は「
普段は透明な身体をしており、その姿を全く見る事が出来ないが、鼻先の角から電気を吸引する際に透明化が解けて姿を現してしまう。
後頭部に有るクワガタの顎のような触角2本と、鼻先の角を合わせる事でスパークさせたエネルギーを10万ボルトの電撃に変えて放つ「暴君電撃」(又はスパーク光線)という技を使えるが、初代の放つものは然程強力ではなかった。
つまり、最大1000万ボルトの電撃を放つあの有名な電気ネズミポケモンの方が実力が上である。
「ネロンガ、10万ボルトだ!!!」
尚、以降の作品では威力が大幅に向上しており、大怪獣バトルではグドンを一撃で倒している。
ガゾート
「…トモダチハ、ゴチソウ。トモダチハ、ガゾートノタベモノ!」
別名:変形怪獣
身長:59m
体重:5万t
飛行速度:マッハ7(推定)
出身地:電離層
武器:噛み付き攻撃、鎌のようなヒレ状の手、口から吐く青色の電撃球「プラズマ光弾」
電離層に生息する生物「クリッター」が人類が発生させた電磁波やマイクロ波の影響を受け、群れごと融合・変異して誕生した巨大怪獣であり、雲と共に飛来して人間を捕食する。
元が空中に棲息していた生物だからか飛行能力も有しており、スカイタイプのティガに匹敵する飛行速度で空中を飛翔する。
人間とコミュニケーションを取れるほどに知能も高く、『ウルトラマンティガ』に登場するホリイ隊員が翻訳機のサウンドトランスレーターで対話に成功する。
……が、クリッターの生態は食料の乏しい電離層で共食いをする生物故に決して相容れず、この時の「"トモダチ"はガゾートの食べ物」という名言を聞いたホリイ隊員の顔は必見。
次回の後半パート2において、オリジナル要素としてハルナ副長の深掘りエピソードを少しだけ作り、そこでハルナのあのキツい性格や、自分より能力が劣る人間には従わない理由付けを独自に語ろうと思う予定です。
ただそれも割と在り来りなモノになりそうだし、深掘りエピソードとしては薄味かもしれませんが……。