最近、特に8月中は本当に暑くて執筆活動をする気になれず、ほとんど休んでばっかりでした(それでもポケモンとドラゴンボールのゲームは止められない)
私の家は「電気代が勿体ない」という理由で夜はエアコンを付けておらず、いつも30度超えの自室で寝る事を余儀なくされるので、朝が熱中症っぽくて体がしんどい時が屡々あります。
故に読者の皆様はお金の問題よりも、どうか自身の命と体調を最優先してエアコンを付けて、快適な場所で体を休める事を強く推奨します。
さて、今回の話は原作第1話の前半のパート2になりますが、内容は原作とほとんど同じでございます。
ようやく原作に突入した…。
どくろ怪獣 レッドキング
地底怪獣 テレスドン
岩石怪獣 サドラ
登場
宇宙船スペースペンドラゴン 機関部
船の心臓部とも言える薄暗いその部屋では、整備士のクマノが船長のヒュウガと話しながら、現在のペンドラゴンの状態を調べていた。
「クマノ、被害状況はどうだ?」
「それが…あの干渉エネルギーと不時着時の衝撃で、ペンドラゴンはかなり重傷です。メイン及び補助エンジンはどちらも破損、エネルギーコアも深刻なダメージを負っています…。宇宙どころか、空に飛び上がる事もできませんよ…」
案の定、現状は芳しくなく、エンジン周りや動力源に深刻なダメージが入っていて、宇宙空間どころか惑星の大気圏内を飛行する事もままならなかった。
おまけに不時着の衝撃で、交換用の精密な部品も幾つか破損しており、修理しようにも上手く出来そうにないのもある。
「修理自体は可能なのか?」
「…不時着の衝撃で予備の部品も幾つか使い物にならなくなっていて、厳しい状態ですが…とにかくやるしかないですよ」
だが、例え厳しい状況だろうと、クマノはペンドラゴンを最善の状態まで修理する気でいる。
本来ここまで損傷していると、通常の整備士1人だけでは到底無理なのでZAP本部で大規模な修理が必要なのだが、それをほとんど補えてしまうのがクマノだ。
故に出来る限り事は尽くそうと、工具を手にして早速修理作業に取り掛かり始める。
「――あっ、それと『ドラゴンスピーダー』に関しては幸いにもα機、β機共に無傷です。何時でも発進できるように調整してあります」
「そうか…そのまま修理を続けてくれ。頼んだぞ、魔法使い!」
「了解!」
最後にクマノの肩を1回叩いて喝入れしてやると、ヒュウガは機関部から退室する。
機関部から出てブリッジへと上がってくると、そこではオキとハルナがZAP地球本部へ救難信号を発信している所だった。
そこへ船長のヒュウガが上がってきた事に気づいて、2人は立ち上がって並ぶと現状を報告する。
「ボス、先ほど救難信号を発信しました。地球には数日で届く筈です」
「ただ、救援隊の到着となると、惑星ボリスと地球との距離から逆算して――」
「更に約1ヶ月は先になるな…」
「えぇ、辺境の惑星ですからね…」
地球から最も離れた惑星故に、救難信号を送信してもすぐに救助が来る事が出来ないといった都合上を考えると、輸送任務の途中だったペンドラゴンに調査を依頼した本部の決断も頷けるだろう。
ペンドラゴンは飛行不可、救援隊もすぐには来れない中、現在クルー達がすべき事は自ずと分かってくる。
「…とにかく、救難隊が到着するまでの間でも当初の目的通り、俺達だけでこの星を調査してみよう。此処から一番近いコロニーは何処だ?」
「地図を確認して、現在ペンドラゴンは首都ベラルゴシティからはかなり遠く離れていますが、此処から一番近い所で『第27採掘基地』があります」
「しかし、先ほどからオキが交信を試みてはいますが、官制センター同様に何の応答もありません…」
「よし、ペンドラゴンはクマノに任せて、我々3人は早速その第27採掘基地へと向かってみるか」
「「了解!」」
こうしてヒュウガ達は、本来の目的の任務である「惑星ボリスの現状把握と調査」をすべく、現地点から一番近い所に位置する「第27採掘基地」へと向かう事にした。
