ドリフターズに飛龍(艦これ)が出てきたら・・・というただそれだけのお話です。



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ドリフ第四巻が発売された記念に一つ。


ドリフターズに飛龍(艦これ)が登場するだけのお話

ドリフターズに飛龍(艦これ)が登場するだけのお話

 

 

 

照り付ける太陽。聞こえてくる波音。そして大小様々な船や人々がひしめき合う港。

 

ここはグ=ビンネン商業ギルドが治める港町の一つ

 

 

そしてそんな港町の一角に存在する館の一室に何名かの男女が向き合いながら座っている。

 

その中の軽薄そうな、しかしどこか憎めない笑顔をした青年が口を開いた。

「どうです提督。それのお味は?他にも根菜の漬物や大陸の魔術師たちが作っている“豆を腐らせた臭い粥っぽい何か”もありますけど」

 

彼の名はバイゼルマシン・シャイロック8世

“放蕩なれど出来息子”シャイロック紹介及びシャイロック銀行大番頭,グ=ビンネン連合水軍水帥

 

 

次に口を開いたのは鋭すぎる目つきをした男だ。

「西方より取り寄せた[コメ]に似た種です。その茶碗一杯分で商船一隻分の値がします」

 

この男はナイゼル・ブリガンテ

“頭を冷たくし、心はなお冷たくし”ブリガンテ商店主席手代,ブリガンテ銀行番頭,連合水軍軍監師

 

 

そんな彼らの目の前には問いに答えるかのように黙々と箸を進めている男がいた。

紺色の軍服を着た年頃壮年に入っているだろうと思われる男だ。

 

そんな男の名は山口多門

漂流者(ドリフターズ)”客員提督,大日本帝国海軍連合艦隊少将

 

そんな提督の様子に満足したのかシャイロックは隣の人物へと言葉をかけた。

「どうやら気に言ってもらえたようでなにより。そちらの方は…言うまでもなさそうですね」

言葉をかけられたのは山口提督の隣で同じように黙々と何かを食べている少女だ。

 

橙色の着物と緑の袴姿をしたショートヘアの女性。若く、そして美しいな娘だ。

 

漂流者(ドリフターズ)”大日本帝国所属,飛龍型航空母艦一番艦飛龍

航空母艦というが見た目は凛とした少女にしか見えない。

 

だが彼女のは歴とした人外のものであった。

 

「鉄と鉄礬土が食べたいと言われた時にはなんの冗談かと思いましたが、いやはや本当に食べるのですね」

 

シャイロックは話しかけるがが少女は黙して語らず、ただ粛々と目の前に詰まれた鉄のインゴットと赤い石を食べ続けていた。

それも物凄い勢いで…

 

「商船一杯に詰めてきたはずだったのだが…」

表面上は変わらぬ鉄仮面ぶりだったが、心なしかナイゼルも驚いているように見える。

 

なにしろ目の前の少女は商船一隻に詰め込んできた鉄のインゴットとボーキサイトを文字通り喰らい尽くす勢いで食べていたからだ。

給仕の使用人は大人数で次から次へと鉄とボーキを運んできているが徐々にそれが遅くなっている。

人海戦術でも間に合わなくなってきていたのだ。

 

グ=ビンネンの幹部である二人は一体この少女のどこにそれだけの量が入るのだと内心驚愕していた。

 

 

この後、食事と幾つかの会話がなされ山口提督と飛龍は住まいに帰っていったがそれを見送ったグ=ビンネンの二人の脳裏には次に彼女が来る際はもっと大量の鉄とボーキを用意しておくべきかと考えを巡らせていた。

 

何故ならこの数十分足らずの会食で少女は商船一隻分の鉄とボーキを尽く喰いつくしたからである。

 

 

 

所変わって空母飛龍。

 

ここは山口提督と飛龍の住まいとなっている場所である。

 

「飛龍どうだ。多少は調子良くなったかぁ?」

 

「はい。おかげさまで以前よりも調子は良くなりました!船体も多少なりとも修復できました」

 

少女が言ったとおり最初は見るも無残な姿をさらしていた空母は今や何故か所々穴は塞がり、甲板は整いだしていた。

無論、まだまだ傷は多く全体的にはボロボロのままだったが。

 

「この調子でいけば順調に船体の修復も終わりそうです。艦載機の数も徐々に増えだしました」

 

そう言って少女はどこからともなく掌の上に小さな飛行機を出して見せた。

 

「ただやはり燃料と弾薬が補充できていない点と船体自体が岩礁に乗り上げてしまっているのはどうしようもありません…」

 

「そこらは仕方ない。弾薬や油はこの世界ではどうしようもないからなあ。それに自分の乗っている船が綺麗になっていくさまを見るのは船乗りとして嬉しいもんだ」

 

そう言いながら山口提督は飛龍へと微笑みかけた。

言われた本人はというと申し訳なさと嬉しさが混ざり合ったかのような笑顔を見せた。

 

「恐縮です多門ま・・・提督」

つい口が滑り少女は敬愛する上司のあだ名を言ってしまいそうになり訂正するが提督はそれを聞いて首を横に振った。

 

「多門丸で構わんよ。なにせこの場には俺らしかいない」

 

そう言いがらと彼は懐からタバコを出し吸い始めた。

 

「そう…帝国海軍は俺達だけになっちまったからなぁ…」

 

「提督……」

 

彼はどこか寂しそうに呟き、彼女はそれに悲しそうな横顔を見せるだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人物紹介

 

・山口多門(多門丸)

 

大日本帝国海軍少将。

 

航空隊員たちからは鬼教官として有名で「皆殺しの多門」などと言われた。

 

彼も相棒の飛龍に負けず劣らずの大食漢。

描写にはなかったが実は茶碗5杯分+諸々のおかずを食べてる。久しぶりの米だったゆえに仕方なし。

 

 

・飛龍(艦隊これくしょん)

 

ゲーム『艦隊これくしょん』に登場するキャラクター

 

改二になるとストライダー飛龍になる。

彼女も大食で知られる空母娘の一人。個人的に今回の会食ではあと同じ量を5回分くらい食べたかった模様。

久しぶりの鉄とボーキだったゆえに仕方なし。

 

 

 

 

・グ=ビンネン商業ギルド連合の幹部二人

 

原作じゃ飛龍の接収を企んでいたりする。

 

目がパッチリしている方がシャイロック,厳つい目つきの方がナイゼル

 

 

・給仕の皆さん

次に飛龍が来ても問題ないように作業員の更なる練成と効率的な給仕の研究を独自に始めている。

次は負けない!!!

 

 

 

 

 




次はいつ頃発売になるのだろうドリフターズは……


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