いつも陰キャと馬鹿にしてくる陽キャの恵麻に些細な事から裕太は復讐する。

 
 ※この小説はエブリスタとpixivにも掲載してます。

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仏頂面の陰キャ君と陽キャなギャルちゃん

 

 「ねぇ陰キャ!」

 

 「なんだパリピギャル」

 

 「別に。今日もボッチで可哀想だなって♪」

 

 「失せろ。このクソギャル、余計なお世話だ」

 

 キャハハと笑いながら少年を馬鹿にしていた少女は何処かへと移動した。

 高校入学直後から現在に至るまで北村裕太はクラスの隣人ガチャを外したと後悔していた。

 よりにも寄ってこんな陽キャで金髪イケイケのピアスまでしてるギャルが隣とは………悪寒が走る。

 裕太はファッションに興味が無い為、髪は坊主で仏頂面な顔をしてるのだが初日から早速この隣の席の女…もといパリピギャルの南恵麻に揶揄われてると言うわけだ。

 正味怠いのは言うまでもない。

 せめてもの救いは幼馴染みの西山彼方が前の席にいることぐらいである。

 彼と話す時間が唯一の安らぎだ。

 だが最近そんな彼方も雲行きが怪しい。

 

 「羨ましいなぁ。裕太は毎日あんな美人と話せてさ」

 

 ―――ビジン?。今南を美人と言ったのかこいつは?

 

 「お前の目と耳は節穴か彼方?。うざ絡みされて傍迷惑なだけだ」

 

 「チャンスじゃねーかよ。ナンパしちまえ!」

 

 「お前は倫理観や価値観が180度違う人間を口説く気になれるのか?。そもそも南は俺が嫌いな属性だ」

 

 「あぁ!頭がかてーな裕太はよ!俺だったら罵られたいよ!」

 

 「親友が変態になってしまった……」

 

 

 その日の午後それは起きた。

 

 五時限目、いつも陰キャ陰キャと五月蝿い恵麻がものすごく静かでチラチラとこちらを見ていた。

 あまりにも気になるので思わず裕太は「どうした?」と彼女に聞いてみた。

 

 「あの……教科書忘れちゃったの……だから陰キャの見せてくれない?」

 

 少し申し訳なさそうな様子で頼んでくる恵麻。

 見せてやろうと思ったがここで彼の悪戯心に火がついた。

 

 「はて?陰キャ?。このクラスにそんな名前の奴いたかな」

 

 「はぁ!?」

 

 思わず声を上げてしまう恵麻に対し教師が「どうかしたか?」と聞いてくるが「なんでもないです!」と恵麻は答えた。

 

 「何ふざけてるのよ!早く見せなさいよ!」

 

 「それが人に物を頼む態度か?。だからお前が言う陰キャって名前の人間に見せて貰えばいいだろうが」

 

 「こ、こいつぅ〜!」

 

 クククと裕太は心の中で笑う。

 この様子ではプライドが邪魔で絶対に頼めまいと裕太は見た。

 そもそもこんな奴大衆の前で恥でもかけば良いのだ。

 いい薬だろう。

 日頃の鬱憤がこんな形で晴らせるとは思わず高揚していると恵麻は涙目になりながらこちらを見つめていた。

 ………そして口を動かす。

 

 「……せてください」

 

 「なに…?」

 

 「グスッ……北村君の教科書を見せてください……」

 

 涙目で懇願する彼女の姿に少々罪悪感を覚えるがここで舐めた態度を見せてはならない。

 付け上がる要因になる。

 

 「最初からそうしろ。ほら」

 

 「……ありがとう」

 

 いつもの彼女からは考えられない素直さだ。

 

 ―――ま、どうせ五限目が終わったら元に戻るだろう。

 

 ところが裕太の予想はいい意味で外れる事となる。

 授業終了後彼女は「本当にありがとう」と言って大人しく過ごしていた。

 この件は放課後、帰宅する際彼方との話の種にした。

 

 「うわ。お前やり過ぎだぞ」

 

 「甘い。あれぐらいやらなきゃあぁ言う類の人間は理解しない」

 

 「まぁ。明日恵麻ちゃんの取り巻きみたいな奴等にボコされなきゃいいな」

 

 「そうなったらこっちも死ぬ気で戦うだけだ」

 

 「俺は幼馴染みだが裕太がたまに分からねぇよ……」

 

 そんな話しをしながら二人は帰宅した。

 翌日クラスに入った裕太を待ち受けていたのは恵麻の抱擁だった。

 

 「ダーリン♡」

 

 「は?」

 

 一瞬思考が止まる。

 

 ダーリンとはなんだ。

 

 「おい。離れろ。お前と付き合った覚えはない」

 

 「なに言ってるの!昨日私に愛のムチをくれたじゃない♡。裕太君に怒られて初めて理解したの私って馬鹿だなってだから私と付き合って!」

 

 「いや。意味が分からん」

 

 「ゆ〜う〜た〜く〜ん。これはどう言う事かな〜。なんでお前が恵麻ちゃんに下の名前で呼ばれて抱きしめられてるのかな〜」

 

 そこにはニコニコ笑いながら殺気MAXの表情を浮かべる彼方が……。

 

 「俺が知るかぁ!」

 

 「裕太君♡」 「裕太ぁ!」

 

 

 「なんなんだよ一体!」

 

 裕太の悲痛な叫びが響いたそうな。

 


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