外での任務にあたって、常時着用している青とグレーの配色をした「ZAPスーツ」の上から、耐熱・耐寒性に優れて過酷な環境下で任務に当たる際に着る「ZAPジャケット」を羽織り、通信機が内蔵された強化ヘルメットの「ZAPメット」を頭に被る。
通信・センサー・ビデオカメラ機能が備わった「リサーチシーバー」を装備し、更にヒュウガが緊急時の護身用として、パスワード付きのロックがかけられた保管庫から「トライガンナー」を持ち出してきた。
訓練されているとはいえ、銃なんて携帯する事が始めてなので戸惑うハルナとオキだが、万が一の事も考えてこれもホルダーに仕舞う。
装備を整えたヒュウガ、ハルナ、オキの3人は、ペンドラゴンに搭載されている機動性の高い複座式の万能小型機「ドラゴンスピーダー」へと乗り込む。
スピーダーは2機存在し、船首部の「ドラゴンスピーダーα」にはヒュウガが乗り、機体上部の尾翼部の「ドラゴンスピーダーβ」にはハルナのオキが乗って、モニターに発進準備完了のサインが入ると早速発進させた。
「ドラゴンスピーダーα、TAKE OFF」
「ドラゴンスピーダーβ、TAKE OFF」
ペンドラゴンからロックが解除された2機が浮かび上がり、折り畳まれた翼が展開されると、ドラゴンスピーダーは一瞬で加速して第27採掘基地へと飛行していった。
一切の光も射さない真っ暗な闇の中、全身は氷海に浸かっているかのようで、凍え死ぬほどに冷たい。
いや、最早「寒い」や「冷たい」を通り越して、「痛い」とも感じるくらいだった。
その上呼吸も出来ず、このままでは確実に死ぬだろう。
一刻も早くこの空間から脱出すべく、あの巨大な怪獣を操る者と出会う前に手に入れた「レーザー銃」を取り出し、ひたすら引き金を引いて目の前を撃ちまくった。
ペンドラゴンから飛び立って約数分後、スピーダーの優れた機動力もあって3人は早くも「第27採掘基地」へと到着した。
しかし其処は、まるで大地震の後のみたいな光景が広がっていて、近未来的建造物が複数建ち並ぶ基地はほとんど壊れて廃墟同然となっていた。
あまりに悲惨な光景に、もう生存者の存在は絶望的と考えるのが当然だが、念の為3人はスピーダーを着陸させて降りると、手分けして探索し始める。
「リサーチシーバー」のセンサーを作動させながら、基地の中や周囲をくまなく見て周り、一度調べた所も更にもう一回探索してみる。
それでも、本来なら100名以上は居たであろうその基地には、生存者どころか、1人の遺体すらも発見出来なかった。
「半径100m以内に、人間の生命反応が1つも存在しないわ…」
「基地の中も、誰一人としていないどころか、御遺体すらも発見出来ません…」
「一体…此処で何があったっていうの…?」
「う〜ん…僕の専門は生物学なので何とも言えませんが、もしかしたらボリスは惑星規模の大地震に見舞われたのかもしれません。そうでないと、これだけ基地が崩壊している事の説明が出来ませんので…」
「だとしても、誰も居ないなんておかしいわ。それにペンドラゴンを襲った干渉エネルギー……アレも何か関係があるのかしら…」
「さぁ…どうなんでしょう…?」
通信しても応答が無く、謎の干渉エネルギー、破壊された基地、そしてこの星に居た筈の人間達の失踪―――どれも今まで経験した事のない事態で、謎が謎を呼んで更に分からなくなるばかり。
結局の所、付近を調査しても何も分からずじまいになってしまい、仕方なくハルナとオキは別行動していたヒュウガと合流した。
「ボス!」
「そっちはどうだった?」
「いいえ、此方も誰も居ませんでした…」
「そうか…こっちも誰も見つからなかった…」
残念ながらヒュウガも生存者を見つけられず、手掛かりになりそうなものも発見出来なかった。
この星で何が起きたのか、何故こんな事が起きたのか、此等の原因は何なのか、そして人々は何処へ消えたのか――。
何も分からない中、それは起きた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ガアアァァオォン…!!
突然、大地が大きく揺れだし、それと共に何か巨大な獣のような鳴き声が轟く。
「今の聞いたか!?」
「はい!何か獣が吠えたかのような…!」
「ま、待って下さい!あの咆哮は確か…聞き覚えがあります!」
「本当か!?」
「はい。確かあの特徴的なのは……まさか――!!」
巨大生物に詳しいオキは、聞こえてきた咆哮から既にとある存在が頭に浮かぶ。
だが、本来なら有り得ない筈だと一瞬だけ否定しそうになった。
何故なら聞こえてきたそれは、地球ではもう絶滅した者達の鳴き声で、遠く離れた惑星ボリスには存在しない筈だからだ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!
また地面が揺れ出す。
しかも今度はより大きく揺れて、まるで下から何かが上がって来るような感覚がした。
その激しい揺れが続いて、近くで大地が裂けて亀裂が発生し、遂に先ほどの鳴き声の正体が現れた。
グオオオォォォォォン!!!ガアアアァァァオオオォォォォンッ!!!!
地面から顔を出したのは、猫背で茶色い体表をした典型的な怪獣のフォルムをしていて、しっかりした四肢と尖った嘴を有し、背中に尻尾側を向いて1本生えている棘が特徴な怪獣―――地底怪獣「テレスドン」
「て、テレスドン!?地底怪獣テレスドンです!!!」
地上に出現したテレスドンの存在に、信じられないと驚きながらも、大興奮し出すオキ。
何せ彼等の故郷の地球では、紆余曲折ありながらも怪獣は約50ほど前に地球上から絶滅した事になっており、化石や剥製ぐらいしか人類と接する機会がない。
ところが己の視線の先には、本物の怪獣が生きて動いているのだから、怪獣マニアのオキからしたら、「リサーチシーバー」のビデオカメラ機能で映像に残しておきたいレベルのものだった。
しかし、現れたのはテレスドンだけではない。
グワアアァァァッ!!!グワアアアァァァァッ!!!!
テレスドンとは別の方向から全く違う鳴き声が聞こえてきたので、ヒュウガ達3人はそちらに向くと、何処からともなく両手が鋏になっている岩石怪獣の「サドラ」までもが出現。
「今度は、岩石怪獣のサドラです!!!」
すぐに名前を言い当てたオキは大興奮しながら、こちらも映像に残すべくリサーチシーバーのカメラモードで撮影する。
グオオオォォォォォン!!!ガアアアァァァオオオォォォォンッ!!!!
グワアアァァァッ!!!グワアアアァァァァッ!!!!
オキの興奮が止まない中、テレスドンとサドラは彼等の存在など気にせず互いに向かい合って威嚇し、取っ組み合いを開始した。
重量級の突進をもろともせず、サドラは鋏でテレスドンを挟みながら押し返すが、テレスドンは蹴り飛ばしてサドラを後退させ、再度体当たりで突撃するとサドラを背負落の要領で投げ落とす。
そこから更に追撃しようとするが、サドラが咄嗟に鋏でテレスドンの頭部を挟んだ事で怯んでしまい、その隙にサドラは起き上がって体勢を立て直す。
仕切り直した所でテレスドンとサドラは再びぶつかり、地響きが響き渡るその光景を見て、ヒュウガとハルナは戦慄し、オキは撮影する手が小刻みに震えるくらいに興奮していた。
「基地を破壊したのは、あの怪獣達なのか!!」
「おそらくそうでしょう!でも同時に、これは物凄い貴重な発見です!!既に絶滅した地球の怪獣が、まさかこんな所で出会えるなんて――!!」
「でもどうして!?宇宙生物が飛来したならともかく、この星はZAPが開拓するまでは、生物の住めない死の星だった筈…!」
キシィィバァオオオォォォォッ!!!!
「――っ!!もう1体もいます!!!」
3人が話をしている中、2体が戦っている戦場に第3の怪獣が乱入してきた。
人間の頭蓋骨によく似た小さな頭部と、トウモロコシを彷彿とさせる蛇腹状の体に、太く逞しい剛腕が特徴的で、黄ばんだクリーム色の体表をした、全身から力強さを感じさせる怪獣――どくろ怪獣「レッドキング」
非常に好戦的なパワー型でもある怪獣が、戦いの気配を察知して駆け足気味で現れた。
「どくろ怪獣レッドキングです!!地球怪獣の中でも、飛び抜けて凶暴な奴です!!!」
怪獣に詳しい者ならば誰もが知っているその存在の出現に、戦場は更に波乱を巻き起こす。
キシィィバァオオオォォォォッ!!!!
ガアアアァァァオオオォォォォンッ!!!!
グワアアアアァァァァァッ!!!!
レッドキングは早速テレスドンとサドラの戦いに割って入り、ヤクザキックでテレスドンを蹴飛ばした後、サドラに強烈な左ブローを叩き込んだ。
更にサドラを蹴り飛ばして、反撃してきたテレスドンにはその剛腕で捕まえると担ぎ、12万tの体を頭上から思いっ切り大地にぶつけた上で、追撃で何度も踏んづける。
筋肉ダルマとも言えるレッドキングの連続攻撃を前に、重量級のテレスドンは成す術無く痛みつけられてしまい、最後は乱暴に投げ捨てられると、今度はサドラに標的を移される。
キシィバァオオォォッ!!!!
グワアアアアァァァァァッ!!!!
向かってきたサドラを体当たりで押し返して、必殺の「怪力パンチ」で殴った後に頭部を掴んで膝蹴りをブチかますレッドキング。
サドラも自慢の鋏で攻撃しようと試みるが、レッドキングの猛攻の前に反撃が許されず、凄まじいラッシュで一方的に蹴られ、殴られてしまい、ダメージが蓄積されていく。
その後トドメと言わんばかりにレッドキングは、サドラの首をヘッドロックの要領で締め上げた。
息が出来ずサドラは苦しんで抵抗するが、どんなに足掻いてもレッドキングのパワーの前には無力であり、寧ろ藻掻くほど強く首を締めつけられる。
キュアァ…アァァ……
やがてサドラは限界を迎え、口から泡を吹き、力無く両手がだらんと垂れると動かなくなった。
沈黙したサドラの死体を殴り飛ばし、ゴリラのドラムのように胸を叩きながら、レッドキングは勝利の喜びを全身で表して雄叫びを上げる。
キシャアオォッ!!!キシィィバァオオオォォォォッ!!!!
「凄い!!凄いぞ!!!レッドキングが勝ったーー!!!!」
2体の怪獣をまとめて相手にしながらも圧倒し、僅か数分でサドラを倒したレッドキングの勇姿と、生で怪獣同士のバトルを観れた事にオキの興奮は最高潮に達して大声で喜ぶ。
キシャア…ガルル?
「「っ!!!」」
「あっ…」
だがそれが仇となってしまい、今まで戦闘に夢中だったレッドキングの耳にも届いて、3人の方へと振り向いた。
レッドキングと目が合った事で、ヒュウガとハルナは即座にホルダーから「トライガンナー」を取り出して構え、オキは自分がやらかした事に気づいて興奮が一気に止んで固まる。
キシィバァオオォォッ!!!
次の相手を見つけたレッドキングはひと吠えすると、近くにあった直径約5m以上の大岩を3人に向けて蹴り飛ばした。
大岩は放物線を描きながらレッドキングの身長以上に上がると、そのままヒュウガ達の所へと落下してきた。
「避けろぉ!!!!」
「オキ、横に飛んで!!!!」
「う、うわああああああっ!!!!」
咄嗟に3人はそれぞれ左右横に飛んで避けたので、大岩の下敷きになる事態を回避する事が出来たが、その際に体を地面に打ち付けてしまう。
多少なりとも痛みを受けてしまったが、幸いにも「ZAPジャケット」を着ていたから怪我を負わずに済んだものの、まだ安心出来ない。
避けられたレッドキングは大岩の次に、この基地で使われていた大型作業車を見つけて、今度もその剛腕で掴んで持ち上げる。
またしても彼等に向けて投げ飛ばそうとしたが、その前にヒュウガは他2人に指示をする。
「あの作業車を狙え!!!」
起き上がった3人はすぐにトライガンナーを構えて、レッドキングの持つ作業車に向けると、引き金を引いて銃口からエネルギー弾が連続発射された。
連射で撃ち出されたエネルギー弾は作業車に当たり、その内の1つが燃料タンクに命中して大爆発を起こした。
バァオォアアアァァァッ!?!?
持っていた物が突然爆発した事に驚き、そして発生した熱でコミカルに慌てふためくレッドキング。
すぐに治まり、これが原因でレッドキングの怒りを買ってしまい、地響きを立てながら3人に向かって迫って来る。
ヒュウガとハルナは体勢を立て直して構え、オキも撮影しながら銃口を頭部に向けると、次のヒュウガの合図で一斉に引き金を引いた。
「撃て!!!」
レッドキングの頭部を集中的に向けて、3人はトライガンナーのエネルギー弾を一斉に連続発射した。
当たった瞬間にレッドキングの表皮に火花が散るが、数十mを超える怪獣からしてみれば、護身用の銃の威力なんて豆鉄砲以下でしかなく、僅かなダメージどころか怯みすらもしない。
それでも大股で接近してくるレッドキングの動きを少しでも止めるべく、3人は続けてトライガンナーで撃ちまくるのだが、やはり止められない。
ヒュウガ達がどんどんジリ貧で追い詰められていく中、ここで思わぬ事が起きる。
ガアアアァァァオオオォォォォンッ!!!!
キシィィバァオオオォォォォッ!!!?
先ほどやられたテレスドンが立ち上がり、先ほど痛めつけられた仕返しに横から突進してレッドキングを吹っ飛ばしたのだ。
更にテレスドンはレッドキングの尻尾を掴んで投げ飛ばそうと引っ張るが、逆にレッドキングはその力強い尻尾でテレスドンを転倒させる。
テレスドンが倒れた所に、レッドキングはボディプレスで押し潰すした後、顔面をタコ殴りし始めた。
とはいえ、再び怪獣同士のバトルが勃発したおかげで、これでレッドキングの注意はテレスドンに向けられ、ヒュウガ達は逃げるチャンスが訪れた。
「しめた!!今のうちに逃げるぞ!!!」
「了解!!」
「ほらオキ!!何時までも撮ってないで、早く逃げるんだ!!!」
「うわわっ!!りょ、了解!!」
すぐに行動するハルナと、懲りずに撮影を続けてるオキの首根っこ掴んで引っ張るヒュウガは、なるべく怪獣達から離れて逃げ出した。
そして一定の距離まで離れると、3人は警戒しつつ岩陰に身を潜める。
向こうの離れた場所では、今だにテレスドンとレッドキングが互角の戦いが続いており、2体は完全に戦闘に夢中となっている。
一先ず自分達が狙われる危機を回避出来たので、少しだけ安心したヒュウガ達だがその時、オキがまた騒ぎ出した。
「ペギラだ!!」
「…ん?」
「うわぁ~!!冷凍怪獣ペギラですよ!!コイツも動いている所をひと目見たかったな〜!」
オキの声がした方へと視線を向けると、そこにはワイバーン型の怪獣――冷凍怪獣「ペギラ」が居た。
しかし、ペギラは既に死んでいるのか横たわっていて、しかも冷凍怪獣で有りながら自分自身が氷で覆われてしまっていた。
「この状態…他の怪獣にやられて、攻撃用の冷凍液が体外に流れ出して、死後に自分で自分を凍結させてしまったって訳か…」
倒れたペギラを撮影しながらまじまじと観察していたオキは、冷凍怪獣なのに何故凍らされている状態なのかを推測し、結論を出す。
ヒュウガとハルナも目の前に怪獣が居て一瞬驚いたものの、もう動かなくなっていると分かってホッと胸を撫で下ろした。
だがその時、ペギラの死体の腹部が赤く発光しだし、その部分だけ氷が溶け始める。
一同は何が起きるか分からないので警戒するが、ここでセンサーモードのままにしていたハルナのリサーチシーバーが、突然反応しだした。
「ボス、人間の生命反応を確認!しかも2人分!!」
「何だと!?」
「嘘!!?」
彼女の言葉に、驚愕するヒュウガとオキ。
どうして死んだ怪獣の腹の中から人間の反応がするのか謎だし、センサーの誤反応だと疑いたいが、リサーチシーバーは壊れていなく、確かに人間2人分の反応をペギラの体内から示していた。
「うおおぉぉあああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
すると、氷が溶け出した部分から赤い光が徐々に漏れ出して、やがて弾けるとペギラの表皮を突き破って中から人影が出てきた。
その正体は紛れもなく人間の青年で、身体中が傷と凍傷で酷く衰弱してはいるが、手に持っていたレーザー銃を使って何とか脱出したらしい。
だが、今ので体力や気力を使い果たしたのか、ペギラの中から出た若い青年は足下から崩れて、うつ伏せに倒れて気絶してしまった。
そして、ペギラの中からもう1人出てくる。
「…ぐっ……はぁ…はぁ………」
先に出てきた青年に続いて、もう1人青年がペギラの中から這い出て来たのだ。
彼も全身に酷い凍傷を負っていて、体力を奪われながらも最後の力を振り絞って脱出した後に、謎の青年のとなりで仰向けに倒れて、気を失ってしまった。
其処へ、辛うじて生還した2人に駆け足で近づく、ヒュウガ達3人。
「おい!!大丈夫か!?おいぃ!!!」
「大丈夫ですか!?しっかりして下さい!!」
「2人とも大丈夫ですか!?えっ〜とこの時は……ボス、とにかく応急処置をしましょう!スピーダーから医療キッドを持って来ます!!」
「待てオキ!近くに怪獣が居る此処では、応急処置はかえって危険だ!今回は至急彼等2人をペンドラゴンまで運び、其処で治療を行うぞ!」
「「了解!」」
一刻も早く青年2人を治療すべく、3人はスピーダーまで彼等を運び出す。
本来重症者を無闇に動かすのは危険な行為なのだが、直ぐ側で怪獣達が争っているこの状況では、寧ろこの場に居る方が危ないと判断した。
因みにスピーダーの定員数は1機につき2名までで、2機だと合計4名と普通に考えれば定員オーバーなのだが、こうゆう時を想定して貨物入れの部分は人間が横になって入れるほど広く、中には担架も入っている。
何とか2人をスピーダーまで運び出して、それぞれのスピーダーに入ってある担架に乗せて荷台部分に固定させると、すぐに操縦席に乗り込んで飛び立ち第27採掘基地を後にした。
キシィバァオオォォッ!!!
だがその際、レッドキングがペンドラゴンに向かって飛び去ったスピーダーを見ていた事には、誰も気づいてなかった。
レッドキング
別名:どくろ怪獣
身長:45m
体重:2万t
出身地:多々良島
必殺技:怪力パンチ、岩石投げ、爆発岩石弾、アースクラッシャー、ヴォルガニックインパクト
『ウルトラマン』及びウルトラシリーズにおいてトップクラスの人気と知名度を持ち、他作品への客演回数の多いシリーズの大看板的な怪獣。
短気且つ喧嘩っ早い乱暴者な怪獣の王様で、大小問わずどんな相手にも一切容赦しない残虐性を持ちながらも、コミカルで愛嬌のある仕草も見られる。
光線や念力、電撃、火炎と言った遠距離攻撃や特殊能力を一切持たず、自慢の肉体と怪力のみを駆使して戦うスタイル。
その反面知能は高くないのだが、物を掴んで投げたり、家族愛のある描写があったり、戦闘の時は頭のキレる個体も居たりと個体差はある。
『大怪獣バトルシリーズ』ではゴモラのライバルキャラとしての立ち位置にあり、圧倒的なパワーでラスボスすらも捻じ伏せる活躍を見せた。
テレスドン
別名:地底怪獣
身長:60m
体重:12万t
出身地:地底
必殺技:溶岩熱線(又は「デプス火炎」)、テレスドンドリル
ウルトラシリーズにおいて、トップクラスの人気を誇る代表格な地底怪獣。
初代ウルトラマンと比較して約3倍以上の質量を有する重量級怪獣で、分厚い外皮は鋼鉄の2000倍もの強度を持つ。
夜行性で光に弱いと思われるが、実際は光の急激な変化に弱いのであって、後の作品では昼間でも普通に出現したりする。
破壊を好む好戦的な性格で、武器は質量を利用したフィジカルと、口から吐く「溶岩熱線(又はデプス火炎)」である。
更に『ウルトラマンX』以降では地中掘削能力として、体をドリル回転させて突撃する技を披露しており、『ウルトラ怪獣モンスターファーム』では「テレスドンドリル(又はドリルくちばし)」という技名になっている。
●スピーダーの貨物入れの部分は人間が横になって入れる
これはオリジナル設定。
原作では生存者をどうやって運んでいるのか描写が無かったので、こうゆう形に致しました。
次回ですが、おそらく筋金入りの特撮ファンでさえ避けたくなるほどの、この世で最も嫌われている怪獣作品の怪獣が登場するかもしれません。
何の作品の怪獣なのか……それは次回までのお楽しみです(因みに私も流石に好きになれなかった…)。